とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

宝満山で土曜の夜をのんびりと 2日目

 昨夜は宝満山に本でも読もうというつもりだったが、そんな暇もないぐらい楽しい夜だった。4年前に剱岳を下ったところで、ほんの短時間会話を交わした方が憶えてくれていたとは。すごい偶然の出会いに感謝して、会話が止まらなかった。

お世話になった楞伽院山荘

 楞伽院山荘で快適な一晩を過ごしたが、夜半は雨がシトシト降っていた。朝になっても外はなかなか明るくならない。

朝まで雨。外に出ると濃い霧に包まれていた。

 6時ぐらいにシュラフを抜け出してウッドデッキでのんびり朝のカフェオレを飲んでいたら、「朝ごはんはいかがですか?」と再びお誘い。昨夜のおもてなしといい、もう至れり尽くせり。

とりあえず朝のカフェオレ。

ウッドデッキで本を読む。

 しかしそれだけではなかった。今日のハイライトは、大学の後輩に宝満山楞伽院山荘でバッタリと出会ったこと。いきなり下の名前で呼ばれてビックリ!なんと20年ぶり。よく分かったな!

青空が見えてきたからそろそろ行動を開始しようかと思ったときに女性の登山者。「なんで名前を知っているの?」とびっくりした。

 昨夜から奇跡のような出来事が連続。彼女の案内でバリエーションルートから山頂に向かった。

宝満山の山頂

山頂から見える赤い屋根の楞伽院山荘

竈門神社上宮の塗り直しをする楞伽院山荘メンバーと挨拶を交わして下山開始。

 彼女の案内で正面道から下山。明治初期の廃仏毀釈までは山岳仏教の中心だった宝満山には沢山の仏教関連遺構が残るが、丁寧に解説してくれる。

案内してもらった梵字岩。一人ではなかなか気が付かない。

この字が読みたい。

これも仏教関連遺構と思いきや、福岡の企業が企画した岩窟ホテルの跡だとか。

 今日は宝満山の見どころをいろいろ体験できた。最後に竈門神社に手を合わせてから後輩と別れる。案内ありがとう。話しているうちに20年前の記憶が少しずつ蘇ってきた。久しぶりに会えて嬉しかった。

竈門神社の鳥居の下でお別れ。また会う日が来るだろう。

 竈門神社から太宰府天満宮に向かって歩く。

途中の圃場は黄金色。

振り返ると宝満山は雲の中。

黄色いヒガンバナ。ショウキズイセンかな?いずれにせよヒガンバナ科には間違いない。最近ではリコリスと呼ばれることの方が多い。

 太宰府天満宮の中を進み、本殿にお参り。

新築された太宰府天満宮本殿

 観光客でごった返す太宰府天満宮から山手の温泉に向かう。

御笠川を越えて山手に進む。

太宰府には雅な地名が多い。ここは連歌会所があったことに由来するとか。

ホテルグランディア太宰府の日帰り湯で汗を流す。

雨が止むまでホテルのレストランでランチ。美味しかった。

西鉄太宰府駅から西鉄3000形の企画列車旅人で帰途につく。

 いや、じつに充実した週末だった。まさに奇跡の出会い。それも2回も。

2026年9月13日 福岡県太宰府市宝満山 楞伽院山荘~太宰府市宰府 西鉄太宰府駅 曇りときどき雨 30/23℃

行動距離6.3km 行動時間3:52 獲得高度136m 13400歩 行動中飲水量200ml 

往路交通: 西鉄太宰府駅14:21西鉄太宰府線-西鉄二日市14:27/14:30西鉄天神大牟田線-西鉄天神14:47

宝満山で土曜の夜をのんびりと 1日目

 今週末は山の上でのんびりと本でも読みながら過ごそうと思った。

 しかし、秋雨前線が停滞し、福岡あたりも天気のすぐれない日が続いている。どこに行こうか?

