週末の今日は5時前に目を覚まし、シャワーを浴びて福岡の家を出た。西新から6:08の地下鉄に乗り、博多駅から新幹線で新八代まで行き、そこから高速バス、市内循環バスと乗り継いで、9:00に人吉市の人吉橋から九州自然歩道のトレッキングを再開した。天候は晴れ。現在の気温は20℃で、歩くのには心地よい。
人吉橋からは、球磨川の南岸の集落の中を歩く。本年7月の水害の影響だと思われるが、いまだに玄関先まで泥が堆積した家があり、痛々しい。
9:47に鹿目(かのめ)川に沿って上流に向かう道に分岐する下戸越集落に到着した。正面には鏡山が見えてきた。鹿目川は球磨川の支流だが、豪雨の影響だろうか、道路にクラックが入ったところが何か所か現れる。それ以外は快適な舗装路を鹿児島との県境に向かって高度を上げていく。
10:30ごろに道路の整備をしている軽トラックのおじさんと挨拶を交わした。道路脇に散乱している倒木を片づけてくれている。鉾立山と久七峠を経由して大口に向かうと言うと、久七峠はトンネルが開通してからほとんど車が通っていないためかなり荒れているかもとの情報をもらった。
10:40ごろに鹿目集落の手前から川に向かって下りていき鹿目の滝を見物。ここは柱状の石の壁からかなりの量の水が落下してくる迫力のある滝。日本の滝100選になっているだけある。しばらく見とれていたら、上着はしっとり濡れてしまっていた。
道路に戻り、しばらく上流に進むと、鹿目の滝を上から眺められるポイントがあった。ここも眺めが良い。その上流には白布滝が現れる。鹿目の滝には先ほど見た雄滝の他に雌滝もあるようだが、そちらへの道は崩落しているため行けないようだった。
鹿目集落を通過し、12:00に小さな橋を渡って鹿目林道から分かれて左に折れ、赤仁田集落への山道の急な坂道を上りはじめた。20分ほどで赤仁田集落に到着し、最後のポツンと一軒家を通過する。ここから先は非舗装路に入る。集落はグルリと鹿除けのネットで囲まれているため、これをくぐって山道を進み始めた。
集落から先はしばらく人が入っていないようで、かなり荒れていた。踏み跡はほとんどなく、ところどころに残された赤いテープを頼りに先に進む。
13:00に赤仁田集落から2kmほど進んだところで標高700mほどの稜線に到達し、そこに設置してあるベンチでおにぎりとラーメンの昼食とした。
30分ほどかけて昼食を摂り、行動再開。しばらくはほどほどに枝を払った痕跡のある山道を進み、14:00に鉾立林道に出た。林道をしばらく進むと、鉾立山山頂への登り口らしきところがかすかに見えたため、そこからとりつき、10分ほどで鉾立山山頂(752m)に到着した。残念ながらこの山頂は眺望はなし。
山頂からはかなり古い木道があり、下り始めて15分ほどで再び鉾立林道に出た。しばらくは快適な林道を歩き、15:21に舗装路と合流し、ほどなく田野の集落が見えてきた。
田野は熊本県と鹿児島県との境界の山間の高原で、牧草地と水田がひろがるのどかな田園。開拓された当初は獣害がひどかったため、田野観音は獣害を鎮めるための祈願に建てられたとのこと。
15:52に田野集落の外れにある小学校の跡地に到着。学校跡地前には自販機があった。ここで喉を潤し、峠越えに備える。
田野集落を出てしばらくすると、1車線だった道路は二車線になった。勾配はそれほどでもなく、スギの植林の中をのんびりと歩き、16:30に熊本県と鹿児島県との県境となる久七(きゅうしち)峠を通過した。峠の標高は732mで、山はそろそろ暗くなってきたため涼しくなってきた。
分水嶺を越えてしばらく進むと、谷底に川が流れているのが見えてきた。地図を見ると元古屋の集落となる。小川に沿って芝で縁取られたきれいな池がいくつも並んでいるのが見えた。養魚場のようだ。確認したかったが立ち入り禁止の札が立てかけてあるため池の正体は確認できないままだった。
17:30に鹿児島県境を越えて3kmほど進んだところで、大口方面から自転車で登ってきた人と挨拶を交わす。ちょうど大口盆地が見え始めたところで、自転車の方も夕暮れの景色を写真に撮っているところだった。
18:00に道路脇にスペースを見つけて行動終了とした。野営準備をしていると、先ほどの自転車の方が降りてきて、今朝の大口市内は3℃まで下がったから気をつけてと声をかけていってくれた。
寒くなってきた。温かいものを食べようと、まずはお湯を沸かしてパスタを茹で始めた。
2020年10月24日 九州自然歩道 59日目 熊本県人吉市人吉橋~鹿児島県伊佐市大口笹野久七峠 晴れ 気温22/3 距離25.2km 行動時間9:00 43957歩