とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

朝食にはフルーツ ささやかな贅沢

 フルーツが好きだ。大好きだ。主食にしたいぐらい好きだ。でも、お米も肉も魚も好きなので、ガッツリとフルーツを食べるのは朝だけにしている。ここ10年ちかく、福岡の自宅にいるときの朝食は必ずフルーツだ。

 朝食のフルーツの食べ方である。いろいろな食べ方を試みてみたが、大量に食べられ、かつ個々のフルーツの味を堪能しながら、またそれぞれの食感を楽しみながら食べるためには、季節のフルーツを10mm~20mm程度の角切りにして層状に配置し、その上にヨーグルトをかけて、必要に応じてトッピングを施すのが良いという結論に達した。次のような作業工程である。

 今日の朝食を紹介しよう。まず、直径200mm程度のサラダ用のガラスのボウルを用意する。ボウルの下の方には、形態のしっかりした型崩れしにくいものを配置した方が、あとでヨーグルトと混和する作業が容易になることに気をつけておいて欲しい。今回は、最下層にはリンゴ(サンフジ、青森県産、L玉、1/2)を角切りにしてボウルに入れる。

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まずは型崩れしにくいリンゴ(サンフジ)1/2を15mm角に切って入れる

 次に、同じく「下層には硬めのフルーツ」の原則に従い、カキ(富有柿、福岡県産、L玉、1/2)を角切りにしてボウルに入れる。

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次にカキ(富有柿)1/2を15mm角に切って入れる

 さらに、前々日からサクにして冷蔵してあったパイナップル(品種不明、フィリピン産、1/4)を角切りにしてボウルに入れる。パイナップルは水分が浸出して、最下層に配置した場合には、水分が溜まってしまっていとわろしと清少納言から言われそうな気がするので、重層する場合には上層に配置する。

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その上にパイナップル1/4を15mm角に切ってのせる。水分の多いものは上に。

 もう一つ、オレンジ(ネーブルオレンジ、オーストラリア産、M玉、1)の皮をむき、4等分に手で割った後、5mm厚のスライスにしてボウルに入れる。オレンジも、パイナップルと同じく、「水分の浸出するフルーツは上層」の原則に従う。

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さらにその上にオレンジを5mmスライスにしてのせる。

 その上に、ヨーグルト(明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン400g、1/2)をかける。

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ヨーグルト200g(1/2パック)をかける。

 最後にトッピングとしてブルーベリー(品種不明、メキシコ産、1/5パック)をのせる。トッピングには、ブルーベリー、ラズベリーパッションフルーツなどを多用している。これらのトッピング好適材の特徴は、白いヨーグルトの上に配置したときに「映える(バエル)」こと。また、香りや味に特徴があり、下層に配置した場合には他のフルーツの味を損なう可能性がある、あるいは香りや味が淡泊なため、混和してしまうと味わいが分からなくなるといった食材の場合には、トッピングに使用するとよい。ぶっちゃけいってしまえば、ちょっとお高めの食材なので、一番上にトッピングして見栄えを良くしましょうということである。べつにインスタに投稿するわけではなく、さらには誰も見る人はいないが、毎朝こんなことを考えながらトッピングをしている。ときにはこんな自分が、とんでもない馬鹿だなと思えることもあるが、止められないのである。

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最後にブルーベリーをトッピング。

 福岡にいるときの朝は、毎朝この作業を行うが、これまでに1500回ほど行い、工程には完全に習熟しているため、どんなフルーツを相手にする場合でも、たいていは10分以内に終えることができる。だいたい7:00から作業を開始し、7:12にはボウルとスプーンを持って、テーブルに着いている。

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毎朝こんな感じの朝食。

 本日は、リンゴ+カキ+パイナップル+オレンジ+ブルーベリーの組み合わせであるが、毎日、季節の美味しい果物を貪欲に渉猟して食べている。栄養が偏るからグラノーラでも入れてみたらとアドバイスされ、やむなく従ってみた時期もあるが、やはり、より多くフルーツを食べたい欲求のほうが勝り、グラノーラ追加政策は2週間ほどで廃案となった。フルーツに関しては、ボリス・ジョンソンと言われても仕方がないと思う。

 12月の現在は、追熟によって香りの高くなったラ・フランスを食するのを忘れてはいけない。リンゴ+バナナ+西洋ナシ(ラ・フランス)+イチゴの組み合わせが魅力的。現在我が家では、山形産のラ・フランスがテーブルの上のバスケットで追熟を待っており、香りが立ち、果肉がほんの少しだけ、トロリと柔らかくなるその日が来るのを楽しみにしている。

 2月だったら、誰もが好きなイチゴの価格が安定してくるので、あまおうの良品がお値頃だったら買いである。さらに、イチゴに負けることのない香りと甘み、酸味の優れた柑橘であるポンカンが入手できたら、リンゴ+イチゴ(多め)+ポンカン+キウイなどという組み合わせは絶品である。ただし、ポンカンの種には気をつけていただきたい。食べている最中に種にあたったら興ざめなことこの上ない。

 4月に入ると、青果店ではときには大玉4個を袋に詰めて298円などと、わりと雑な扱いをされることも多いが、意外なほどヨーグルトとの組み合わせがすばらしい甘夏やハッサクが出始めるので狙い目である。もし、甘夏にヨーグルトをかけて食べたことがない、という方がいらしたら、ぜひ来年の春には試みてもらいたい。私もはじめて甘夏にヨーグルトをかけて食べたのは8年前の5月の新参者であるが、食べた瞬間にそれまでの甘夏に対する自分の考えの甘さを心の底から反省してしまった。それぐらい甘夏とヨーグルトの相性は優れている。

 リンゴ+バナナ+甘夏+パッションフルーツなんていう組み合わせも堪らない。福岡で甘夏といえば、すこし晩成の能古島産の甘夏が一大ブランドで、ジューシーで美味しい。しかし、近年は糸島産の甘夏のレベルが急上昇しているので、試していただきたい。それにしても、甘夏、ハッサクは、これによって与えられる喜びや生産者の努力に対して、価格がいささか低すぎるような気がしてならない。お高い方がよいという気はさらさらないが、生産者の苦労に見合った、甘夏ちゃんに敬意を払ったような価格に設定されてしかるべきではないかと、最近は購入するたびにいつも感じている。ひとえに、優秀な生産者が低価格のために意欲をそがれ、生産を止めることになったら、消費者である皆さんが、というか、とくに私が困ってしまうからである。「甘夏がなければメロンを食べたら?」とか言われたら、まちがいなく革命を扇動してしまうと思う。

 7月になったら、1年を通じてこの時期しか楽しむことができない、芸術的に美味しい完熟のモモを探し出して、1年分食べておく。白鳳、あかつき、川中島あたりの香りの良いのが手に入ったら、その香りを損なわないように、モモだけは大きめの30mmぐらいの角切りにして、リンゴ+モモ+モモ+モモみたいな贅沢を実行する日を1日は作る。最上のモモは、フルーツラバーにとっては初鰹に匹敵するようなものだ。どんな犠牲を払おうとも、入手をためらわない。最上のモモが入手できた場合は、他のフルーツの味を混入させるべからず、と感じるほどの逸品があるので、大切に、大切に食したい。

 こんなふうに、1年を通してフルーツに関しては気の休まる暇はない。夕食が終わったら冷蔵庫チェックをして、明日の朝食のフルーツやヨーグルトに問題がないかどうか、室温で追熟中のフルーツをどのタイミングで冷蔵庫に入れようかなどと確認するのが日課である。