とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2020年12月13日 九州自然歩道 69日目 鹿児島県南さつま市坊津秋目~坊津今岳 亀ヶ丘からの絶景を楽しむ

 本日は坊津秋目の民宿がんじん荘からのスタート。ここは釣り宿で、ご主人が早朝に釣り客の瀬渡しのために出かけていたため、朝食は8:00からと遅くなった。しかし、そのお詫びというわけでもないと思うが、朝食にはアオリイカの刺身をつけてくれた。これが甘くて美味しかった。

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写真を撮り忘れたが、アオリイカの刺身が美味しすぎてご飯をお代わりした

 9:10に宿を出て歩き始めた。秋目集落から、次の目標地点の亀ヶ丘の標識を見て、舗装路を左折して山道に進んだが、すぐに道が無くなり先に進むことができなくなった。もう一度舗装路まで戻って、正しい道への入口を探したところ、藪に隠された石段が見つかった。舗装路からわずか10mで藪漕ぎがはじまり、いやな予感がする。

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秋目港を出てすぐに山道に入る

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九州自然歩道の標識は丁寧に立てられている

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すぐに道を見失う

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これが正しい道とは思えなかった

 その後も、ところどころに石段や手すりがあるところもあるものの、基本的にはかすかな踏み跡を頼りに藪漕ぎをしながら先に進む。振り返ると青い海が藪の間から見えるのがわずかな救い。草の絡まった標識で、コースが間違っていないことは確認できた。

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最初の10mには石段があったが、、、

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すぐに藪漕ぎ開始

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律儀に標識は立っている

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でも、基本は藪の中

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振り返ると海が見える

 45分ほど藪と格闘しながら進んだ先の道は崖崩れで、完全に行く手を塞がれていた。崖の土砂の上に靴の踏み跡がかすかに残っており、先行した人はここを乗り越えていったようだ。しかし、自分の技量ではおそらく50%以上の確率で転落するだろうなと思い、途中まで登ったところで最期の地になるかもと海の方向を向いて写真を撮ったときに、崖の下に巻いて進めそうなルートが目に入った。藪をかき分け進んだら、ルートを示すテープが見つかり、その後は順調に進むことができた。

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行く手を崩れた崖に阻まれた

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崖を登るときに振り向いて海の写真を撮っておいた

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結局、崖は登らずに藪の中を巻いて進むことにした

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先の方に赤いテープが見えてきてホッとした

 わずか900mの藪漕ぎに1時間以上をかけて進み、10:16に舗装路に出ることができた。やれやれと思ったのもつかの間、舗装路を100m進んだところでふたたび山道への左折の標識が出てきて、藪漕ぎへの恐怖を感じながら登りはじめた。さいわい今回はそれほど荒れた山道ではなく、10:37には亀ヶ丘に向かう舗装路への分岐に到達した。

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1時間の藪漕ぎの最後に木道が現れた

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標識を見て、0.9kmに1時間以上かかったかと愕然とした

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舗装路を歩いてホッとした

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ホッとしたのもつかの間で、ふたたび山道に入る

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しかし、それほどの荒れた道ではなくて安堵した

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山道の先には快適な舗装路が

 ここからは快適な舗装路だが、風が強い。切り通しを抜けて、低木樹の中の舗装路を歩き、10:50に亀岩にたどり着いた。ゴツゴツの岩でできた亀岩の先端まで行って写真を撮ったが、風が強くて飛ばされそう。景色は最高だが、両手を離すと危険で、写真を撮るのには苦労した。

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亀岩に続くまっすぐな道

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亀岩からの眺望は最高

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 10:58には、亀岩から200mほど進んだ亀ヶ丘(387m)に到達した。ここには360°の眺望が得られる展望所があり、バイクや自動車の人たちが景色を楽しんでいた。

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亀ヶ丘の頂上

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ここの眺望も良い

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さきほどはこの亀岩の先端から撮影

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加世田の長屋山も見える

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大浦の町と吹上浜も一望

 しばらく眺望を楽しんだ後、舗装路を南に進んだ。この舗装路には亀ヶ丘林道の標識が設置してあった。アップダウンの少ない快適な林道だ。南の山には発電用と思われる風車が見えてきた。

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快適な亀ヶ丘林道を南に進む

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山頂に風車が現れる

 自動車のまったく通らない亀ヶ丘林道を進んでいたが、11:45に今岳への分岐を示す九州自然歩道の標識が現れた。標識はあるものの、入口が分からないほどの荒れようで、またもや藪漕ぎラッシュかと絶望的な気分に襲われた。

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今岳を指す標識の先には道があるとは思えなかった

 亀ヶ丘林道から今岳への峠越えの山道は、最初の30mほどは意外なほどきれいで、その後は倒木や藪漕ぎの連続。決して楽しい道ではないが、20分ほど我慢して進めば、下り坂になり、いったん舗装路に出る。

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30mほどのきれいな道でホッとしたのもつかの間

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倒木でガッツリと通せんぼ

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軽い藪漕ぎ

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標識はこまめに現れる

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全般に整備状況は不良

 舗装路を渡ると、すぐに山道に誘導する標識が現れ、もう一度藪漕ぎを我慢して進むと、今岳の集落まで降りることができた。

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一瞬だけ舗装路を渡る

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ゴロゴロ石の道を下る

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集落に到着

 舗装路を5分ほど歩き、12:37に枕崎へのバスの出る今岳バス停に到着し、本日の行動を終了することとした。

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国道226号線に到着

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今岳のバス停に到着

 13:00のバスを待っていると、枕崎方面から到着したバスを降りた地元の女性から、どこから来たかと話しかけられた。聞けば、今岳集落の長を代々務めてきた家の方で、集落の名前の由来となった今岳の頂上に建つ神社の管理を数百年にわたって行ってきたとのこと。円錐形の姿のよい山である今岳は、半島の先端の野間岳と姉妹の山だとする伝説があるという。家によってお茶でもいかがかと誘われたが、バスの時間まであまり余裕がない。残念だったがご遠慮させてもらった。

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今岳と野間岳は姉妹の山

 今岳からはバスで枕崎に向かい、せっかくだからJRの南の終着駅となる枕崎駅から鹿児島中央駅までの3時間ほどの列車の旅を楽しもうと、指宿枕崎線に乗車して福岡への帰途に着いた。

