とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2020年6月20日 九州自然歩道 28日目 雲仙市千々石町~雲仙市吹越峠

 3か月ぶりの九州自然歩道になる。ようやく全国的に県をまたいでの移動が公に認められるようになった。4:20に起床して、花木に水遣りをしてからシャワーを浴び、機材の点検をしてフルーツの朝食を摂ってから家を出た。

 いつものように福岡市営地下鉄西新駅から目的地に向かう。博多駅で乗り換えて、6:33発のかもめ3号で長崎方面に向かった。バスのほうがやや安価だが、電車のほうが早く、乗り心地が良い。今日は久しぶりなので、JRの旅を選択した。

 かもめはJR九州の名物デザイナー水戸岡鋭治の作品。車内は快適で、2色のストライプの板張りの床が心を和ませる。乗客は少なく、現在はこの車両には3名しか乗車していない。

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 長崎県諫早駅に到着したのが8:14。ここからは1時間に1便程度運行されているローカルバスで、前回の九州自然歩道トレッキングを中断している雲仙市千々石まで向かう。諫早からのバスの乗客は6名。途中で2人乗降があったが、のんびりしていて良い。

 島原鉄道バス、略称島鉄バスは定刻より少し遅れて9:37に雲仙市の千々和小学校前バス停に到着した。このバス停のすぐ前にセブンイレブンがあるのは、前回のトレッキングの時に確かめている。セブンイレブンで、昼食用のおにぎり、夕食用のサラダ、それから飲料水を購入して、10:00に行動を開始した。

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 セブンイレブンから200mほど山手に上がると、橘神社がある。ここが前回の九州自然歩道からの離脱地点。ここから九州自然歩道のトレッキングが再開する。天候は曇り。気温は24℃。歩きやすい気候だ。

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 しばらくは千々和の集落の中をジグザグに進む。そこかしこに、キリシタンの名残りの像が残されている。集落の石垣が美しい。このあたりの石垣に使われているのは、長崎北部で使われていた黒く平らな石とは異なり、丸みを帯びた石。雲仙岳に由来する火成岩だろうか。

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 集落を抜けると傾斜の厳しい山道に変わる。踏み跡はほとんどついていない。昨日までの雨のため、苔のついた山道が滑る。転ばないように気を付けながらゆっくりと歩を進め、10:54に尾根にあたる弘法原に到着した。ここは牧場の里あづまの入り口にもなっており、眺めが良い。

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 ここからは尾根に沿った歩きやすい道。アップダウンは少ない。千々和の町から雲仙にかけて広がる山は、400~600mほどの高さであるが、等高線が幾重にも重なる急な傾斜をしている。この傾斜は、千々石町の前方に拡がる橘湾の陥没に伴う断層だとのこと。尾根沿いにあるピークである鉢巻山、九千部岳ともに、南面はスコップで抉られたような形をしている。

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 杉の植林の中の涼しい道を快調に歩く。ただし弘法原からの尾根伝いの道は眺望はほとんどない。また、距離は5.8kmと比較的長い。

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 途中で小休止を挟みながら、昼食を摂ろうと考えていた田代原トレイルセンターには13:20に到着した。ここには30台ほどの駐車場と休憩施設がある。また、キャンプ場があり、数家族がオートキャンプを楽しんでいた。ここで昼食を摂って14:00から九千部岳の登山口に向かった。

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 九千部岳は1062mの山で、田代原との高度差は500mほど。ただし、地図では等高線はかなり密になっており、大きな荷物を持っての登山は覚悟が要りそう。案の定、登山道に入ったらすぐに直登のコースとなった。前回の英彦山から使い始めたトレッキングポールを駆使して、汗まみれになりながら先に進む。体中の汗が出るほど歩いたところに立っていた標識には残り1000mの文字が。登山口には頂上まで1800mと書いてあったから、まだ半分も進んでいなかった。

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 さらに辛抱を重ねて登っていくと、ときおりきれいな橘湾の海が見える。頂上間近ではザックが石の間を通過しないため、石の上に持ち上げてようやく眺望のある山頂付近に到達した。

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 先に親子連れと思われる5人組が岩の上からの眺めを楽しんでいた。とても気持ちの良い家族で、一緒に岩の上でしばらく眺めを楽しみ、ミカンを頂いた。剥いたミカンの皮を、これは持って帰りますからと言ってくれたのは本当に嬉しかった。こういう心遣いのできる人たちはなかなかいない。

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 九千部岳ヤマボウシの名所として知られる。頂上から橘湾にかけての斜面には、ヤマボウシの白い葉が緑の山のところどころを点状に染めている。

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 この岩からさらに10分ほど進み、九千部岳の本当の頂上に着いたのは15:50。頂上に着いた頃は雲がなくなり、雲仙の山々が見えてきた。ここから下山ルートを20分ほど進み、先ほどの家族とは分岐で別れることとなった。

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 ここからはアップダウンの少ない低木に囲まれた快適な道を1時間ほど進み、17:02に国道との合流部にたどり着き、17:16に吹越トンネルの入り口に到着した。この頃ようやく普賢岳の山頂を隠していた雲がきれいになくなり、美しい山体が見えてきた。

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 吹越峠から雲仙の山への道が始まる。少し迷ったが、木々の間から見える橘湾の眺めを楽しみながら30分ほど山道を進んだところで18:05に本日の行動を終えることとした。

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2020年6月20日 九州自然歩道#13 1日目 雲仙市千々石町雲仙市吹越峠 曇りのち晴れ 気温24/8 距離13.7km 行動時間8:10 平均速度1.8km/h 30668歩