とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2023年5月5日 東海自然歩道32日目(通算247日) 愛知県北設楽郡設楽町大名倉〜新城市四谷仏坂トンネル 棚田は日本の原風景だなー

 本日も4:00に起床して朝食にカフェオレとクラッカー。週末には大荒れとなりそうな天気予報を聞いて、今後の行程を再検討。本日は金曜日だが、土曜には雨が降り始め、日曜には大雨に加えて雷が予測される危険な天気。今回の行程の最後の部分は修験道として使われてきた歴史のある岩稜帯を進むので、雨で濡れた滑りやすい岩は避けたいし、雷が鳴り始めたら露出した岩稜は超危険。土曜日のうちにJR三河大野にたどり着いたほうが安全かと思い始める。

 今のところ空は青い。5:10に行動開始。標高450mの県道33号線を歩き始める。ダムの建設現場が下に見えてくる。あの森林軌道がダムの底に沈んでしまうのかと、感傷にふけりながら曲がりくねった舗装路をひたすら上る。一気に標高550mまで上がって、571m地点で国道257号線に合流して右折。今度は下りが続く。

寒狭川の下流域は通行止め

標高450m地点からスタート

上っていく

ダム建設と付帯する道路の工事が進んでいるのが見えてきた

上って上る

国道257号線との合流点が見えてきた

 国道の車は多く、速い。どの車も時速80km以上出していると思われるぐらい。そんな道を歩いていると、下の方から大きなザックを担いだ男性が歩いてきた。目で挨拶を交わすと、路側帯の広いこちら側に道路を横断して、挨拶をしてくれた。

右折して国道257号線を田口方面に下っていく

歩道のない国道をブイブイいわせながら自動車が通行していく

東から歩いて来た若者と路側帯でしばしの交流

 思ったとおり、東海自然歩道を高尾山から出発した若者だった。なかなか元気な男性で、自販機の水すら購入せず、基本は水場の水を汲んで使用しているとのこと。この先乏しくなる水場情報を丁寧に教えてくれた。

 週末の悪天候をどう乗り切るか尋ねると、寧比曽岳(ねいびそだけ)山頂の休憩所で本を読んで過ごすつもりという。タフな若者だ。

 6:38に自然歩道ウォーカーと別れてさらに国道を下る。6:50に国道から左の旧道に進んで、設楽大橋の下を潜って谷に向かって下って行く。谷間には橋を掛けるための仮設橋が見える。大きな工事のようだ。

国道のはるか頭上を越える高い橋脚を建設中

国道と別れて進む

国道の進む設楽大橋をくぐり抜ける

谷底から立ち上がる橋脚を建設中。写真に見えるのは橋脚建設の資材を運ぶための仮設橋だと説明板にあるので、相当に大規模な工事なのだろう。

道路の下には豊川水系境川の澄んだ水が流れる

 7:16に寒狭川にかかる松戸橋に到着。ここは寒狭川の右岸に設置されていたもともとの東海自然歩道との合流点。今朝は大名倉のスタート地点から県道、国道と迂回路を歩いたのは、寒狭川右岸のコースがダムによる工事のために通行不能となっているため。この通行不能区間こそが、森林軌道跡であることから惜しくてたまらない。おそらく大型車両の通行の確保のために、森林軌道の痕跡は完全になくなっているであろうが。

松戸橋

松戸橋から上流を眺めた左が、豊川水系の本流筋の寒狭川で、右が境川

松戸橋の説明板

寒狭川水系を遡って大名倉まで続く森林軌道跡は通行止め

松戸橋の下流域でも大規模な工事が行われている

松戸橋にはバス停あり

 松戸橋のすぐ横、境川にかかる境橋の山手から7:31に自然歩道に取り付く。この辺りの通行者は少ないようで、踏み跡はわずか。小高い丘を登ると舗装路に出て、町道39号線を進んで、田口の中心地に到着。ここの自販機で飲料水を購入して小休止。商店が開いていれば食料を少し追加しておきたかったが、時間が早すぎた。

境橋から山に取り付く

田口の中心地区に立つ庁舎

バス便あり

 8:07から福田寺への細い登り坂を進み始める。ここは武田信玄ゆかりの落ち着いた名刹。お寺の女性が歩きですかと声をかけてくれる。東海自然歩道歩行車と一目で分かった様子。

