まぐろ丼で知られる、福岡B級グルメの名店。
まぐろ丼としては異色。マグロは短冊形の刺身の形ではなく、10mm程度の角切りで、タレに絡めてある。タレにはお好みでワサビが添加される。これに天かすとネギを混和し、10%ほど大麦を混ぜた白米の上に載せて刻み海苔を散らしたものがまぐろ丼。上質なマグロの刺身を食べさせる店のまぐろ丼ではないが、黒田節のまぐろ丼は素材の絶妙なバランスで成り立っている。
油断ができないのはうどん。手打ちのこしのあるうどんと、丁寧に仕上げた鰹だしの風味が良い。
天ぷらもそう。天ぷら屋さんの天ぷらではないが、定食屋の天ぷらとしてはハイレベル。たぶん、天ぷら屋で使用するような、太白ごま油みたいな値の張る油を使っているわけではないと思われるが、遅い時間に行っても酸化の進んでいないしっかりした味の天ぷらが味わえる。
こんな褒め方しかできなくて申し訳ないが、良いマグロを使っているわけではないがバランスよく考えられた美味いまぐろ丼、うどん専門の名店ほどではないが及第点を遙かに超えたレベルのうどん、天ぷら専門店までは到達しないが手抜きのないうまい天ぷらを味わえる。どのメニューでも、そうなのだ。ダメなものはない。
それで、メインとなるまぐろ丼、天ぷら、うどんを同時に味わうことができる欲張りセットをつい頼んでしまう。これで2000kCal近いなと思いつつ。
どのメニューも美味しいが、最上のものはどれかと決めにくいとか、奥行きがある割には店の構えが地味とか、駐車場は台数がしっかりあるが交差点に近いので停めにくいとか、「けど」とか「の割には」とか余分につけたくなるが、それでもなおかつB級グルメの名店なのだ。
黒田節
〒814-0104 福岡市城南区別府6-2-8
Tel: 092-846-1112