東京駅を起点として新橋駅に至るまで、丸の内、銀座、築地、新橋界隈の著名な建築物を巡る一筆書きの旅の3つ目のポイント。出張の際に時間ができた折りに歩いてみたら、つごう3時間ほどでさまざまな建築物の美しさを堪能することができたので、記録として残しておきたいと思う。
(3) 東京国際フォーラム 千代田区丸の内3丁目5−1 設計:ラファエル・ヴィニオリ
東京駅丸の内南口を出て、JPタワーを右手に見ながらJRの線路沿いに100mほど進むと、青みを帯びたガラスでできた壁面が美しい曲面を描く東京国際フォーラムが見えてくる。
設計は、ウルグアイ生まれでアルゼンチン育ち、ニューヨーク在住の建築家のRafael Viñoly Beceiro。日本における作品はここのみで、ソウルの中心地にあるサムスン鍾路タワーの他、米国を中心とした大学の建築等に多く関わっている。
東京国際フォーラムは1996年竣工、1997年開館の、東京都庁跡地に建てられた東京のコンベンションセンターで、学会やコンサート、展示会、会議などに多用されるため、外観、内部ともに仔細に観察する機会が多い。
中庭を挟んだ2つの棟から構成されており、線路に沿ったガラス棟の外観は船をテーマとしている。ガラス棟の内部から天井部分を眺めると、船の骨格のような構造を見ることができる。
中庭はいつも植物でデコレーションされており、のみの市などのさまざまなイベントが開催されている。
ちなみに、ラファエル・ヴィニオリ設計の2009年にオープンしたラスベガスのホテルVdara(ヴィダーラ)も、東京国際フォーラムのようにガラスをふんだんに使った湾曲した外観を特徴とするが、凹面鏡と化したガラス壁に反射された太陽光がプールサイドに3m×4.5mのホットスポットを形成し、プラスチックのコップが溶けることもあるそう。火傷を負う宿泊客も出ており、Death ray(ヴィダーラの殺人光線)と呼ばれるようになったそう。