とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2021年2月28日 九州自然歩道 87日目 宮崎県えびの市えびの高原~韓国岳~大浪池~鹿児島県霧島市牧園町硫黄谷温泉 大浪池の女神は雨の中を歩いた旅人に一瞬だけ微笑んでくれた

 昨日は、霧島神宮から高千穂嶽道(おたけみち)に入って、県道104号線、県道1号線と、ほぼ舗装路のみを歩いてえびの高原エコミュージアムセンターまで進んだ。一日中強い風が吹いていたが、幸い雨はほとんど降らず、それなりに霧島の山々の風景や噴気の漂う山歩きを楽しむことはできた。

 ゴール地点のセンターからは、霧島連山周遊バスで麓の丸尾温泉まで下りて、暖かい宿で一晩過ごした。夜半も風は吹き続け、宿が揺れるほどであった。そして、今朝は雨。風も昨日と変わらず強い。

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丸尾から霧島連山周遊バスでえびの高原まで引き返す

 6:00に起床し、朝食にはご飯を2回おかわりして、7:55に雨具を着けて宿を出た。丸尾温泉のバス停を8:30に出発する霧島連山周遊バスで、昨日の離脱地点のえびの高原に向かう。バスの乗客は昨日同様、自分一人。いつもながら、地方ではバスに乗るたびにバス会社の経営のことが気にかかる。バスはつづら折りの急坂を喘ぐようにして上り、ときおり強風で車体が揺れる。

 9:00にえびのエコミュージアムセンターに到着した。雨は横殴りに吹き付け、霧で周りは見えない。とどめには、本日の風速20mの表示。センター内には登山客20名ほどが雨具や足元の支度をしているが、みな誰が最初に出発するのか牽制し合っているかのよう。

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えびのエコミュージアムセンターに到着

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横殴りの雨と唸りを上げる強風

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本日も20mの強風の予報

 センターのレンジャーさんに韓国岳(からくにだけ)の状況を尋ねるが、本日はあまりお勧めしないという反応。霧の時には、韓国岳の山頂から三方に分かれる下山路を間違えて予期せぬ方向に進む人が多いとアドバイスされる。30分ほど経過したところで、団体の登山者と思われる方たちが、リーダーの指示に従って準備体操を始めた。それを横目で見ながら、再度地図を確認する。韓国岳の頂上までは2kmほどの道程。ザックに付けたレインカバーに緩みがないか確認し、帽子が飛ばされないようにあご紐をキュッと締めて、9:54にエコミュージアムセンターのドアを出た。

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センターを出た瞬間によろけてしまった

 外に出た瞬間に、いきなり吹き付ける風で身体がよろめく。先を進む団体は南に進路をとり、韓国岳には向かわないようだ。さて、どうしよう。不安はあったが、思い切って韓国岳に進むことにした。危ないと思ったら引き返そうと心の中で呟いて。

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韓国岳登山道に進む

 韓国岳登山道はさすがに人気の山だけあって、よく整備されていた。最初はどこまでも舗装されたコースが続くかのような気がした。風雨は強いものの、松林の中の道を快適に進むことができる。舗装部分は途中でなくなったが、登山路ははっきりしており、多少のガスでも間違える恐れはない。勾配の強いところには階段が付けられている。順調に進み、10:20には硫黄山火口展望所に到着した。ここからは山体全体から吹き出る噴気が眺められるはずだが、本日は残念ながらガスで何も見えない。風向きが逆のせいか、硫化物の臭気も感じない。

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黄山火口展望所に到着

 この先は稜線に入り、いよいよ風が強くなってきた。帽子のあご紐をもう一度きつく引っ張る。唸りを上げる風の音は、山と共鳴するように響き、不気味だ。10:33に3合目に到着した。登山口から800m進んでおり、残りの距離は1300m。さらに5分ほどで4合目に到着した。標高は1450m。このあたりで森林限界を超え、風が何のクッションもなしに直接吹き付けてくる。しかし、身体が飛ばされるほどではなく、危険とまでは感じなかった。

