とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2020年2月16日 九州自然歩道 18日目 黒髪山~山谷 

 黒髪山いこいの森キャンプ場に設置したテントの中で目が覚めたのは4:00。激しい雨の音で目が覚めた。幸い、キャンプ場のサイトがスノコになっていたため、テントが水没する難には会わずに済んだが、雨は嫌だ。

 7:00を過ぎて明るくなってから、雨音がやや小さくなってきたため、シリアルとコーヒーの朝食を摂った。いつものフルーツの朝食が摂れないためドライフルーツを豊富に含んだシリアルにしたが、常温保存の牛乳も市販されているので、山の朝食にシリアルはなかなか良い。

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 天気予報を見ると、予想降水量はそれほど多くはなさそう。テントの中で撤収作業を進めて、バーナーでお湯を沸かして魔法瓶に詰めて、8:50にようやく小雨の中を出発することにした。

 キャンプ場を出て、舗装路を九州自然歩道の離脱地点に戻り、黒髪山の宿坊跡の乳待坊に向かう。シンボルの雄岩、雌岩が小雨の中に聳える。

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 乳待坊からさらに先に進み、9:30に舗装路が途絶えたところから石畳の登山路に入る。登山路は古くからの修験の山であったことを示すように、よく整備された石畳が続く。登り口の杖を借りて、急な石畳を登り始める。10:00に黒髪山頂上と竜門の分岐点である見返り峠に到着。

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 黒髪山頂上に向かって10分ほど登ると、雌岩への分岐点が現れた。あの奇岩の頂上に立ってみようと思い、そちらに向かう。頂上は標高差100mほどの切り立った一枚岩の絶壁。眺めは最高に良い。さきほどまで滞在していたキャンプ場が眼下に見える。しかし、風が強くて飛ばされそう。雌岩の頂上の祠にお詣りして、元の登山道に引き返す。

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 そこからさらに歩を進め、黒髪山上宮に到着。さらに岩に取り付けられた鎖場を経て黒髪山山頂(標高518m)に到着。ここも眺めがいい。さきほど頂上に立った雌岩、雄岩、有田の町が見える。本当に雨が残念。この頂上は、天気の良い日にまた来てみたい。風が強いが、ここではコーヒーを一杯。

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 しかしながら、山道の標識には注文がある。見返り峠からは黒髪山頂上という標識を目印に従って進んだ。ところが頂上近くになって現れた標識は右に曲がると天童岩という標識。目標は黒髪山頂上で、天童岩には用はないとまっすぐ進んだら道がなくなった。頂上へのルートが忽然と消え、不思議に思ってその場でインターネットで調べたら、黒髪山の山頂が天童岩という岩だということ。初めて黒髪山に登る人間には、そんなことが常識だと言われたらかなわない。なぜ最後まで頂上と記載してくれないのか釈然としない。山頂でコーヒーが苦くなった。こんなことを思いながら、風が強くて飛ばされそうなので、早々に下山を開始した。

 黒髪山山頂からはもと来た道をたどらず、蛇焼山を経由して竜門に向かうことにした。このコースはなかなか歩きやすいコース。しかしここでも分岐点に置かれた標識に首をかしげた。標識には黒髪山561m、後黒髪465mと、分岐点からの距離かと思ったら、ちょっと中途半端な数字。よく考えたらこの数字は標高だ。分岐点に各山の標高が必要か?あまり参考になりそうもない標識を見ながら、目的地までの距離かと勘違いしそうになったのは自分だけだろうかと心配になった。

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 それを除けば、竜門までの下山路は川沿いの気持ちの良いコース。ゆっくり歩いて12:53に竜門ダム湖最上流部の黒髪自然の家に到着。

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 ここに隣接した川魚料理の店で昼食を摂ろうと楽しみにしていたが、残念ながら予約で満席と断られた。やむなく自然の家のベンチで、バナナとオレンジ、シリアルバーとレモンティーの軽食で昼食を済ませた。

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 昼食後は13:30に行動再開。竜門ダム湖の北岸に沿って舗装路を1kmほど進む。13:55から九州自然歩道は山中に入るが、登り口には落石のために通行禁止とした張り紙。どのぐらい落石がすごいのか確かめたくて登山開始。なるほど100mほど進んだところにひどい崩落地があり、コースがまったくわからない。ところどころにつけられた赤いテープを目印に道なき道を進む。

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 30分ほどかけて標高300mの無名ピークにようやく到達。地図上での距離は300m。30分で300mはあまりに遅い。

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 ここから先も、人の踏み跡がほとんどなく、コースがわからない。倒木は道をふさぎ、落石に足を滑らせ、人跡のない道は藪に覆われ、通行禁止の山道を進んだことをいよいよ後悔する。赤いテープだけを頼りに進むが、それもとぎれとぎれで、まったくコースがわからなくなる。地図とコンパスだけを頼りに進むが、崩落地を進むと自分自身も滑落する。この試練の道のりを終えて、ようやく舗装路に出たのは15:11。地図上では700mほどの距離に70分以上かかった。よいこの皆さんはまねをしないように。

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 そこから舗装路に戻り、比較的快適に進む。たった30分で2.5km歩いたが、そこには山裾から山の上まで続いた見事な棚田。さらに進むと人家がポツリポツリと現れ、唐船城の頂上には16:16に到着。次回の目標地点である国見山が正面に聳え立つ。

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 山谷駅から17:12の松浦鉄道、通称MRに乗って帰途についた。

 

2020年2月16日 九州自然歩道#9 2日目 黒髪山~山谷 雨のち曇り 気温17/4 距離14.3km 行動時間8:11 平均速度1.97km/h 31186歩