ある日の道端でのラッパーHeijiとBroKanの立ち話。
「Hey、Heiji。旅に出るんだって?」
「そうよBro。バックパッカーの旅さ。ラッパーは旅に出るのが多いんだYo。」
「そうかいHeiji。でも、ラッパーで有名なバックパッカーなんているかい?」
「Matsuoちゃんなんて、みんな知ってる有名なバックパッカーのラッパーじゃないかな。ずいぶん昔のラッパーだけどよ。」
「Matsuoちゃん?そんなラッパーいたっけ?」
「超ー有名だよ。The Narrow Road to the Deep Northってアルバムなんて、大ヒットしてんじゃん。知らね?たしか中学校の教科書にも載ってたよ。Beatlesなみだろ。このアルバム、Matsuoちゃんがバックパッカーしながら作ったアルバムだぜ。」
「そういや、Beatlesにも似たような名前の曲があったね。ところでMatsuoちゃんって、どこに旅してたの。」
「このアルバム作ったときは東北だYo。」
「ひょっとして震災復興のアルバム?」
「いや、それよか前の話。まてよ、ひょっとしたら、Jyoganとかいう津波と関係あるかな?いや、たぶん関係ねーと思う。」
「どんな旅だった?」
「そだな。The Narrow Roadのときは、追っかけと一緒だったみたいよ。」
「え、追っかけと旅してたの。女?」
「いや、男。でも、Soraっていう名前。POP系の歌手みたいな。」
「ひょっとしてMatsuoちゃん、ゲイ?」
「いや、わかんね。」
「どんなとこに泊まってたの?」
「基本、ファンの家に転がり込んだり、ライブの主催者のとこに泊まったりしてたみたい。栃木のファンのところでは大歓迎されて、2週間近く世話になってたみたいよ。」
「そうなんだ。」
「でもよ、宮城のファンには冷たくされて、馬小屋に泊まらされて、ションベンかけられそうだったって曲も作ってるYo。」
「タダ飯食わせてもらってるのにディスってんのかよ。文句言ってちゃいけねーよな。」
「ところで、Matsuoちゃんの有名な曲って何よ。」
「そだなー。いっぱいあるけど、Frogとかいう曲が一番有名かな。Furuikeya Kawazu Tobikomu Mizunooto, Yeah, Yeah, Yeahみたいな。」
「いやに短いね。」
「そだよ。Matsuoちゃんは17文字ラップで有名なんだYo。」
「ドラッグ系の曲とかないの?」
「ないね。Matsuoちゃん、ビーガンみたいに天然系。」
「そうなんだ。」
「基本、自然系の歌ばっか。てか、ラップに必ず季節の言葉入れてんだYo。」
「そうなんだ。ところでHeijiはどこに旅に行くの?」
「俺はNYだYo。」
と、能天気なラッパー同志の会話は続きます。