本日は宝泉寺温泉の宿から出発。掛け流しの温泉があまりに心地よく、朝食後に再びお湯に浸かったため、出発は8:45と遅くなってしまった。
宝泉寺から北に進み、相狭間、口の園という日本昔話に出てきそうな田園の集落を過ぎる。トマトのハウスから男性が出てきてどこまで歩くかと尋ねる。ハウスの中のトマトは真っ赤に熟していた。
口の園からはスイッチバックして丘を越えて、9:48に黒猪鹿集落を通過する。秋の実りが風に揺れている。黒猪鹿からは迫り来るような万年山(はねやま)の姿が見えてきた。万年山はメサというテーブル状の台地の地形。メサmesaとはスペイン語でテーブルの意で、かつてスペインが支配した米国南西部に多い。西部劇に出てくるような乾燥地に多い地形だが、これに灌木が繁るとこうなるのだろう。
黒猪鹿から北西に進路を変えて万年山の登山道に入る。人気の山らしく、最近の雨による多少の倒木はあったものの、整備状況は良好。標識も丁寧に設置してある。コンクリート舗装路がどこまでも続く快適な登山路。
北に進路を変えたところから先は、300mほどの距離に等高線が10本以上ある地形となるが、木道が設置してあり歩きやすい。ところが、頂上まで500mのメサの台地の上に乗ってからは、背丈ほどの笹が繁り足下が見えない。手探りというか、足探りで進むと、路盤はしっかりしており、多数の人が歩いているように感じるのだが、ここまで笹が繁っているのが不思議だ。
しばらく藪漕ぎを強いられ、露出した皮膚は傷だらけになってしまったが、万年山頂上には無事に11:48に到着。本日は曇って遠くは見えないが、晴れていれば久住連山や阿蘇がきれいに見えるはず。
20分ほどの小休止をとり、行動食で昼食の後、行動再開。山頂からは北に向かって、次の目標地の伐株山に進む。こちらの道には笹は生えていない。万年山牧場、吉武台牧場と、心地よい草原の中のコンクリート舗装路を進む。
12:50に牧場エリアを抜けて林道に入る。1時間ほど進み、次いで唐杉線林道を北に進む。林道の先に伐株山が見えてきた。
伐株山はメサmesaがさらに浸食されて孤立したビュートbutteと呼ばれる地形。メサmesaがスペイン語であるのに対して、butteはフランス語で小さな丘を意味する。
伐株山には北から戻る舗装路と、そのまま南から稜線伝いに登る針の耳という修験道の道がある。針の耳には鎖場があるようだが、問題はなさそうなので14:00から南登山口の針の耳からとりついた。
3か所ほどの鎖場を通過して、14:30に山頂に到着。山頂のアンテナから北に300mほど進むと快適そうな芝生の伐株山園地がある。数機のパラグライダーが心地よさそうにフライトしている。北の風3mほどで、パラグライダーには最適な条件。しばらくフライトを眺め、Kirikabu Cafeでくつろぐ。
15:15に下山を開始。下山路も整備状況は良好。
15:45に登山口に到着した後は、九州自然歩道の標識は見当たらず、圃場の中を縫うように進む。ここでは稲の収穫がはじまっていた。稲穂の向こうに、伐株山がすっくと、日本昔話の山のように立っている。
豊後森の中心地を横切り、国道387号線を進む。玖珠川を越えると、その先の田んぼの中に風変わりな建物が見える。JR豊後森駅のすぐ近くだ。
せっかくなので立ち寄ってみたら、豊後森機関庫という歴史的な機関車の倉庫だった。機関車の方向を変える転車台も保存されている。蒸気機関車もレールに配置されており、往年の姿が想像できる。ここに白い蒸気を立ち上らせる蒸気機関車が出入りしていた頃の状況を想像するとワクワクする。立ち寄って良かった。状態を見ると維持も大変そうだが、保存してくれている方々に感謝。
16:40に豊後森機関庫を出て、17:00に玖珠インターチェンジの横にある道の駅に到着。バスの時間まで少しあるので、食べるものを買おうと思って立ち寄ったが、ちょうど17:00で閉店。残念。昼食は行動食のナッツだけなので空腹感はMax。
17:07に玖珠インターチェンジバス停に到着して行動終了とした。
九州自然歩道115日目 2021年9月5日 大分県玖珠郡九重町宝泉寺温泉~玖珠町豊後森 曇り 25/19℃ 行動距離23.5km 行動時間8:23 40965歩