とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2022年6月19日 中国自然歩道52日目(通算193日) 山口県山口市十種ヶ峰キャンプ場〜島根県津和野町青野山駅 津和野城趾からの絶景

 本日は山口県島根県の県境近くの十種ケ峰キャンプ場で4:00に起床。空気が澄んでいて気持ちが良い。まだ日の出前で、山の端がうっすらと紫色に染まり始めたばかり。キャンプ場は環境がよくてよく眠れる。

 管理棟まで歩いて、シャワーを浴びる。熱いお湯が気持ちいい。朝のシャワーは最高の贅沢。

 管理棟からの帰りは、鳥の鳴き声に溢れていた。鳥は明るくなると一気に活動をはじめる。テントに戻りゆっくりと撤収作業を進める。ガスコンロの不調のためコーヒーがないのが残念。自販機の缶コーヒーを代用とする。

 5:45に行動を開始。ところが道標がないため、地図を見ながら右往左往する。どうも、昨日歩いてきた県道の続きを歩くわけではない。地図をよーく睨むと、ミニSLのレールの先のスキーリフトの方に向かうようだ。リフトからさらにBMXコースに沿って登っていくと、ようやく本日1つ目の道標が現れて安心した。

キャンプ場からはスキー場を抜ける

スキー場の端のミニSLのレールに沿って歩く

さらにBMXのコースを見ながら進む

ここでようやく中国自然歩道の道標

 坂を上り詰めて、5:56に山口県島根県の県境に到着。道標のシンボルがカエルになった。そのまま山道を下ると、コンクリート舗装に変わり、徳治(とくつぎ)集落の中に進んだ。集落では盛んに護岸工事が進められており、水害でもあったのかと思われる。

峠の部分には中国自然歩道の説明板

ここから島根県に入る

島根県の道標にはカエルのシンボル

急な坂道を下る

コンクリート舗装路に変わると徳次集落

護岸工事が盛んに行われている

 集落をさらに下り、6:20に県道13号線に合流。右折して進む。県道は2車線の立派な道路で、歩道もある。交通量は少なく、歩きやすい。県道上で通過する橋ごとに立派な橋名標が建てられているのが面白い。

県道13号線に合流

名賀川に架かる小さな橋の一つ一つに橋名標

 6:28に名賀トンネル(247m)を抜ける。自動車が通らなくてよかった。トンネル内の自動車の騒音は凄まじく、苦手だ。

名賀トンネル

 その後も名賀川に沿って県道13号線を進む。山は深い。7:00に白井集落の愛宕神社にお参り。

 さらに進むと、道路の右側に駐車場と四阿が見える。川を挟んだ対岸には山口線のレール。広い駐車場があるところをみると、ここはSLの撮影ポイントなのだろう。右手を見るとトンネルの入り口がぽっかりと黒く見える。船平山の勾配を喘ぎながら登ってきたSLが、白い煙を吐きながらトンネルに入っていくところが想像できそうな場所だ。残念ながら、SLはまだまだ来そうにない。小休止の後、さらに歩き続けた。

撮影ポイントには広い駐車場

川向こうには山口線のレールが見える

 7:30に牧ケ野集落を通過中に、山口線の列車がゆっくりゆっくり坂を登ってくるのが見えた。こうやってみると、鉄道というのは勾配が苦手なのがよく分かる。ディーゼルのエンジン音を響かせて進む山口線を見送った。

山口線の車両があえぐように上ってきた

 8:11に瀬戸集落を通過。津和野らしい雰囲気が出てきた。橋の手前で県道17号線に左折。橋の名前は流鏑馬(やぶさめ)橋。うん、津和野感100%。

県道17号線に左折。先に見える橋が流鏑馬橋。

 津和野川を鷲原(わしはら)橋で越えて、8:25に鷲原神社に参拝。

鷲原橋を越える

鷲原神社

 ここから津和野城址に向かう山道に取り付く。地図を見ながら進んでいくと、YAMAPの示す道からずいぶん南にずれている。YAMAPは標高332mピークの中荒城跡に直登するようなコースを書いているが、どうもその道は廃道のよう。踏み跡を辿って、332mピークの南を進むと、公式版ではなさそうな手書きの中国自然歩道の道標が出てきた。8:50には稜線の道に合流し、ホッと一安心。

