昨夜は熊本県菊池市の菊池渓谷にビバークし、早朝からトレッキング再開。あたりがうす明るくなる5:00には撤収を開始し、6:15に行動を開始した。大型の台風が接近しているので、早めに行動して、早々に帰途につく予定。午後3時ぐらいまでは交通機関が動くのではないかと予想。
出発時の雨はほんの小降り。風向きは南風で、阿蘇カルデラの外輪山の北側斜面を登っているからか、風雨はほとんどない。6:30には菊池渓谷の北端の清水谷橋に到着した。
ここに九州自然歩道の標識があったのだが、標識の向いた方向によく考えもせずに進んだら、1kmほど進んだところで立派な林道に出てしまい、道を誤ったことに気が付く。やむなく同じ道を引き返し、7:00に清水谷橋を再出発した。
ときおり風雨が吹きつけるようになった。谷は深く、川の流れはまったく見えなくなった。時折倒木が道をふさぐが、それほどの問題はない。
1時間ぐらいで谷を構成していた木々がなくなり、一面のイネ科の斜面に変わり、周囲が明るくなる。いよいよ阿蘇に入った。
絵本のような阿蘇の典型的な風景の中をさらに30分ほど歩き、8:30に外輪山の北端のエッジに当たる兜岩展望所に到着した。風雨は強い。南風に乗って、下方から雲が斜面に沿ってものすごい勢いで流れていく。
今日は時間がないので先を急ぐ。
次の目標は、兜岩展望所のほぼ真下の内牧(うちのまき)温泉。地図が破線になっているのが気にかかる。外輪山からの降り口は兜岩展望所から西に250mほど進んだ位置。舗装路を進み、降り口は難なく見つかった。しかし、ほんの10mほど降りて、その先の道はほとんど流されていることに気が付いた。そもそもこの下山路は、外輪山からカルデラ内に真下に流れる沢を利用したもののよう。巨大な石が沢をふさいでいる。先日の豪雨の影響かもしれない。浮石も多く危険な状態。ときおり、根ごと倒れた木が行く手を阻む。そのたびに大きく迂回して、藪漕ぎ。高度差400m近くを2時間かけて、ようやく林道にたどり着いた。
そこから内牧温泉まではおよそ30分。11:00ごろに到着した。今回は温泉には目もくれずに先を急ぐ。
内牧温泉からはカルデラ内を流れる黒川に沿った農道を6km歩く。遮るものは何もない。風が強くて写真を撮る余裕もない。油断すると畑の中に吹き飛ばされそう。ひたすら目標の阿蘇駅を目指して歩く。バックパックのカバーが飛ばされそうなほど大きな音を立てる。向かい風でなくてよかった。
目的地の阿蘇駅に到着したのは12:30。予想が外れ、12:00以降の列車は運休になっている。さて、どうやって帰ろうか。これから多難な1日が始まる予感がする。
2020年9月6日 九州自然歩道 48日目 熊本県菊池市菊池渓谷~阿蘇市阿蘇駅 大雨 気温28/26 距離17.7km 行動時間6:15 平均速度3.1km/h 26947歩