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枕崎駅に到着

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ここにJR終着する

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2020年12月13日 九州自然歩道 69日目 鹿児島県南さつま市坊津秋目~今岳 晴れ 気温16/9℃ 行動時間3:26 距離7.4km 14802歩

復路交通:

 今岳13:00鹿児島交通バス-枕崎13:55/15:53JR指宿枕崎線鹿児島中央駅18:43/19:06九州新幹線さくら408号-博多20:43

2020年12月12日 九州自然歩道 68日目 鹿児島県南さつま市野間池~南さつま市坊津秋目 坊津の青い海を眺めながら

 今日は2週間ぶりの九州自然歩道トレッキング。トレッキングの再開予定地は鹿児島県南さつま市野間池という薩摩半島の最西端にあたるところ。現地までの交通はなかなか難易度が高い。博多駅から6:10発の下りの始発の九州新幹線つばめ307号に乗車して7:58に鹿児島中央駅に到着した。

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つばめ307号がだんだんお馴染みになってきた

 鹿児島中央駅からは、8:13の指宿枕崎線に乗り換え、8:26に谷山駅に到着。谷山駅を出て、駅前の国道にある鹿児島交通バスの谷山駅前バス停で加世田行のバスを待つ。バスは定刻通り8:34にバス停に到着し、乗り込んだ。バスはここから1時間ほどかけて井作(いざく)峠を越えて加世田駅に向かう。本日の行程はここがボトルネックで、加世田到着予定が9:35。加世田からの野間池行のバスの発車時間は9:40で、乗り換えには5分しかない。この次のバスは11:20なので、その後の予定が厳しくなる。

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指宿枕崎線の車両

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谷山駅で下車

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バス停で鹿児島交通バスを待つ

 バス停で乗り降りがあるたびにバスが遅れ始めてヤキモキしたが、9:39に加世田に到着し、すでにバス停で待機していた9:40の野間池行バスにギリギリ間に合い、笠沙路の美しい海岸線を眺めながら11:05に終点の野間池に到着した。

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加世田では野間池行がすでに待機中

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笠沙の海岸を眺めながら

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野間池に到着

 野間池では、シンボルの立神岩(屏風岩)からスタート。漁港では同世代の方としばらく話しをして、野間池ならば月1万円ほどで家が借りられるから移住したらどうかと勧められグラリときた。

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野間池の立神岩からスタート

 魅力的な話しを断ち切って、11:34に野間池を離れ、国道226を右折して野間半島の西海岸の道を進み始める。

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野間池を出発

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峠に進む

 11:57には人家がちらほら点在する峠に到着し、さらに5分ほど歩くと、先々週に野間岳から下山してきた林道との分岐を通過した。

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峠に到着

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ここが先々週の下山口

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右手には海が見える

 12:18には野間神社への直登ルートとなる太郎木場登山口に到着した。しばらくはコンクリート舗装された山道を登り、最後の人家を通過すると山道に続く階段を上った。ここから先は、2週間前に下ってきた山道。そのときには藪漕ぎや倒木に悩まされたが、今日は倒木が除去されており、踏み跡もできていて、歩きやすくなっていた。ただし、野間神社直前の100mほどはやはり道を見失い、藪漕ぎを余儀なくされた。

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最初は太郎木場からコンクリート舗装の道を快適に進む

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山道もほどほど

 13:05に野間神社に到着した。お参りをして、バナナを食べながら小休止。静かな、いいところだ。

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2週間ぶりの野間神社

 13:25に行動を再開し、境内の石段を下り始めた。石段の先は舗装路で、広い駐車場とトイレが整備されていた。

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神社からは石段を降りる

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その先は舗装路

 眺望のよい舗装路をしばらく進み、舗装路が右に曲がるところで、直進する九州自然歩道は舗装路と別れ、女岳に進む未舗装の山道に変わる。この山道は整備状態が良好で、アップダウンも少なく快適。残念ながら女岳山頂への登頂路が見つからず、山頂に到達することはできなかった。

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眺望のよい舗装路から

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歩きやすい山道に進む

 女岳を通過して下りになると、ドルメン(支石墓)という巨石を組み合わせた墳墓や住居跡が多数あった。住居跡と標示のあるところは植物が生い茂っており、どこがそうなのかよくわからなかったが。このあたりは宮野山遺跡と呼ばれ、古事記日本書紀に笠沙宮として登場するとのことであった。

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ドルメン

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住居跡?

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積石塚

 宮野山遺跡を通過し、14:30に登山口の広い駐車場に出た。ここから再び国道226号線を歩く。右手には東シナ海が一望でき、眺望は最高。

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登山口には広い駐車場がある

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ここからの眺めは最高

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 しばらくは美しい海を眺めながら国道226号線を歩き、15:00に笠沙美術館に到着した。ここはJR九州の列車の設計で知られる水戸岡鋭治の設計になる眺めのよい美術館。黒瀬道則常設展が開催されていた。入場料は無料。展示スペースは小さいが、美術館からの眺めも、美術館の建物もとても美しい。

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笠沙美術館

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作りも美しい

 道路を挟んだ向かい側になるのが杜氏の里笠沙という焼酎の製造工程の見学ができる施設。入館料を支払い、焼酎製造工程の展示とビデオを見学した。見学中に何人かが訪れてきたが、だれも見学路には進まない。ほとんどの人は焼酎を買いに売店に来るだけのようだ。

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杜氏の里も見学

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製造現場も見学できる

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 美術館と杜氏の里と併せて1時間ほど滞在した。16:00に行動を再開し、本日の宿泊予定の坊津秋目までの7kmを、国道226号線の舗装路を進み始める。

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山の中腹に美術館が見える

 沖秋目島を右手に見ながら先に進む。このあたりの国道226号線はセンターラインなしの細い道。自動車は10分に1台通るか通らないかぐらいなので、危険を感じることはない。ドライバーは人が歩いていることに気がつくと、大きく避けてくれる。

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沖秋目島

 峠を越えて岬を回り込んだところで秋目港が見えてきた。今日は坊津秋目の釣り宿がんじん荘に宿泊する。ご主人が漁もするので、魚が美味しいと評判。晩ご飯が楽しみだ。

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秋目港が見えてきた

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リアス式海岸の港内は波が静か

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がんじん荘に到着

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夕食はこの他に揚げ物とあら炊きの2品

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2020年12月12日 九州自然歩道 68日目 鹿児島県南さつま市野間池~南さつま市坊津秋目 曇り 気温14/8℃ 行動時間6:23 距離17.4km 31395歩

