週末の仕事が入ってしまったため、今回はおよそ1か月ぶりの九州自然歩道。しかも、大分県玖珠郡周辺は8月中旬の大雨の影響による公共交通機関によるアクセスの困難が続いている。久大本線は不通区間があるため実質的に使えず、コロナの影響で高速バスは減便。最速の交通を使ったが、スタート地点の牧ノ戸峠には午後1時近くにようやく到着。
幸い雨は降らずになんとか持ち堪えている。牧ノ戸峠から筋湯温泉に向かって車の通らない舗装路を下りはじめる。標高は1300mを越えており、涼しい。
正面の湧蓋山、左手の猟師山、現在下りている黒岩山に挟まれた谷に筋湯の温泉街が見える。緑の円錐状の一目山が顔を覗かせてきたら、湯煙がたなびくのが見えてきた。かすかに硫黄の臭いもしてきた。湯煙は八丁原地熱発電所からのものだった。1km以上距離があるのに、ゴーという音が谷中に響いている。
牧ノ戸峠を出発して50分ほどで到着した筋湯は秘湯感のある落ち着いたところ。うたせ湯や公共の温泉が知られているのだが、今日はスタートが遅く、先を急ぐため残念ながら先に進む。
すぐにひぜん湯、大岳温泉と次々に温泉が現れる。大岳温泉でも地熱発電所が湯煙を上げている。比較的小規模な旅館に挟まれるように、立ち寄り湯が点在している。温泉巡りも楽しそうだ。
14:20に通過した湯坪温泉には、とりわけ魅力的な温泉旅館が並んでいる。町の雰囲気も良く、しばらくゆっくりしたかった。
湯坪温泉からは山中の道に進む。石原集落を通過して、湧蓋山の麓を進み、地蔵原の湧蓋山登山口を過ぎたところで自販機を見つけて15:13に本日最初の休憩。
行動再開後は、左手に湧蓋山を見ながら直進し、500mほどで舗装路を外れて山道に右折。本日はじめての非舗装路。右手の林の奥は地蔵原湿原。さらに進むと天ケ谷貯水池が見えてきた。この道はときどき自動車が通過しているようで、轍が付いているので歩きやすい。
ダム体からは北に向かって山中に左折して石段を300mほど進む。ほどなく県道の四季彩ロードに合流。地図では100mほどで斜面を下る山道に右折するはずだが、草に覆われて降り口が見えない。やむなく四季彩ロードをそのまま進む。交通量はそれほど多くない。道路からの眺望は良い。
右手に町田バーネット牧場が見えてきた。レストランのアイスクリームや豊後牛が美味しそう。牧場を過ぎてすぐに左手の旧道を進むが、九州自然歩道のその道は大規模な崩落があり先に進めない。やむなく再び四季彩ロードに戻る。
舗装状況の良い下り道を1kmほど進み、宝泉寺温泉に向かって左折する。きれいな舗装路と交差したのちも旧道を進むが、この道は荒れ果てておりあまりお勧めできない。新道の交通量は少ないので、そちらを通行する方が良いかもしれない。
道路脇から湯煙が出てきた。河原や民家のようなところでもところどころで湯煙が立っている。渓流に沿って進むが、せっかくの美しい流れに沿って、無数のパイプが走行するのが無粋。各宿に温泉を引いているのだろうが。
川沿いに心地よさげな旅館が現れてきた。旅館街を抜けて町田川にかかる宝泉寺橋を渡ったところが中心街。18時過ぎに宝泉寺温泉に到着して行動終了。
宿に荷物を置いて、すぐ近くの鉄道遺構を見学に行く。1984年に廃止された国鉄宮原(みやのはる)線の線路はすでに撤去されているが、宝泉寺駅の駅舎が残り、観光案内所として使用されている。かつては小国まで旅客を運んでいた。きっと素晴らしい車窓風景だったろうなと思いながら宿に戻った。今日は宿の掛け流し温泉でゆっくりと筋肉をほぐそう。
九州自然歩道114日目 2021年9月4日 大分県玖珠郡九重町牧ノ戸峠~九重町宝泉寺温泉 曇り 27/22℃ 行動距離21.8km 行動時間5:23 37290歩
往路: 西新8:10福岡市営地下鉄-博多8:23/博多バスターミナル8:48西鉄高速バスゆふいん号-九重インターチェンジ10:43/豊後中村11:44九重縦断コミュニティバス-牧ノ戸峠12:43