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3合目を通過

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4合目を通過

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風はいよいよ強い

 依然として登山道ははっきりと目視でき、不安はない。10:47に5合目、10:54に6合目を通過した。標高は1570m。案内板には眼下に拡がるはずの美しい風景の写真が提示されているが、今日は真っ白な雲の中。写真を眺めながら、気分だけ味わいながら、サーモスのお湯をコップに半分満たして、喉の渇きを癒やしてから先に進むことにした。

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5合目を通過

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ますます吹く

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こんな景色だろうと頭で念じて

 ここから先も、道標が目立つところに設置されており、コースに間違いがないことが確認できる。ところどころに木の柵が現れ始めた。柵の先は見えないが、崖になっているようで、火口に進むのを防ぐためかもしれない。この辺りの登山道にも難しいところはまったくなく、雨と風さえなければ、よっぽど楽しいだろうなと思える。

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登山道の状態は良好

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8合目を通過

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木の柵が現れる

 11:11に9合目を通過したが、ここからは風の音が変わり、火口の縁近くを進んでいるような様子だった。ただし、ガスのために正確には地形が分からない。9合目から先は岩の割れ目を伝うように進んで、11:18に韓国岳の1700mの山頂に到着した。

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9合目を通過

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岩の割れ目を探して歩く

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頂上に到着

 ここが霧島連山の最高地点。到達できてよかった。天気がよければ古代の大噴火で吹き飛ばされた山頂部の火口が正面に現れるはずだが、今日は何の眺望もなし。残念。頂上はさすがに猛烈な風が吹き付けるので、山コーヒーをする気分にもならず、帽子やレインカバーが吹き飛ばされないうちにと、そそくさと下山することにした。

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この先に大きな火口があるはず

 センターのレンジャーさんから注意されたとおり、ガスのために山頂からの下山路は見つけにくい。まずはGPSで位置を正確に把握し、分岐点を探しながらゆっくりと歩を進めた。山頂付近は風を遮るものが何もないので、立ち上がるとよろけてしまう。岩陰に隠れておき、風が息を止めた瞬間を狙ってそろそろ進む。しばらく進むと、三方への分岐の道標が見つかった。次の目標地である大浪池(おおなみのいけ)へのコースの踏み跡も容易に見つかった。すぐに遙か下の方まで連なる木道が現れた。こんな山頂近くまでよく整備してくれたものだ。晴れた日にズーッと先まで続く木道を眺めることができたら、どんなに感動しただろうか。

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慎重に下山路を探す

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下りの木道が見つかった

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標識もOK

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まさに、天国への階段

 ところどころ木道が途切れるところもあったが、この先も標識は適度な間隔で設置されおり、心配なく進むことができた。高度を下げるにつれて、登山道の周囲に樹木が増えてきた。韓国岳から500mほども進んだ辺りからは、直接吹き付ける風はずいぶんと弱くなり、周囲の木々の上を過ぎる風が唸りを上げるだけに変わっていった。登山道の整備状況はどこまでも良好だった。ただ、雨に濡れた木道は滑りやすく、2本のストックを交互に動かし、転倒しないように気をつけて高度を下げていった。

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素晴らしい木道が続く

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標識も

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 下山を開始して50分ほどの12:05には、大浪池の北端に到着した。ここでも残念ながら眺望はなし。ここからは大浪池を東回りと、西回りに周回する道に分かれる。分岐点のすぐそばの韓国岳避難小屋をのぞいてみたら、丸太でできた小屋がとても快適そうなので、ここで小休止とした。サーモスのお湯でカップラーメンをつくり、おにぎりといっしょに昼食とすることとした。

