とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

ムラサキシキブ

 ムラサキシキブ紫式部Callicarpa japonica)はシソ科ムラサキシキブ属の低木。6月ごろに控えめなうす紫色の花を付けるが、秋になると直径3mmほどの多数の球形の果実を付ける。その艶やかな紫色の美しい果実が、紫式部の名の由来であろう。山野に自生している個体もあるが、観賞用に庭で栽培されているものも多数見かける。

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阿蘇 高森の民家で見かけたムラサキシキブ

 その名の由来となった紫式部平安時代藤原道長の頃の女流作家。もっとも、この頃は女流作家という概念はほとんどなかったのではないかと思うが。残念なことに生没年は不詳。父親の転勤に伴って地方に引っ越したことや、ずいぶん年上の男性と結婚していたことなどが、彼女の生活史として知られている。

 小倉百人一首には彼女の歌が採用されている。

 「めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな」

 久しぶりにめぐり会った彼が、本当に彼かどうかも分からない間に帰ってしまったと、夜空の月が雲に隠れるのを例えて寂しさに嘆息する、少し控えめな恋歌かと思ったら、越前に赴任する父親について行って寂しい思いをしていたところ、久しぶりに再会した幼友達と積もる話もできずに帰られてしまった寂しさを詠んだ歌で、どうも恋愛絡みではないよう。紫式部らしくない。都会育ちの紫式部は、地方暮らしの寂しさには耐えかねたようで、1年ほどで京に帰ってしまっている。

 百人一首では、「め」で始まる札がこれのみであるので、覚えておくべき1枚。私は畳の上に並べられた札の中から、まず、くもがくれにし、を探すことにしている。

 紫式部の作品で最も有名なものはもちろん源氏物語道長の娘の彰子の家庭教師をしながら完成させた54帖からなる大部の小説。1008年頃に完成したとされている。

 1帖の桐壺の冒頭は、次のように始まる。

 いづれの御時にか、女御更衣あまた侍ひ給ひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれてときめき給うありけり。

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 源氏物語で思い出すのは、下関在住の小説家である田中慎弥。彼は何度も芥川賞の候補になりながらもなかなか受賞に至らず、ようやく2016年に受賞した。受賞会見の際に、「断ったりして気の弱い委員の方が倒れたりしたら、都政が混乱するので、都知事閣下と東京都民各位のために、もらっといてやる」と、気弱そうなルックスに似合わない、選考委員の石原慎太郎を挑発するような過激な発言を行ったのが、何度もテレビで放映されたので鮮明に記憶に残っている。

 彼は受賞の時期の前後に新聞に小文を載せていた。たしかこんな内容だった。これまで働きもせず何事も成していない自分であるが、電車に乗っていた時に、この車両には源氏物語を原文で2回も読んだ人間は自分だけだろうと思うと、自らの存在を確認することができたと。これ以来、源氏物語ときけば田中慎弥と連想するようになってしまった。

 そしてこれ以来、電車に乗るたびに、この車両で自分だけにできることは何だろうかと考えるが、田中慎弥のようにストンと腹に落ちてくるものはいまだに見つからない。

2020年10月25日 九州自然歩道 60日目 鹿児島県伊佐市大口笹野久七峠~伊佐市大口里 大口盆地には稲わらロールが似合う

 鹿児島県境を越えた最初の朝は6:00に目が覚めた。人吉と大口を結ぶ久七(きゅうしち)峠は、2004年に久七トンネルができたため、おそらく地域の人しか使わないのだろう。昨日から1台の車しか通行していない。道路の状態は良好なため、頗る快適である。本日の天気も晴れ。気持ちよく撤収を進め、7:06に行動を開始した。

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峠の朝

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こんな素敵な道を独り占め

 1kmほど下った道路脇に滝があった。ここで顔を洗い、歯磨きをした。修行僧のようだなと思いながら。ここまで千キロ以上歩いたが、ときには修行のようだったなと振り返る。

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滝で顔を洗う

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 2kmほど歩いたところで7:36に国道267号線と合流した。ちょうどここは久七トンネルの出口になっている。4kmにもわたるトンネルを歩くのも一興かと思ったが、このトンネルは歩道が狭い。もし通過する機会があったら、早朝の車の少ない時間にすべきかと思う。トンネルの中はものすごくうるさいからだ。

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久七トンネル 3945mある

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 国道267号線をまっすぐ伊佐市に向かって進む。だんだん日が差し込んできた。交通量はそれほど多くなく、5分に1台程度の車で、気持ちよく歩くことができる。しだいに家が見えてきて、道路脇にも鹿児島到着を迎えてくれる看板が現れてきた。

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 伊佐市の中心は大口盆地にあり、穀倉地帯として知られる。また、盆地は霧が多発するところでもある。今日も快晴の夜に放射冷却で冷やされた盆地の空気が霧となって流れ出してきた。幻想的な風景だ。もったいない。誰かにも見せてあげたい。

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 国道267号線を3kmほど進んだ木の氏(きのじ)の集落で8:23に右折して、牛尾集落への山道に入る。1.5kmほど進むと工場が現れてきた。大口電子と書いてある。半導体関連の工場のようだ。もともとこの地域には金山があったようで、それを標した石碑も残されていた。そういえば大口盆地の反対側には高品位の金が産出することで有名な菱刈金山があったなと思い出す。

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牛尾集落に向かって右折する

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大口電子の工場

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大口金山の石碑

 牛尾の集落を進むと、配給所前というバス停があった。戦時中の名残なのだろうか。四角い無愛想な建物が今でも残っている。この後、集落の中を何度か右折するが、その都度、曲がり角ごとにていねいに標識が設置してあり、迷うことはない。鹿児島県内に入ってから、九州自然歩道の標識がずいぶん親切になったような気がする。牛尾集落では牛舎や田園風景を楽しみながら歩を進めることができた。