福田寺に続く細い道を上る

堂々とした構えの福田寺

境内に信玄塚がある

田口の町並み

 お寺の裏手の町道2号線を進み、設楽中学の前を通過して、山道に変わる。この先も大規模な工事中。しかし東海自然歩道には丁寧に対応してくれており、誘導サインや仮設橋などで通行には問題がなかった。

設楽中学校をかすめて山道に進む

大きな工事だ

立派な仮設橋が架けてある

東海自然歩道が大切に守られているなと感じる

 工事区間を通過して国道257号線を横切って、9:11に小松口のバス停を通過して山に向かって上っていく。

真新しい橋脚の下をくぐって山手に向かう

 町道6号線を進み、左折して大通寺を通り過ぎる。ここで小休止し、シューズと靴下にヒルの忌避剤を丹念に塗布する。そろそろヒルのシーズンだ。

大通寺前の木の下でヒルの忌避剤を丁寧に塗布

 ここからの舗装路は軽自動車は上れるだろうかというぐらい急な道。突き当たりの家は親切。家の前の水道を流したままにして、道行く人に給水させてあげている。

急な舗装路を上り詰める

突き当たりの家がボランティアの給水ポイント。ここから左に折れる。

 9:53から、水道の家を左折して山道に取り付く。苔むした石段が続く。ついでわずかに舗装路を歩いて、左手の林道に進む。

 10:25に池葉守護神社の鳥居前の山道に到着。今回は参拝をパスして、右に下る。30分ほど下って和市バス停を過ぎ、10:58に岩古谷山登山口に到着。

池葉守護神社

岩を伝って冷たい清水が流れる

しばらくスギ林の中を下る

和市の集落が見えてきた

岩古谷山登山口

 しばらく小休止ののち、カウンターを押して登り始める。カウンターは本日90人目の登山者。人気の山だ。

 よく手入れされた道。急坂で、十三曲がりの名のついたスイッチバックでどんどん高度を上げる。

 山頂かと思った地点はまだ峠。その先は稜線を歩いたのちに、鉤掛岩という岩に付けられた階段を上る。かなり急な角度で、眺めが良い。ようやく山頂に着いたのは12:00。岩古谷山(806m)は眺めの素晴らしい山だった。

十三曲がりを過ぎたら頂上かと期待していたら、まだ先があった。

最後の岩を登ったら頂上かと期待

残念、鉤掛岩という岩古谷城趾の一部だった。でも眺望は良い。

さらに登って

田口の町はずいぶん下に見える

 山頂のベンチで小休止ののち、12:15に行動再開。稜線の道を下り始める。13:02に送電鉄塔を通過。その先には明神山が正面に見える展望地。美しい稜線歩きなのだが、直登のアップダウンが多くて汗が噴き出てきた。

稜線の快適な道なのだが

明神山。ときおり良好な眺望もあるのだが。

上っては下りの連続に疲れてきた

 14:10に御殿岩のビュースポット、14:47にびわくぼ峠に到着。周囲の茂みからゴソゴソと物音がする。少し大きめの動物のよう。音楽を流したら静かになってくれた。

御殿岩からの眺望

さらに上って下って

 15:30に鞍掛山(883m)に到着。残念ながら眺望なし。これまで十分に眺望は楽しんだからよしとする。先を急いで高度を下げる。

さらに上り下りを繰り返し

鞍掛山頂上に到着

頂上付近の休憩所は廃屋化

 間伐材がたくさん放置されたスギの植林地を通過して、16:27にかしやげ峠を通過。この先の四谷千枚田は日本の原風景と言って良いほどの美しさ。しばらく水を張った水田を眺めて過ごした。

鞍掛山から一気に高度を下げる

間伐が進んだスギ林を通過

四谷集落が見えてきた

 17:06に県道32号線を歩き始め、四谷トンネル、仏坂トンネルまで来たところで本日の行動は終了。

四谷トンネルを通過

仏坂トンネル手前の駐車場で行動終了

2023年5月5日 東海自然歩道32日目(通算247日) 愛知県北設楽郡設楽町大名倉〜新城市四谷仏坂トンネル 曇り 21/8℃ 行動距離25.0km 行動時間12:27 獲得高度1908m 47787歩 行動中飲水量1400ml