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ほどなく大浪池に到着

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避難小屋の標識が目の前に

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中は広くて清潔

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昼食にした

 昼食の後は12:41に行動を再開。ここからは大浪池の東回りコースを選び、進み始めた。周回コースの整備状況も素晴らしかった。こんな山中なのに、見事に大きさを揃えた石畳がどこまでも整備されている。ところどころに池を眺めるためのビューポイントがあるが、残念ながらどこからも池は見えない。風の音が止んだときに、鳥の声が聞こえるだけだった。

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東回りで大浪池を周回

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周回路も素晴らしい

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 13:38に大浪池の南端に到着した。ここでは登山道から登ってきた数名の登山客が残念そうに池を眺めていた。大浪池周回路を歩いている間に雨はあがっていたが、池の周囲にはまだ深い霧が立ちこめていた。大浪池を前にした岩に腰を下ろして一休みしていると、霧がほんの少しだけ晴れて、青い影が霧の向こうから透けて見えてきた。目を凝らしていると、しだいに目の前に青い池が拡がってきた。ほんのわずかな時間、湖面全体が姿を現し、ふたたび霧がゆっくりと池を隠していった。ここまで雨の中を歩いたご褒美に、大浪池の女神が一瞬だけベールを上げて顔を見せてくれたような気がした。

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大浪池の南端部で小休止

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うっすらと青い湖面が見えてきた

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ほんのわずかな時間だけ池を見ることができた

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再び霧の中に隠れていった

 大浪池の青い湖水を目に焼き付けた後、13:45から下山を開始した。下山路も深い山の中とは思えないほどのきれいな石畳。まるで有名な神社の奥の院に続く参道のよう。石畳を歩いていると、ときおり木々の間から太陽の光が差してきた。気温が上がってきて、レインコートの下に汗がにじみ始めた。上ってくる登山客に道を譲りながらのんびりと進み、14:14に大浪池登山口に到着した。

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下山路も素晴らしい状況

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ときおり晴れ間がのぞく

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大浪池登山口に到着

 登山口にはトイレとベンチが整備されていた。ここで、レインコートを脱いでから、コーヒーを淹れて一休み。ときおり太陽が顔を出すものの、霧のような細かな雨が降り続いている。周遊バスの時間は16:06。まだ2時間近くある。せっかくなので、バスルートに沿って歩くことにして、14:37に大浪池登山口を出発し、周遊バスの終点である丸尾に向かって歩き始めた。

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きれいなトイレが整備されている

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周遊バスのバス停もある

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本数は少ない

 県道1号線の舗装路を東に進み、15:00に新湯展望台を通過。ここは新燃岳が正面に見えるビューポイントだが、今日はほとんど何も判別できない。道路脇に東京大学の名が刻まれた地測点が設置してある。これは山体膨張等を精密測定するためのものだろうか。

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県道1号線を東に向けて出発

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新湯展望台が現在は新燃岳に最も近い地点

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基準点が設置してある

 15:05に新湯の分岐点に到達した。ここを左に曲がれば県道104号線で霧島神宮や高千穂河原に向かうが、県道1号線の続く右に折れて丸尾温泉に向かう。福岡に帰るためのバスは丸尾温泉経由であるのと、この先の道沿いには、昨日乗車した霧島連山周遊バスの車窓から、激しく噴気を出している地面が何カ所も見えたので、ぜひそこを歩いてみたかったからだ。

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新湯分岐点から県道1号線を丸尾温泉に向かう

 分岐点からは勾配の強い下りが続く。ヘアピンカーブをいくつか曲がり、15:30に明礬(みょうばん)温泉に到着した。ここは建物の礎石部分だけが残り、旅館はすでに姿を消している。谷間の地面からは噴気が出ており、温泉地だったことはすぐに分かる。