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 9:35に十曽(じっそ)池に到着した。十曽池には公園やキャンプ村が併設しており、のんびり過ごせそうだ。公園の水道を使って、昨夜の夕食で使った食器を洗ってさっぱりした。

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 十曽池の公園ではコーヒーを淹れて1時間ほど小休止。ビスケットの朝食を摂って、心地よい朝の時間を過ごした。

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 10:30に行動を再開し、大口盆地の北の縁に沿って歩き始めた。途中でキャンプ場とブルーベリー農園を見つけた。

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シャロームキャンプ場

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 十曽池からは南西に伸びる道をまっすぐに進み、山野という大口盆地の北の外れの集落に着いた。ここには1988年まで水俣から栗野まで運行されていた国鉄山野線の駅の跡がある。たまたまだが、山野線には1987年の10月頃に栗野から大口まで乗車したことがある。なんとなく懐かしいような、寂しいような気持ちがした。鉄道がなくなった町は、火が消されたように元気がなくなってしまう。

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 国道268号線を横切り、十曽川にかかる大代橋を渡って大口渕辺の集落に進む。大きな圃場の向こうには黒園山が見える。田んぼの中の道を歩いていると、市長選の選挙カーが向こうからやってきて、窓を開けて「国勢調査か?」と聞かれた。まさか、今の世に太閤検地のように租税を決めるための田んぼの調査はしていないだろう。ひょっとしたら地籍調査のことをいいたかったのかもしれない。選挙カー氏は、福岡から歩いている途中というとしきりに感心してなかなか話が止まらない。まあ、不審者と思われるよりは良いことだと思いながら話しに付き合う。選挙カー氏からは、この先の鳥巣集落に、旧式発動機の収集で有名な人がいるから訪れるように勧められた。

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 それにしても淵辺の集落はのんびりしたところだ。圃場の各所に置かれた稲わらロールがよく似合う。集落には穀倉地帯によく見られる用水路が整備されている。

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 12:50に鳥巣の集落に到着した。しばらく発動機氏の家を探し、15分ほど歩いたところでようやくみつけた。ここでは30分ほど各種の発動機を見学させてもらい、大口の歴史などについて教えてもらった。昨日越えてきた久七峠は冬は降雪の多いところで、スキー場建設の計画もあったほどだという。昨夜は寒かったはずだ。

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レストアを済ませて大会に出展した発動機とのこと

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 発動機氏の家を辞した後、14:00ごろに伊佐市の中心地となる大口里に到着した。市内を見学した後、14:25に昼食のために台湾料理店に入り、ここで本日の行動終了とした。

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羽月川を渡って大口の中心地に向かう

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大口歴史民俗鉄道記念資料館

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昼食にはたっぷりの台湾料理

 その後は、16:00の南国交通バスに乗って、新水俣駅から博多に帰る予定だったが、バスの終点は新幹線の新水俣駅ではなく、その先にある肥薩おれんじ鉄道水俣駅だと知って、終点まで乗ることにした。水俣の町は初見。水俣といえば、と言ったら地元の人は気を悪くするかもしれないが、チッソを見ておきたかったからだ。ここまで来たら、ミナマタという名を世界に広めることになってしまったチッソ株式会社を見ないで帰るわけにはいかない。水俣は、やっぱり悲しく寂しい海の町だった。

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2020年10月25日 九州自然歩道 60日目 鹿児島県伊佐市大口笹野久七峠~伊佐市大口里 晴れ 気温22/3 距離24.4km 行動時間7:23 35418歩

復路交通:

南国交通バス 大口八坂神社前15:57-水俣駅前16:52/肥薩おれんじ鉄道 水俣17:48-新水俣17:53/九州新幹線つばめ338号18:04-博多19:20

2020年10月24日 九州自然歩道 59日目 熊本県人吉市人吉橋~鹿児島県伊佐市大口笹野久七峠

 週末の今日は5時前に目を覚まし、シャワーを浴びて福岡の家を出た。西新から6:08の地下鉄に乗り、博多駅から新幹線で新八代まで行き、そこから高速バス、市内循環バスと乗り継いで、9:00に人吉市の人吉橋から九州自然歩道のトレッキングを再開した。天候は晴れ。現在の気温は20℃で、歩くのには心地よい。

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人吉市の人吉橋バス停からトレッキング再開

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橋の向こうには人吉の温泉街が見える

 人吉橋からは、球磨川の南岸の集落の中を歩く。本年7月の水害の影響だと思われるが、いまだに玄関先まで泥が堆積した家があり、痛々しい。

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まずは球磨川河畔を下流に進む

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 9:47に鹿目(かのめ)川に沿って上流に向かう道に分岐する下戸越集落に到着した。正面には鏡山が見えてきた。鹿目川は球磨川の支流だが、豪雨の影響だろうか、道路にクラックが入ったところが何か所か現れる。それ以外は快適な舗装路を鹿児島との県境に向かって高度を上げていく。

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下戸越集落から支流を遡る

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ところどころ道路が傷んでいる

 10:30ごろに道路の整備をしている軽トラックのおじさんと挨拶を交わした。道路脇に散乱している倒木を片づけてくれている。鉾立山と久七峠を経由して大口に向かうと言うと、久七峠はトンネルが開通してからほとんど車が通っていないためかなり荒れているかもとの情報をもらった。