 往路交通:

西新5:36-博多5:50/6:10九州新幹線つばめ307号-鹿児島中央7:58/8:13指宿枕崎線-谷山8:26/8:34鹿児島交通バス-加世田9:35/9:40鹿児島交通バス-野間池11:05

北米大陸横断自動車旅行

 もう25年以上前の話だが、米国で仕事をしていたことがある。東海岸にあるNew YorkとWashington D.C.との間の、Philadelphiaという街で暮らしていた。わりと貧乏だったが、とても楽しい毎日だった。何年か過ごすことができたが、1995年に日本での仕事が見つかり、4月1日の辞令交付に合わせて日本に戻ることにした。

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Philadelphiaで1月1日に行われるMummers Parade

 せっかくの機会なので、東海岸から西海岸まで自動車で横断して、San Franciscoから飛行機で日本に帰るのも面白いかと、計画を立てた。当時使っていた車は人に譲り、レンタカーを借りることにした。AVISという大手のレンタカー会社に、いわゆる乗り捨て料金がかからないプランがあったからだ。

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PhiladelphiaのCenter City

 住み慣れたPhiladelphiaに別れを告げたのが1995年3月12日。アパートのカギを管理事務所のポストに入れた後、2時間ほど北に向かってI-476を進み、I-80に入ってシカゴに向かった。I-××というのはInterstate Highwayのことで米国の州間高速道路を指す。番号が1桁と2桁の高速道路はPrimaryと呼ばれる1級州間高速道路。その中でも末尾が0の道路は大陸横断道路で、末尾が5の道路は大陸縦断道路になっている。

 初日は晴れで、快調に飛ばして夜にはChicagoに到着し、ミシガン湖畔のホテルにチェックインした。

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郊外はだいたいこんな光景

 2日目はAmtrak(アムトラック、米国の鉄道会社)のChicago駅から西海岸のFresno駅まで鉄道便で自転車を送り、この日と翌日は観光。シカゴには有名な美術館や、証券取引所があり、何日あっても時間が足りない。

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Chicagoの中心街

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Chicagoでは美術館に行くべき

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証券取引所も見学した

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街並みも美しい

 3日目にはChicagoを離れ、イリノイ州の草原をひた走り、アイオワ州の草原の真ん中にあるDes Moines(デモイン)という町のモーテルに宿泊した。晩ご飯には近くのレストランでなぜか小ぶりな海老フライを食べた記憶がある。この日1日はI-80をひたすらまっすぐ西に向かって走り、ほとんどハンドルを動かしていない。

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運転する道はこんな風景ばかり

 次の日もひたすらI-80を西に進む。わずかに起伏のある平らな大地をひたすら西に進む。地平線を見ながら運転するのはとても新鮮だったが、ずーっと地平線しか見えないドライブは眠くなる。ときどきハイウェイを降りて食事をしたり、給油をするが楽しみだった。

 5日目の朝には平原の遙か彼方に山が見えてきた。ロッキー山脈だ。近づくにつれ、正面に4000m級の山々が立ち並ぶのは壮観。I-80をCheyenneまで進み、ここからI-25を南に進んでロッキーマウンテン国立公園をドライブ。4000mを越える山々の中を運転するのは爽快だった。

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5日目にようやく山が見えてきた

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いきなり4000m級の山が迫る

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 ロッキーマウンテン国立公園をドライブした後はI-70に入り、同夜はSilverthorneという町のモーテルに宿泊。夕食にはステーキハウスで食事をしたのを憶えている。ステーキハウスと言っても非常にワイルドなレストランで、部位と量を選んで目の前でカットしてもらった肉を、店内のグリルで焼いて味付けをして食べるという店。大きな肉を自分で焼いて塩コショウして食べるのだ。写真が残っていないのが残念。

 翌6日目はI-70を西に進んだが、1日のうちに、雪の残る道から一転して乾燥した砂漠地帯に変わる。100両近い貨物車を連結した列車が川沿いに進んでいくのを通り過ぎるまで見物し、Colorado National Monumentの眺めの良い道路を進んだ。西部劇の時代に戻ったような光景だった。

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Silverthorneを出るときは雪

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いきなり乾燥地帯に突入

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落ちそうで心配になる

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 7日目はI-70から離れてMoab(モアブ)の町に南下して、Arches(アーチーズ)国立公園を見学。ここは文字どおり自然が作り上げたアーチの並ぶ国立公園。いったい何をどうしたらこんなものができあがるの?と思うばかりの自然の造形がこれでもかというぐらい並ぶ。

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Arches国立公園

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 この日はさらに100kmほど南に進み、Monument Valleyという、John Wayneの西部劇などによく出てくるメサというテーブル状の台地が並ぶ地帯を通り、Kayenta(カエンタ)の町のモーテルに宿泊した。

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Monument Valley

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 翌日はTuba Cityを経由して、国立公園ツアーのハイライトの一つであるGrand Canyonを見物。いやー、こんなに壮大な光景が世界にあるとは。

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Grand Canyon

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 次の日はPage(ページ)を経由して、猿の惑星の映画のロケに使われたというLake Powellに沿って進み、Glen Canyonを見た後、Bryce Canyon国立公園とZion国立公園と、国立公園盛りだくさんの見物。シーズンオフのせいか人はそれほど多くなく、奇岩見放題の状態だった。

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Lake Powell

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Bryce Canyon

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Zion

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 Philadelphiaを出て11日目にはラスベガスに到着。ここではスロットマシンをしたり、マジックのショーを見たりしてのんびりと過ごした。ホテルで食べた、All you can eatという食べ放題の食事の豪華さにも驚かされた。

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Las Vegas

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 翌日はLas Vegasを出発して西に100kmほど進んだところにあるDeath Valley国立公園に到着。ここは地の果て。それでも、荘厳な美しさを感じるところ。

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Death Valley国立公園

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 13日目は温暖なカリフォルニア州に入り、Bakersfieldの風力発電施設の見える草原をひた走り、Fresnoに宿泊。

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 翌14日の朝には、Fresnoの駅でChicagoから発送した自転車を受け取り、レンタカーに積み込み、200kmほど北のSan Franciscoに到着。友人宅に泊めてもらい、翌日は市内観光に連れて行ってもらった。そして、翌々日の飛行機に搭乗して、成田に向かった。