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ヘアピンカーブを曲がって下りていく

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晴れ間が見えたり、雨が降ったり、変化が忙しい

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虹も出てきた

 さらに県道1号線の急登を下り、カーブを3つほど曲がると、その先の道路の法面から噴気が湧き出ている。風向きによっては道路の先が見えなくなる。

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道路の法面から激しい噴気が

 15:50に霧島いわさきホテルを通過した。ここはかつての名門ホテル。数棟のホテルが建ち並び、大きなホールらしきものも見えるが、現在は休館中。巨大なホテル群が夢の後のような様相。鹿児島交通バスは岩崎グループなのだろう。バスのターミナルとしては現在も使用されており、回送バスが駐車場に何台も停まっている。

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かつての名門ホテルも閉館中

 昨日、周遊バスの車窓からは、この先に道路の脇からすごい勢いで噴気の出ているところがあった。ぜひそこを見てみたくて、さらに先に進んでみた。谷全体がいまにも噴火しそうなほどの噴気を発しているところがあった。ここは硫化ガスの臭いがひどく、立ち止まったら危険と感じるほど。

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道路のすぐ横からものすごい勢いの噴気

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 もう少し先に進み、16:05に硫黄谷温泉の霧島ホテル前に着いた。霧島ホテルに続く道の入り口にバス停とベンチがある。時刻表を見ると、バスの通過時刻は16:21。ここで行動を終了し、山の上から霧島連山周遊バスが下りてくるのを待つことにした。

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九州自然歩道87日目 えびの高原〜韓国岳〜大浪池〜硫黄谷温泉 雨のち曇りときどき晴れ 18/9℃ 行動時間6:10 13.4km 28105歩

復路 硫黄谷16:21霧島連山巡回バス-丸尾1625/1719鹿児島交通バス-国分駅1815/1814日豊本線鹿児島本線鹿児島中央1852/1951九州新幹線みずほ614号-博多2107

2021年2月27日 九州自然歩道 86日目 鹿児島県霧島市霧島神宮~宮崎県えびの市えびの高原 いたるところから噴気が出るこの地を歩いたら、ここが日本発祥の地だというのがまんざらでもなく思えてきた

 今日は2週間ぶりに九州自然歩道に復帰。残念ながら先週末は仕事のため、トレッキングができなかった。今回は鹿児島県の北の端の霧島市からのスタートだが、じつは霧島神宮あたりから九州自然歩道の本線は2つに分かれる。1つは霧島神宮から霧島連山の間を縫って北西に進んで大浪池(おおなみのいけ)まで至るコースで、この先は宮崎県に入る。ただし、九州自然歩道ポータルサイトの宮崎県の地図には大浪池以北のコースは記載されていない。また、先行する九州自然歩道イカーの方々の中で、霧島神宮からえびの高原にかけての本線について触れた記事を見たことはない。

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九州自然歩道の本線は霧島神宮の北で2つに分かれる

 もう一つの本線は、霧島神宮から高千穂河原に向かって北東に進み、高千穂峰を越えて宮崎県を北上していくコース。こちらのコースは多くの先行者が通過し、多数の記録があり、どうみてもメインのコースのようだ。しかし今回は、霧島連山の北部を歩いてみたい気持ちもあり、地図上では行き止まりとなる霧島神宮から大浪池に至るコースを歩き潰すことにした。

 博多から九州新幹線に乗り、鹿児島中央駅日豊本線の特急きりしまに乗り継ぎ、霧島神宮駅には9:36に到着した。今回はJR九州のみんなの九州きっぷ(全九州)を利用した。これは新幹線を含めたJR九州の列車に土日だけ乗り放題で1万2千円という破格の割引切符。博多-鹿児島中央の新幹線の片道料金だけでも1万円を超えるので、この切符がいかに割安か分かると思う。どういう経営戦略でJR九州はこんな割引切符を販売しているのか意図が分からないが、3月末までの期間限定で提供されるこの切符を、九州自然歩道トレッキングに活用させてもらおうと思う。