 できれば福岡から近くて、縦走ができ、もし雨が降っても屋根の下に避難できそうなところ。思いついたのが宝満山。今回は宝満山でのんびりと過ごそう。

 自宅でのんびりと朝ご飯を済ませた後、博多から福北ゆたか線に乗車。宝満山のある三郡山系の東の稜線の若杉山の麓の篠栗駅には9:46に到着。篠栗駅からスタートした。

福北ゆたか線

篠栗駅で下車。

篠栗駅の駅舎。お遍路さんのかぶる菅笠のような。

 いまのところ雨は降っていない。蒸し暑い。馬手池の向こうには最初のピークの米の山、その後ろには若杉山が見えてきた。

馬手池の手前が米の山。奥には若杉山。

舗装路の先には若杉の湯。いい雰囲気の銭湯。

 舗装路をのんびりと歩いて、10:20に若杉山登山口に到着。ここからしばらく山道となるが、すぐに舗装路と合流。

若杉山登山口

ほどなく舗装路に合流。

 おさ石からふたたび山道に入り、素敵なキャンプ場を通過して、11:30には若杉奥の院に到着した。ここにある自販機で水分補給をしてしばし休憩。

道路脇にはおさ石。

おさ石には神宮皇后の手形が残っている。

ボタンクサギ シソ科

急勾配の道を上っていく。

茶房わらび野もいい雰囲気。

アケボノフウロ フウロソウ科

若杉楽園キャンプ場を通過。

若杉奥の院に到着。小休止。

 奥の院に手を合わせてから先に進んで、12:00に若杉山(681m)に到着した。ここは残念ながら眺望がないため先に進む。

奥の院に手を合わせる。

若杉山山頂

 5分ほど下った先が若杉ケ鼻。ここからは糟屋の市街地が眼下に見えるが、今日はガスであまり眺望は良くない。この先の三郡山系も霞んで見える。

若杉ヶ鼻からの眺望。

 1時間近く杉の植林の中を歩く。斜面を下った先には舗装路が見える。ここがショウケ越(501m)。三郡山系を越える舗装路の峠で、ここで県道60号線を横断する。交通量は比較的多い。

スギの木立の中を進んでいく。

怪しい廃墟を過ぎると峠は近い。

ショウケ越

県道60号飯塚大野城線を横断。

 ショウケ越からはふたたび標高差200mほどを登り返す。今日は天気が悪いからか、若杉山を通過してからは他の登山者には会わない。13:43には鬼岩谷(773m)に到着した。ここは小ピークなのに、なぜか「谷」の名称。このあたりから少し雨が強くなってきた。

ショウケ越からは急勾配を登り返す。

鬼岩谷。ピークなのに谷とはこれいかに。

 鬼岩谷からは稜線の快適な道のり。両側を広葉樹に囲まれたアップダウンの少ない道を進んで、14:10に砥石山(828m)、次いで14:30には前砥石山(805m)を通過した。いずれも眺望はなくそそくさと通過。

快適な稜線の道。

砥石山

雨が強くなってきた。

前砥石山

シロモジ クスノキ科

ママコナ ハマウツボ科

 顔に当たる粒が感じられるほどの濃い霧の中を進んでいく。幸い霧のせいか暑くは感じない。木々の間からレーダーが見えてきた。15:55に三郡山(936m)に到着。山頂で初めて登山者に遭遇。三郡山の頂上からは霧のために眺望なし。

霧の粒が顔に当たる。

分岐を真っ直ぐ三郡山に。

三郡山航空管制レーダー

三郡山山頂

オミナエシ スイカヅラ科

 レーダーサイトのフェンスの脇を通り、西の宝満山に向かう。この先もしっかりと踏み足の着いた登山道。気が付いたらこのあたりには雨が降った痕跡がなく、地面は乾いている。

