とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

ミズヒキ

 小さな赤い花を多数つけたこの花の名を聞いたのは、2017年10月7日に福岡市植物園で行われた秋の植物観察会の折り。路傍でよく見かけるこの花の名を尋ねた際の学芸員の方の返答がこれで、その命名の妙に思わず「座布団二枚」と声が出てしまった。

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 ミズヒキ(水引、Persicaria filiformis)は、タデ科イヌタデ属の多年草。半日陰の林や道ばたで普通に見かける。茎の先端から数本の長い花茎を出し、上半分が赤色で下半分が白い小さな花序をらせん状に互い違いにつける。

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 和名の由来は、赤と白に染まる花弁を多数つけた細くて長い優雅な花穂を、祝儀袋や進物にかける水引にたとえたものと言われるが、まさにその通り。

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 開花期は8〜11月頃。日本にはほぼ全土に分布し、国外では中国、ヒマラヤに分布する。

 刺身盛りなどに一緒に添えられているツマとして、タデ科イヌタデ属のヤナギタデの変種のベニタデをよく目にするが、これは近縁種。蓼(たで)食う虫も好き好きというが、タデには複数種の精油が含まれており、薬味や蓼酢として料理に使用される。