まだ外は真っ暗だが、テントの外を歩く人や走る人の足音が聞こえる。ここはご近所のジョギングルートのようだ。現在5:30。日の出の予定時刻は6:50ぐらいだったが、のんびりしていると人が集まってくるかもしれない。まだ薄暗い6:15に起床して、撤収作業を開始した。
昨夜は暗くて、どんなところにテントを設営したのか理解できていなかったが、外が明るくなってようやく、ここがどこかわかった。ここ丸山公園は、フィールドホッケーの競技場のようだ。しかも、3面もコートが設置してある。この10月に開催予定だった鹿児島国体の予定会場だったのかもしれない。数名のランナーが外周を走る中、7:02には行動を開始して、丸山公園をあとにした。
小高い丘の上の公園から舗装路を下り、7:27に九州自然歩道に復帰し、道の駅樋脇に到着した。ここで朝ご飯でもと思って立ち寄ってみたが、まだ営業を開始していないよう。農家の方々と思しき人たちが農産物のディプレイをしているところだった。
樋脇川を渡り市比野温泉の市街地に入るが、側溝からモクモクと湯気が上っている。それほど強くはないが、温泉らしい香りが漂ってくる。
市比野温泉の看板を見ながら、九州自然歩道の案内表示に従って左折すると、かけ流し温泉の看板が出ている。時間は7:45でまだ営業していないかなと思いながらも、受付を覗くとおばさんが出てきて入れますよと案内してくれる。予定外だったが、せっかくなので朝風呂に浸かることにする。無色透明のお湯で、硫黄臭はない。さらりとした心地の良いお湯だった。
さっぱりした後、8:15に行動再開。再び樋脇川に架かる橋を渡り下湯地区に入る。病院も温泉、郵便局も温泉、工事も温泉の配管の付け替え工事と、ここは温泉の町だと実感する。
市比野温泉からは県道36号線の自動車の通行の多い道路を進む。歩道がないところもあり、あまり歩くのが楽しいコースではない。8:43に樋脇町宇都の交差点で県道35号線に右折し、10分ほど歩いて串木野に向かう県道39号線に左折する。
県道39号線に入ってから自動車の交通は少なくなったが、歩道はない。しばらくは勾配の道を上り、道路わきのスペースで行動食のナッツの朝食とした。
25分ほど朝食を摂りながら休憩し、9:30に行動再開。ここからも緩い勾配の登り道が続く。途中の集落で自販機を見つけ、飲料水を購入。ナッツで乾いた口の中を潤す。
10:13に阿母峠に到着した。峠を過ぎたところの側道に入り、さきほど購入した飲料水を飲みながらしばし休憩した。
30分ほどかけて峠を下り、10:45に野下小学校跡のキャンプ場を通過した。さらに進むといちき串木野市の標識が出てきた。周囲はのどかな田園。
さらに10分ほど平坦な道を歩くと、冠岳温泉への案内表示が出てきた。入り口近くには山太郎ガ二の無人販売がある。5匹ほど入って500円と安い。今日は買って帰ることができないのが残念。
11:15に冠岳温泉に到着。駐車場には多くの車が停まり、人気の温泉のよう。残念ながら先ほど市比野温泉に入ったばかりなので温泉はパスして、昼食に天ぷらうどんを頂いた。この先しばらく商店も食堂もないため、限られた選択肢。自家製麺の看板が出ていたが、コシはない。疑念ありに一票。
昼食の後は11:38に行動再開。徐福橋を渡って九州自然歩道に復帰。徐福とは、不老不死の薬を探したあの徐福だろうか?真相は不明なまま先に進み、11:56に冠岳の集落の新幹線高架下を通過したが、ここは静かな山の中なのに、近くに駅もない新幹線が1日に何便も通過して大変だろうなと同情。
とくにどうこうとない舗装路をひたすら歩き、12:50に生福集落に到着。うどんのつゆでカラカラになったのどを潤すための飲料水を自販機で購入して小休止。
13:50に南九州道の串木野ICを通過し、少し進んだところでファミリーマートを見つけてイートインでコーヒーを飲みながら小休止。14:38に行動再開したが、直後に大粒の雨が降り出したため、道路脇の観光案内所の軒先に入ってしばらく雨宿りをした。
雨はすぐには止みそうもないため、この先は市街地になるため、今日は宿泊施設に泊まろうと候補先に電話をかける。2つ目の旅館に空き部屋があったため即決。幸いここから450mと至近の距離だった。時間は早いが15:02に旅館に到着。おかみさんから、「お客さんが阿母峠を歩いているところを市比野からの帰りに見ました」と言われてビックリした。
2020年11月22日 九州自然歩道 64日目 鹿児島県薩摩川内市入来~いちき串木野市串木野 晴れのち雨 気温23/13 距離21.9km 行動時間7:59 2.9km/h 39346歩