 San Francisco空港のAVISのカウンターでレンタカーのカギを返すとき、係員が笑いながら「From Philly!」と大きな声を上げたのも良い思い出だ。

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San Franciscoに到着

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 この旅が、これまで経験した旅で一番楽しかった。タイムマシンがあったならば、1995年3月12日に戻りたい。

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2020年11月29日 九州自然歩道 67日目 鹿児島県南さつま市加世田~南さつま市野間池 真っ青な海を眺めながら野間岳から野間池に

 今日は宿で目が覚める。いつものテント泊ではなく、宿を予約した理由は、宿泊予定が加世田という比較的人口の多い地区であったことと、荷重をできるだけ減らすためにテント泊の機材を持ちたくなかったからだ。というのも、今日の行程の帰りの交通の自由度は極めて低く、目標地点の野間岳に東海岸から上った後、西海岸に下山し、海岸沿いに北に4km移動して15:20の最終バスに乗るか、下山後に南に17km歩いて16:45の最終バスに乗るかの2択。野間岳は東海岸から西海岸に抜ける行程を歩く人間はほとんどいないようで、コースタイムが不明。ということで、野間岳から先は荷物を担いで走らなければならない可能性もあることから、負担を考えて荷物は極力少なくしたかったからだ。

 5:00には目を覚まし、昨日の写真整理とブログのアップロードを行い、シャワーを浴びる。こういう文化的なトレッキングもいいものだ。ハハ。7:00には宿のご飯を摂り、7:45には宿をチェックアウトした。フロントのおじさんはカードでの清算に不慣れなようで、カードの方向を変えたり、裏表を変えたりしていたが、困った様子でこちらを見ている。「ひょっとしたらフロント担当初めて?」と尋ねると、正直に「ですです」と鹿児島弁で返してきた。朴訥な鹿児島弁で返答されると、抵抗できない。現金で支払いを済ませた。すべて許す。鹿児島弁は強い。

 宿からは10分ほどで昨日、九州自然歩道を離脱した吹上浜海浜公園に到着した。公園内を走る自転車専用道がコースとなっている。ところどころ切り通しがあったりして、鉄道が敷設されていたような雰囲気がある。南薩鉄道は加世田から南に枕崎に進むので、ここには線路はなかったと思うのだが(後日、調べてみたら、加世田から西の万世まで1駅の支線が敷設してあった)。正面に見えたのは長屋山(ちょうやさん)。山頂にレーダーが設置してある。

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吹上海浜公園の中に進む

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自転車専用道を歩く

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正面には長屋山

 30分ほどで自転車専用道は終点となった。ここからは国道226号線に合流する。この国道も歩道のない部分が多く、自動車の往来は多く危険。このあたりは、遠回りにはなるものの、海沿いの道を選ぶこともできるので、九州自然歩道のコース設定を考慮してほしいものだ。

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ほどなく自動車専用道は終点に

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国道226号線と合流する

 9:00に小湊集落を通過。小さな港町だ。ここでも庭先に地植えのハイビスカスが見られた。集落を通り過ぎると海沿いには干拓地が拡がる。干拓地には農作物が植えられているようには見えない。

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小湊集落を通過

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庭先に地植えのハイビスカス

 30分ほどかけて干拓地の横を通過し、越路の集落を抜けて坂を下ると、目の前には海が広がる。目標地の野間岳が大きく見えてきた。今日は風が弱く、波はほとんど立っていない。

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野間岳がそびえる 手前は小岳

 野間岳を眺めながら、大浦川に架かる恋島橋を渡る。渡った先は大浦の干拓地となっている。海側の干拓地では米が栽培され、山側ではソバが生産されているよう。ここは直線道路で歩道がないため、やむなく干拓地のあぜ道を歩くことにする。こちらの方が数倍快適だ。

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恋島橋を渡る

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干拓地には収穫間近のソバ

 10:00に大浦の干拓地を抜け、笠沙路の石碑を通り過ぎた後は、次第に高度を上げていく。干拓地が眼下に広がり、昨日歩いた吹上浜も一望できるようになった。半島の北に点在する島もいくつか見えてきた。

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道路から干拓地が一望できる

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海沿いの眺めの良い道路を進む

 小浦の漁港が見え始めたところで、国道226号線を離れ小浦の集落内に進み、小浦港に向けて下りていく。このあたりが笠沙の中心地のようで、笠沙小学校が山の上に見えた。

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小浦の漁港に下りていく

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集落を抜けた先の山に小学校が見えた

 眺めの良い海岸を進み、片浦の郵便局に到着。ここから野間岳の東登山口が始まる。郵便局に到着したのが11:28。野間岳の頂上から、北の野間池に進むとしても、あと4時間しかないので時間はぎりぎりになりそうだ。今日は野間岳に登るのをあきらめようかとも思ったが、荷物が軽いため1時間程度のコースタイムは何とかなるはずと、思い切って先に進むことにした。片浦郵便局の分岐部の標識には、野間岳6.2kmと書いてある。通常のペースならば2時間で山頂に到達できるはずだ。

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眺めの良い海沿いの道が続く

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片浦郵便局の手前から野間岳への山道に入る

 国道から別れた先は比較的良好に整備された舗装路。勾配はあるが、気持ちよく登ることができる。ところどころで景色の良いところもある。野間岳の頂上もずいぶん近く見えてきた。

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舗装された山道を進む

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はるか向こうに開聞岳も見えてきた

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野間岳の頂上が迫ってきた

 5.5kmの舗装路を50分で歩き、12:17に野間岳の登山口に到着した。少しお腹が空いてきたため、ここでバナナとミカンの昼食とした。不思議なことに水道の蛇口が設置してある。まさかと思ったが一応ひねってみたが、水は出てこなかった。

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登山口に到着

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この蛇口はフェイクのよう

 登山口からはコンクリートの階段が続き、歩きやすい。山道を歩き始めて10分ほどで395mの尾根に到着した。ここには木を切り開いた展望所があり、吹上浜も半島の先端もきれいに見えた。

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歩きやすく整備されている

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吹上浜が一望

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野間半島の先端も

 395mピークから先はすこし山道が荒れ気味で、ときおり倒木が道をふさぐ。20分ほど登ったところで大きな石が道を塞いでいるかと思ったら、笠沙石門の標識があった。2つの石の上に巨大な石が門のように乗ったもので、巨大な石の下に小さな丸い石が挟まってうまくバランスをとっているよう。山道はこの門の下をくぐる踏み跡がついているが、心配に思った人は迂回するのだろう。左右にも踏み跡がついている。一瞬、頭の中にうそつきの頭には石が落ちるぞ、という悪魔の声が聞こえたような気がしたが気にせず通過した。問題なくくぐり抜けることができた。嘘をついたことがないからである。

