とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2022年9月24日 東海自然歩道10日目(通算211日) 滋賀県甲賀市紫香楽宮跡~三重県伊賀市柘植 伊賀甲賀靉本滅浄忍道

 今回は東海自然歩道10日目のレグだが、写真がほとんどなく、また自分の歩行したGPSデータも保存されていないことをまずお詫びしたい。前日の雨中歩行でiPhoneが水没して死亡してしまったのだ。このあたりの顛末は、もう少し心の傷が癒えてきたら書くことにしよう。

 本日は基本的には文字情報のみのトレッキング記録とする。時計もないので、情報は路面状態と道標が主体。風景描写には筆力が不足していることも自覚している。つまらなかったらすっ飛ばしてもらいたい。

 本日は南草津のホテルで6:00に起床。スマホがないので、目覚ましなしで起きてみたら、この時間だった。iPhoneのスイッチを入れてみたが、動作しない。しかたがない。出発準備を整えて着替えを済ませる。

 6:50にホテルを出発し、南草津から7:17の琵琶湖線に乗る。一駅で草津に着き、7:28発の草津線に乗り換える。草津線の写真を見せられないのが残念。草色なのだ。テーマカラーなのだろうが、「草色」。どストレートで草色としか表現できないこの色の車体を皆さんにお見せしたかった。

翌日、草津駅で撮影した草津線の列車。まさに「草色」だろう。

 貴生川には7:58に到着。ホームの反対側で待つ信楽高原鐵道に乗り換える。信楽高原鐵道の写真もお見せできないのが残念。テーマは忍者。カラーは紫。8:04に紫香楽宮跡駅に到着して、行動を開始。駅の自動販売機が本日の行程のほぼ最後の自販機となる。

 1面ホームのみの無人紫香楽宮跡を出て、踏切を渡る。踏切のすぐ先の左手から木製の階段の続く山道に入る。傾斜のきつい階段が50段ほど続く。その後は稜線を伝うなだらかな山道に変わる。4つほど小さなピークを迎えるが、3つめと4つめのピークからは、かつて紫香楽宮があったであろうところを木々の間から見ることができる。

持参の地図に情報をメモ。自分でも読めないか所あり。

 正面から新名神高速道路の自動車の音が聞こえ始める頃から、急な階段を下る。下り着いたところが隼人橋。EADASのプリントアウトを見ると橋を渡った国道367号線にコースを示しているが、隼人橋のたもとにある道標は川を渡らずに隼人川の左岸を進むように指している。今日はGPSが使えないので、現地の道標に従って進むことにする。左岸の道は隼人川に沿った快適な道で、国道を歩くよりは、こちらを選択して正解だと思う。隼人川は川底が白い岩で覆われた美しい川。流れる水は澄んでいる。川の向こう側から、信楽高原鐵道の列車が通過する音が聞こえる。

 500mほど進んで、つめた谷橋から新名神道路の高架下を潜って南に折れる。最初は500mほど舗装路だったが、非舗装の林道に変わる。さらに進むとエノコログサが膝丈まで延びた道に変わり、山道の中央が雨でえぐれたようになってくる。500mほど山道を進んだところで道は二股に分かれる。ここには道標はない。迷いどころ。地図を睨んで左に進む。

 このさきは荒れた谷となる。谷川に沿った泥濘む道を進んでいく。峠が近づいたところで、植林された何本ものスギの幹に紫色のテープが巻かれているのに気がついた。巻かれているのは30~40年生ぐらいの伐採にはやや若いぐらいのスギ。何故だろうと考えながら歩いていると峠に着き、ここで東海自然歩道の道標が現れた。左の道を選んで正解。ホッとした。道標には次の目標地の岩尾池まで4.1kmと書いてある。

 峠までの上りが泥濘んだ荒れ谷だったのに比べて、下りは美しい林道となる。その林道もしばらくすると簡易舗装に変わり、しっかりした舗装路に突き当たってそこから左折して進んだ。後方から自転車が音も立てずに抜き去っていった。挨拶を交わす間もない。

 舗装路の両側にはスギの植林。右のスギ林の手入れが見事。均等に間伐され、枝打ちをされた幹はすっくと伸びている。下草はきれいに刈ってあり、ずっと向こうまで見通せる。そんな光景を眺めながら坂を下っていたら、風景は黄金色の穂をなびかせた圃場に変わり、杉谷集落の中心に着いた。

 つめた川に架かる新田橋を越えた後、県道132号線を右折して南に進む。この辺りは左右ともに水田。100mほど進んだところに屋根のあるベンチが設置してあったため、本日最初の小休止。集落に入っても東海自然歩道の道標はこまめに設置してある。このベンチも東海自然歩道ウォーカーのためのもののよう。うれしい。

 県道132号線を1kmほど進むと、正面に岩屋池が現れた。緑の水面に青い空が映る。県道は池の右を進み、歩道は池の左側を池に沿って進む。途中で30mほどのトンネルを通過。路面は土で滑りやすい。

