とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

東京建築散歩 その1 丸の内・銀座界隈編 (6) 銀座PIASビル

 東京駅を起点として新橋駅に至るまで、丸の内、銀座、築地、新橋界隈の著名な建築物を巡る一筆書きの旅の6つ目の建造物。銀座4丁目のシンボル、和光の時計台のチャイムを聴きながら、晴海通りを南に向かって進む。

(6) 銀座PIASビル 中央区銀座4丁目8-8 設計:久米設計

 銀座中央通りの和光の交差点から晴海通りに折れて南に進むと、ほんの100mほど先の左手に、金属製とも木製とも判別のできないような立方体の一部を、どこからか現れた巨人がナイフで削り取り、上部をつまんでねじ曲げてしまったかのようなビルが現れる。これが銀座PIASビル。竣工は2008年。大阪に本社を置く1947年創業の化粧品メーカーのピアスグループが入居するビルで、ピアス化粧品がいくつか使うブランド名のうち、オリリー化粧品の名はテレビの提供で見たような気がする。

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銀座PIASビル

 ビルの印象を一言で表すと、ねじれ。下層階から最上階へ上がるにしたがってねじれているようなイメージを受ける。設計は業界6位(2018年4月1日現在)の久米設計久米設計の資料を見ると、ファサード(正面観)はアルミとガラスを組み合わせたボックスとコンクリートとガラスが組み合わされ72段積み上がっているとのこと。実際は13階建てのビルだが、72階建てのビルを作るような感覚が必要だったとのこと。

 ビルの色調も独特。これも久米設計の資料によると、自然発色コンクリートである珪砂(けいしゃ)と呼ばれる赤味をおびた砂と白色セメントを組み合わせ、自然素材がもつ柔らかな風合いをビルの表情に求めたとのこと。他のビルでは見ないような、独特な輝きを示す色調だ。

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 ちなみに久米設計は1級建築士350名を擁する業界6位の大手の設計事務所で、国内には非常に多数の設計に関わった建造物がある。軽井沢の老舗ホテルである万平ホテルは、久米設計の創業者の久米権九郎の設計になる。

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軽井沢 万平ホテル

 福岡近郊でも、北九州市に2001年に建てられたいのちのたび博物館太宰府市に建造された2004年竣工の九州国立博物館などの魅力的な建築を見ることができる。

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九州国立博物館 曲線が美しい

   参考文献:久米設計https://www.kumesekkei.co.jp/company/