本日は岡山県美作市の真木山の南尾根に張ったテントの中で5:20に起床した。昨夜はものすごい雨で、テントの中まで結露がひどい。
起きてから周囲を探索して分かったのだが、真木山は山岳仏教の中心地だったところで、野営地の周囲には宗教施設の廃墟が多数ある。現在はすべて廃寺になってしまっているが、テントの周囲には石仏が多数並んでいた。朝霧の中に石仏が並ぶ様は、、、ああ、恐ろしい。昨夜気がつかなくてよかった。
霧の中で撤収作業を進め、6:35に行動開始。ぬかるむ道を東に進む。300mほど先で林道と交差し、ここからは下りの道となる。
山道には落ち葉が厚く積もり、踏み跡は見つからない。ところどころで道が土砂で流されており、間違えて谷筋に降りてしまい、道を見失う。そのたびにGPSで位置を確認して、道を探し出す。
落ち葉で足音が消されるためか、イノシシ2頭が気がつかずに目の前の谷川で水を飲んでいる。踏んだ浮き石が転がる音でようやく気がつき、ビックリしたように走り去っていった。谷間にはシカの鳴き声も響いている。崩落しそうな古い木の橋を、滑らないようにソロリソロリと渡る。
谷川が石垣で護岸されるようになると集落は近い。7:32に谷口集落にたどり着いた。
県道90号線と並行して、集落の中を進む道がある。中国自然歩道のEDASのコースは集落の中の道をコースとしているが、河会川に架かる谷口橋を渡って県道を見に行ってみた。橋を渡った南側に遊歩道が設えてあり、現在はこれをコースとしているようだ。せっかくなので、遊歩道を河合川に沿って上流に進む。快適な遊歩道で、ホタルを見るためのベンチまで設置してある。
大内集落からは集落内の舗装路を歩く。
8:03に殿河内集落では殿河内橋で河合川を南に渡り、ここからは県道90号線を歩くことになる。県道歩きは憂鬱なことが多いが、ここは広い歩道が設置してあり快適。
10分ほど県道90号線を歩いていると、ずいぶん向こうの正面に大きな木が立っているのが見えてきた。これが横川のムクノキ。樹齢およそ1000年。樹高30m、周囲9.4mと巨大。根元に立って見上げていると、何か話し出しそうな気がするムクノキだった。このまましばらく、青空に向かって伸びるムクノキを眺めていたかった。西側は広い芝生の広場になっていたのに、ベンチの一つもないのが残念だった。
少し進むと県道90号線と県道46号線の三叉路となる。三叉路の左には横川アゼリア館という食堂兼土産物店。残念ながら営業時間は10時から。ベンチに腰掛けてコーヒータイムとした。
8:50に行動を再開し、右折して県道46号線に進んだ。500mほど進み、さらに県道426号線に左折する。県道とはいうものの、1車線の離合不能な林道。自動車はめったに通らなさそう。
亀石川に沿って東に進む。木々に囲まれ心地よい。
9:26に亀石集落を通過。数軒の家が建っているが、住んでいるのは1軒だけのよう。南の山の向こうからはバイクの爆音が聞こえる。山の向こうは岡山国際サーキット。今日はレースはないようだが、練習走行でもしているのか。
県道426号線は次第に傾斜が強くなり、9:33に美作市と備前市の境界を越えた。サーキットから聞こえる音は四輪のものに変わっていた。そろそろお腹が空いてきた。道端の石に腰掛け、シリアルの朝食にした。
10:05に行動を再開し、10:11に西畑集落を通過。ここにも数軒の家が建つが、人が住んでいる家はないよう。棚田の痕跡があるが、雑草で埋め尽くされている。
そのままなだらかな坂を上り、空が広くなってきたなと思ったら八塔寺集落だった。10:55に到着。右手の公園には茅葺きの家が保存されている。左手には高顕寺と集落の名前の元になった八塔寺。
まずは高顕寺にお参りして、続いてすぐ隣の八塔寺にもお参りしようと行ってみたが、害獣防護柵が厳重すぎて中に入れない。ガチガチに針金で縛ってある。それも、幾重にも。しばらく柵を開けようと試みたが、ついに断念。
八塔寺には茅葺きの家々が保存されている。2kmほどの道のりをグルッと回って八塔寺の主な見所を見物。
11:38にハ塔寺バス停に到着して行動終了。害獣防護柵に昨夜の雨でびしょ濡れのままのテントとフライシートを干して、バスの時間を待つことにした。
2022年3月27日 中国自然歩道45日目 岡山県美作市真木山〜備前市八塔寺 晴れ 18/7℃ 行動距離12.9km 行動時間4:59 獲得高度577m 27923歩
復路交通: 八塔寺ヴィラ12:05 備前バス-吉永12:40/12:58山陽本線-岡山13:33/16:23 山陽新幹線のぞみ35号-博多18:06