龍ヶ岳のキャンプ場は快適だったが、山頂にあるため風が強い。夜中に何度もテントが飛ばされそうなほどの風雨に襲われた。
5:45に目が覚めた。今日も雨。テントの中でホットチョコレートとシリアルの朝食を摂る。小雨になったところでダラダラと撤収作業をはじめ、8:00に行動を開始した。
龍ヶ岳の山頂は雨で、濃いガスが立ち込めていて視界が悪い。キャンプ場から、九州自然歩道に復帰するため、舗装路を2kmほど下る。さらに1kmほど進んだところで地図を見ながら左に折れたが、この道が誤りで1kmほど進んだところで間違いに気が付いた。来た道を戻り、左に折れる心細い山道が九州自然歩道であることを確認して先に進んだ。昨日は100%舗装路で快調に飛ばせたが、今日はどうも山道が大半のようだ。しかも雨の中。
さっそく食事中のイノシシに出くわす。雨の日は鼻が利かないのか、足音が聞こえないのか、それともこんな日に山登りをする奴なんかいないと安心しているからか、この後も3回イノシシに遭遇した。
山道はなかなか先に進まない。あまり人が通っていない道で、雨に加えて草の水滴が容赦なく体にかかる。そんな山道を苦労して上り下りして、9:56に三ツ岩という眺望の良いポイントにたどり着いた。ここでようやく荷物を下ろして水分補給を行う。
三岩から先は、雨が小降りになり、ときどき日が差してきた。そんなときにはイノシシはいないが、今度はヘビが道の真ん中で日向ぼっこしている。ヤマカガシは生態系の上位に位置しているのを意識してか、あるいは雨で冷えて動きが遅いのか、なかなか道の真ん中からどいてくれない。
道を間違えたり、ヘビに通せんぼされたりで、コースタイムよりもずいぶん遅く、12:28にようやく念珠山(503m)の頂上に到着した。ここも眺めが良い。龍ヶ岳から連なる山々は観海アルプスと名付けられているだけあって、どの山からも天草の海がたっぷりと見られる。
念珠山からは長い道のりを経て二弁当峠に15:32に到着した。ここでは車の通行が止められた廃トンネルを経由して次の目的地に向かうのだが、ちょうどここで雨が土砂降りになってきた。やむなく廃トンネルに逃げ込んだが、廃トンネルはライトもなく、薄気味悪い。心霊スポットのようであまり滞在したくなかったが、すさまじい土砂降りで、外に出ることはかなわない。
ようやく小雨に変わり、次の鹿見岳(286m)への登山口に入る。わりと歩きやすい山道。頂上近くは石段が整備されていた。もちろん頂上からは海が見えた。
鹿見岳からは山道と舗装路を繰り返し進み、矢嶽神社に17:20に到着した。ここには巨石でできた遺跡があるとのこと。少し回り道してドルメンと呼ばれる、巨石の屋根を石柱が支える形態の遺跡を見に行ってきた。重機のない時代に、こんな巨石をどうやって動かしたのか不思議だ。
ここからは最後の踏ん張りで、右手に海を見ながら崖に沿った山道を進み、373mの白嶽の頂上には18:03に到着した。眺めは最高。天草五橋や八代、西には雲仙も見える。白嶽の頂上に到着したころから雨が止んだ。本日も、終わりよければすべてよし。
2020年7月25日 九州自然歩道 35日目 熊本県上天草市龍ヶ岳山頂キャンプ場~上天草市白嶽 雨のち曇り 気温26/22 距離18.9km 行動時間10:19 平均速度1.8km/h 37025歩