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山頂近くの道は荒れ気味

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笠沙石門をくぐる

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バランスよく支えられた巨石の下をくぐるのはスリリング

 野間岳(591m)の頂上には13:00に到達した。さきほどまでは曇っていたのに、頂上に着いた頃から雲間から太陽が見えてきた。野間崎の先端がきれいに見える。海が青い。次の目標の坊津もよく見える。野間岳の頂上では行動食を摂って、13:20には行動再開した。

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日が差し込むと野間崎の海の青さが目にしみる

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坊津の海も

 下りは西海岸に向かって下りていく。こちらのルートは多くの登山者がいるようで、整備状況は良好。鎖が新品に取り換えられたばかりのようだ。こんなにきれいに整備してくれている地元の愛好家・ボランティアの方々には本当に頭が下がる。

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西からの登山道の整備状況の方が数段良い

 15分ほどで野間神社に到着した。ここからはまっすぐ海岸に向けて下りていくコースと、少し北の太郎木場に向かって下りていくコースがあるが、野間池に向かうことを考えると太郎木場に向かう方が2km近くショートカットになりそう。標識が小さく、しかも標識の位置には踏み跡がまったくないことから不安になるが、一か八かで太郎木場に向かった。

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野間神社に到着

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太郎木場に向かう山道はかなり荒れ気味

 標識から地図を見ながら進むが、100mほどは山道が見つからず、藪漕ぎに苦しんだが、少し先の登り斜面でようやく踏み跡がついているのを見つけた。ここから先のコースは残っていた。しかし、あまり人が通っていないようで、ときおり倒木が道をふさいだり、落石でコースが消失したところがある。しかし、それほど長い距離でなく、14:00には集落にたどり着いて、ここから先は舗装路に変わった。

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時間に余裕があればこの道は選択しないほうが良い

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藪漕ぎあり

 舗装路は緩い下りで歩きやすい。道端から人の声が聞こえたので、転落した人が助けを求めているかと思ってのぞいたら、ラジオが置かれていた。その先にも同じ形式のラジオが道端に置かれていた。人はいない。ひょっとしたら動物避けのラジオなのだろうかと思いながら先を急ぎ、2kmほどの道を20分ほどで歩き、14:20に半島の西海岸を走る国道226号線まで出ることができた。ここからは2kmほどで野間池に着く。バスの時間は大丈夫と安心して、国道に出たところで小休止をした。

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舗装路に出てからは快適

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道ばたに置かれたラジオから声が流れている

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国道226号線に復帰

 国道226号線を先に進むと野間池が先に見えてきた。青い池のような港だ。下り坂なのでかなり速いペースで進むことができる。14:45には野間池に到着し、笠沙恵比寿、屏風岩を見物して、15:20のバスで福岡への帰途についた。

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道路の先に野間池が見えてきた

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野間池の沖合に浮かぶ米島

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野間池のシンボルの屏風岩

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2020年11月29日 九州自然歩道 67日目 鹿児島県南さつま市加世田~南さつま市野間池 曇り 気温14/8℃ 距離27.6km 行動時間7:21 42517歩

復路交通: 野間池15:20鹿児島交通バス-加世田16:37/17:10鹿児島交通バス-鹿児島中央18:37/19:51九州新幹線みずほ614号-博多21:07

2020年11月28日 九州自然歩道 66日目 鹿児島県日置市吹上町永吉~南さつま市加世田 吹上浜の遠浅の海辺と南薩鉄道の廃線跡

 本日土曜日は吹上浜から九州自然歩道トレッキングの再開。博多から7:22の九州新幹線に乗って川内で鹿児島本線に乗り換え、伊集院に到着したのが9:31。そこから鹿児島交通バスに乗り換え、前回九州自然歩道から離脱した吹上町の永吉に到着したのが10:15。

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伊集院駅前の島津義弘公像

 本来、九州自然歩道はバス停の前の国道270号線なのだが、この道路は交通量が多く、歩道のない部分もあるため歩くには不適当。並行して走る南薩鉄道の廃線跡の自転車歩行者専用道路を歩くことにした。

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国道270号線を歩くのはお勧めしない

 南薩鉄道の永吉駅の跡の前を通り、圃場を眺めながら専用道を歩く。気温は15℃で、風は冷たいが歩くには快適。専用道はきちんと舗装されており、自動車が走らず快適に歩ける。自転車は1台も通らず、たまに地元の方が散歩をするのに出会う程度。

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南薩鉄道の橋梁の遺構のところから廃線跡に入る

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永吉駅跡地

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ホームも残されている

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こんな快適な道路

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周囲はのどかな田園風景

 30分ほどで花熟里(けじゅくり)の集落に到着。ここで九州自然歩道の標識が現れたため、ルートに従って南薩鉄道の廃線跡を離れて吹上浜キャンプ場に向かう防風林の中を進むことにした。黒松に囲まれたなかなか良いコース。ふかふかの砂地の道でクッションがよく、潮騒が絶えず聞こえる。北風が直接当たらないため、寒くない。

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花熟里にも丁寧に標識が設置されている

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防風林の中を歩く

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国民宿舎が見えてきた

 12:10に防風林の向こうに国民宿舎吹上砂丘荘が見えてきた。ちょうど時間もよいので、ここでランチをとることにした。

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吹上砂丘

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刺身のランチ

 ランチの後は5分ほど歩いて薩摩湖の畔まで行ってみた。ここは灌漑用の人工湖のようだ。ボートを浮かべて釣りをしている人も見える。

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薩摩湖 正面に見えるのが金峯山

 薩摩湖からは再び南薩鉄道の専用道に戻り、快適な道を歩く。コース上にループ線が現れた。それほどの勾配ではないが、専用道にも忠実にループを残している。南薩鉄道が健在な時に来て、乗ってみたかったとつくづく思う。

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再び快適な廃線跡を歩く

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ループ線の跡

 伊作川にかかる砂丘橋を渡ると、河口部分に砂嘴になった砂丘と入来浜の海が見えてきた。ここからは南薩鉄道のコースを外れて吹上浜の波打ち際を歩いてみようと砂丘の上に出た。風が強く、帽子が飛ばされそうになる。遠浅の海のかなり沖から波が砕けているのが見える。