クルマバナ シソ科

あれ?地面が乾いている。

懐かしい九州自然歩道の道標。

八葉の峰

 17:01に仏頂山(869m)を通過し、山頂への分岐からはキャンプ場に向かって降下し、水場を経て17:15に楞伽院山荘(りょうがいんさんそう)に到着した。

仏頂山

水場を通過。

楞伽院山荘

楞伽院山荘の横には広いキャンプサイト。なんと無料。

 ここで行動を終了したが、小屋の女性から「北アルプスとか登ります?」と突然声を掛けられた。北アルプスは2023年に「TJAR歩いてみた」の企画で登ったぐらいだが、「ありますよ。」と答えたら、2023年7月15日に剱岳の南の剣山荘で出会った福岡からの登山グループのことが頭に浮かんだ。お互いに、「あ、あの時の」。

楞伽院山荘は快適な小屋。宿泊¥500。

 今日の小屋の女性ともう一人の男性が、剣山荘に滞在していた福岡からのグループのメンバーだった。それにしてもよく憶えてくれていたものだ。3年前のわずか5分ほどの出会いだったのに。この夜は小屋番の男性を加えた4人で鍋を一緒に頂いた。楽しい夜だった。

2026年9月12日 福岡県糟屋郡篠栗町 篠栗駅~太宰府市宝満山 楞伽院山荘 曇り 30/23℃

行動距離15.5km 行動時間7:26 獲得高度1520m 30226歩 行動中飲水量1000ml 

往路交通:博多9:30福北ゆたか線-篠栗9:46

五平餅

 40歳になったその日から、死ぬまでに食べたいもののリストを作っている。30位まで品目が並んでいる。

 毎年ランキングの入れ替えがあるのだが、リストの作成当初から変わらず不動の1位が五平餅。愛知県の奥三河地方、長野県の木曽・伊那地方、静岡県の北遠・駿河地方、岐阜県東濃・飛騨地方、富山県南部といった中部地方の山間部に伝わっている郷土料理で、他の地方では食べられる機会はあまりない。半搗き状態のうるち米を杉の平串に平たい楕円形に成形し、両面を炭で炙った後に味噌だれを付けて再び焼き上げたシンプルな料理である。

調理中の五平餅

長野県阿南町にある道の駅信州新野千石平の五平餅。やや大ぶりだが、標準的な仕様。

 子供の頃は、ハレの日に実家の庭で炭をおこし、五平餅を作って皆が集まって食べていた。甘い味噌だれが炭に落ちて漂ってくる香ばしい匂いが鼻腔をくすぐり、唾液が口中に溢れてくるのは、今も変わらない。

店舗で出されている味変の五平餅。左は葱味噌、右はエゴマ入り味噌。

 三河地方には五平餅を提供する店もあるが、自分で焼いて食べるのが一番美味しい。弟の山小屋では、バーベキューの締めには五平餅、とすることが多い。

山小屋で調理中の五平餅。

 醤油や味噌の焦げた匂いに対する執着は、どうもDNAにすり込まれているようだ。科学的にはアミノ酸と糖分が加熱されて生じるメイラード反応によって生じる匂いなのだろうが、ネコがマタタビに反応するように、三河生まれの自分は五平餅の匂いに魅了される。

もう、たまらん。

 2027年にもランキングの入れ替えを行う予定だが、五平餅を凌駕する食べ物はまだ現れそうにない。

中井侍

 中井侍と聞いてピンと来た人はなかなかテツ分の多い人。

 牛山隆信さんという鉄道ファンの方は、日本全国の鉄道路線に現存する、周囲に人家が少なく、大自然に囲まれた鉄道駅を「秘境駅」として紹介していることで有名。

 この方が秘境駅を秘境度(周囲が断崖絶壁、深い山林、荒涼とした原野、人家が無いと高ポイント)、雰囲気(木造の駅舎や待合室、板張りホームなどの歴史を感じさせるか)、列車到達難易度(列車本数が少なく、普通列車でも停車が少ないと高いポイント)、外部到達難易度(駅までの道が無い、外部からのアクセスが困難だと高ポイント)、鉄道遺産指数(スイッチバック、ループ、引き込み線、廃線跡などの鉄道遺構がある)の5要素でランキングを作り、年度ごとに改訂している。