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 10:40ごろに鹿目集落の手前から川に向かって下りていき鹿目の滝を見物。ここは柱状の石の壁からかなりの量の水が落下してくる迫力のある滝。日本の滝100選になっているだけある。しばらく見とれていたら、上着はしっとり濡れてしまっていた。

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鹿目の滝は圧巻

 道路に戻り、しばらく上流に進むと、鹿目の滝を上から眺められるポイントがあった。ここも眺めが良い。その上流には白布滝が現れる。鹿目の滝には先ほど見た雄滝の他に雌滝もあるようだが、そちらへの道は崩落しているため行けないようだった。

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鹿目の滝を上から眺める

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白布滝も美しい

 鹿目集落を通過し、12:00に小さな橋を渡って鹿目林道から分かれて左に折れ、赤仁田集落への山道の急な坂道を上りはじめた。20分ほどで赤仁田集落に到着し、最後のポツンと一軒家を通過する。ここから先は非舗装路に入る。集落はグルリと鹿除けのネットで囲まれているため、これをくぐって山道を進み始めた。

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赤仁田集落を通過

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 集落から先はしばらく人が入っていないようで、かなり荒れていた。踏み跡はほとんどなく、ところどころに残された赤いテープを頼りに先に進む。

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赤仁田から先は荒れた山道がしばらく続く

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 13:00に赤仁田集落から2kmほど進んだところで標高700mほどの稜線に到達し、そこに設置してあるベンチでおにぎりとラーメンの昼食とした。

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 30分ほどかけて昼食を摂り、行動再開。しばらくはほどほどに枝を払った痕跡のある山道を進み、14:00に鉾立林道に出た。林道をしばらく進むと、鉾立山山頂への登り口らしきところがかすかに見えたため、そこからとりつき、10分ほどで鉾立山山頂(752m)に到着した。残念ながらこの山頂は眺望はなし。

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山道から林道に出た

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 山頂からはかなり古い木道があり、下り始めて15分ほどで再び鉾立林道に出た。しばらくは快適な林道を歩き、15:21に舗装路と合流し、ほどなく田野の集落が見えてきた。

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ふたたび鉾立林道に

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 田野は熊本県と鹿児島県との境界の山間の高原で、牧草地と水田がひろがるのどかな田園。開拓された当初は獣害がひどかったため、田野観音は獣害を鎮めるための祈願に建てられたとのこと。

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田野集落

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田野観音

 15:52に田野集落の外れにある小学校の跡地に到着。学校跡地前には自販機があった。ここで喉を潤し、峠越えに備える。

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峠に向かう道

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 田野集落を出てしばらくすると、1車線だった道路は二車線になった。勾配はそれほどでもなく、スギの植林の中をのんびりと歩き、16:30に熊本県と鹿児島県との県境となる久七(きゅうしち)峠を通過した。峠の標高は732mで、山はそろそろ暗くなってきたため涼しくなってきた。

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峠が近づく

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県境に置かれた境石

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実際の久七峠は鹿児島県内に600mほど入ったところ

 分水嶺を越えてしばらく進むと、谷底に川が流れているのが見えてきた。地図を見ると元古屋の集落となる。小川に沿って芝で縁取られたきれいな池がいくつも並んでいるのが見えた。養魚場のようだ。確認したかったが立ち入り禁止の札が立てかけてあるため池の正体は確認できないままだった。

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きれいな池が並んでいる

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県境ではスギの収穫も行われていた

 17:30に鹿児島県境を越えて3kmほど進んだところで、大口方面から自転車で登ってきた人と挨拶を交わす。ちょうど大口盆地が見え始めたところで、自転車の方も夕暮れの景色を写真に撮っているところだった。

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はるか下に大口盆地が見えてきた

 18:00に道路脇にスペースを見つけて行動終了とした。野営準備をしていると、先ほどの自転車の方が降りてきて、今朝の大口市内は3℃まで下がったから気をつけてと声をかけていってくれた。

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 寒くなってきた。温かいものを食べようと、まずはお湯を沸かしてパスタを茹で始めた。

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2020年10月24日 九州自然歩道 59日目 熊本県人吉市人吉橋~鹿児島県伊佐市大口笹野久七峠 晴れ 気温22/3 距離25.2km 行動時間9:00 43957歩

2020年10月18日 九州自然歩道 58日目 熊本県球磨郡多良木町ブルートレインたらぎ~人吉市人吉橋

 昨夜はブルートレインに宿泊した。最後にブルートレインに乗車したのはいつだったろうか。2000年ぐらいが最後だったかもしれない。富士か、さくらか、それとも、はやぶさか。最後に乗車したときには一人用の個室のSOLOだった記憶がある。昨夜も一人用の個室で寝た。懐かしかった。ふたたび多良木に来る機会があったら、もう一度泊まってみたい。

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懐かしい!ブルートレイン 泊まれて良かった! 設備の老朽化とメインテナンスの難しさを考えると10年後に泊まるのは困難かも

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多良木駅前の石蔵 こんな石蔵が球磨川流域では各所に見られる

 今朝は6:00に起床して、近くのコンビニでサンドイッチとコーヒーを購入して、ブルートレインの共有スペースで朝食を摂った。宿泊客のほとんどはバイクで来ており、徒歩は私のみ。管理人さん曰く、いつもは肥薩線くま川鉄道を利用した宿泊客も半数ぐらいを占めるそうだが、運休中の現在はそれは望めない。

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 ブルートレインとの別れを惜しんで、8:06にゆっくりと行動を開始した。まずは多良木駅前から、昨夕、九州自然歩道を離脱した里城(さとんじょう)に向かう。今日の天気は晴れ。人吉盆地を取り囲む1000m級の山々の中腹には雲がかかっているが、今日はシンボルの市房山が見えてきた。

