とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2021年11月27日 中国自然歩道12日目 山口県岩国市羅漢山~広島県廿日市市岩倉 雪の羅漢山から津和野街道に

 本日は山口県岩国市の羅漢山の登山口付近で5:00に目を覚ます。標高は800mほど。寒い。テントに砂粒のようなものが落ちる音がする。まだ真っ暗だが、外に出ると、霰がちらほらと降っている。5mm未満の小さな結晶で、地表に着くとすぐに消えている。どうりで寒いはずだ。

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羅漢山の登山口付近で夜が明ける

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霰がチラホラと

 本日の日の出は7:02。外が明るくなり始めた6:30に撤収を開始した。撤収中にちらほらだった霰は、小粒ながらも地表を白く覆い始めた。

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地面が少し白くなる

 7:10に行動開始。すぐに樹林帯に入ったため、霰は気にならない。15分ほどで標高1000mほどの小羅漢山への分岐に到着した。YAMAPを見るとコースタイムは5分。ついでだから中国自然歩道を外れて、小羅漢山の山頂まで寄り道することにした。このあたりは笹で覆われており、霰が降る音が聞こえる。

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羅漢山の登山道を進む

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雲行きが怪しくなる

 7:39に小羅漢山(1050m)に到着。山頂に到着する前後で霰から雪に変わった。気温は1℃。地表が白くなり始めた。山頂の四阿で雨具を装着した。

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羅漢山の山頂

 すぐ隣の羅漢山(1108m)の山頂には8:06に到着した。雪のために視界はない。地表には雪が積もってきた。靴が雪で滑り始めた。これ以上ゆっくりしていると下山に難渋しそうだ。山頂からそそくさと退散した。

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羅漢山の山頂に到着

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視界はほとんどない

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雪が急に積もり始めた

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登山道が白く変わる

 気象レーダーの横を通り、下山路に進む。8:32に県道119号線に合流し、右折して進む。道路は濡れている。自動車は通らない。

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羅漢山の気象観測レーダー

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道路は雨で濡れていた

 県道119号線を進み、8:49に生山(なまやま)峠(835m)を通過。ここが山口県広島県の県境の峠。峠を越えたらガードレールが白くなった。気がついたのが県道の番号。山口県側の県道は県道119号線佐伯錦線で、広島に入っても県道119号線佐伯錦線のまま。番号は県境を越えても共通なのだ。九州自然歩道では県境は山岳越えが多く、県道で県境を越えることがなかったため気がつかなかった。これが全国共通のルールかどうかは分からない。家に帰ってからGoogle Mapででも検証してみよう。

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山口県を離れる

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とうとう広島県まで来てしまった

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県道119号線のまま

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ガードレールは白になる

 生山峠の先は別荘地。しゃれた別荘が立ち並ぶ。要らないのがあったら一つ分けてもらえないかな、などと夢想しながら下っていく。

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 9:08に板推峠(743m)に到着。ここには広島県初の中国自然歩道説明板が設置してあった。まだ新しい。ここからは津和野街道をたどる7kmの道だと解説がある。説明板は立派なのだが、曲がる方向を示す表示がみつからない。EADASのデータでは、ここから先は山道に変わり、わずかに南に進んでから東に折れている。山道へのとりつきが分からないまま、大体の見当でしばらく薮漕ぎしたら、下の方に道が見えてきた。街道、というほど立派ではないが、方向は合っている。

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板推峠の中国自然歩道説明板

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津和野街道の説明もある

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方向を指示するものが見当たらない

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藪漕ぎになってしまった

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斜面のずいぶん下に道が見えてきた

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これが津和野街道のよう

 しばらく進んだら人家が出てきた。ここが中道集落への連絡路だろう。9:30に到着。雨がひどくなってきた。四阿で雨宿りしながら小休止した。

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中道集落の外れに出た

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四阿で雨宿り

 10分ほど休憩して9:43から林道に進む。これが津和野街道だと標示があるが、完全な山道。ここを参勤交代に使っていたならば、籠を担いだ方はご苦労さんだ。私の本日の荷重は水・食料込みで11kg。この坂を40kg担がされたら、打ち首覚悟で逃げ出したくなりそうだ。