 牛山さんのHPで最新のランキング(2023年度)のベスト10を見ると、

  1. 小幌             室蘭本線          北海道

  2. 尾盛             大井川鐵道       静岡県

  3. 小和田         飯田線              静岡県

  4. 坪尻             土讃線              徳島県

  5. 田本             飯田線              長野県

  6. 金野             飯田線              長野県

  7. 糠南             宗谷本線          北海道 

  8. 新改             土讃線              高知県

  9. 白井海岸      三陸鉄道          岩手県

  10.中井侍         飯田線              長野県

となっている。飯田線の「中井侍」は堂々の10位。秘境駅界の有名どころなのだ。

 そしてこの駅は、弟が夏休みを過ごしている長野の山小屋の最寄り駅の一つ。今回、TJARのコースを歩く企画を終えた後、弟の山小屋に行く予定だったが、せっかくなので中井侍駅に降り立って見ることにした。

中井侍までの切符はJR静岡駅のみどりの窓口で購入。担当の方は、「中井侍まで発券したのは初めてです。」と一言。

 TJARのゴールの大浜海岸からJR静岡駅に戻り、8:31の浜松行の東海道本線に乗車。9:41に浜松に到着し、向かい側のホームから9:43発の豊橋行の東海道本線に乗り換える。車内は混雑し、豊橋駅までは立ったまま。

 定刻どおり10:17には豊橋駅の8番線に到着。跨線橋を越えて2番線の飯田線ホームに移動した。

 10:30ごろに岡谷行飯田線の2両編成のJR東海313系車両がホームに入ってきた。車窓風景が楽しめるボックスシートの右側に陣取り、3時間近い列車の旅を楽しんだ。ボックスシートの相方は神奈川から来たという中学3年生。乗りテツ入門者で、飯田線の完乗のために今日は遠征中だという。車両の先頭、運転席の横には豊橋駅からずっと立ちっぱなしで前方の風景を見ている人もいる。夏の飯田線はテツ率が50%近い。

車内で食べる駅弁は、静岡駅で購入した鯛めし。

鯛の田麩がたっぷりと振りかけられた鯛めし、美味し。

 そんなことを考えながら、定刻の13:26には中井侍駅に到着した。下車したのは私の他に男性1名。秘境駅を楽しみに来たガチテツ系の人のようだ。

中井侍に到着。

駅舎は待合の小さな屋根のみ。

運行便数は秘境駅にふさわしくかなり少ない。

岡谷側はすぐにトンネル。

 駅には弟が迎えに来てくれていた。迎えに来てくれてよかった。最寄りの駅とはいうものの、弟の山小屋までは45kmほどある。また1日歩かないといけないところだった。

弟の案内で民家の横の狭いコンクリート舗装の道を上がっていく。

 しかしながら、弟はこの最寄りの駅に迎えに来るのは大変で、この駅はもう二度といやだという。天竜川を堰き止めた佐久間ダムによってできた佐久間湖に沿って走る県道1号線を南下してきたが、天竜川を渡ってから2kmほどは、自動車1台がやっとの左側にはガードレールのない崖っぷちの道路。引き返すこともできず、転落したらどうしようかとヒヤヒヤしながら運転してきたという。しかも道路には山から崩れてきた尖った落石がところどころに散らばって、パンクしたらどうしようかと気が気でなかったという。

これが駅へのアクセス路。

 そして、ナビを頼りに中井侍駅の直上までたどり着いたものの、人の通ることのできるような道も見つからず、困り果ててしまったとのこと。狭い道が続いているため、自動車を停めるような所も見つからず、対向車が来ないことを祈りながら自動車を道路の真ん中に停め、右に左に探して、なんとか駅への細い下り口を見つけたとのこと。

