とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2022年5月29日 中国自然歩道49日目(通算190日) 山口県萩市川上 萩阿武川温泉〜山口市阿東生雲 長門峡駅 絶景!長門峡は死ぬまでに歩け!にランクイン

 本日は萩市郊外の阿武川ダムの直下にある萩阿武川温泉キャンプ場で5:00に目を覚ました。日の出は5:14で周囲はすでに明るい。コーヒーを淹れ、阿武川を眺めながら飲む。周囲のテントからもぼちぼち人が出てきた。

阿武川温泉キャンプ場

阿武川を眺めながら朝のコーヒー

 のんびりと撤収作業をすすめ、昨日知り合ったバイクツーリングの二人組に挨拶して6:55に行動を開始した。

キャンプ場を出発

 7:01に船戸橋を渡り、昨日下ってきた道を元に戻る。7:43に標高240mの峠を越えて、あとは下りのみとなる。

船戸橋で阿武川を渡る

昨日の道を引き返す

動物は多い。アナグマか?

 鳥の囀りに溢れた谷を下っていく。平和だなと思っていると、向かい側の山の木が何度も大きく揺れる。イノシシか、シカか、なにか大型の動物が斜面を移動しているようだ。正面には江舟岳が聳えている。

正面には江舟岳

 快適な下り道を歩き、8:22に昨日離脱した中国自然歩道に合流した。この辺りは阿武川ダム湖の西の支流の最上流域になる。

中国自然歩道に復帰

阿武川ダム湖の西の端

 8:30に清宗(きよむね)橋を渡り、ダム湖の北岸を進む。橋の上でのんびりと日向ぼっこしていたサル2頭がそそくさと茂みに逃げ込む。橋を渡った先は自動車は通行止めになっており、かなりの荒れっぷり。道にはサルのフンと思われる排泄物が点々と見られる。

清宗橋を渡る

ダム湖の北岸に沿った道を進む

道は荒れている

フン(おそらくサル)が各所に点々と

 下の斜面で藪をかき分ける音が聞こえる。おそらく2頭。自分の接近に気付いたようで、先に先にと音は進んでいる。道路端にはイノシシの掘り返した跡が続いている。しかも新しい。あの音はイノシシだろうなと思って進んでいると、目の前の道路を大きな2頭のイノシシが横切り、山上に向かって走っていった。

右手の斜面から飛び出してきた

ところどころに落石が

 さらに1時間以上も野生動物溢れるワイルドな道を歩き、9:50にトンネルを抜けて県道293号線に出た。右を見ると阿武大橋。とりあえず橋を渡って、ダム湖の写真を撮り、折り返し県道を東に進んだ。

トンネルを抜けると県道に出る

右手には阿武橋

ダム湖に木々の緑が映える

 県道の右手には阿武川の深い谷が大きくカーブしている。ダイナミックな眺めだ。10:09に麦谷橋で阿武川に注ぐ支流の麦谷川を過ぎると、阿東町の町境を越えた。ただし現在、阿東町は山口市と合併したはず。谷を挟んだ向かい側には重塀(じゅうべい)岩が孤高の姿を見せる。

谷はダイナミックに向きを変える

麦谷橋

旧阿東町に入る

谷の向こうには重塀岩

 10:31に滝橋を渡り、阿武川の左岸に出る。滝橋とはいうものの、これといった滝はない。次いで、10:35に長門峡隧道を通過。トンネルを出ると、川の向こう岸には切籠切窓(きりこきりまど)という岩が聳える。

滝橋

これといった滝はない

長門峡隧道を抜ける

切籠切窓

 10:54に切籠切窓を通過したところで昆虫採取の一団に遭遇。昆虫の分布を調べている市民団体のよう。リーダーらしき方と話をして、昨日見つけた赤い羽のハンミョウがナミハンミョウという種類らしいことが分かった。昆虫はからきし苦手なので、こういう人と話をするととても勉強になる。

湯ノ瀬隧道を通過

 さらに舗装路を阿武川に沿って遡り、11:17に休館中の湯の瀬温泉、11:30に長門峡発電所を通過。だんだん河原の石が大きくなってきた。

美しい渓谷を眺めながら進む

湯ノ瀬温泉は休館中

長門峡発電所

 11:45に龍宮淵に到着。ここは長門峡遊歩道の北の拠点となっており、広い駐車場と数軒の食堂がある。ちょうどお昼時ということもあり、最初に目についた茶店にしむらに入って、きつねうどんの昼食とした。

龍宮淵

昼食タイム

鮎はシーズン前とのことで、きつねうどん

 食事を済ませて12:15に長門峡の遊歩道を歩き始める。遊歩道は岩をくり抜くように作ってあり、渓谷のすぐ上を歩く。素晴らしい眺め。

長門峡遊歩道を歩き始める

うっとりするほど美しい龍宮渕

 龍宮淵から600mほど進むと、赤く彩られた紅葉橋が見えてきた。中国自然歩道はこの橋を渡り、阿武川の支流の生雲川の渓谷を遡るのだが、10年以上前から道が崩落して通行止めになっているとの情報を得ている。

紅葉橋を渡ってみた

 ダメだとは思ったが、念のために紅葉橋を渡り、進んでみた。200mほど進むと、道は上から流れてきた土砂に完全に塞がれており、通行不能。諦めて引き返してきた。

やっぱり行き止まりだった

 その後も長門峡は素晴らしい眺めが続く。下和留瀬(しもわるせ)、上和留瀬、佳景淵と美しい川の流れを見て、13:17に中間地点の鈴ケ茶屋に到着。茶屋の営業は行われていなかったが、木陰でアップルティーを淹れて小休止。

高島洞門

鈴ヶ茶屋からの眺め

 この先も、川獺(かわうそ)淵、舟入、榧ケ淵(かやがふち)と進み、14:15に長門峡遊歩道の南の入り口に到着。道の駅長門峡を通過して、14:24にJR山口線長門峡駅に到着して行動終了とした。

川獺淵

大谷渕

舟入

榧ケ淵

道の駅長門峡

 長門峡駅でJR山口線の時刻表を見ると、12:45発の上りの次は17:36発。3時間も待つのかとガッカリしていたところ、本日、日曜日には16:32発のSLやまぐち号長門峡に停車するではないか。全席指定と書いてあるが、無人駅の長門峡駅では指定券は購入できない。JR西日本に電話をしてみたところ、「本日のSLやまぐち号には空席があります。停車した列車の車掌に乗車可能か尋ねて欲しい。ただし、現在はSLが故障中のためディーゼル機関車の運行ですよ。」との返事。いつも売り切れ必至のSLの運行でないからこそ、空席があるのだろう。なんと幸運な。神様いつもありがとう!

SLやまぐち号が入線。ただしディーゼル

2022年5月29日 中国自然歩道49日目(通算190日) 山口県萩市川上 萩阿武川温泉〜山口市阿東生雲 長門峡駅 晴れ 27/13℃ 行動距離23.5km 行動時間7:21 獲得高度1447m 38882歩 行動中飲水量1600ml

復路交通: 長門峡16:32 SLやまぐち号新山口17:30/17:44新幹線こだま855号(500系)-博多18:44