とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

こなくらすそきさん

 いまから40年前のはなし。九州の大学に入学したばかりのころの出来事で、今なお鮮明に記憶に残っていることがある。

 入学式の後のオリエンテーションを1年生の階段教室で受けていたとき、左隣に座った同級生が学生共済の用紙を指さして、「ぎゃんすっと」と一言。意味が分からずポカンとしていると、同級生はさらに一言、「つやつくんな」。もう私の方は振り返らずに、自分の左隣に座った学生となにやら話し始めた。

 翌週月曜日の朝、1限目の国文学の講義を受けるために1年生の階段教室に座り、前を見ると、メインの黒板脇のサイド黒板に白のチョークでなにやら案内らしきものが書いてある。「〇〇会 4月7日7時 〇〇」。会の案内のようだ。会の名前からすると、オリエンテーションのあとで知り合った別の男子学生の出身高校の集まりのようだ。今日の午後7時。場所は、たしか大学の近所のあの横町で見つけた中華料理屋の名前のような気がする。しかし、その後の文の意味が分からない。ひらがなで、暗号のような言葉が書いてある。あの男子学生に聞いてみようと思って周りを見ると、ちょうど教室に入ってきたところ。階段教室の後ろの方に上がってきた彼に、

「今日は高校出身者の集まりがあるの?」と聞くと、

サイド黒板をチラリと見て、「ああそうだね。今日の夜か。いやに早いな。」

「ところで、そのあとの『こなくらすそきさん』っていうのはどういう意味?」と尋ねると、しばしためらった後、

「あれはね、、、、来なかったら、、、、殴るぞ、、、、お前、っていう意味。」

今度は私が絶句する番だった。