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 球磨川にかかる里の城大橋を渡って、里城には8:28に到着。ここから県道33号線に入り、真っすぐ人吉に向かう。今日の球磨川はおとなしい。人吉盆地に農作物の恵みをもたらす川の顔をしている。集落の中に数百メートルほど進み、馬門観音にお参りしてから先に進んだ。

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里の城大橋

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県道33号線を歩く

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馬門観音

 しばらく県道33号線を進むと、あさぎり町に入った。少し高台を歩いているため、人吉盆地の大きさがよくわかる。平地部分の大半は黄色く染まっており、稲作に使われていることがわかる。

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 球磨川のところどころには堰が設けられており、取水口から用水が引かれている。この辺りは球磨川の堤防の上を歩くが、眺めが良くて気持ちが良い。これまで幾度となく氾濫を起こしている球磨川では堤防がよく手入れされている。堤防に囲まれた平地では、大きな区画の水田が耕作されている。そしてそんなところの農家には石蔵が設置されている。

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 市房山だけでなく、球磨川の南側にも大きな山がそびえている。大平山(1120m)や黒原山(1017m)などの山もあり、いつか人吉盆地の南の山々にも登ってみたい。

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 11:02に球磨川に架かる明廿橋の横を通過した。九州自然歩道は県道33号線を進むのだが、県道の交通量は多く、歩道がなくて危険なため、ここから県道に並行して走行する球磨川の堤防の上の道路を歩く。堤防の道路は舗装状態も良く快適。

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 球磨川に沿った道を歩き、11:30にきのえ大橋を通過し、12:00に球磨大橋を通過した。

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球磨大橋

 球磨大橋を過ぎたところから九州自然歩道球磨川から離れて錦町に向かうため、それに従って県道33号線に復帰する。12:15に県道沿いにコンビニがあったため軽食でお腹を少しだけ満たした。昼食は蕎麦を予定しているため、あまりお腹に入れたくはない。

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長安寺にお参り

 錦町に入ると道路は直線になる。このあたりは球磨川と川辺川に囲まれた地域になるので、ひょっとしたら治水が可能になった近年まで原野であったところを開拓したかとも思われる。一つ一つの圃場が大きいのでそんなふうに考えながら歩いていた。

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 13:43に川辺川にかかる柳瀬橋を越えた。この川は人吉で球磨川に合流するが、先月歩いていた五木村や五家荘を源流に持つ。なにか懐かしい匂いがする。川辺川の川岸には投網が干してあった。時期を考えると、落ち鮎でも捕っているのだろうか。投網は中学生の時に友人のものを借りて何度か投げてみたが、きれいな輪を描くように投げるのはとても難しかった。

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柳瀬橋

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川辺川を越える

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投網が干してある

 14:03に川辺川沿いの集落にある蕎麦店の田ぐちに到着した。営業は15:00までだったので間に合って良かった。おろし蕎麦の昼食としたが、蕎麦の香りが良く、とても美味しかった。帰り際に水筒に水を入れてもらったが、その水が冷たくて、素晴らしく美味しかった。

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 14:45に蕎麦店を出て行動再開。ゴルフコースに沿って歩き、15:17に九州自動車道の高架下を通過した。

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 15:30に曙橋を渡って球磨川を越え、人吉市の南岸エリアに到着した。地図を見ると、九州自然歩道はここから少しだけ山中に入り、人吉城の中を通って人吉市の市街地に行くようになっている。曙橋から人吉城に向かう山道に入ると、道は消失していた。並行する肥薩線の線路を覗いてみると、こちらはもっと荒れて、線路の上に木々が倒れ込み、線路は砂利で埋まっていた。哀れ肥薩線。いつ再開できるだろうか。

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 わずかな距離ではあるが、藪をかき分け進み、15:57に人吉城城址原城跡)に到着した。城址の大部分は水害のために立ち入り禁止になっていた。わずかに見られるところだけを見せてもらって、16:18に城址の南に建つ元湯に到着した。

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 元湯も2020年7月の水害では大きな被害を受けている。再開なったのはまだ1月ほど前。浴槽一つのシンプルなお湯を楽しませてもらった。

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 元湯でさっぱりした後は、16:57に行動再開し、足湯のある繊月酒造、永国寺をのぞいて、17:16に人吉橋バス停から人吉インター行きのバスに乗車して、行動終了とした。

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2020年10月18日 九州自然歩道 58日目 熊本県球磨郡多良木町ブルートレインたらぎ~人吉市人吉橋 晴れ 気温23/12 距離29.1km 行動時間9:10 43303歩

2020年10月17日 九州自然歩道 57日目 熊本県球磨郡水上村湯山温泉~球磨郡多良木町ブルートレインたらぎ

 本日は熊本県南部の球磨川源流域の湯山温泉からのトレッキング再開。今朝、福岡の自宅からは地下鉄、新幹線、高速バス、コミュニティバス、ローカルバスと5時間以上かけて乗り継いで、10:36にトレッキング開始地点に到着した。

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ようやくトレッキング再開地点に到着

 前回は五木村から白蔵峠を超えて球磨川源流域を目指したのだが、通行止めに阻まれて、本来の九州自然歩道のコースを30km近くショートカットして湯前(ゆのまえ)駅まで歩いている。今回は、未踏破のコースをなるべく短くすべく、湯前駅から未踏部分の九州自然歩道をバスで可能な限り遡ってから歩くことにした。