 トンネルを抜けた先に芝生の堰堤があり、そこにテントが一張り。キャンプOKなようだ。堰堤の南はそのまま大沢池につながる。今度は池に沿って進まず、東の山中に進む。

 勾配の強い山道を登っていく。地図では真っ直ぐ東に延びているが、左右にいくつもの脇道が現れる。植林の管理用に作られた道のようだ。400mほどのピークに東海自然歩道の説明板が設置してある。ここで北に方向を変え、今度は一気に下り。北にある昭和池をチラリと眺めながら進むと、山道から砂利敷きのきれいな林道に変わり、左からの林道と合流した後は舗装路に変わった。

 舗装路を曲がりながら高度を下げていく。右手にノボリオ池、その先は黄金色の水田。このあたりは近江米の産地のよう。狭い路地に東海自然歩道の道標が現れ、それに従って右折。集落の中を道標に従って進む。その先が少し迷いどころ。道標の指す先が民家の庭先。間違えたかと思って戻って矢印を確認したが、何度見直しても民家を指し示している。気をつけてみると、緑の旗がその先に点々と立っている。どうもこの旗が東海自然歩道に誘導しているよう。民家の先を通らせてもらい、害獣防止柵を通過して、栗畑の中を進むと舗装路にたどり着いた。このあたりはEADASのコースとはずいぶん異なる。舗装路を進むと200mほどで次の目標地にしていた明王寺が見えてきた。

 明王寺には11:40に到着。小ぶりな寺院ながら、庭の手入れがきれい。しかも境内に「東海自然歩道歩行者休憩所」という銘の小屋が建てられている。きれいに清掃された小屋のベンチで昼食とした。小屋のベンチには雑記帳が置かれていたため、感謝の言葉を記しておいた。

 明王寺から先が少し迷いどころ。お寺の前に幅の広い道が整備中だが、そちらには進まずに左手の山の階段に向かわなければならない。この道標が見にくい位置にある。

 階段を上り、山を越え、県道133号線に並行した山道を進み、切り通しで県道に出たところがちょうど三重県との県境だったところのよう。「従定南三重県管轄」(旧字で)と書かれた石碑が建っていた。実際には県道を200mほど南に進んだところに滋賀県甲賀市三重県伊賀市との市境・県境があった。

地図左の明王寺付近はEADASのデータとかなり離れている

 県境から200mほど進んだ先の左の法面に東海自然歩道の道標。ここから上っていくのかと思うような草だらけの法面だったが、階段で上部まで出ると広く整備された山道があった。ただし、雨の跡だったせいかかなり泥濘んでいる。山道を進むと大きな工場群が見えてきた。エコパレット滋賀と書いてある。山道はちょうど滋賀県三重県の境界線を走行しているよう。行政の境界近くというのは微妙な問題があるのか、道標がほとんど立っていない。少し心配だったが地図に見られる舗装路に出たところでようやく道標を見つけてホッとする。

 この先も道標に従って進むが、ここもEADASのコースよりもずいぶん南を進んでいる。ほどなく次の目標地の伊勢廻寺(いせばじ)に到着。ここにも東海自然歩道の歩行者に向けたベンチが設置してある。ありがたく小休止。

 伊勢廻寺の先は道標が頻繁に現れ、集落の中を右左に曲がりながら進む。その先で県道775号線に出たが、ここは交通量が多いが歩道がなく危険。大型のトラックも多い。そそくさと南に進み、再び三重県内に進む。県境から200mほどで左手の山道に進む。ここには道標が立っているが、見にくい位置にある。山道を東に進むが、ふたたび滋賀県境に近接した位置を進む。県境に近くなると道標が減る。ときおり現れる道標には、次の目標地の余野公園と柘植駅が出てきた。本日のゴールの柘植駅までは9.5km。国鉄柘植駅と書いてあるところを見ると、この道標は1980年以前に立てられたものか。

 この先で山道はいったん県道135号線に合流したが、再び山中を東に進む。左手にゴルフ場を見ながら進み、舗装路になったと思ったら草津線に突き当たり、南に200mほど進んだところで県道4号線の階段を上って、草津線の上を越える。その先が余野公園。快適な舗装路を1kmほど進んで分岐点を右に曲がって2kmほど砂利敷きの林道を進むと人家が見えてくる。

 その先に踏切が見えてきた。ちょうど遮断機が下りて紫色の1両編成の列車が通過。これは関西本線だろう。踏切を渡って200mほどでゴールの柘植駅。ここが草津線の終着駅となる。15:43に到着し、駅前の自販機で冷たい飲み物を購入。

このYAMAPデータは2022年5月6日に同じコースを歩いたジョンさんの記録から許可を得て転載

2022年9月24日 東海自然歩道10日目(通算211日) 滋賀県甲賀市信楽町紫香楽宮跡三重県伊賀市柘植駅 晴れ 29/18℃ 行動距離:28.9km 行動時間7:24 40000歩(推定) 行動中飲水量1000ml

復路交通:柘植16:08JR草津線草津17:03/17:06JR琵琶湖線南草津17:09

翌日 南草津 草津15:21-米原15:53/16:00JR東海道線-大垣16:34/16:41JR東海道線-岐阜16:52/名鉄岐阜17:32名鉄空港特急-18:36中部国際空港/ANA449 20:00-福岡空港21:30