駅入口の看板はこれだけ。

 駅の豊橋側のところにコンクリートで固めた狭い道があるが、これが立派な方のアクセス路のようだ。民家の横を通り抜け、狭い道を100mほど進むと、アスファルト舗装された道路にたどり着く。どう見ても軽自動車がいっぱいの道。よくもこんな道を通って迎えに来てくれたものだと感嘆した。

この道路に自動車を停めるしかない。

 中井侍の集落自体は駅から北に200mほど進んだところにあるようだ。自動車に乗り込んで、集落手前の分岐で、5回ほど切り返してUターン。転落しそうな狭い道を戻って、県道1号線にたどり着いた。「今度は他の駅にしてくれよ。」と弟が不機嫌そうにつぶやいた。

長野県道1号線から中井侍駅方面を眺める。画面中央の小さな青い屋根が、駅のすぐそばの民家。左手の斜面には中井侍の民家が点在。この斜面で作られる中井侍茶は品質がよいブランド茶とのこと。

 中井侍への道の落石のせいかは分からないが、弟の自動車の左前のタイヤがパンクしてしまった。タイヤ交換のために飯田までレッカーしてもらう道中で、JAFの方も2回、中井侍に出動したことがあるという話を聞いてびっくりした。2回とも脱輪のレスキューだったということだが、自身の自動車が崖から転落したらどうなることかと冷や汗が流れたとのこと。

弟の自動車がパンクしたのは私のせいだ。

 秘境駅中井侍、恐るべしである。次は金野駅か小和田駅にしておこう。

 

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TJAR歩いてみた23日目 静岡駅〜大浜海岸 いよいよゴール

 昨夜はゴールを目前として、静岡駅近くのホテルで身体を休めた。TJARのゴールである静岡市の大浜海岸までは10kmもない距離で、そのまま昨日中にゴールインすることも難しくはなかったが、どうせならば太平洋に昇る日の出ととともにゴールしたかったのだ。

 3:00に起床して、シャワーを浴び、機材を担いでホテルを出る。ルール通りにヘルメットを含めたすべての機材を元通りザックに詰め直してのスタートだ。

静岡駅からの再スタート

 まだ真っ暗な中、3:40に静岡駅前から行動開始。駅の構内を南に抜けるつもりだったが、構内のドアは施錠されており、やむなく駅を迂回する。

 駅南の飲食店ではまだ人が集まっており、深夜27時ぐらいの様相。

繁華街にはまだ人だかり。

 真っ暗な住宅地の中を南に進む。こんな夜更けに大きなザックを担いで歩いていると、その筋の人かと間違われないかと心配になる。

歩く人がほとんどいない道を進んでいく。

こんな夜更けに大きなザックを担いでうろつくのは気が引ける。

海の方が明るくなってきた。

 4:40には大浜海岸にたどり着いた。まだ夜が明けない海岸を、今年のTJARのゴールに設定された場所はどこだろうかと探しながら、一昨年のゴールとして設定されていた海岸の西にある中島浄化センターに向かって進む。

大浜海岸に到着。

今年のゴールはどのあたりに設定されているだろうかと、海岸の堤防を西に向かって進む。

一昨年のゴールは中島浄化センターのあたりに設定されていたという。

 浄化センターあたりにはTJARのゴールを示すようなものは現時点では何もない。本物のTJARの選手がたどり着くのはあと3日ぐらい後だ。まだゴールのゲートを設置するには早すぎる。