 人吉駅からローカルバスで1時間ほどかけてたどり着いた終点のバス停の名前が市房山登山口。あいにくの雨で、美しい独立峰の市房山(標高1722m)は今日はまったく見えない。晴れていたら登ってみたかったのだが、2019年7月の豪雨のために登山路が壊滅的な状況で、入山禁止になっている。バス停で雨具を装着して、湯前方面に向けて行動を開始した。

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正面に市房山が見えるはずなのだが

 湯山温泉は落ち着いた温泉の町。いくつかの温泉旅館と民宿、製材所、わずかな商店がある。町のメインストリートは石畳となっており、温泉町の雰囲気を醸し出している。

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 温泉街を過ぎると、九州自然歩道は国道338号線に合流する。にわかにダンプカーの往来が激しくなる。球磨川の水を湛えた市房ダム湖の上流部分に差し掛かるが、国道は無事なのだが、脇道には大きな崩落部分が見える。しきりに行き来するダンプカーは、さらに上流の道路工事のためだろうなと思いつつ、下流に向かって進む。

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 11:20に球磨川に架かるつり橋が見えてきた。橋長は100mを超えるような木製の本格的なつり橋だ。水輝橋という名で、風に吹かれて揺れて心地よい。橋の上からの景色は良いはずだが、あいにくの雨でいま一つの状態。河岸には木材がかなり堆積している。

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 つり橋を過ぎたところに弁当屋があり、昼食を食べながらしばらく休憩。その後はゆっくりと、緑色の水を湛えた雨の市房ダム湖の眺めを楽しみながら歩いた。

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 市房ダムのダム体には12:30に到着した。晴れていれば、正面に市房山が見えるであろうが残念。雲の切れ間に、ほんのわずかだけ頂上部分が見え隠れしている。

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市房山がわずかに見える

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 ダムからしばらく下っていくと、奥球磨ループ橋が見えてきた。標高差100mほどのスイッチバックを回避するために造られたのであろう360°のループ橋。村のシンボルのようで、展望台まで作られている。このあたり一帯は桜の名所のよう。

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 13:00を過ぎたあたりで、国道338号線沿いの村の中心地を過ぎて2kmほどの高橋集落で国道を左に折れ、球磨川を渡る。幸野ダムという小規模のダムが水を湛えている。

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水上村役場 ループ橋のすぐ下にある

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幸野ダム

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 幸野ダムからは球磨川の南岸を進むことになる。幸野ダムは取水口になっているようで道路に並行して水路が走っている。面白いことに、この水路は上部が覆われたパイプラインのような構造となって続いている。ところどころ側面を石垣で補強している。上部が開いた水路に天井を付けたわけではないと思われるので、土管のようなシールドを連結して作った水路なのだろうか。どこにも案内板がないが、構造や由来が気になる。

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幸野ダムから水路が始まる

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道路に沿って水路が続く

 13:52にトンネル構造の水路が水門から解放された部分にようやくたどり着いた。ここからはいくつかの方面に分岐して配水されているようだ。

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2kmほど進んだここでようやく水面が顔を出す

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 このあたりから九州自然歩道は右に折れる。しばらく進むと石段の先に鳥居が見える。石段を上がってみると、よく手入れされた里宮神社だった。市房神社の下宮のようだ。かつては湯前城が置かれたとされている。このあたりで雨が止んできたため、雨具を脱いでザックに片付けた。

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 ここからしばらくは、畑の中に家が点在するのんびりした歩道を歩き、14:30に湯前駅前のレストランの徳丸に到着した。ここには前回も訪れており、有名なチャンポンを頂いたが、今回はソース焼きそばの昼食とした。こちらはちゃんぽんほど洗練されてはいなかった。

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 昼食の後、15:00に行動再開し、九州自然歩道に戻る。刈り取りまつばかりの水田を眺めながら進み、県道33号線人吉水上線に合流した。

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球磨川を渡る

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 15:26に猫寺として知られる生善院観音に到着した。なんとものんびりした雰囲気の寺だが、由来を読んでみたらずいぶん通称とは異なることに驚かされた。

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猫寺

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 この先は多良木町に入る。県道の交通量はそれほど多くなく、のんびりと歩くことができる。球磨川に沿って、刈り取りを終えた水田を眺めながら下流に向かって進む。

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 16:10に青蓮(しょうれん)寺に到着。阿弥陀堂の茅葺が見事。

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青蓮寺阿弥陀堂

 この先は狭い街道路に沿って民家が並ぶ。ときおりダンプカーが通るが、軒先をかすめるようにして通過する。

 民家の間にりっぱな石蔵が見えたので覗いてみた。多良木町埋蔵文化財センターだった。地元の発掘物や相良藩の古文書などを展示している。石蔵がとても立派。キュレーターの方に聞いてみたら、昭和初期に建てられた農協の米の貯蔵庫だとのこと。このあたりは良田が多く、各所に貯蔵用の石蔵があるとのこと。

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 家並みを抜けたあたりが里城(さとんじょう)。ここから里の城大橋を渡って、球磨川を越える。多良木の中心地が見えてきた。

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 2kmほど歩き、17:30にくま川鉄道多良木駅に隣接した宿泊施設ブルートレインたらぎに到着した。ここは、かつて国鉄が運行していたブルートレインをそのまま宿泊施設として利用したもの。機材ははやぶさ。40年ぐらい前に乗った気がする。今日はいい夢が見られそうだ。

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2020年10月17日 九州自然歩道 58日目 熊本県球磨郡水上村湯山温泉~球磨郡多良木町ブルートレインたらぎ 雨のち曇り 気温15/8 距離20.6km 行動時間7:02 36742歩