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今回はいつもより1本遅いさくらに乗車

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鹿児島中央からは特急きりしまに乗り換え

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桜島を眺めながら進む

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霧島神宮駅はなかなか魅力的

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JR九州には大感謝

 さて、JR霧島神宮駅からは9:51に鹿児島交通バスに乗車して、10:04に霧島神宮に到着し、行動を開始した。まずは表参道の階段を上り、10:19に霧島神宮に参拝した。参拝客はあまり多くない。気温は12℃とそれほど寒くはないが、風が強く、神社の周囲の木々の上の方が激しく揺れている。

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霧島神宮バス停前

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まずは霧島神宮に参拝

 参拝を終えた後は、そのまま霧島神宮の境内を西に抜けて九州自然歩道の標識に出て、10:23に高千穂嶽道を歩き始めた。ここは今回のルート上の唯一の1km足らずの非舗装路。先行者のレポートでは、標識がなくて迷ったとか、藪漕ぎでヘトヘトになったとか、散々なことが書かれていたので、覚悟を決めて進んだのだが、意外なことに整備状態は良好。ときどき踏み跡が怪しいところもあるが、そんなところには赤テープが丁寧に括り付けられており、まったく道に迷うことはなかった。30分ほど歩いて、10:47に湯の野に続く舗装路にあっけなく合流した。高千穂嶽道は最近整備がなされたか、あるいは草木が少ない時期だったからか、意外なほど楽に通過できた。

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霧島神宮境内脇から九州自然歩道に復帰

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高千穂嶽道(おたけみち)の石碑が建てられている

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整備状況は良好

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ほとんど迷うところはない

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ほどなく舗装路に合流

 ここからは舗装路を歩く。右手に別荘地と思われる霧島神宮台の看板が出てきた。その先に、多数の駐車車両がある駐車場があるなと思ったら星野リゾートだった。霧島の奥まったところに、攻めたホテルだ。

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交通量は多くない

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落ち着いた宿だと思ったら星野リゾート

 このあたりの交通量は少なく、舗装状態もよく、快適に歩くことができる。風が強いにもかかわらず、至るところで硫黄の臭いが漂ってくる。道路脇から噴気が出ているところがあり、高温のお湯が吹き出ていた。お湯の流路には湯の花が着いていた。どこを掘っても温泉が出てきそうだ。しかし、こんなところにテントを張ったら、寝ているうちに硫化ガスで天国行きになってしまうかもしれないと、チラリと頭をよぎったりもした。

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眺めも良好

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道路脇から高温のお湯が吹き出る

 汗もかかないまま舗装路を歩き、11:22に千里が滝への分岐に到着した。滝までは800m。予定時間よりも1時間早く進んでいるが、地図を見ると等高線が10本以上並んでいる。どうしようか迷ったが、左折して滝に立ち寄ってみることとした。500mほど細い舗装路を歩き、駐車場の先からはコンクリートの階段を進んだ。水力発電のためと思われる送水管が平行していることから、このコンクリートの階段は発電所のメインテナンスにも使われているようだ。落石が激しいのか、ところどころは覆道になっている。

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千里が滝にはまず狭い舗装路を進む

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橋の上から美しい水を眺め

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送水管に沿った階段を降りていく

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ところどころは覆道になっている

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明かりとりが開いているので心配は要らない

 11:50に千里が滝が一望できる階段に到着したが、思い切って行ってよかった。50mほどの落差のある滝で、緑色の滝壺に向かって白い筋を引いて落ちていく様が見事。さらに200mほど階段を下りると発電所と思われる施設が現れた。発電所下流の堰堤に堰き止められてできた淵は碧色の水にクリームを流したような色で、小さな滝から淵に落ち込むところが幻想的に見える。階段の上り下りにはたっぷり汗をかいたが、等高線を越えた価値は十分にあった。

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滝は素晴らしい

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滝からさらに300mほど進んで発電所の淵も見て欲しい

 12:06には千里が滝分岐に戻り、ふたたび舗装路を歩く。12:18に国民宿舎みやま荘に到着した。みやま荘は現在は閉鎖されているようだ。新燃岳から3kmの圏内に入っており、噴火による規制などの影響だろうか。国民宿舎の前に設置された避難壕を風よけにして、ここでおにぎりと味噌汁の昼食とした。目の前にはシカに餌を与えないでという看板が立てられている。それだけシカが多いのだろう。