このあたりのフィールドにゲートが設置されるのかなと思いながら。

 以前のゴールに使われていた大浜公園まで戻ると、堤防沿いにはTJARの選手の健闘を称える幟が掲示してある。ここをゴールにしよう。

大浜公園でTJARの幟を発見。

 堤防を越えて砂浜を進む。手を太平洋の水に浸して、海水を口に含んでみる。4年前に富山湾の早月川河口で味わった水よりも塩辛い。

堤防を越えて砂浜に進む。

ここが自分のゴールだ。

太平洋の水を手ですくい、口に含んでみた。

 太平洋の上に顔を出した太陽を眺めながら、ゴールとした。4年間かけて歩いた415kmの道のりを思い出しながら。

日の出とともにゴール。

4年間、一緒に歩いてくれた機材とともに。

大浜海岸はTJARの聖地。

 同じ道のりをわずか5日から8日で駆け抜ける本物のTJARとは較べるべくもないが、4年に分けて23日間で歩いた私のTJARはここに終わった。

2026年8月13日 TJAR歩いてみた23日目 静岡県静岡市葵区黒金町 静岡駅〜静岡市駿河区西島 大浜海岸 曇り 30/23℃

行動距離8.1km 行動時間1:46 獲得高度32m 12359歩 行動中飲水量0ml 

TJAR歩いてみた22日目 富士見峠〜静岡駅

 今朝は静岡市葵区の山中、富士見峠で4:00に目を覚ました。それにしても静岡市葵区というのは広い。地図で葵区を見ると、南北に100kmほどもある。標高3000mを越える南アルプスの山中から葵区で、大井川の源流域の井川も葵区。さらに昨晩から滞在している標高1180mの富士見峠も葵区だ。

富士見峠の展望台に野営。

 富士見峠の展望台を野営地にしたのは正解だった。現在なお台風が接近しているため大雨が降り、強い風が吹きつけているが、展望台の屋根の下に設置したテントはほとんど濡れていない。しかし、とても行動を開始できるような天気ではないため、展望台の中で待機。カフェオレを淹れて、昨日の宿で出された「てしゃまん」という最中のような郷土の銘菓で朝食とする。

外は強風・大雨。屋根があって助かった。

ベンチでカフェオレ。

 ノロノロと撤収作業を行い、天気予報を見る。7時ぐらいには雨が止むという予報。しかし予報に反して雨が降り続くまま、7:40に行動を開始した。

食糧はほとんど尽きて、荷物は軽くなった。

雨が少し弱くなってきた頃を見計らって、県道60号線を歩き始めた。

 県道60号線を南に進み、8:08に笠張峠に到着。本来はここから県道189号線に進まないといけないところを、県道60号線を10分ほどそのまま進んで慌てて引き返す。雨が降る中を道間違えはつらい。

笠張峠に到着。ここからは県道60号線から県道189号線に進まないといけなかった。

 8:33に笠張峠に戻って、今度は県道189号線を下り始める。林道オオグナ線の分岐を通過して、どんどん下っていく。左手には西河内川が流れ始めた。

県道189号線を下り始める。

大規模なトンネル工事。

西河内川に沿って下っていく。

 9:55には井川から先の50kmの区間で唯一の飲食店のCassoに立ち寄る。ここで早めのランチをと期待して歩いていたのだが、なぜか薄暗い。なんと臨時休業だった。次の飲食店は25km先の白鳥食堂。雨がさらに強くなってきた。

昨日の夜から食事を楽しみにしていたCasso。Googleでは営業日に間違いないが、明かりが灯いていない。

まぢか?この先25km食べるところはないんですけど。

 10分ほど休憩して気持ちを立て直して行動再開。権現橋、臥竜橋と通過して、11:09に横沢バス停に到着。バス停の自販機で渇きを癒やす。バス停横には「ごんげん」という小さなおでん屋があるが、ここも土日のみの営業で開いていない。

権現橋を通過。

臥竜橋

臥竜橋には滝が流れている。

ここにもニホンミツバチの巣箱が。

横沢バス停

ごんげんにもおでんが置いてあるようだ。

 行動食を摂りながら40分ほど休憩。11:50に行動を再開し、腰越、川島と集落を過ぎると、空には晴れ間が見えてきた。途端に暑くなる。川島バス停にザックを下ろして雨具を着替えていると、路線バスが来てわざわざ停まってくれた。頭を下げて挨拶したら、乗客のいないバスは走っていった。

腰越集落の太師堂。

道沿いのお地蔵さん。街道の名残ではないか?

