とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

美味しい店・もう一回行きたい店・幸せにしてくれる店 長谷の里食堂 鶏モモ焼き

 なんとなく立ち寄った店なのに、気に入って忘れられない店がある。この店はそんな中の1つとなりそう。

 九州自然歩道英彦山から小石原に向かう途中、長谷(ながたに)という集落の道路沿いの店。

 

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英彦山と小石原の間に位置する長谷集落

 炭火焼きとりモモ焼きの看板の向こうには、モウモウと煙がたなびいている。

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モモ焼きの看板と炭火の煙が目印

 少し早めの昼食にしようかどうか迷いながらも、店先で竹串に刺した鶏のモモを炭火で焼いているご主人と思しき方に話しかけると、

「モモ焼き美味しいよ!中には団子汁やおにぎりもあるよ。」

と気さくな対応。こう言われたら入らないわけにはいかない。 

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店先で炭火で鶏モモを焼くご主人

 店の名は長谷の里。古びた田舎のドライブインといった風情の店構えだ。引き戸を開けて中に入ると、テーブルが3つ、あとは外の川面を眺められるカウンターの作り。

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川に面したカウンター

 店の半分近くをキッチンが占める。お冷やを持ってきてくれたのは、高校生ぐらいの女の子。ご主人の勧めに従いモモ焼き(500円)、団子汁(500円)、白おにぎり(150円)を注文した。

 最初に出てきたのは名物と書いてあった鶏モモ焼き。おじさんが時間をかけて、炭火でじっくり焼いただけあり、皮がクリスピーで香ばしい。味付けは塩と胡椒のみ。鶏肉の味がいい。地鶏のような固い肉ではないが、歯ごたえがしっかりしていて、うまみを強く感じる。

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名物 とりモモ焼き 500円

 次いで出てきた団子汁は、ざく切りの野菜がたっぷりで、テーブルに置いてあるゆずごしょうがよく合う。

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団子汁にはゆずごしょうがぴったり

 そして、おにぎりがうまい。新米の香りが高い。あまりに美味しいので、キッチンに行って聞くと、この地区の××おじいさんの田んぼで収穫したばかりの夢つくしの新米とのこと。夢つくしは福岡県農林試験場で育成され、平成15年から作付けが始まった品種で、福岡県ではスーパーでも売られているほどなじみが深い。コシヒカリキヌヒカリの交配種だから、食味は当然良好。××おじいさんの田んぼでは以前はコシヒカリを栽培していたものの、田植え日が遅く、水の供給時期が合わないことから、数年前にやや早生となる夢つくしにスイッチしたとのこと。この店で出されたおにぎりは、炊きたての夢つくしをおにぎりにして、ほんの少しだけ塩をきかせたもの。米の粒がしっかりしており、味わいが深い。

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気をつけて歩いてらっしゃい、と送り出された

 たまたま雨の日でお客さんが少なかったこともあり、この食堂には1時間ほども滞在して、ゆっくり昼食をとらせてもらった。お店で働くのは、高校生ぐらいの女の子と、おばさんが二人、炭火でモモを焼くおじさん一人。きっと家族で営業しているのだろう。日本昔話に登場する村人のような、素朴で気持ちの良い方々だった。

 英彦山方面に行かれる方がいたらおすすめ。モモ焼きと白おにぎりは外せない。土日祝しか営業していないのでご注意を。

 

長谷の里

 福岡県田川郡添田町大字落合2450-2
 0947-85-0828
 営業時間 土、日、祝のみ 10:00~17:00(2019年10月19日情報)
 駐車場あり
 自動車以外での来店はかなり困難