禁断のテツ旅 SUGOCA大回り 博多~熊本~別府~折尾~吉塚

 以前のエントリーにも書いたが、JRには大都市近郊区間という、東京、大阪、福岡、新潟、仙台の都市圏において一定のエリア内では乗車する列車や経路を自由に選択できるようにした制度がある。片道利用で、重複区間がなく、途中下車ができないなどといった制約はあるが、このエリア内ならば実際に乗車した経路にかかわらず最も安くなる経路で計算した運賃で乗車できるというものである。

 JR九州ICカードであるSUGOCA利用に際して、それに類似した制度で、福岡近郊区間よりもはるかに広い区間に対して、「運賃計算の特例に使用する路線」として運賃計算上の「最短距離」に組み込める制度がある。ICカードを利用した場合は、福岡から熊本や大分を通過しても、最も安い運賃が適用になるというルールが適用されるエリアがあるのだ。しかも、特急券を別途購入すれば乗車ができるという夢のような制度である。これをテツ学的にはSUGOCA大回りという。

 今週末は日曜に用事が入ってしまったために九州自然歩道を歩くことができない。休みが1日しかないと、トレッキング再開現場にたどり着いて、歩かずに戻っても、土曜のうちに福岡に戻ることができないという状態だからだ。ということで、やむなく今週末はSUGOCA大回りの旅に出てしまった。懺悔。

 九州自然歩道に出かけるときと同じように4:30に起床。土曜になると目覚ましなしで4:30に目が覚めてしまう。シャワーを浴びて5:15に出発。今日はテントも寝袋も食料もないため装備は3kg足らず。いつもの1/4以下の荷重で、軽すぎる。荷重が足らないと体が前傾するような気がする。ならば水を3800mlほど積み込もうかと思ったが、あまりにばからしいので止めた。どうも週末に平地にいると調子が出ない。

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西新5:36の地下鉄に乗車 これが週末のルーチン

 トレッキングの時と同じように、福岡市営地下鉄西新駅5:36の始発に乗車し、博多駅に5:50に到着した。JR九州みどりの窓口に行き、熊本9:09発別府行の特急券と、別府12:53発折尾行のソニック30号の特急券のみ購入した。窓口では「乗車券は?」と聞かれたが、「特急券だけで」と毅然と返した。最初に大回りをしたときには、背徳感から声が裏返ってしまったが、もう大回り3回の歴戦の戦士だ。どこからでもかかってこいである。

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博多駅JR九州みどりの窓口特急券を購入

 特急券を手に入れた後は、コンビニで朝食とおやつ、それからコーヒーを購入。いつもの山行きの時と異なり、カロリーや重量を気にしなくてよいから、好きなものを購入できる。山に持って行ったならば、圧縮のために粉々になってしまうようなポテトチップスでも平気で購入できる。一般の人はこんなことは考えることもないだろうなと思いながらおやつの品定めをする。

 6:10に博多駅中央改札口でICカードをタッチし、大回りの旅が始まる。6:21に5番線に入線した鹿児島本線区間快速大牟田行に乗車する。先頭車両に乗っているのは私のほかに2人のみ。クロスシートの車内は空いており、快適に過ごすことができる。

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6:10に博多駅中央改札口にICカードをタッチして旅が始まる

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6:21博多発の鹿児島本線

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鹿児島本線の列車が入線してきた

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クロスシートで、車内は空いている

 二日市を過ぎたあたりで雨がパラついてきた。左の車窓には昨年登った太宰府竈門(かまど)神社の上宮のある宝満山(ほうまんざん)が見えてきた。

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宝満山が左に見える

 定刻どおり、6:58に鳥栖(とす)に到着した。鹿児島本線鳥栖の前後でわずかに佐賀県内を走る。鳥栖を過ぎれば久留米になるが、そこは福岡県である。並行して走る西鉄大牟田線は頑なに福岡県内を走って大牟田まで行くのだが。

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定刻どおり鳥栖に到着

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 鳥栖駅前には駅前不動産スタジアムが見える。サッカーJリーグのJ1に所属するサガン鳥栖のホームスタジアムである。サガン鳥栖は2012年にJ1に昇格してから一度もJ2に転落したことがない。福岡をホームとするアビスパ福岡がJ1とJ2を行き来しているのに比べ、安定した成績で羨ましい。

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サガン鳥栖のホームである鳥栖駅前の駅前不動産スタジアム

 鳥栖駅鹿児島本線長崎本線の分岐にあたり、交通の要衝である。鉄道全盛期の鳥栖駅の見取り図には当時は西日本一の規模であったとの記載がある。今でも長い連絡通路などに往時の面影が遺されている。

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往時の鳥栖駅の見取り図

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鳥栖駅には今でも長い連絡通路がある

 7:15ごろに入線してきた7:24発鳥栖始発の熊本行きの鹿児島本線の車両に乗車した。今度は古い国鉄415系の電車のクハ411だった。ロングシートのため、あまり車窓を楽しむことができない。残念だ。鳥栖から1時間半以上、あまり車窓を楽しむこともなく、本を読んで過ごした。

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7:24鳥栖発熊本行鹿児島本線

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 熊本には9:05の定刻に6番線に到着した。次の豊肥線は3番線から9:09発なのであまり時間がない。3番線までダッシュをしたら、入線していたのは別府行きの特急あそぼーい!だった。当日なのによく指定席が空いていたものだ。席は1号車の通路側だが、前方のパノラマシートの車窓からの景色もチラリと見えて、満足な席だった。