川島バス停近くで雨具を干していたらバスがわざわざ停まってくれた。気を使ってくれてありがたい。

白鬚神社

 13:50には西河内川と中河内川とが交わる玉川橋に到着。ずいぶんとお腹が空いてきた。中河内川の上流の方から熱した油の匂いが漂ってきた。匂いの元を見てみると、入川券取扱店の赤い幟の立った喫茶店のような白い建物がある。看板はない。思い切って店の中に大きな声で挨拶すると、店の奥から女性が出てきた。

玉川橋

ここで中河内川が合流する。

上流を見ると店舗のような建物。営業しているか?

 昼食ができるか尋ねてみると、女性がこちらをギロリと睨んで、「いいよ。何か作ってあげる。」との返事。ほどなく提供された照り焼きチキンは空腹の身体に染みこんでいった。看板はないものの、店の名前は「軽食ドルチェ」。ほとんどがローカルオンリーで営業しているようだった。「毎年、お盆になるとこの店の前をフラフラになりながら走って行く人たちがいるけど、あんたはまだ元気そうだね。」という。

このチキン、美味しかった。

 お茶のお代わりをいただきながらのんびりと身体を休める。14:42に行動を再開し、今度は県道27号線と名前を変えた舗装路を歩いて、桂山(かやま)の集落を通過する。

桂川集落を通過。

ここにもおでんの店。静岡おでんはローカルの味なんだ。

 金久保橋、西山橋と通過。15:30に北から流れる安倍川と合流する地点を玉機橋を渡って、安倍川を真っ直ぐ南に進んでいく。川幅は急に広くなる。

橋を越えるたびに川幅が拡がる。

川原でキャンプをする人も。

玉機橋

玉機橋からは安倍川の本流になる。

沿道にはTJARの応援が。

安倍川

 16:19に竜西橋を通過したが、TJARの応援看板が掲げられていて、レースの雰囲気が伝わってきた。竜西橋から県道27号線は右岸に渡るが、そのまま直進して県道29号線を南に進む。

竜西橋

ここにもTJARの応援が。

 北賎機トンネル(341m)を抜けて、16:45に曙橋を通過。ここは東海自然歩道で歩いた区間。もう一昨年のことだったなと思い出す。

北賎機トンネル

曙橋

曙橋では東海自然歩道と交差。

 

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 自動車の交通の多い県道を離れて、しばらく安倍川の河川敷を歩く。17:42に新東名高速道路の高架を通過した先でローソンに入って水分補給。イートインでしばらく休憩して生き返る。

安倍川の河川敷を歩く。

新東名の高架をくぐる。

ローソンで生き返った。

 その後は県道27号線に復帰して、夜の静岡市の市街地を歩いて、20:00に静岡駅に到着して行動終了。ゴールまであと10kmもないぐらいだが、明日の日の出の時刻にゴールインしたい。静岡駅近くのホテルで休息をとることにした。

浅間神社入口の赤鳥居。

 

駿府城のお堀端を進む。

静岡県庁

静岡市庁舎

今川義元と竹千代

静岡駅に到着。

2026年8月12日 TJAR歩いてみた22日目 静岡県静岡市葵区井川 富士見峠〜静岡市葵区黒金町 静岡駅 雨のち晴れ 22/17℃

行動距離45.7km 行動時間12:18 獲得高度504m 64176歩 行動中飲水量1500ml

TJAR歩いてみた21日目 赤石温泉〜富士見峠

 本日は静岡市葵区田代の赤石温泉で6:00に起床。まずはpH9.2のツルツルの温泉に浸かって、7:30から朝食。

朝食も充実。

 朝食の後はもう一度温泉。濡れた靴下が乾くのを10時のチェックアウトまでじっと待ってからスタートする予定。

 だいたい乾いた機材をザックに詰め込んで、9:43に赤石温泉を出発する。今日は何事もなければ明るいうちに野営地に着けると見込んで。しかし、接近している台風が心配ではある。

