2020年7月5日に九州自然歩道の長崎県エリアを歩き終えた。佐賀県との県境の国見岳からスタートし、稜線を伝って早岐に出てから西海橋まで歩き、西海の山中を数日かけて長崎まで進んだ後、諫早南部の山中から橘湾に出て千々石断層に沿って高度を上げ、雲仙から島原半島を縦断して南端に位置する口之津に至るまでの256.1kmの行程だった。
コースの最初は、佐賀県伊万里市にある松浦鉄道の駅である山谷をスタートして国見岳(国見山、777m)の頂上に至ったところから始まる。国見岳からは稜線を伝って佐世保市郊外の隠居岳まで歩き、いったん早岐の市街地に出る。その後は、早岐瀬戸を経由して、舗装路とミカン畑の中を繰り返しながら渦潮で知られる西海橋に着く。コース中の見どころは、佐世保湾や早岐瀬戸を一望できる隠居岳。ここには良く整備されたキャンプ場もある。針尾島の江上浦に沿った南向き斜面のミカン畑の中を歩く道は温かい日差しと潮風が心地よく、忘れられない。
次は、西海橋からは西彼杵半島を縦断して長崎市街まで歩く。ここは有名な観光地には乏しいものの、豊かな自然とミカンやジャガイモ畑の中をゆったりと歩くことができるのんびりしたコース。行程の多くが簡易舗装やコンクリート舗装されており、歩きやすい。コース全体で100km近く、途中で補給可能なところが少ないのが難点。コース上の道の駅さいかいでは、各種の柑橘系を楽しむことができる。長崎県民の森には整備状態の良好なキャンプ場がある。長崎の市街地に入る前には、岩屋山(475m)から街並みを眺めてから市街地に至る。
長崎市街からは山越えの後で、長崎街道沿いの道を歩く。長崎街道沿いには多くの史跡が残されており、かつての往来の雰囲気を味わうことができる。諫早の南部の山中を1日かけて横断し、南に折れて、広大なジャガイモ畑の中の道を歩いて橘湾の海の見える台地の上を歩く。海岸線に沿った道に出てからは、雲仙を正面に眺めながら千々石の町に進むコースは圧巻。美しく整備された千々石の町の防風林も見応えがある。
最後は島原半島を縦断する行程。千々石の町から正面に聳える千々石断層の西端から取りかかり、断層の縁に沿って高度を上げていく。一段と高く聳える九千部岳(1062m)は6月のヤマボウシの時期がお勧め。雲仙岳はもちろん素晴らしい山々が連なる。5月のミヤマキリシマや紅葉の時期、樹氷の時期のいずれも楽しめる。登山のあとは、雲仙温泉街で白濁したお湯を楽しみ、島原半島南端の口之津までおよそ30kmの下りの道を歩けば、長崎県内のコースは踏破したことになる。
九州自然歩道長崎県エリア 2020年2月29日~7月5日 活動日数 13日 長崎県松浦市国見岳(2020年2月29日)~長崎県南島原市口之津港(2020年7月5日) 距離256.1km 439223歩