台風直撃の中、英彦山までのトレイルウォーキングを終え、日田彦山線の彦山駅から代替バスで帰途についた9月22日の話。19:07発の代替バスは10人乗りぐらいの大型のタクシーだった。乗客は2名。運転手さんと話をしながら10分ほどで添田駅に到着。ここで日田彦山線に乗り換え、田川後藤寺に向かう。添田駅は駅舎が新しいものの、ホームまで100m以上離れている不自然な構造。なんのためにこんな位置に駅舎を作ったのだろう?
日田彦山線を田川後藤寺で降り、後藤寺線に乗り換える。待ち時間があるため、夕食を確保しようと、駅員さんにお願いして途中下車させてもらうが、田川後藤寺の市内はアーケードがあるものの、すべての店がすでに閉まっている。まだ20:00にもなっていないのに。かなりの店はすでに閉店しているのだろうが、これはあまりに早すぎる。人通りもほとんどない。炭鉱都市の没落がひしひしと感じられる。
20:19発の後藤寺線で新飯塚に到着し、3分の待ち合わせで福北ゆたか線に乗り継いだ。2両編成の各駅停車で、1両目に乗ったが乗客は3名。各駅での乗り降りもほとんどない。博多までは1時間ほどの予定で、ノートPCを出して写真の整理を始めていた。
あと6駅ぐらいで終点の博多だな、と思ったころから、信号停車のため当列車は遅れていますと車内アナウンスが始まった。前方を見ると確かに信号が赤。オンになったままのマイクから、何やってんだ、とかいうつぶやきが聞こえる。そして、あと4駅の原町まで来たところで、とうとう「当列車は直方から吉塚駅まで停電のため停車します。復旧の見込みはわかりません。」とのアナウンスが。
停車しているのは原町駅。21:18に停車状態となった。ドアは開け放たれ、車内に風雨が吹きこむ。10分ほどして、ドアが閉まり、1両目の真ん中のドアのみ開けたままになったため、雨風の当たらない席に移動した。外は福岡を直撃している台風17号のため猛烈な風雨。風が吹くたびに電車が左右に大きく揺れる。そういえば風で電車が転覆した事故もあったなあと思いだす。晩ご飯がまだのため、お腹がすいてきた。JRからおにぎりの差し入れとかないかなと思いながら車外を見ると、200mぐらい先にセブンイレブンの看板が見える。しかし、外の風雨を見ると、いまはそこまで歩いて行けそうな気がしない。風速は30m近いのではないだろうか。
幸い、停電のため停車とはいうものの、車内の電灯はついている。エアコンは停止しているのか音がしないが、台風の影響で室温は低く、エアコンなしでも問題はない。山行の時の常で、文庫本も2冊ある。お腹がすいてきたが、非常食の残りの羊羹がある。さらには寝袋もテントもある。このまま一晩停車なんていうのもいいかなと考えていたところ、22:20に約1時間の停車の後、信号が青に変わり、車内アナウンスの後、運行が再開した。22:30に博多駅に到着し、無事に自宅に帰ることができた。こういう時には、装備があると安心だね。