とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2021年1月9日 九州自然歩道 73日目番外編 薩摩半島南端珍味四品盛合

 今回の九州自然歩道トレッキングは、鹿児島県の薩摩半島から大隅半島にフェリーで渡り、九州最南端の佐多岬まで進む予定。南薩摩および南大隅エリアは、現地までの公共交通機関を利用したアクセスの難易度が高いため、今回も金曜夜から現地近くの宿に前泊とした。

 土曜、日曜、月曜と3連休のため、2泊3日のテント泊の機材と行程の食料を積み込み、今回の荷重は水を入れずに12.2kg。ここ数年で一番の寒波が到来しているので、シュラフカバーと断熱シート、それからアイゼン(チェーンスパイク)も積み込んだ。本日金曜は福岡でも積雪があり、どうやら目的地の鹿児島でも積雪を観測しているよう。厳しい条件となりそうだが、鹿児島で積雪を体験できるなんて、めったに経験することのできない素敵なことではないか。

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2021年1月8日朝の福岡

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今回は初めてアイゼン(チェーンスパイク)を携行

 いつものように博多から新幹線に乗車し、鹿児島中央駅に到着した。乗り継ぎに時間があったため、駅の外に出たところ、桜島に冠雪が見られた。風は刺すように冷たい。鹿児島にも例外なく寒波がやってきたのが実感された。

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新幹線で鹿児島中央駅に到着

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桜島の頂に雪が見える

 鹿児島中央駅からは指宿枕崎線に乗り、指宿で枕崎行きに乗り換え、山川に到着した。明日は山川港を8:00に出航するフェリーで、対岸の大隅半島の根占港まで行く予定。

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鹿児島中央駅からは指宿枕崎線

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指宿で乗り換えて山川に到着

 宿での夕食にはカンパチマグロ丼と鰹のタタキ、それから以前から食べてみたかったタカエビをいただいて早めに就寝した。

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カンパチマグロ丼 美味

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三杯酢で食べる鰹のタタキ 美味美味

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今が旬のタカエビ 初めて食べたけど美味美味美味

 今朝は5:00に起床し、準備を整えて6:50に出発した。宿から山川港まで2.2km。ゆっくり歩いてもフェリーの出航時間の30分以上前には着くはずだ。日の出は7:17でまだ暗い。雪がちらつく国道269号線を進み、7:20に山川港に到着した。

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山川港まで2kmを歩く 雪がちらつく

 山川港ではなぜかフェリーの係員の方が待合室の外でお出迎え。なんと悪天候のため一昨日から欠航中だという。鹿児島湾を渡るフェリーであるが、沖合は3~4mの波が立っており、本日はすでに全便の欠航を決定したとのこと。担いでいる荷物を見て、すまなさそうな顔をするが、いかんともしがたい。

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山川港に到着

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なんと本日全便欠航だと

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こんなに晴れてきたのに

 鹿児島市の鴨池港から垂水港までのフェリーは運航しているようだが、山川→鹿児島→鴨池港→垂水港→根占の最速ルートで翌朝11:00着である。しかも、このコースでは九州自然歩道正規ルートである山川-根占をつなぐ国道269号線フェリーに乗船しないことになるので、九州自然歩道のトレース条件も満たさない。一瞬、福岡に帰ろうかとの考えが頭をよぎったが、せっかくここまで来たのでなんとか楽しい3連休にしたい。

 頭に浮かんだのが、前回、横を通りながら登ることができなかった奇岩の竹山に登ること。山川港からのバスの時間を見ると、8:27に竹山口行きのバスがある。これに決めた。

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山川港からバスに乗る

 バスは10分ほどで竹山口に到着した。何度見てもそそられる奇岩だ。バス停から20分ほど歩き、9:00には竹山の2つのピークの間にある武山神社に到着した。手水が凍っている。尖った岩の竹山は目の前だ。

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竹山口に到着

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バス停からあの奇岩が目に入る

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山麓の武山神社

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手水が凍っていた

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見上げると山が迫ってくる

 以前、目にした竹山登山記録では、登り口が見つからず登頂に至らなかったとの記載があった。なんとか歩いた後はないかと神社の周りを探すと、武山神社の脇に踏み跡が見えた。途中からは最近、ササを刈った後も残っている。5分ほども登ったところの中腹に武山奥社があった。大隅半島がもう一つのピークの向こうに見えてきた。

