今日から天草市の中心地である本渡から東に11kmほどの栖本から九州自然歩道トレッキングの再開。昨夜も先々週に引き続き友人宅にお世話になり、6:00に起床。本渡バスセンターから栖本まで7:10発のローカルバスで向かい、7:50に行動を開始した。
あいにくの大雨。どのぐらいの雨かというと、渋谷の街頭で100人にインタビューしたら99人ぐらい絶対にこんな天気の日には山に登らないと回答するほどの大雨。自分も、こんな日に歩かないといけない理由が見つからず、バスは7:32に栖本馬場のバス停に到着したものの、バス停の屋根の下で7:50まで最初の一歩が踏み出せなかったほど。
栖本の町の中を東にしばらく進み、倉岳の登山道に向かって曲がる。タバコ畑ではこの雨の中で長靴を履いて作業している女性がいる。どこに行くかと尋ねられ、倉岳に登ると答えると、こんな雨の中をご苦労様と返された。いやいやあなたの方がもっとご苦労様ですと心の中で思いながら、倉岳への道を先に進む。倉岳の麓まで雲底が下がっているため、頂上が見えないどころか、どんな山さえもわからない。標識には頂上まで12kmと書いてあるため、それなりの覚悟を決める。
登山道は舗装路で、路面の状態は良好。自動車の交通もほとんどなく歩きやすい。雨だけが問題。時折、前が見えないほど強く降り、すぐ近くで雷鳴が聞こえる。
頂上まで3kmぐらいの地点でカヤツ丸展望台という絶景で知られるビューポイントがあったが、本日は絶対に絶景でない自信があったためパス。ゴアテックスのレインコートの中に雨が侵入してきて気持ちが悪いため、何とかして早く山頂にたどり着きたい。山頂には屋根のある施設があるだろうと期待して。
11:30に倉岳(682m)の山頂に到着した。残念ながらガスで何も見えない。山頂には倉岳神社があり、この鳥居の向こうに拡がる天草の島々と八代海がすばらしく美しいはずだが、本日は真っ白な写真のみ。残念無念。もう一つ残念なことに、山頂まで来たが屋根がない。今朝出発してから一度も荷物を下ろしていない。
お腹も空いてきたが、この雨の中ではどうしようもない。倉岳の山頂からは棚底の町に向かって下り始める。10分も下ったところに休憩用の東屋があった。風雨が強いため雨が降り込むが、荷物を下ろしておにぎりを食べながら休憩とした。
しばらく休憩していると雨が弱くなってきた。ビチョビチョのレインコートを着て、再び歩きはじめる。靴の中もビチョビチョ。この靴もゴアテックスのはずだが、ここまで激しい雨には歯が立たないようだ。山の斜面からは水が滝のように落ちてきて、ときおりその水流を跨がなければならない。雨の音が激しいせいか、いつもはさっさと逃げていくイノシシが、かなり近づくまで気が付かずに道端で食事に専念している。生まれたばかりのうり坊も一緒に食事をしている。
次第に高度が下がり、標高270m程度まで下りたところで視界が開けてきた。棚田の向こうに海が広がる。これが見たかった風景。この地域の稲もすでに穂をつけている。
14:30に棚底の市街地に到着した。残念ながら、Google Mapに出てくる飲食店の3つは閉店したか休業中。やむなく先に進み、JAの経営しているスーパーでお惣菜を購入して2回目の昼ご飯とした。
JAを15:20に出て、本日の目標である龍ヶ岳山頂の天文台とキャンプ場に向かう。距離は11kmほど。18:00ごろには到着できるだろう。幸い、雨は止んで、道路が乾いてきた。
龍ヶ岳までの道のりもすべて舗装路。快適に歩く。棚底の街並みが眼下に見える。
雨もほとんど降らないまま、18:00に龍ヶ岳(469m)の山頂に到着した。ガスが少しかかっているが、天草の島々と南の方には鹿児島県の長島と思われる島まで見える。
山頂にはミューイ天文台がある。50cmの反射式望遠鏡を備えた天文台で、夜には望遠鏡による天文観測の供覧もあるが、本日は天候が悪く、観測はないとのこと。内部のみ見学させてもらう。
天文台ではキャンプ場のチェックインも済ませ、キャンプサイトに向かう。きれいに整備されたキャンプサイトでありがたい。ただし、山頂は風が強いため、ラインをしっかり張っておかないとテントが飛ばされそう。キャンプ場にはシャワーもあり、至れり尽くせり。終わりよければすべてよし。
2020年7月24日 九州自然歩道 35日目 熊本県天草市栖本~天草市龍ヶ岳山頂キャンプ場 雨のち曇り 気温27/23 距離31.7km 行動時間10:50 平均速度3.2km/h 52313歩