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みやま荘に到着したが閉館していた

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入口脇には避難壕

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こんな看板も

 みやま荘の避難壕からは12:30に行動を再開し、12:34に湯の野の三叉路に到達した。この三叉路で霧島神宮からの道は県道104号にぶつかり、西に進めばえびの高原に、東に進めば高千穂河原に向かうことになる。次回歩く予定の東方向の高千穂河原線は新燃岳から半径2kmのギリギリなので、通行できるかどうか気になったが、現在は通行できそうだった。今回は湯の野から県道104号線を西に向かって、えびの高原に進む。

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湯の野で県道104号線に合流

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湯の野三叉路の案内標識

 湯の野の川向こうからは噴気がモクモク吹き出している。河原からも噴気がたなびいており、川自体もクリーム色がかったグリーン。谷全体に硫黄の匂いがする。道沿いに砂防ダムでできた滝があったが、これが見事な色合い。河原まで下りて水が温かいかどうか直に触れてみたかったが、残念ながら下り口がない。いつもならば殺風景なだけの山中の砂防ダムも、ここでは芸術的にすら見えてくる。

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川の向こう側では噴気がすごい勢いで流れている

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川の色もクリームがかっている

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砂防ダムですら芸術的に感じてしまう

 湯の野から先は傾斜が少し急になり、稜線に近づいてきた。風は強くなり、ときどき吹きつける風に身体が揺れる。正面には新燃岳の頂上が見えてきた。頂上近くの西の斜面からは噴煙が吹き上がっている。いかにも生きた火山だ。最近では2011年に爆発的噴火を起こして、被害を生じたのが記憶に新しい。

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正面に新燃岳が見えてきた

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山頂の西側から噴煙を吐き出している

 県道104号線をさらに進んで行くと、13:03に道路の右手から盛んに煙が出ている谷が見えてきた。ここだけ植物が生えていない。この谷は灰色の岩石で占められ、黄色の模様が地を這うようにうねっている。おそらく硫黄だろう。黄色の強い辺りから激しい噴煙が出ている。

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谷全体に噴気が満ちていた

 硫黄の谷間から3分ほど歩いたところに新湯温泉の看板があった。秘湯の西の大関とのこと。東の大関はどこだろう。立ち寄ってみたかったが、ここはぐっと我慢して先に進んだ。

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いつか立ち寄りたい新湯温泉

 13:09に県道1号線との三叉路に到着した。1号線を左に曲がれば丸尾温泉をはじめとした霧島温泉郷、右に進めばえびの高原。今日は県道1号線を右に、えびの高原に向かって進む。ここで霧島連山巡回バスとすれ違った。バス停で時刻表をのぞいたときに、天候によっては予告なしに運休することもある、という恐ろしい文言があったため、この強風で運行しているか心配であったが、現在のところは運行されているようで安心した。

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新湯の先で県道1号線に合流する

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ゆっくりと傾斜した舗装路を進む

 13:39には県道1号線上にある大浪池登山口に到着した。道沿いにある駐車場には数台の車が停めてある。登山口にあるシェルターに入って、風を避けながら考えた。今日の予定では、大浪池登山口から県道1号線を歩けば目的地のえびの高原まであと4kmでゴールだ。14:30ごろに到着するため、16:00のバスの時間まで1時間以上持て余してしまう。それでは大浪池に立ち寄るのはどうだろうか?大浪池登山口から大浪池まで50分の上りの行程だ。少し急げば往復も可能だが、このコースは明日歩く予定なので、往復するのは無駄な気がする。大浪池から戻らずにえびの高原に向かうコースもある。コースタイムの合計は4時間弱。今から走ればコースタイムを2時間に縮められるため、16:00えびの高原発のバスに間に合うはず。しかも今日は山頂に雲がかかっていないため大浪池も韓国岳もきれいに見られる。こんな考えが頭の中を駆け巡ったが、今日はあまりに風が強く、コース上の稜線部分はとても走れそうにない。素晴らしい思いつきだと思ったが、えびの高原から宿泊予定の丸尾温泉まで行くバスは16:00が最後。もし乗り遅れたら10km以上歩くという悲惨な目に遭う。今日のところは冒険はやめて、県道1号線を進むことにした。