10時前にようやく出発。靴下がなかなか乾かなかった。

静岡駅まで77kmもあるのにすでに静岡市内だ。

 9:56に畑薙第2ダムを通過。次いで、長さ161mの田代第7トンネルを通過する。大井川はずいぶんと下の方に見える。

畑薙第2ダム

田代第7トンネル

 10:11に明神橋を過ぎたあたりで、井川駅まで歩くという男性と一緒になった。川崎から歩いて来ているという。なかなかタフな人だ。

明神橋。しばらく男性と話しながら一緒に歩く。

クサギ シソ科

 この先はトンネルが続く。大網トンネル(528m)、田代第6トンネル(37m)、田代第5トンネル(35m)、田代第4トンネル(63m)、田代第3トンネル(7m)、田代第2トンネル(85m)と通過し、最後に500mと長い田代第1トンネルを抜けると田代の集落となる。

大網トンネル

田代第3トンネルは7mと短いが、頭上の導水管を通すため。

田代第3トンネルの下には畑薙第2発電所。

田代第1トンネルは500mと長い。

田代集落には公衆トイレあり。

 12:49に南アルプス井川オートキャンプ場を通過。TJARの応援の幟が道路脇にあり、選手でもないのに元気づけられた。

井川オートキャンプ場

温泉施設も付随している。

TJARの横断幕に励まされた。

てしゃまんくの里は土日のみの営業。

 13:15に割田原遺跡を通過して、大島橋を渡ると大島集落に入る。

大井神社

割田原遺跡

大島橋

大島集落には太師堂。

 この先の中山集落には井川大橋がかかっている。自動車の渡ることのできる吊橋で、せっかくだから渡ってみた。

中山集落の先には井川大橋。

井川大橋を渡ってみた。

井川湖

 14:27には井川集落に着いた。山手にある南アルプスユネスコミュージアムに立ち寄り、TJAR写真展をゆっくりと見学。ついでに鹿肉のカレーを頂いて、15:10に行動を再開した。

井川

南アルプスユネスコミュージアム

TJAR写真展開催中

写真も素晴らしかったが、、、

現物の展示が感動的。これは2018年の望月将悟さんの使用した35L無補給ザック。無補給で走り通した超人の使用機材。

これで走ったんだ。

沿道からの応援の声が聞こえてきそう。

偉大なる忍耐としか言い様がない。

最後に鹿肉のカレーを頂いた。なかなか滋味があって美味しかった。

 天気予報を見てみると夕方から大雨になりそうだ。先を急ぐが、ここから先は標高差500mほどもある富士見峠となる。

雨が降りそうで心配。

 16:10には大井川鐵道の終点となる井川駅。

井川駅に立ち寄った。

大井川鐵道のアプト式の路線にも乗ってみたいな。

 16:21には井川ダムを通過した。だんだん雲の色が黒く変わってきて心配になってきた。

井川ダム

西の方から雲が押し寄せてきている。

 井川トンネル(94m)を通過した先は上りが続く。井川湖はずいぶんと下に見えてきた。

井川隧道を通過。

ダムからはひたすら上りとなる。

井川湖はずいぶんと下になった。

 ときおり木の間から南アルプスが見えるが、雲がかかり始めた。

雲がかかり始めた。

おでんのじんきちを通過。

ときおり雨粒が落ちてきながらも、なんとか持ちこたえる。

 すっかり日が落ちた19:08に富士見峠に到着した。ここには屋根の付いた展望台がある。雨が降り出す前に着いてよかった。今日はここで野営としよう。

富士見峠だ。

屋根がある。今晩通過する台風は乗り切れそうだ。

 

さっそくテントの設営。

晩ご飯は宿で作ってもらったおにぎり。

2026年8月11日 TJAR歩いてみた21日目 赤石温泉〜富士見峠 曇りのち雨 28/12℃

行動距離34.5km 行動時間9:23 獲得高度1389m 51114歩 行動中飲水量1000ml