とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2022年8月6日 中国自然歩道59日目(通算202日) 島根県浜田市治和町周布~浜田市下府町千畳苑 北前船の行き交った海は想像以上の美しさ

 本日も益田のホテルで5:00に起床。駅前のローソンで食料を購入して、7:02益田発の山陰線に乗車。益田から先の山陰本線は海岸に沿って線路が敷かれている。青い海が拡がる車窓風景が素晴らしい。

山陰本線の列車の中で朝食

車窓からの風景が素晴らしい

 7:37に周布駅に到着して行動開始。昨夜自動車にはねられた現場を通過する。路面にチョークで印が付けてあるかと思ったが、別に何も残されていなかった。幸い、歩いてもどこにも痛みはない。はねられる直前に身体を反転してザックから当たったのがよかったようだ。

昨夜は駅に向かって道路の左を歩いていたら、左から右折してきた自動車が突然ぶつかってきた

 EADASの示す中国自然歩道のルートに従って7:41に周布駅前の道路を左折して北に進む。この道路は中央線のない狭い道だが交通量が多く、歩道もなく危険。バスも通る道で、バス停が出てきた。

港町の道路は狭いところが多い

 バス停で時刻表の写真を撮っていると、通りすがりの男性からこのバス停は、この先の橋の工事のためにいまは使われていないと教えてくれる。300mほど進むと、なるほど上下にうねるように変形した周布橋が通行止めになっている。昨年の周布川の氾濫によるもののよう。

周布橋は通行止め

橋が波打っていた

仮設と思われる人道橋を渡る

 仮設の人道橋に迂回し、真っ直ぐ北に進む。7:59に周布踏切で山陰線を越え、8:00に郷社八幡宮に立ち寄る。ここは鳥居の先に踏切がある神社。かつての境内に線路が通ってしまったよう。

コース上の郷社八幡宮の鳥居の向こうに踏み切り

 神社から左折して住宅地を抜けると、砂浜の海岸が目の前に拡がる。両側を岬に囲まれた穏やかな日脚(ひなし)海岸。こんな所でのんびり暮らすのもいいなと思いながら進む。

住宅街を抜けると日脚海岸

 日脚海岸を過ぎると山陰線沿いの道になる。道路脇に水準点。なぜこの位置にと思う。

水準点を発見

 長浜町、熱田町と進む。左には浜田商港。このあたりの道路は狭く、交通量が多い。歩道がないので海岸の堤防沿いの道を進むことをお勧めする。

狭い道が続く

漁港を歩いた方が快適か

 8:54に西浜田駅を通過。しばらく海岸沿いに歩いて街を抜けると、ようやく歩道が設置された。

 浜田自動車道から港に分かれる道路の高架下を通過して県道241号線に合流する。山の上に景色の良さそうな展望台があるなと気になる。よく見てみたらパチンコ店だった。その名もGran Vista。かつてのホテルかレストランを改修したのだろうか。

この景色の良さそうな建物がパチンコ店だとは思わなかった

 その先には水産加工団地。強烈な臭いが漂う。小売をしているところもあるようで、レジ袋を下げた人たちが行き交っている。正面には浜田マリン大橋。

水産物の強烈な匂いが流れてくる

買い物に来ている買い物に来ている

 9:47に県道を左折して浜田マリン大橋に進む。橋長615mの斜張橋。美しい形だ。交通量は少なく、景色を楽しむことができる。振り返ると昨日登った大麻山のアンテナ群が見える。10:04にマリン大橋を渡り終えて小休止。

マリン大橋の頂上からは大麻山がくっきりと

 10:11にマリン大橋の橋脚のある瀬戸が島を渡り終えて右折する。浜田港を眺めながら住宅地の方に南下する。

 10:45に国道9号線との交差点にコメダ珈琲を見つけて昼食のために休憩。サンドイッチとたっぷりのアイスコーヒーでお腹を満たす。

コメダ珈琲でランチ休憩

 店内でゆっくりと涼んでから11:25に行動再開。国道9号線を東に200mほど進んで亀山橋を渡ると殿町になる。ここは浜田城がかつて建てられていたところ。標高68mの亀山に城が建てられていた。1866年に大村益次郎に攻められて炎上したと書いてある。亀山の先端部を周るが海の色がきれい。