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大浪池登山口に到着

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登山道は素晴らしく美しく整備されている

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駐車場もたっぷりある

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シェルターの中で今日の行動をしばし考えた

 木々の向こうに韓国岳の頂上が見えてきた。標高は1700m。森林限界を超えた頂上付近は風が強そうだ。14:29に大浪池からの分岐点を通過し、宮崎県境を越えた。道路の左にはえびの岳登山口が見え、その向こうには広い芝生のグラウンドがある。ここがえびの高原キャンプ場のようだ。広く、快適そうだ。残念ながら今はシーズンオフ。また、隣接したところにある国民宿舎えびの高原荘も改装のため営業を止めている。

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韓国岳が見えてきた

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宮崎県に入った

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快適そうなキャンプグラウンドが見える

 キャンプグラウンドを過ぎたあたりから、県道に沿って素敵に整備された歩道が出てきた。せっかくなので県道を離れてこちらの歩道を歩く。韓国岳が松の間から見えてきた。歩道のところどころから噴気が出ている。韓国岳から吹き付ける風が、ビューと唸りをあげている。

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舗装路を離れて歩道を歩く

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ところどころから噴気が流れてくる

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韓国岳がスックと立ち上がって見える

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歩道から韓国岳登山道に続く

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この先の硫黄岳は噴火により通行規制中

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硫黄岳からの噴煙は激しい

 韓国岳を眺めながら歩道をのんびりと歩き、14:43にえびのエコミュージアムセンターに到着した。エコミュージアムセンターは、霧島連山の登山の拠点のようで、登山客らしい女性3人組が、レンジャーさんを捕まえて何やら聞いている。明日の天気はどうだろうかとか、風が強くても登れるやまはないかとか。参考になりそうなので、それとなく聞いておく。えびの高原で時間に余裕があったら、北にある小さな火口湖巡りでもしようかと思っていたが、風が強くてそれどころではなかった。センターの掲示では現在の風速は20m。韓国岳から下りてきた方は、小石が飛んで顔面に当たったと言っていた。本日は、ここで行動終了とした。

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ゴールのえびのエコミュージアムセンターに到着

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内部には山岳関連の展示

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標高1700mの韓国岳は本日は風速20mを越えていた

 屋外の気温はぐっと下がってきた。エコミュージアムセンターの展示物を眺めて時間を潰し、16:00発の霧島連山周回バスに乗車して、本日宿泊予定の丸尾温泉に向かった。自分一人を乗せたバスは、えびの高原から何度も何度もヘアピンカーブを曲がって、次第に高度を下げていった。

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霧島連山周回バスで丸尾温泉に向かう

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丸尾温泉はなかなか素敵なところ

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町外れの丸尾滝にも温泉が混じる

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2021年2月27日 九州自然歩道 86日目 鹿児島県霧島市霧島神宮~宮崎県えびの市えびの高原 曇り 気温13/9℃ 行動時間4:55 距離16.3km 32347歩

往路交通:西新6:21福岡市営地下鉄-博多6:35/6:45九州新幹線さくら401号-鹿児島中央8:25/8:49日豊本線特急きりしま6号-霧島神宮駅9:36/9:51鹿児島交通バス-10:04霧島神宮