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砂丘橋を渡る

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入来川の河口には大きな砂嘴が形成されている

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砂丘の上には強い風が吹く

 砂丘はイネ科の植物とツル性の植物で覆われており、砂に靴はめり込まないが、ツルに足をとられて歩きにくい。歩くにつれて草の丈が伸びてきて、腰の下ぐらいまで隠れるようになってきた。そこで、思い切って急斜面の砂丘を下り。砂浜に出て波打ち際を歩き始めた。風はかなり強いが、砂はしっかりと固まっていて歩きやすい。人影はなく、異界を歩いているような気分がする。次の目的地の野間岳が正面に見えてきた。

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砂丘から砂浜には急な傾斜

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遠浅の海の向こうの方から砕けた波がやってくる

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野間岳がむこうに見える

 砂浜を歩いていると砂を掘っている女性がいた。何が採れるか聞いてみると籠の中を見せてくれた。小さなアサリがたくさん入っていた。

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浜辺でアサリ採りをする女性

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広い砂浜がさらに続く

 1時間ほど砂浜を歩いたところで、砂丘に登り口が見えたので、ふたたび九州自然歩道に戻ることにした。黒松の防風林を抜けると、見渡す限りのソーラーパネルが設置してあった。たしかにここは日当たりは良さそうだ。

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砂丘から元に戻るのは道のついたところでないと困難

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途中からは自動車の通行した跡が

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巨大な太陽光発電所が防風林の中に

 1kmほど松林の中を歩き、南薩鉄道の跡に戻ることができた。鉄道の切り通しの跡を進み、しばらくすると加世田との間に流れる万ノ瀬川に架かった上ノ山橋が見えてきた。

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再び南薩鉄道跡に

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上ノ山橋に到着

 ここからは加世田の市街地には向かわずに、川に沿って吹上浜海浜公園の中を進む。15:40に万ノ瀬川の河口に架かるサンセットブリッジを渡る。橋の上からは薩摩三山の一つの金峯山が正面に見えた。この山も魅力的な姿をしている。

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海浜公園内を歩く

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サンセットブリッジを渡る

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橋の上から振り返ると金峯山

 万ノ瀬川の河口では数人がカイトボードを楽しんでいた。10mを超えるぐらいの風があり、ちょうどいい状態のようだ。しばらく砂浜の上を歩く。ここの砂浜は砂地が柔らかく、靴がのめり込んで歩きにくい。太陽が次第に高度を下げてきて、海が金色に光り出した。

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カイトボードも楽しそう

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そろそろ海が金色に変わってきた

 このあたりで海岸から吹上浜海浜公園を横切り、ホテルに向かうこととした。16:41にホテルに到着し、本日の行動を終えることとした。今日は温泉に浸かってのんびりするつもりだ。

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吹上浜海浜公園

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吹上浜の砂でできた彫刻

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2020年11月28日 九州自然歩道 66日目 鹿児島県日置市吹上町永吉~南さつま市加世田 曇り 気温15/8 距離22.9km 行動時間6:21 3.9km/h 45663歩

 往路交通: 西新6:49-博多7:02/7:22 九州新幹線さくら407号-川内8:45/8:56 鹿児島本線-伊集院9:31/9:49 鹿児島交通バス-天昌寺10:15

2020年11月23日 九州自然歩道 65日目 鹿児島県いちき串木野市串木野~日置市吹上町永吉 吹上浜の波打ち際をどこまでも歩く

 今朝は6:00に布団の上で目が覚めた。体のどこも痛くならず、室温も暖かく、頗る快適だが何か物足らない。顔を洗い、歯磨きをする。水道から水が出るのがとてもありがたい。文化的な生活っていいなと思いつつも、キリっと冷たい谷川の水もよかったかなと思う。贅沢を言ってしまうが、旅館の朝は、どことなく生ぬるい。

 7:00に旅館を出て串木野駅に近い鹿児島本線の切り通しの上を通過する。現在のこの部分の鹿児島本線川内駅から鹿児島中央駅までで、単線区間が多い。大学、大学院のときに博多から鹿児島まで通して鹿児島本線に乗車したことがあったが、列車の待ち合わせが何度もあったなと遠い記憶がよみがえる。

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串木野駅の近くの鹿児島本線

 さらに海の方向に歩くと、国道3号線を越える。すぐ先に公民館があったが、最近よく目にするようになった海抜表示の下に、15.1kmと単位の違う数値が書いてある。よく見ると川内原発からの距離だ。そういえば再稼働をはじめたなと思い出す。

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国道3号線と交差する

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川内原発から15.1km

 2kmほどで串木野港に到着した。積み荷作業に使うのか、大きなクレーンが稼働を開始していた。港を通り過ぎ、長崎鼻の先端にある灯台まで行ってみた。白蓮の歌碑がある。歌碑にある小島とはどのことかなと探してみるが、わからない。当時とは浚渫などのために地形が変わっているのかもしれない。風が強く、雨粒が吹き付ける。雨が降っているようにも見えないなと思ってよく海を見たら、砕けた波が飛ばされたもののようだった。沖に見えるのは甑島。川内から30kmほど沖合にあるはずだが、近く見える。頑張れば泳いで渡れそうなほど。

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串木野港ではクレーンが稼働中

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白蓮の歌碑

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長崎鼻灯台

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灯台の先には甑島が見える

 8:00には長崎鼻から遊歩道を通って先に進む。岩礁に1mほどの岩の橋が架かっている。その下は空洞。これを渡って先に行くと、青い海に釣り人が糸を垂れていた。

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長崎鼻公園の遊歩道を進む

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岩礁に渡る狭い岩の下は空洞になっていた

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海は、碧い

 集落を抜けた先には小さな島が浮かび、島の入口には鳥居が建てられている。この島が照島神社。航海の神様のようだ。

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照島神社の鳥居

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遠洋航海に向かう船は照島の沖合で安全祈願をしたという

 島の先には白い砂浜が続く。ここが照島海岸で、ここから吹上浜の海岸が始まるようだ。砂浜に沿ってコンクリートの歩道が設置されている。歩道で枯れ葉を集めて掃除をしているおじさんから、どこに行くかと声をかけられた。吹上浜を加世田方面に歩いていくというとビックリしていた。

