とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

The Dish 月のひつじ

 山での生活は早寝早起きだ。冬は18:00ぐらいには暗くなり、行動できなくなるため、早々に夕食を済ませ、テントの中の寝袋に潜り込む。19:00ぐらいに就寝体勢に入っていることもあるが、そこまで早い時間に眠れるものでもない。そのため、テントの中ではしばしば映画を見る。2020年1月11日に天拝湖のほとりのテントの中で見た映画はこれだった。

 The Dish(邦題 月のひつじ)は、2000年にオーストラリアで制作された映画。アポロ11号が人類初の月面着陸を果たした際に、月から送られてくる映像の電波を受信するために使われたのがオーストラリアの田舎町Parksの20km郊外にあるParks天文台の口径64mの電波望遠鏡。1961年に観測を開始して、いまだに観測に使われている現役の電波望遠鏡である。

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 映画は、本来はアポロ11号が月面着陸を果たす際の映像電波受信の予備とされていたParks天文台が、打ち上げのスケジュールがずれたために、本命のアンテナには月から見た際の地球の裏側に位置することになったために電波が届かず、急遽、主役に抜擢された際の実話をもとにつくられている。タイトルのDishは、Parks天文台電波望遠鏡のパラボラアンテナのこと。映画には実際にはなかった虚実を取り混ぜてドラマチックに仕上げてあるが、撮影には本物のParks天文台を用いて、電波望遠鏡の操作室のセットは精巧に作られており、なかなか見応えがあった。

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 この映画を見ていた時に思い出したのが、小学校の低学年のときに母親から夜中に起こされて、テレビを無理矢理見させられた出来事。いま思うと、アポロ11号の月面着陸の瞬間を見ていたのではなかったかなと思う。

 気になったので調べてみた。アポロ11号のNeil Armstrong船長とEdwin Aldrinが乗った月着陸船が静かの海に着陸したのは、米東部時間1969年7月20日午後4時18分で、日本時間は21日午前5時18分のこと。

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 当時の私は小学校2年生だ。母から弟とともに起こされ、テレビの前の壁に背中をもたれかけて、二人並んで見た記憶がある。母から起こされたのが4時ぐらいだった。何かの罰かと思うような時間に起こされ、ただただテレビを見させられた。なかなかイベントが終わらず、早く終わらないかなと思っていたような気がする。そして、着陸した瞬間を見届けた後には寝落ちしてしまった。いま思い出すと、懐かしい。もう40年も前に母は亡くなってしまったが、いまだに母の深い愛を感じる。

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