とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2020年1月12日 九州自然歩道 11日目 天拝湖~基山~九千部山~七曲峠

 朝、テントから出ると、眼下には湖が広がっていた。昨夜わずかに雨が降ったことを除けば上々の滑り出し。湿ったテントを片付けて、7:30に行動開始した。

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天拝湖が正面に見える場所で野営

 天拝湖のほとりを歩き、小さな山口集落を抜けて基山に向かう山道に入る。集落は全体が金網で囲まれており、柵を開けて人が出入りする。九州自然歩道の通る集落は、このように金網で囲まれたところが多い。過疎化が進むと、野生動物とヒトとのパワーバランスが変わってくることを示している。

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集落を囲む柵の出入り口

 基山までは快適な山道。6kmほど進むと突然前が開け、樹木が伐採されて土が剥き出しになった基山の頂上が見える。最後の100mの草地を上って基山の頂上(標高404m)に8:54に到着。佐賀平野が眼下に広がる。

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基山山頂から眺める佐賀平野

 基山の山頂には、かつて大宰府の西の守りであった基城が建てられ、いまでも石垣が残る。基山の展望台では、コンロでコーヒーを入れ、佐賀平野の展望を楽しんだ。頂上では大きなヤドリギが、風に揺れていた。

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山で飲むコーヒーは格別

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山頂付近で大きなヤドリギを発見

 基山から東を見ると、次の目標の九千部山のアンテナがはるか彼方に見える。ここから先は、福岡県と佐賀県を境する長い縦走路だ。基山からは杉の植林された整備状態の良い舗装路。

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ここが日本で最初の植林地だとのこと

 1時間ほど進んだところで、ヤギを連れた親子に出会う。聞けば、ヤギは草地の整備のために飼育しているとのこと。ここを牧場として開拓して、乳牛を飼育する予定だという。飼育するのは、濃厚な牛乳が生産されるものの、搾乳量が少ないことで知られるジャージー種。しかも配合飼料なしで飼育するとの説明。真摯に酪農に取り組む姿勢に心が打たれる。搾乳開始は2年後の予定。基山牧場のジャージー牛が楽しみだ。

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基山牧場の開拓地にて

 古屋敷の集落からは、神社横を抜けて山道に入る。ここは民家の敷地内を通過するためか、コースに標識がなく要注意のポイント。少し進み、南向き斜面の風の当たらないところで昼食とする。昼食は、コンロで温めたご飯とレトルトカレー、小松菜の味噌汁とした。

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今回はコンロ携行

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大盛カレーと味噌汁の昼食

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普段の食事はこれ

 尾根伝いに権現山などの小さなピークをいくつか超え、15:00に九千部山(くせんぶやま。標高848m)の頂上に到着。ここは九州新幹線筑紫トンネルのほぼ真上に位置する。山頂付近には多数の中継アンテナが立ち並ぶ。昼から晴れてきたので、福岡市内まで見渡すことができる。

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九千部山頂上

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山頂にはアンテナ群

 ここからは広葉樹に囲まれた快適な山道が続き、石谷山(754m)を経由して、七曲峠に17:30に到着。夕方から北西の風が強くなってきたため、風の当たりにくいこの峠に野営することとした。テントを設営し、コンロでお湯を沸かして、アルファ米の夕ご飯とした。周囲からはイノシシの威嚇するかのような声が聞こえる。

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2020年1月12日 九州自然歩道#6 2日目 天拝湖~基山~九千部山~七曲峠 曇りのち晴れ 気温6/2℃ 距離21.23km 行動時間7:51 平均速度2.7km/h 歩数40476