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9:05に熊本に到着

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なんと、あそぼーい!だった

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当日朝にこの席が取れたのは奇跡か

 立野ではスイッチバックのために5分間ほどの停車がある。家族連れはほとんど外に出て記念撮影をしている。私もとりあえず車外に出て、駅名標の撮影をした。そして、2回目のスイッチバックの後は、カメラを携えた少年たちに混じって、分岐する線路の撮影をした。

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 その後は、熊本大地震で崩落した橋のかわりに新たに架橋中の阿蘇大橋を右に眺める。あそぼーい!もこのあたりは最大の勾配を迎えているようで、喘ぐように走っている。しばらく過ぎると阿蘇岳が右の車窓に見えてきて、ようやく勾配がほとんどなくなった。

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阿蘇岳が見えてきた

 内牧(うちのまき)駅を過ぎたあたりで、左の車窓の外輪山に見覚えのある光景が見えてきた。たぶん、外輪山の右の端ぐらいがかぶと岩だ。先月の9月6日にあのあたりを降りてきたなあと思いながら写真をパチリ。先月、菊池から外輪山を経て内牧まで下ったときには、かぶと岩から先の九州自然歩道は以前の水害で跡形もなくなっており大変な思いをしたが、終わってみれば良い思い出だ。

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外輪山の右端あたりを先月は降りてきた

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先月、外輪山の上から見た風景

 10:25に到着した阿蘇駅では多くのお客さんが下車をした。終点の別府まで行って、折り返しのあそぼーい!に乗ろうというのはよっぽど物好きだ。阿蘇から先は半分ぐらいの座席は空いており、車内は急に静かになった。そのかわりに、一眼レフを持った少年たちが前後に忙しく動き始めた。

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阿蘇駅では善良そうな人たちは下車する

 そこからしばらくは田園風景を楽しみながら列車に揺られ、12:17に大分に到着した。ここでは4分ほど停車。

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阿蘇から先は静かな車内

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 ここから先は、しばらく別府湾の風景を楽しみながら終点の別府には12:32に到着。別府の北に聳える標高1375mの鶴見岳の頂上は雲の中だった。

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別府湾の反対側に見えるのが別府の街並

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鶴見岳の頂上は雲の中

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別府であそぼーい!とお別れ

 別府では特急のソニック30号に乗り換えだ。12:53の発車時間まで20分ほどあるため駅弁を探して購入した。郷土色のある弁当を買うことができて満足。ここからは弁当を食べながら車窓を楽しんで日豊本線を北上した。

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別府でソニック30号に乗り換え

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日豊本線の車窓風景もなかなか味がある

 ソニック30号は14:03に小倉に到着し、方向を変えて博多方面に向かった。小倉から先の停車駅は、黒崎、折尾、博多となっているため、折尾で鹿児島本線に乗り換えなければならない。

 14:18に折尾の3番線に到着した。ひょっとしたら名物の東筑軒のかしわめし弁当の立ち売りがないかと探してみたが見つからない。別府では駅弁を食べたばかりだが、もし入手できたらお土産に買って帰りたかった。残念。

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折尾でソニック30号とお別れ

 折尾からは14:36発の鹿児島本線快速に乗車して15:19に吉塚に到着した。

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折尾から14:36発の鹿児島本線快速に乗車

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クロスシートでホッとする

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吉塚に15:19に到着

 前回の大回りの際は吉塚の改札にICカードを触れた瞬間にゲートが閉じてあたふたしたが、今回は心の準備は万全。

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 今回も改札でICカードをタッチした瞬間に赤いランプが点灯してゲートが閉じたが、落ち着いて有人の改札口に行き、ICカードを出して「時間超過です。」と渡すと、「大回りやったんですね。170円引いておきます。」とニヤリとカードを返してくれた。「まったく、いい年して。」とでも言うように目が笑っていた。そういわれても、こんな楽しいことは止められない。「また、空席があったら乗せて下さい、JRさん。」と目で返して吉塚の改札を通過した。

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2020年10月4日 九州自然歩道 56日目 熊本県球磨郡水上村白蔵越~湯前町湯前駅 通行止めの球磨川源流域を迂回

 本日は五木村水上村の境界である白蔵越から、2kmほど小川内川に向かって谷を下った地点からのスタート。本来、九州自然歩道は白蔵越よりも5kmほど北の白蔵峠を通過して球磨川源流域に進むのだが、白蔵峠、球磨川源流域ともに通行止めの情報により、昨日の時点で白蔵峠の10kmほど手前から迂回路を巡り巡って白蔵越までたどり着いている。

 昨夜は、白蔵越を過ぎて水上村に入って2kmぐらいの地点の、杉の植林のために整備された林道脇の草地で一夜を過ごした。虫の音が子守唄のように一晩耳元で鳴ってくれていた。

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 本日の目標とするのは、九州自然歩道上にある、くま川鉄道湯前駅。非常に残念なことに本年7月の豪雨災害のためにくま川鉄道は運行を休止しており、鉄道を利用することはできない。くま川鉄道は前身が国鉄湯前線の、戦前から営業している歴史のある路線。未乗区間だっただけに残念だが、それ以上に月曜からの仕事のために福岡に帰らなければならない私にとって運行休止は切実な問題。ようやく最近、くま川鉄道はバスによる代替運行を始めたようだが、定期券利用者のみ利用可能で、かつ平日のみの運行というかなり渋い対応。同区間を1日4便ほど運行する他社のバスの時間に間に合わせるしかない。

 テントの中で6:00に起床したが、まだ谷間には日は差してこない。近くの水場で歯を磨き、顔を洗う。冷たい水で顔を洗うと、朝の気分は大分違う。テントを撤収していると、山の上の方から1発の銃声が響いてきた。2分ほど間を置いて2発目の銃声が聞こえた。どうやら仕留めたようだなと思いながら、日が差し込んできた6:47に行動を開始した。