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標示に従って進む

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津和野街道だというが

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籠を担ぐのは大変そうな、けっこうな山道

 10:02に越が原を通過して、10:23に悪谷を通過。恐ろしい地名だが、これといって気になるものはない。ここには四阿があり、川を越えて松が峠に向かう急登に進む。

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越が原を通過

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街道らしいところもある

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悪谷とは

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クマか?

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四阿がしつらえてある

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休まずに橋を渡る

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行く先は松が峠

 松が峠は文字通り松が多く生えた峠。落ち葉は茶色の松葉ばかり。坂はそれほど続かないが、道幅が狭い。山の中腹を削ったような道で、籠が斜面に触れて滑落しそうなところもある。少なくとも。ときどき休憩しないと籠を落としてしまいそうだ。途中で籠を下ろしたかごたて岩というスポットもあった。岩に腰掛けて、殿様気分でしばし休憩。

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文字通りの松の生えた峠

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籠が通るには狭いところもある

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道中で籠を下ろしたという籠立岩

 11:13に茶屋床の四阿に到着。雨脚が強くなってきたので小休止。アルファ米のおにぎりで栄養補給し、カフェオレで冷えた身体を温める。

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茶屋床で休憩

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今回初めてアルファ米のおにぎりを持参

 30分ほど休憩して行動再開。ここから先は渓流沿いの道で景色が良い。道幅も少し広くなり、ところどころに石畳が敷かれている。津和野街道らしい歴史を感じるコース。

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この先は美しい渓流沿いの道

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街道の石畳も残っている

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 11:39に栗栖に到着。中国自然歩道はここから小瀬川を渡り、県道30号線で東に進むのだが、北に国道186号線を1.5kmほど進むと食堂と温泉がある。国道186号線を北上して昼ご飯にすることとした。

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栗栖に到着

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国道186号線を北上して昼食に向かう

 13:00に小瀬川温泉に到着。うどんにニジマスの唐揚げ、おはぎまでついた定食を食べておなかがくちくなる。窓の外は雨が降っている。いま出発すれば、明日の残り行程が30kmぐらいの位置まで進むことも可能だが、迷う。

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小瀬川温泉

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定食はうどんとニジマスとおはぎ

 地図を睨んで、途中で4kmほど歩けばバス停に出てエスケープ可能なルートがあることを発見。もういい。温泉に浸かる。

 温泉に1時間以上浸かってのんびりし、14:50に行動再開。雨は小降りに変わっている。15:08に栗栖橋まで戻り、県道30号線を東に進む。

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小瀬川沿いに栗栖まで戻る

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水力発電所横を通過

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県道30号線で栗栖の町並みを通過

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町外れに大きな製材所がある

 15:27に下栗栖に到着。中国自然歩道は左折して県道295号線に進むのだが、今回は右折して県道30号線を1kmほど進み、16:00に岩倉キャンプ場にチェックイン。200張ほどテント設置が可能な大きなキャンプサイトで、まだ空きスペースがある。

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下栗栖の岩倉橋で中国自然歩道を離脱して、県道30号線を南に進む

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落ちそうで落ちない重なり岩

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岩倉ファームパークキャンプ場

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 本日はここで行動終了。テントを設営して、近くのファーマーズマーケットでアイスクリームを食べる。明日の行程が心配だが、走ればなんとかなるはずだ。

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2021年11月27日 中国自然歩道12日目 山口県岩国市羅漢山広島県廿日市市岩倉 雨時々曇り 11/2℃ 行動距離17.4km 行動時間8:44 獲得高度697m 35522歩