本日は2週間ぶりの自然歩道トレッキング。福岡から九州自然歩道を歩き始めて、中国自然歩道を経て、すでに近畿自然歩道の兵庫県に入ってしまった。福岡から兵庫にまでトレッキングのために通っているのである。なんと、500km以上の距離がある。それでも山陽は新幹線があるため、中継地を選べば離脱地点までの交通は良い。今回も3時間ほどで現場に復帰できた。
自宅から始発の地下鉄に乗車して博多、岡山を経由して山陽新幹線で相生に到着したのが8:27。相生駅前のロータリーから8:38の神姫バスに乗車して8:51に前回近畿自然歩道を離脱した森公民館前に到着した。
すぐに行動を開始して、まずはスタート地点の近くにある光専寺に立ち寄る。白鷺城をイメージしたかのような白壁と光沢のある瓦が特徴的。光専寺からは県道44号線を横断し、9:04に近畿自然歩道離脱地点の交差点に戻る。
ここからは2車線の舗装路をまっすぐ東に進む。1.5kmほど先の中野集落の左の山手にふるさと交流館という施設に立ち寄る。廃校になった学校の跡地を利用した施設のよう。宿泊が可能なよう。
さらに東に進み榊集落で、矢野川の支流の榊川を越える。正面に播磨自動車の高い高架が見えてきた。高架をくぐると釜出集落で、9:41に到着。ここまで3.2kmは快調に進む。
釜出の家並みが途切れたところで舗装路は終わりとなる。ここから右に折れて、川に沿った細い道に進むが、標識がないので迷いどころ。幸い今回は、反対方向からこのコースを進んだねむいさんのYAMAPログがあるため、参考にしながら進む。橋を渡って山道区間に入るが、このあたりは標識がなく、倒木が多く、踏み跡も見当たらない。ログがなかったらかなり迷いそう。助かった。
害獣防御柵を越えて、落ち葉の厚く積もった道を踏みしめながら、源流に沿って東に進む。途中の橋が落ちかけているが、谷川の水量が少なく、問題なく徒渉できる。ときおり倒木が道を塞ぐ。踏み跡は見えないが、谷川の左右には棚田の痕跡と思われる石垣がところどころ残っており、長い間踏みしめられた固い路盤を感じる。石垣で作られた平坦地にはすでに多数の灌木が茂っているが。
急な斜面を上り終えて、10:13に標高297mの分岐点に到着して小休止。汗が噴き出てきたので、Tシャツ一枚になる。
ここからは整備状態の良い林道に合流する。林道には自動車の轍が付いている。両側を低木に囲まれた快適な道。交通量は少ないが、ときどき軽トラが通りかかり、幅の広いタイヤを履いた自転車も通りかかる。この林道は勾配も緩く、周囲の風景も優れ、いつまでも歩いていたくなるほど快適。道路脇には棚田の跡や、菖蒲谷村の跡が残されている。
快適良道をさらに進むと、10:50に菖蒲谷森林公園が出てきた。この林道は森林公園の維持のためのものだろうか。公園には芝の広場などが広がる。野営適地が多数あるが、キャンプ可能かどうかは不明。よく整備されているが、人はいない。もったいない。
11:04に花菖蒲園を通過。菖蒲の季節にはまだ少し早い。この先で南からの林道との三叉路を北に進み、11:18にエメラルドグリーンの大成(おおなり)池が目の前に拡がった。ここは山上の天国かと思えるほどの美しい池。300mほど池を見ながら北岸を進む。
池を過ぎると林道は途切れ、堤に作られた階段を下りて山中の道を進む。このあたりは道標がしっかり設置してあるので安心。
スギの植林の中を進むと木々の間に新池が見えてくる。ここも美しい。池を見ながら南岸を進み、芝の生えた堤の上を歩く。
堤の端まで来たところで、迂回を指示する標識。ここでねむいさんは崩落のあるオリジナルルートを進んでいるが、今回は「うかい」と書かれた迂回路を歩いてみる。いくらかアップダウンのある山道を進む。道標はこまめに設置してあり、踏み跡も多い。ただし、道標は近畿自然歩道だけでなく、地元のおすすめコースを示すものもある。
12:02に亀の池(きのいけ)に到着。この池は、大成池、新池のエメラルドグリーンとは異なり、濃い緑色。池の堤の上では、20名ほどの男女が昼食を摂っていた。皆さん元気が良い。私もここで昼食とすることとして、ガスコンロでお湯を準備した。
30分ほどゆっくりしてから行動再開。20分ほどで亀山(きのやま、458m)に到着。ここは眺望なし。