登山路に取り付く

一本杉のあたりから地図より右に逸れはじめる

この

このあたりでずいぶん地図上の道とずれて心配になる

手書きの道標が出て一安心

ここで稜線に出る

山道の整備状態は良好

遺構の解説もある

津和野城の石垣が見えてきた

 9:10に津和野城址の本丸跡に到着。津和野市街地が足元に見える素晴らしい眺望。正面には青野山の円錐状の姿。振り返ると昨日登った十種ケ峰も見える。現在、ここに城がないのが残念。明治の廃城令は本当に残念なことだと感じる。いまから城郭を建てるのは難しいだろう。

本丸の広場

向こうに見えるのは次の目標の青野山

津和野の街が足下に

振り返ると十種ヶ峰の頂が見える

 しばらく津和野城址からの眺望を楽しんだあと、津和野市街に向かって下り始める。このあたりも中国自然歩道の道標は少なく、工事中の箇所が多いこともあり、迷いやすい。正解はリフト乗り場に向かって、乗り場手前で右に折れる。

津和野城趾を後にする

工事箇所が多い

道標は申し訳程度

リフト乗り場に向かって進む

途中で右に折れる

リフトの下をくぐって進む

 急勾配の山道をくだり、10:02に太鼓谷稲荷に到着。参拝者が多い。ちょうど茅の輪くぐりの季節だった。方法を熟読してから、間違えないようにくぐった。間違えると厄難を招き入れそうな気がして緊張してしまった。

山道から舗装路に合流

太鼓谷稲荷

間違えないようによく読んでからくぐる

 参拝を済ませて、千本鳥居を抜けて麓の大鳥居に10:25に到着。300本ぐらいまでは数えていたが、対向者に気を取られて、途中で分からなくなってしまった。1000本まではなさそうな気がした。

津和野の街がすぐ下に

千本鳥居をくぐって参道に進む

津和野川に出る

稲荷神社表参道

 鳥居のすぐ横に蕎麦屋があった。朝ごはんを食べていなかったのでお腹がペコペコ。暖簾をくぐって割子そばセットを注文。蕎麦も美味いが、いなりが絶品。濃口醤油で甘辛く煮た揚げから滲むエキスが胡麻を含んだご飯に合う。追加で2つ頂いた。店の名は美松。

鳥居横のそば美松

割子蕎麦にいなりがつくが、これが絶品

 お腹がくちくなったところで、11:00に行動再開。津和野大橋のところで、ちょうど山口線が通過。いいタイミングで写真が撮れた。背景には津和野城趾も写っている。

稲荷表参道の入口

津和野大橋

山口線が通りかかる

 そこからは津和野市街の観光地には立ち寄らずに、そのまま津和野川に沿って中国自然歩道を進む。11:22に天神橋まで来て、津和野を離れて青野山に向かおうかという時に閃いた。ここから津和野市街を横切り、津和野駅に荷物を預けて進む手もある。どうせこの先、どこまで進んでも津和野を経由して帰るのだ。

有名な殿町の入口だけ

あとは津和野川に沿った中国自然歩道を進むのみ

天神橋で立ち止まる

 昭和の風情の残る狭い小路を通り抜け、11:35に津和野駅に到着。駅は改修中で、コインロッカーなどはなく、駅前のレンタサイクルの店に荷物を預ける。店のご主人に次の目標の青野山について尋ねると、昨日の雨で道が悪いかもとのこと。往復のコースタイムは4時間ほどで、列車の時間までは5時間ほどある。飲料水のPETボトルを1本持って、迷わずに出発。

津和野の街は雰囲気がいい

ここには立ち寄りたかったが先に進んだ

津和野駅は工事中

駅前の店に荷物を預けた

再び街を抜ける

津和野郵便局

天神橋に戻る

 11:46に先ほどコースを離脱した天神橋まで戻り、橋を渡って進む。地図では50mほど上の国道9号線までまっすぐな道があるはずなのだが、道標がなく、人家の庭先に出てしまった。犬に吠えられながら戻って、お墓の中を通過して11:55に国道9号線にたどり着いた。