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照島海岸の遊歩道

 この海岸には、おじさんが子供の頃にはよくウミガメが産卵に上がってきて、卵をとっては売りに行っていたとのこと。いまではとてもできないけどとも言っていた。白い砂浜の照島海岸はおじさんの誇りで、毎日のように掃除をして、流木を片付けているとのこと。

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海岸もきれいに清掃されている

 このおじさんは以前はマグロ漁船に乗って遠洋航海に出ていたとのこと。最初は炊事担当から始まり、船酔いには航海のたびに苦労したこと。独学で勉強して無線技士の資格を取ったこと。モールス信号の聞き取りや、業務用の周波数帯、電波航法のロランなどなど、無線の技術系の話が面白かった。

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 照島海岸を30分ほど歩き、9:10に河口に突き当たり、砂浜に沿った歩道は終端となった。ここでいったん国道3号線にグルリと迂回し、八房川を渡って河口の干潟を通過し、いちきアクアホールという立派な施設の前まで来た。

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八房川河口の干潟を迂回

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いちきアクアホール

 アクアホールの前の大黒川にかかる日の出橋をわたり、砂嘴の松林を抜けると白い砂浜の向こうは東シナ海だった。展望台の上に登り、海を眺めながらサンドイッチとオレンジジュース、シードレスグレープの朝食とした。風が冷たい。

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日の出橋を渡る

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松林を抜けて砂丘の上に出ると

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目の前には海が拡がる

 朝食の後は10:00に行動再開。地図を見ると吹上浜瀬脇海岸の砂浜は3km以上続いている。海岸線に沿った松林の中に歩道がつけてあるのだが、防風林に囲まれて景色が期待できない。そこで、せっかくなので波打ち際の砂地を歩き始めた。靴が砂地にめり込んで歩きにくく、舗装路の倍ほども力が要る。しかし、寄せる波をよけながら歩くのも面白い。歩けるところまで歩いてみようと、砂地に足跡を記しながら先に進んだ。

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波打ち際を歩き始めた

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波を避けながら歩くのも一興

 1時間ほど歩いて砂浜は岩場につきあたり、先に進めなくなったため、砂丘の中の道を越えて戸崎集落の中に入っていった。岩場の先端は戸崎鼻で、標識と石仏が設置してあった。

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吹上浜の美しい海岸が続く

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ここでいったん行き止まり

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防風林の中を集落に向かう

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しらす干しの工場か?

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戸崎鼻

 この先は戸崎漁港を眼下に眺めながら高度を上げていく。道沿いの民家にはハイビスカスやブーゲンビリアといった福岡では越冬が困難な南方系の植物が庭先に普通に植えてある。ずいぶんと気候が温暖なようだ。

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戸崎漁港

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軒先にハイビスカスやブーゲンビリアが地植えで育っている

 戸崎漁港の先は500mほどで国道270号線に合流する。舗装状態は良好だが、ほとんど歩道はなく、交通量が多い。しばらく歩くと日置市の標識が道沿いに現れた。2kmほど海岸沿いの国道を歩き、江口漁港に折れて海沿いに進むと海浜公園が現れた。ここは両端に突堤が築かれ、正面に消波ブロックを設置した海岸に、砂を投入して作った人工海岸のよう。砂浜に打ち寄せる波は穏やかだが、周囲の海には白波が立って荒れ始めたように見える。

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国道270号線を歩いて日置市に入る

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江口漁港を通過

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海浜公園

 海浜公園の南の外れには江口蓬莱館という物産販売の店があり、その中に海鮮レストランがあった。食べログをチェックするとなかなか高評価。昼食はここにしようと入店したが、30組以上の順番待ち。迷ったが、この先食堂はなさそうなので、予約リストに名前を書いて近くのベンチで待機することとした。50分ほど待って呼び出しを受け、にぎり寿司のランチを済ませて、13:27に行動を再開した。

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江口蓬莱館

 海浜公園からは再び国道270号線を歩く。江口から先の海岸は断崖絶壁で、打ち寄せる波がときおり歩道を濡らしている。2kmほど断崖の海岸を歩き、国道は海の見えない山の上に上がっていく。

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江口から2kmほどは断崖絶壁

 14:00に神之川の集落を抜け、しばらく歩くと右手に大きな金属製のタンクが見えてきた。ここがなんとウイスキーの蒸留所だった。鹿児島は焼酎の醸造が盛んなことは知っていたが、この地でウイスキーを蒸留しているとは知らなかった。小正醸造株式会社の嘉之助蒸溜所で、予約を行えば見学もできるよう。いつか内部を見学してみたい。

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小正醸造株式会社

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ここでウイスキーの蒸留を行っているようだ

 この先も国道270号線をひたすら歩く。このあたりも歩道があったりなかったりで、自動車はかなりのスピードで袖をかすめるようにして通過する。あまり歩くには適していない。日吉の集落のあたりから、自転車専用道の標識が現れる。自転車道に行こうかどうしようか迷いながら国道を歩いたが、標識が現れて2kmほど経た吉利(よしとし)の集落のところには自転車道まで60mと記載があったため覗いてみることにした。

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このあたりは直線路が多い

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蕎麦畑もあった

 自転車専用道路は、1984年まで運行されていた鹿児島交通枕崎線(南薩線)の路線の跡だった。当時は枕崎と伊集院とを結ぶ地元の足だったよう。ここは吉利駅の跡地で、ホームが残されている。自転車専用道路はきれいに整備されており、国道を歩くよりもこちらの方がずっと快適。もしこのルートを歩く人がいたら、自転車専用道を歩くことを強くお勧めする。

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吉利駅跡

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吉利駅跡の南薩線の案内

 15:33には吉利駅跡から国道270号線と並行して走る自転車道に入り、自動車の騒音に悩まされることなく歩いた。地元の方も数名ウォーキングをされており、挨拶を交わした。南薩線が営業していた頃ものんびりした雰囲気だったろうなと偲ばれる。

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自転車道の方が数段快適

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これも線路跡

 南薩線が永吉川を渡るところで、鉄橋の線路は撤去されており、橋脚だけが残されていた。自転車道は浜田橋を渡り、いったん国道と合流した後、再び海辺に向かってカーブしていく。そろそろ伊集院行きのバスの時間が近づいてきたため、16:12に永吉十文字バス停で行動を終了し、バスの到着を待つことにした。