10分ほど進んだところで、城山城の礎石のある眺望ポイントに分かれて進む。13:07に城山城眺望ポイントに到着したが、新宮町が眼下に一望できる絶景ポイント。
ふたたびコースに戻る。ここで山道が2手に分かれるが、間違えやすい。真南に進むとその先に道標が現れる。この先はツツジが咲く稜線上の美道を進む。
13:46に382mの小ピークを越えてさらに進む。傾斜が45°ほどもある坂を汗をかきかき登っていると、正面から自転車に乗った男性が下ってきた。断って写真を撮らせてもらった。男性は笑いながら自転車で下っていったが、これは自分には無理。転倒したら下まで数十メートルも止まりそうにない。骨折必至。
14:16に的場山(394m)に到着。山頂は南が開けており、淡路島まで見える。水分を摂りながら汗が引くのを待つ。
山頂からは14:26に行動を再開。かなりの急斜面を下る。さっきの自転車の男性はこの道を上ってきたのかなと、頭をよぎる。
14:50に両見坂に到着。大きな灯籠が目印。ここからはねむいさんのコースを外れ、EADASのルートに従って北に進む。このコースは人があまり通っていないようでかなりの荒れよう。さいわい傾斜はあまりなく、道は推測可能。しかし、害獣防護柵を越えたら道は完全に消えた。最後の200mほどは倒木を乗り越え、藪をかき分けて15:09に龍光寺に到着。
龍光寺ではお参りを済ませて、さっさと先に進もうと階段を下りていたら、男性から美術展を見学していかないかと声を掛けられた。お寺で美術展?と訝しがりながら本堂の中に進むと、絵画やミニチュアの茅葺きの家、サンドブラストでラベルを標したワインのボトル、万華鏡など、なかなかの力作が並ぶ。住職の男性に聞くと、いずれも檀家さんたちの作品だという。なかなかユニークな美術展を楽しませてもらった。お寺さんとのこんな交流も楽しいものだ。地方は高齢化が進み、元気のないところもいろいろ見てきたが、多くの集落に存在するお寺さんを中心に地域がまとまって活動するのもいい方策だと感じた。
龍光寺を辞した後は、三坂神社を経て、15:33に実業高校前の国道179号線に出た。しばらくは国道を北に向かって歩く。ここは、歩道はあるが交通量が多い。はやく脇道に進みたい。
栗栖川を越えたところで、国道から右に進み、揖保川の堤防の上を北に進む。のどかな光景が広がる。そのまま1kmほど揖保川に沿って堤上を進み、15:59に觜崎(はしさき)橋で揖保川を越える。
ここからは県道724号線となるが、歩道はなく、交通量が多く、非常に危険。ザックをかすめるように自動車が通り過ぎる。跨線橋でJR姫新線を越える。南に200mほど進めばJR姫新線の東觜崎駅で、ここで離脱を予定していたが、まだ16:00と早いため、さらに進むことにした。
県道724号線をさらに進み、道路端の懐かしい匂いのする商店のアイスクリームで小休止。ここから先は歩道が設置されており、ホッとする。この交通量で歩道なしはあまりに危険。この先では、揖保乃糸資料館そうめんの里に立ち寄るがあまり魅力的なものはない。
16:42に鳥井橋で林田川を越え、16:55に国道29号線に合流して右折して進む。国道29号線ではふたたび歩道がなくなる。17:04に姫路市境を越えるが、いつか自動車にはねられそう。
17:11に下伊勢に到達したところで、大津茂川に沿った道を見つけた。国道29号線から離脱して並行する農道を南下することにした。ここからは、自動車の通らない川沿いの快適な道を進む。
1kmほど南に進み、17:30にふたたび県道724号線に合流して右に進む。さらに500mほど進んだところで、近畿自然歩道から離脱して県道420号線を南に進む。
山陽自動車道の高架の下をくぐり、17:49にJR姫新線の太市(おおいち)駅に到着して行動終了。姫新線には生まれて初めて乗車。ここまで進んでおくと、明日の行程が楽になる。
2022年4月16日 近畿自然歩道3日目(通算175日) 兵庫県相生市矢野町森~姫路市太市 晴れ 17/7℃ 行動距離27.3km 行動時間8:49 獲得高度1037m 47611歩
往路交通: 西新5:36福岡市営地下鉄-博多5:49/山陽新幹線のぞみ2号-岡山7:43/8:11山陽新幹線こだま836号-相生8:27/8:38ウエスト神姫バス-森公民館前8:51