亀山橋の向こうが浜田城趾

浜田城趾のそばにはかつて皇族の寝所として建てられた御便殿

浜田城の北には青い海

 亀山から先は漁村の中の狭い道が続く松原町を歩く。町が途切れたところには心覚院。浄土宗の寺院だが、駐車場の片隅に「はちえもんだるま」という見たこともない絵馬掛所がある。解説を読むと、鎖国が続いていた江戸末期に国禁を犯して海外貿易をしていた廻船問屋の会津屋八右衛門にちなんだもののよう。当時の藩の財政をずいぶんと助けた義賊のような人で、松原町が顕彰して大きな石碑を建てていた。

松原町

心覚院

会津屋八右衛門の碑も建つ

 浜田は江戸時代の北前船の中継点。外ノ浦(とのうら)は奥深く、波は穏やか。金刀比羅神社は航行の安全を祈願したものだろう。

外ノ浦

金刀比羅神社

 12:16に外ノ浦の突き当たりに到着。外ノ浦の北岸に進み、日和山(ひよりやま)の頂上の方角石に向かう支線もあったが本日はパス。本線をそのまま続けて進む。

湾は奥まで続く

ナデシコ

外ノ浦の突き当たりから生湯に進む

 山間の道を北上し峠を越えると、海が見えてくる。12:45に浜田海岸県立自然公園の道標を左に折れて生湯港に向かう。

峠を越えると正面に海

生湯港への道標が見つけにくい

断崖の上の別荘?に突き当たる

 断崖の上に建つ素晴らしい景色の別荘地で行き止まりのように見えるが、その先に中国自然歩道の朽ち落ちそうな道標を発見。しかし、その先の道が見つからない。やむなくEADASの示す方向にしばらく薮漕ぎ。30mほど斜面を下ると道が出てきた。素晴らしい眺め。しばらく海に魅入ってしまった。

断崖の上に道標があるので道間違えではない

しかしこの先の道が見つからない

やむなく藪を突っ切る

整備された道に出た

 12:59に生湯港を過ぎ、生湯に進む。生湯の地名は、和泉式部がこの地で出産した際に産湯を使ったことによるとのこと。百人一首に収められたのは「あらざらむこの世の外の思ひ出に 今ひとたびの逢ふこともがな」

生湯港から再び山手に

 13:23に道路脇の生湯の看板を左折する。ここは迷いどころで、左折の道標は出ていない。200mほど進んでから間違いに気づいて坂を上り直した。

生湯の看板が目印

看板から鋭角に折れる

その先で右に進む

 ここからは舗装路はすぐに途切れ山道となる。しかもアップダウンがきつい。暑い。汗が噴き出す。と思って歩いていると、真っ青な海が目の前に拡がって息をのむ。

道が荒れてきて心配になるが

ときどき道標が出てくる

 ここから先は潮風をうけながら海岸に沿った灌木の中をアップダウンして進む。東の方に海水浴場の白い砂浜が見えてきた。

 14:03に舗装路に合流し、下府(しもこう)川港橋を渡る。その先は国府海水浴場。多くの人で賑わっている。

国府海水浴場

 14:24に国民宿舎千畳苑で中国自然歩道を離脱して、バス路線のある国道9号線に向かって進む。途中にあったスーパーで30分ほど涼んでから、14:50に千畳苑口バス停で行動終了。

国民宿舎千畳苑

今回はここで離脱

2022年8月6日 中国自然歩道59日目(通算202日) 島根県浜田市治和町周布~浜田市下府町千畳苑 晴れ 31/26℃ 行動距離21.2km 行動時間7:10 獲得高度539m 33512歩 行動中飲水量2900ml

往路交通:益田7:02山陰本線-周布7:37

復路交通:千畳苑入口15:15石見交通バス-浜田15:27/16:16スーパーおき5号-新山口18:37(大雨のために遅延し19:45到着)/18:55(19:55)新幹線のぞみ41号-博多19:30(20:30)