とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2022年9月10日 中国自然歩道64日目(通算207日) 島根県川本町石見川本駅~大田市温泉津 薬師の湯が沁みる

 今回のトレッキングは、島根県邑智郡川本町石見川本駅からのスタート。2018年にJR三江線が廃止となり、いよいよアクセスが困難になってきた。土曜日の朝に福岡を発つと、当日に歩くことのできる時間は限られてしまう。やむなく金曜夜から前泊。宿泊地は、前回もお世話になったJR三江線川戸駅跡のすぐ目の前の旅館。ここは料理が美味しく、女将さんの気配りが素晴らしい。

今回もお世話になった美川旅館。居心地がよい。

三江線川戸駅

廃線後もきれいに手入れされているが、近くの青年がボランティアで草を刈っていた。

駅舎の中には石見神楽の絵が展示されていた

 さて、川戸の旅館で5:00に目を覚まし、7:00から朝食。川戸駅前から7:40の石見交通バスに乗り、8:20に石見川本駅前に到着。飲料水を購入して、8:27に行動開始。川本大橋を渡って江の川を越える。対岸の川本の町の中心には悠邑ふるさと館が鎮座している。

三江線石見川本駅跡に到着

川本大橋で江の川を越える

川本の町の中心にはドーンとふるさと館

 県道187号線を西に進む。交通量は比較的多い。歩道はないので注意がいる。三谷川に沿って進み、下谷戸(しもたんど)集落を過ぎたあたりの道端に「ささゆりの水」という名水販売所があった。ちょうど男性が給水中で、一口飲んで行けという。うまい。蕎麦の花も咲いている。

三谷川に沿って県道187号線を西に

ささゆりの水

美味い

ソバが白い花を付けていた

 9:30に三俣から県道187号線に従って谷間の道を左折して進む。湯谷(ゆだに)でも187号線に従って右折。ほどなく左手に湯谷温泉が見えてきた。温泉施設に立ち寄り、椅子を借りて小休止。

湯谷温泉の標示に従って進む

湯谷温泉

 湯谷集落をさらに進むと、刈り取った稲をハザ掛けしている男性がいる。挨拶をして、写真を撮らせてもらった。コンバインで一気に脱穀まで行わずにハザ掛けをするのは、藁を肥育している牛の飼料にするためだという。米の銘柄はコシヒカリ。天日干しのコシヒカリはさぞ美味しいでしょうねと尋ねたら、これしか食べたことありませんからと、至極まっとうな答え。

ハザ掛けはコンバインによる収穫の3倍以上の手間がかかるという

 さらに進むと、畑にはエゴマが花を付けている。写真では見たことがあるが、実物を見るのは初めて。

エゴマ

 11:00に大元集落、その先で突き当たる県道46号線を右折し、11:14に太田市境に入る。道路の下の方に温泉マークのある人家があるが、すでに人は住んでいなさそう。

県道46号線に進む

大田市に入る

谷間には温泉。すでに廃業しているよう。

 11:39に大家集落で県道177号線との交差点を直進し、集落の中に進む。集落の高台にある浄土寺にお参りし、階段に腰を下ろして昼食のおにぎりを頂く。集落の家の多くは石州瓦の赤い屋根。

県道177号線を渡ると大家集落

高台にある浄土寺で昼食休憩

石州瓦の町

 12:07に行動を再開し、大家集落を抜けて県道177号線に合流。12:32に太田で県道177号線を離れて左折して進むと、コンバインで稲の刈り取りをしている。挨拶を交わして作業を見学させてもらう。コンバインで4条ぐらいずつ刈り取り、田んぼ1枚を収穫すると、トラックに乗せたネットに脱穀したばかりの籾を一気に排出する。すごい機械だ。

県道177号線を進む

コンバインの収穫作業を見学

一気に脱穀まで済ませてしまう

 12:54に井田集落の交差点を左折して県道32号線に進む。ほどなく地図に従って殿村から細い道に右折して高野山に進む。13:45に高野山寺に到着し、山門を潜ったところで住職さんがわざわざ挨拶に来られた。お盆に草を刈ったばかりだが、もうこんなに伸びてしまって申し訳ないと謝ってくれる。とてもよい人そう。ほとんど一人で、この大きな寺領の管理をしているよう。大変だ。

井田集落には商店がある

突き当たりの県道32号線を左折

高野寺の看板が出てくる

県道を離れて狭い道を進む

山門が迎えてくれる

立派な仁王が構える

広い庭

寺社も立派な構え

西の高野山だった

 高野山からさらに山中を進み、14:13に県道32号線を横断して、14:23に山の中腹にある龍蔵寺にお参り。ここは高野山の住職さんからお勧めされたところ。とても手入れがよい美しい寺。

龍蔵寺

龍蔵寺の山から見える石州瓦の集落も美しい

 寺から山を下って歩いていると、またコシヒカリのハザ掛け現場に出会った。写真を撮らせてもらおうと声を掛けてみると、ハザ掛けは今回が初めてとのこと。先輩から連れられて、実家の手伝いをしに来たとのこと。その隣の田んぼではコンバインでつや姫を収穫中。このコンバインは兼業農家用の小型のものだけど、500万円もしたと教えてくれる。

この方はハザ掛け初心者

この男性がオーナーさん

隣の田ではコンバインでつや姫を収穫中

作業は早い

 14:52に県道32号線に合流して、そのまま北に真っ直ぐ進む。交通量は少なく快適。

県道32号線を北に進む

秋の七草のハギが咲き誇る

石央セラミックスは残り少なくなった石州瓦の生産拠点

 15:42に石州福光石の採掘場を通過。花崗岩のようだ。このあたりから雨が降り始めた。

 16:01に温泉津変電所を通過し、16:04に国道9号線に入ると、雨が強くなってきた。荷物が心配だが、暑さしのぎにはちょうどよい。そのまま雨具を着けずに歩き続ける。10分ほどで国道から県道203号線に右折して、福光川沿いの静かな道に進んだ。

温泉津変電所を通過

国道9号線をしばらく歩く

国道9号線から県道203号線に進む

雨が強くなってきた

 16:21に温泉津中学校を通過し、16:39に石見福光駅を通過。雨は強い。

海沿いを走る山陰本線

石見福光駅を通過

踏切を渡ると海が拡がる

 この先は山陰の海を見ながら進んだ後、山中の道に入る。標高100mほどの峠を越え、港に出た。

山陰の海は美しい

集落を抜けてしばらく山中の道に

再び家が見えてくると港

 美しい港の岬を過ぎると、正面に矢滝城山が見えてきた。温泉津港だ。

温泉津港の向こうには矢滝城山

 海を見ながら進み、標識に従って温泉津温泉街に進む。温泉津と書いて「ゆのつ」。昔の町並みが保存された美しい温泉だ。温泉街を600mほど進み、名湯と聞いている薬師の湯に17:47に到着。ここで行動終了とし、温泉に浸かって筋肉をほぐすこととした。46℃の源泉から無加工で掛け流しの生の温泉。熱いお湯が身体に沁みてきた。

港の先には温泉津温泉の古い町並みが保存されている

2022年9月10日 中国自然歩道64日目(通算207日) 島根県邑智郡川本町石見川本駅大田市温泉津町温泉津温泉 曇り時々雨 29/21℃ 行動距離35.1km 行動時間9:17 獲得高度1038m 54175歩 行動中飲水量2400ml