寺の横を進む

このあたりは迷いやすい

寺の後ろのお墓が目印

国道9号線を走る車の音が聞こえてくる

国道9号線を南に1kmほど進む

 国道にたどり着いてもまだ道標が現れない。登山道の取り付きが分からないのだ。地図の高圧線を目印に、国道の法面に登り口がないか探すが、なかなか見つからない。GPSで目星をつけたあたりを往復して、法面に立てられた測量ポールが怪しいと睨んでしばらく藪を漕いでみたら、30mほど進んだところで踏み跡が見つかった。私の後を歩く人もここは迷うと思う。私のGPSデータか、写真をよく見てからアプローチされたい。

青野山への取り付き道は見つけにくい

ここから上る

覚悟を決めて上る

道かもしれないという期待が膨らんでくる

道だろう

道だった

 その後もかなりの荒れ方の山道を進む。12:33に林道にたどり着いた時はホッとした。右折してしばらくすると視界が開けて、その先に舗装路が見えてくる。

地図のコースとは合っている

道標が現れて一安心

林道と合流

その先は開けている

県道に合流

 12:37に県道226号線を左折して進み、900m歩いて笹山登山口に到着。飲料水で喉を潤わせる。

登山口には駐車場

 12:48に登山道を登り始める。南から北に向かう、ほぼ直登の1300mの単調な上り。100mごとに津和野小学校の生徒の応援メッセージが掲げられている。毎年遠足で登っているのだろうな。このコースは小学生にはちょっと辛いかも。

南から北に向かうほぼ直登ルート

 小学生のメッセージに励まされながら、13:41に青野山頂上(907m)に到着。先行者が1名。きつかったと言いながら、腰を下ろして氷水を飲んでいる。今日は暑いから大変でしたねと、お互いに慰める。自分は飲料水が残り1/3ほど。チビチビと口を湿らせるだけにする。

 早々に下りに進む。下りも北に向かうほぼ直登ルート。北のルートも踏み跡がしっかりついており、歩きやすい。小学生のメッセージの看板もあったようだが、上りの方向に掲げられているため、全部を見たわけではない。何の問題もなく、14:30に青野河原登山口の駐車場に到着。

下りも真っ直ぐ北に

登山口にたどり着いた

青野原登山口駐車場

 ここにも道標はない。舗装路をそのまま進みたくなるが、地図を確認すると駐車場から下る道があるのに注意。5分ほど進み、突き当たりを右折。ここでようやく中国自然歩道の道標が出てくる。このさきで舗装路はダート道に変わる。

駐車場の脇から舗装路を下るが、道標はないので注意がいる

200mほど進むとようやく道標が現れる

右折して500mほど進む

ダート道に変わる

 14:42に舗装路と交差してさらに進む。ここからは4m幅ほどの広い規格のよく整備されたダート道。適度に広葉樹に囲まれ快適の一語。こんな道なら3日ほど歩き続けてもいいなと思えるほど心地よい道。そのうちに両側の木がスギの植林に変わり、舗装路に変わる。道はカーブを描きながらゆっくり下る。通過する自動車はない。

舗装路と交差してさらに進む

この先の広葉樹に囲まれたダート道がスキ

スギに囲まれた舗装路に変わる

風穴とあるが風は出てこなかった

 15:15に突き当たりの三叉路を左折すると家並みが見えてきた。青野山を振り返って眺め、15:30にJR山口線青野山駅に到着して行動終了。次の山口線の時間は16:51。水はすでに尽きた。喉はカラッカラ。時間があるので、自販機がないか国道9号線沿いまで探しに行こう。

三叉路を左折する

家が見えてくる

このあたりは土葬が残っているよう

振り返れば青野山

赤い瓦屋根もいいな

駅に到着

便数が少なすぎる

2022年6月19日 中国自然歩道52日目(通算193日) 山口県山口市阿東十種ヶ峰キャンプ場〜島根県鹿足郡津和野町青野山駅 晴れところにより曇り 30/19℃ 行動距離24.5km 行動時間9:42 獲得高度1218m 45340歩 行動中飲水量1800m

復路交通: 直地16:13石見交通バス-津和野駅前16:30/17:27スーパーおき5号-新山口18:37/18:55新幹線のぞみ41号-博多19:30