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山から流れる冷たい水で顔を洗う

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周囲が明るくなって行動開始

 晴れた日の山の朝には素晴らしい光景が見られる。今朝は、谷間に漂う細かな水滴に朝日が散乱して薄紅色に染まった山々を見ることができた。写真ではその質感を伝えられないのが残念。だれか一緒に歩いてみませんか?と言いたくなるぐらい美しい朝がある。

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九州山地の朝

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 野営地からは、ほどほどに整備された林道を下る。植林されたスギの周囲の下草は丁寧に刈られており、この林道が林業のために活用されていること、山が大切に育てられていることがよくわかる。周囲の山を見渡すと、針葉樹の収穫を終えたばかりの区画や、幼木を植えたばかりの区画、40年は生育したであろう立派なスギの育った区画などが見事に管理されていることがわかる。球磨地区の山林の手入れで気づいたのが、北側の枝は丁寧に払ってあるのに対して、南側の枝は落としていないところが目立つこと。一般には下枝が成長すると節目を形成するので、柾目を良しとする針葉樹では全周を丁寧に落とすかと思っていたので、不思議に感じる。林業関係者に尋ねてみたい質問項目とした。

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林道の整備状況は良好

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南側の下枝が払われていないのが目立つ

 そんなことを考えながら林道を下っていると、白い軽トラックが山の上から降りてきた。通り過ぎるときにチラリと見えた荷台には、首から血を流したシカが横たわっていた。さっきの銃声の標的がこれだったのかと分かる。

 ここから先の林道は地図には記載されていなかったが、問題なく通行できた。8:00に林道は谷底を走っている県道161号線に合流した。ここは地図上では4軒ほどの家の集まる水洗集落であるが、居住者はいないようだった。県道161号線は昨日、五木村の竹の川から下梶原川を上流に向かって走行していた道路と同じ番号。峠を越えてふたたび復活しているが、地図では峠の手前で消えており、峠を越えた谷で記載が始まり、連続してはいない。どこから復活したのか遡って見てみたい気もしたが、今日はやめておいた。

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もう一度歩きたいと思わせるほど快適な林道

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県道161号線に合流

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荒スゲ谷川に沿って進む

 舗装路を球磨川の源流の一つの荒スゲ谷川に沿って下る。この川も透明度が高い。少し深さのあるところは緑色に見える。そんなところには大きなヤマメが隠れているような気がする。紅葉が始まったばかりのカエデもちらほら見られ、あと1月もすれば渓流を美しく染めているだろうなと思われた。

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 9:00に数軒の手入れの良い庭を持った家の集まる坂下集落に到達した。ここでは川の畔に座って、ビスケットの朝食をとった。今回は予期しない長距離の迂回も覚悟していたため、荷物を軽くするためにコンロを積んでいない。残念ながら、朝のコーヒーを楽しむことはできない。

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坂下集落

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川縁で朝食

 このあたりから川の名称は小川内川に変わっている。しばらく川に沿った道をのんびりと歩く。このあたりの田んぼは、稲の収穫を終えて、はざ掛けをしているところがある。今どき手のかかるはざ掛けでの天日干しは珍しいだろうなと思ったら、無人販売所に新米が置いてあった。1.5kgとずっしり重いが、迷わず購入した。おそらく目の前の田んぼで収穫したはざ掛け米。自分の目で確かめたはざ掛けの、その新米を食べるという贅沢はなかなかできない。

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収穫を終えた田も目立ちはじめた

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はざ掛けで天日乾燥している稲

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無人販売所を覗いてみる

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おそらく目の前の田んぼで収穫された米 買うしかない

 そこから1kmほど歩いたところに水上村の街並みが現れた。水が良いからだろう。酒造所もある。家の建ち並ぶ町では、自転車で通りかかった中学生と思しき集団が元気よく挨拶してくれる。正しい日本の姿を見たようで、こちらの背筋も伸びる。

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水上村の市街地に入る

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メインストリートで中学生と挨拶を交わす

 診療所や小学校の並ぶ通りを抜け、球磨川にかかる橋を渡る。橋の下の球磨川は、川辺川と同じく美しい緑色の水に牛乳をこぼしてしまったような色調。きっと上流の石灰岩質のところを激流が削った結果なのだろう。東の方には市房山の堂々とした山が聳えている。

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水上村の診療所

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村立小学校のデザインも素敵だ

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球磨川は独特な色合い

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東の方角には霊山市房山が聳える

 球磨川を渡ると、湯前(ゆのまえ)町に入る。時計のある通りを過ぎ、湯前駅に到着した。湯前駅をターミナルとするくま川鉄道は、2020年7月豪雨で甚大な被害を受け運休中。線路は赤く錆び付いていた。

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湯前町のメインストリートに立つ時計台

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現在運行を休止しているくま川鉄道湯前駅

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赤く錆びた線路が悲しい

 駅からすぐそばの、歴史のありそうな商工会館の前を通り、湯前まんが美術館を覗いてみようと行ってみたが、ここも7月豪雨の被害を受けたようで現在休館中。11:30にふたたび湯前駅に戻って、湯前ではとびきり有名な徳丸のチャンポンを食べるために行列に並んで、本日の行動終了とした。 

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湯前商工会館

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湯前まんが美術館

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満員の徳丸に並んでちゃんぽんの昼食

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2020年10月4日 九州自然歩道 57日目 熊本県球磨郡水上村白蔵越~湯前町湯前駅 晴れ 気温27/9 距離17.1km 行動時間4:43 平均速度4.3km/h 23988歩