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神社脇に踏み跡発見

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武山奥社まで続いていた

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振り返ると大隅半島が見える

 奥社の位置は主峰の5合目ほど。ここから先は道はついていない。荷物を置いて身軽になり、かすかな踏み跡を見つけ、岩にとりついて上り始めた。慎重に取り掛かりを探しながら高度を上げる。頂上までもう少しのところまで到達できたのだが、頂上近くににオーバーハングがあったため登頂断念。残念だが、ソロでは危険すぎる。

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奥社から上には道はない

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岩にとりついて登ったが

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頂上直下のオーバーハングは一人では危険と判断して撤退

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荘厳さを感じる山だった

 次に訪れたのは、竹山の麓にあるヘルシーランド。ここでは砂蒸し温泉を楽しむつもり。まずは地熱を利用した塩田跡を見学。迫力のある湯煙が立ち上っている。

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ヘルシーランド入口のシンボルツリー アコウかな?

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地熱を利用した塩田の跡

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幻想的

 塩田からすぐ下の海岸が山川砂蒸し温泉なのだが、コンクリートの階段が大雨の被害で崩落している。やむなく2kmほど迂回して、10:50に砂蒸し温泉に到着。

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塩田のすぐ下が砂蒸し温泉なのだが階段が崩落しているため2km迂回

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なんとものどかな湯治場の風情

 浴衣に着替えて湯気の立ち上る海岸に向かう。先客はすぐに上がり、客は自分一人。砂の上に横になり、両手を体につけると、3人がかりであっという間に砂をかけてくれた。背中が熱い。「10分から15分ぐらいが適当ですから」といわれたので20分我慢した。子供の頃からこんな性格のままだ。

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湯治客は自分一人

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この100℃の源泉が砂蒸しに使われている

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砂蒸し温泉では石鹸・シャンプーは使用禁止

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地熱で蒸した卵とサツマイモ

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両方とも美味しかった

 砂を落としてザッとお湯に浸かった後、今度は露天風呂たまて箱の湯に移動して、南シナ海が一望できるスケールの大きな眺望の露天風呂を堪能した。ここは写真撮影禁止で、お見せできないのが残念。

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この先に海に面した露天風呂

 露天風呂を楽しんだ後は、ヘルシーランドの食堂で昼食とした。鰹のタタキ定食で、ここも三杯酢で食べさせるタイプ。美味しい。とくにお米が美味しかったので、厨房に尋ねてみたら、大分産のひのひかりとのこと。炊き方も非常に良かった。

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鰹のタタキが美味い

 昼食の後は13:15に行動を再開し、13:38に山川発電所に到着。ここは日本に38カ所ある地熱発電所の一つで見学施設がある。残念ながら、コロナの影響で見学施設は臨時休館中。やむなく発電所の外から湯煙を眺める。これはゼロエミッションだなと納得。

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開聞岳を眺めながらレタス畑の中を山川発電所に向かう

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残念ながら発電所内の見学は中止

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 山川発電所からは、西に向かって畑の中を縫うように進み、14:21に指宿枕崎線大山駅を通過し、15:00に西大山駅に到着した。ここは言わずと知れたJR最南端の駅。とはいっても、無人駅で、それほど見るべきものはない。駅前の店舗でマンゴージェラートを食べながら時間を潰す。濃厚で美味しい。

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西の開聞岳を目標に進む

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大山駅無人駅)を通過

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線路脇の道を進む

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西大山駅に到着

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ここは知っている人は知っているJR最南端の駅

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駅前のマンゴージェラートはお勧め

 駅を眺めているとぽつりぽつりと観光客が訪れる。乗車するつもりはないようで、写真を撮り終えるとさっと自動車で帰っていく人がほとんどだ。乗ろうと思っても、この駅を通過する列車は2時間に1本ほどしかないので、難易度が高い。

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駅にはこれといって何もない

 16:30を過ぎたころから、カメラを手にしたその筋の方たちが集まりだした。そんな中を16:55発の指宿枕崎線の列車にただ一人乗車して、九州自然歩道73日目番外編を終えることとした。

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駅に集まった人たちはこんな写真を撮ると車で帰っていった

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西大山駅から乗車したのは私一人だった

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2021年1月9日 九州自然歩道 73日目番外編 薩摩半島南端珍味四品盛合

竹山~山川砂蒸し温泉~山川発電所西大山駅 晴れ 気温7/2℃ 行動時間7時間48分 距離14.4km 24675歩(今回のログは九州自然歩道トレッキングには加算せず)