前回の糸島半島一周40kmウォークは問題なく完歩できたため、今回はさらに西の唐津まで足を伸ばすこととした。ただし、福岡の市街地は交通量が多く、それほど楽しいウォーキングとはならない可能性が高いので、地下鉄、筑肥線を使って糸島半島の西部分にあたる筑前前原までスキップすることとした。ここは前回の糸島半島一周ウォークの終着点でもあったので、イベントの連続性も保持できる。
西新駅から地下鉄に乗り、糸島市の筑前前原駅に10:00に到着。
駅と直結したダイソーで小物を購入した後、スタートした。しばらくは西に、海に向かって歩くが、糸島富士ともよばれる可也山を背景にちょうど田植えのまっさかり。
5km地点の海岸には11:00に到着。可也山は見る方向によっては、たしかに富士山のようなコニーデ式火山の形態をしている。
海岸に沿って歩くと、箱島という小さな島の上に祠が建っている。その名も箱島神社。この先は2kmほど内陸の道となる。交通量はやや多いが、このあたりは歩道が整備されているので危険ではない。
10km地点、深江からは再び海岸沿いを歩くことになる。ここからは道路を外れ、砂浜を歩くこととする。Buena Vista。砂浜の先には一貴山、二丈岳が見える。二丈岳は711mの低山ではあるが、糸島の海に面した360度の眺望が得られる。登山道も整備されていいるので、ときどき上りに行く。
深江の海岸では地引き網をしていた。観光客相手であろうか。
その横には、なんとカブトガニが打ち上げられていた。残念ながら生きてはいない。こんなに身近で見るのは初めてだ。オートバイのヘルメットのようにツヤツヤの甲羅。甲羅の直径は30cmを越え、尾の先端までは70cmほどある。成体であろうか。海に潜っているときに、こんなのがたくさん群れていたら、少し怖い。
この先は砂地の上を歩くのが困難になり、道路に出る。20km地点近くに姉子の浜という名の砂浜があり、鳴き砂で知られているらしい。しかし、海岸まで下りて足で踏んでもキュッとした音がしない。環境汚染が進み、とうとうこの浜でも鳴き砂が消失してしまったのだろうか。
さらに海岸沿いの道路を進むと、積み上げられた石と、その脇に石碑が建っている。積み上げられた石は包石と呼ばれる。筑前と肥前の境界線を締結した場所だそうな。
そして脇の石碑は、伊能忠敬が包石のことを詠んだ古歌「名にし逢う響の灘の白波は 鼓の石におとづるるなり」の石碑。伊能さん、やっぱりこの海岸線にも来ていたんだなと、暫し感慨にふける。
よっしゃ。ここから先は伊能さんに倣い、道路なんか使わずに海岸線を進んでやろうと、ごつごつ岩の海岸線を進む。伊能さんの時代には舗装路なんかなかったんだからなと。しかししかし、ごつごつ岩の海岸線を進むのは難行苦行の連続。伊能さんの時代の海岸線の測量は、それはそれは大変だったはず。私の海岸線探訪は、鹿家漁港にぶつかり、海岸線を物理的に進めなくなったところで終わりとなった。
ここまで来ると、先には虹ノ松原が見えてくる。唐津市中心まで3kmほどとなった浜崎の町からは、砂浜に進み、虹ノ松原の防風林前の踏みしめられた砂道を歩くのがよい。数kmにわたって続く弧状の白砂青松が唐津まで続く。この道のりはおすすめのコース。砂地は硬く歩きやすく、自動車も通らない。聞こえる音は潮騒のみ。
砂浜の先には唐津市の高島と大島、鳥島が見えてくる。唐津ももうすぐだ。
虹ノ松原の砂浜が終わり、松浦川にかけられた橋を渡り、唐津城を山上にいだく唐津市内に18:30に到着。唐津市内には江戸時代の町並みが保存されており、おくんち会館など、見所がたくさんある。
今回の筑前前原~唐津までのコースは、景色がすばらしく、補給施設も充分にあるため、「死ぬまでに歩けコース」に選出しようかな、なんて考えた。
2019年6月16日 筑前前原~唐津 曇り時々晴れ 気温26/19 距離35km 行動時間7:13 平均速度4.84km/h 消費エネルギー1666kcal