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永吉橋に架かる鉄橋の遺構

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現在は人道に使われている浜田橋

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永吉十文字バス停で本日の行動終了

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伊集院駅前にはかつての領主の島津義弘公が

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2020年11月23日 九州自然歩道 65日目 鹿児島県いちき串木野市串木野日置市吹上町永吉 晴れ 気温18/10 距離28.9km 行動時間9:12 3.1km/h 43161歩

復路交通:永吉十文字16:28鹿児島交通バス-伊集院16:55/17:16 JR鹿児島本線-川内17:52/18:19 九州新幹線さくら570号-博多19:42

2020年11月22日 九州自然歩道 64日目 鹿児島県薩摩川内市入来~いちき串木野市串木野 市比野温泉を堪能

 まだ外は真っ暗だが、テントの外を歩く人や走る人の足音が聞こえる。ここはご近所のジョギングルートのようだ。現在5:30。日の出の予定時刻は6:50ぐらいだったが、のんびりしていると人が集まってくるかもしれない。まだ薄暗い6:15に起床して、撤収作業を開始した。

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明るくなって気が付いたが、目の前は巨大な芝生の競技場だった

 昨夜は暗くて、どんなところにテントを設営したのか理解できていなかったが、外が明るくなってようやく、ここがどこかわかった。ここ丸山公園は、フィールドホッケーの競技場のようだ。しかも、3面もコートが設置してある。この10月に開催予定だった鹿児島国体の予定会場だったのかもしれない。数名のランナーが外周を走る中、7:02には行動を開始して、丸山公園をあとにした。

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 小高い丘の上の公園から舗装路を下り、7:27に九州自然歩道に復帰し、道の駅樋脇に到着した。ここで朝ご飯でもと思って立ち寄ってみたが、まだ営業を開始していないよう。農家の方々と思しき人たちが農産物のディプレイをしているところだった。

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道の駅樋脇

 樋脇川を渡り市比野温泉の市街地に入るが、側溝からモクモクと湯気が上っている。それほど強くはないが、温泉らしい香りが漂ってくる。

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側溝からモクモク湯気が上る

 市比野温泉の看板を見ながら、九州自然歩道の案内表示に従って左折すると、かけ流し温泉の看板が出ている。時間は7:45でまだ営業していないかなと思いながらも、受付を覗くとおばさんが出てきて入れますよと案内してくれる。予定外だったが、せっかくなので朝風呂に浸かることにする。無色透明のお湯で、硫黄臭はない。さらりとした心地の良いお湯だった。

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温泉街の入り口

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丸山温泉 入湯料150円

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シンプルな造りの温泉

 さっぱりした後、8:15に行動再開。再び樋脇川に架かる橋を渡り下湯地区に入る。病院も温泉、郵便局も温泉、工事も温泉の配管の付け替え工事と、ここは温泉の町だと実感する。

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樋脇川を渡る

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温泉病院

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温泉郵便局

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温泉管工事

 市比野温泉からは県道36号線の自動車の通行の多い道路を進む。歩道がないところもあり、あまり歩くのが楽しいコースではない。8:43に樋脇町宇都の交差点で県道35号線に右折し、10分ほど歩いて串木野に向かう県道39号線に左折する。

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県道を進む

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串木野に向かって左折

 県道39号線に入ってから自動車の交通は少なくなったが、歩道はない。しばらくは勾配の道を上り、道路わきのスペースで行動食のナッツの朝食とした。

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交通量は少ないが歩道はない

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道路脇で朝食休憩

 25分ほど朝食を摂りながら休憩し、9:30に行動再開。ここからも緩い勾配の登り道が続く。途中の集落で自販機を見つけ、飲料水を購入。ナッツで乾いた口の中を潤す。

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だんだん高度が上がってきた

 10:13に阿母峠に到着した。峠を過ぎたところの側道に入り、さきほど購入した飲料水を飲みながらしばし休憩した。

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阿保峠を通過

 30分ほどかけて峠を下り、10:45に野下小学校跡のキャンプ場を通過した。さらに進むといちき串木野市の標識が出てきた。周囲はのどかな田園。

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野下集落が見えてきた

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いちき串木野市に入る

 さらに10分ほど平坦な道を歩くと、冠岳温泉への案内表示が出てきた。入り口近くには山太郎ガ二の無人販売がある。5匹ほど入って500円と安い。今日は買って帰ることができないのが残念。

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岳温泉入り口の無人販売

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このカニが美味

 11:15に冠岳温泉に到着。駐車場には多くの車が停まり、人気の温泉のよう。残念ながら先ほど市比野温泉に入ったばかりなので温泉はパスして、昼食に天ぷらうどんを頂いた。この先しばらく商店も食堂もないため、限られた選択肢。自家製麺の看板が出ていたが、コシはない。疑念ありに一票。

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岳温泉

 昼食の後は11:38に行動再開。徐福橋を渡って九州自然歩道に復帰。徐福とは、不老不死の薬を探したあの徐福だろうか?真相は不明なまま先に進み、11:56に冠岳の集落の新幹線高架下を通過したが、ここは静かな山の中なのに、近くに駅もない新幹線が1日に何便も通過して大変だろうなと同情。

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徐福橋を通過

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新幹線高架下を通過

 とくにどうこうとない舗装路をひたすら歩き、12:50に生福集落に到着。うどんのつゆでカラカラになったのどを潤すための飲料水を自販機で購入して小休止。

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ひたすら舗装路を歩く

 13:50に南九州道串木野ICを通過し、少し進んだところでファミリーマートを見つけてイートインでコーヒーを飲みながら小休止。14:38に行動再開したが、直後に大粒の雨が降り出したため、道路脇の観光案内所の軒先に入ってしばらく雨宿りをした。

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トンネルの先が串木野IC

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急に大粒の雨が降り出し戦意喪失

 雨はすぐには止みそうもないため、この先は市街地になるため、今日は宿泊施設に泊まろうと候補先に電話をかける。2つ目の旅館に空き部屋があったため即決。幸いここから450mと至近の距離だった。時間は早いが15:02に旅館に到着。おかみさんから、「お客さんが阿母峠を歩いているところを市比野からの帰りに見ました」と言われてビックリした。

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串木野神社

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2020年11月22日 九州自然歩道 64日目 鹿児島県薩摩川内市入来~いちき串木野市串木野 晴れのち雨 気温23/13 距離21.9km 行動時間7:59 2.9km/h 39346歩