推し、登る 立石山

 知り合いの、もうすぐ百名山氏。以前登場したすでに全山踏破を終えた百名山氏とはまた別の方だが、彼は学生の頃に地元九州の山々や北アルプスなどは登り終えており、銀行を定年退職する前後から一つ一つ登り潰しを始めている。昨年末は四国の剣山と石鎚山も登り終え、残すは北海道と東北の十数座という。百名山全山踏破は目前だが、北海道にもなかなか体力を必要とする山があるようなので、日々鍛錬を怠らないようにしているとのこと。

 そんな彼がいま、福岡近郊の山で推しているのが立石山。福岡の西方の糸島半島にある標高200mほどの山だが、景色が素晴らしく、登っていないのはもったいないという。そんな彼の勧めもあって、油断していたら気がつかないうちに全国的に休みとなっていた2021年2月23日(火・祝)に登ってみた。

 福岡市内の自宅を自動車で8:30ごろに出発し、糸島半島を周回する道路を、景色を楽しみながらゆっくりと走る。天候は晴れ。現在の気温は12℃。博多湾に浮かぶ能古島(のこのしま)の沖に、ヨットの白いセイルがいくつもはためくのが見る。

 道路の左手に、離陸しようとする宇宙船のような銀色の建物が現れた。ここは建築家の葉祥栄さん設計のクリニック。何回見ても魅力的な建物だ。もし自分がこの辺りの子供だったら、母親にせがんで、熱がなくてもこのクリニックに行きたがったと思う。自分の地元にはこんな魅力的な病院はなかったので、今でも病院嫌いのまま。

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糸島のUFOとして知られるクリニック

 9:30には糸島半島北端の二見浦に着いた。夫婦岩と白い鳥居が青い海に映えていたので、自動車を駐車場に停めて写真を撮りに行く。ここは定番の観光名所なので、30台ほど停められる駐車場はすでに8割ほどの自動車で占められている。

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糸島二見浦の夫婦岩

 二見浦から自動車で15分ほど、芥屋の大門(けやのおおと)という観光名所を目印に数回右左折を行って、玄海国定公園の第1駐車場に着いたのが9:50ごろだった。ここは自動車が50台ほど停められる整備された駐車場で、トイレもある。トレッキングシューズに履き替えて、地図を確認して、9:55に行動を開始した。

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広い無料駐車場が整備されている

 駐車場からすぐに青い海が見えてきた。ここにも自動車が停められる第2駐車場があり、その山手には芥屋キャンプ場が設置されていた。芝生のグラウンドとトイレがある快適そうなキャンプ場であるが、現在はシーズンオフのためか閉鎖中。

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すぐに海に出る

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キャンプ場がある

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快適そうだが現在は休止中

 キャンプ場のすぐ先から登山道を10:05から登り始めた。丸太で補強された階段が整備してあり、とても歩きやすい。山道の両側は広葉樹で覆われており、木陰が心地よい。気温を見ると15℃。上着は脱いで、半袖のTシャツ1枚となった。すでに登り終えた家族連れが下りてきた。挨拶を交わして道を空ける。快適な山道をのんびりと登り、20分ほどで白い砂とゴロゴロの岩の目立つ尾根道に入った。振り向くと真っ青な海が見えてくる。

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北登山口

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登山道は整備状態良好

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標識も丁寧に設置してある

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振り返ると真っ青な海

 尾根にはステゴサウルスの背中のように白い岩がところどころに立ち上がっている。10:33に最初の岩に到達したため、岩の上によじ登って糸島の全景の景色を楽しんだ。頂上の方を見てみると、山頂近くにも白い岩が立ち上がっているのが見える。

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尾根道は白い砂

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頂上までところどころに岩が頭を出している

 尾根の道は白い砂で覆われており、歩きやすい。ところどころに岩があり、乗り越えなければならないところもあるが、ステップがつけられており、難易度はそれほど高くはない。この尾根道は快適。あと3時間ぐらい続いても文句が出ないほど心地よく美しい。

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ときどき岩を乗り越える

 景色を楽しみながらゆっくり登ったが、10:50には頂上近くの白い直方体の岩に到達してしまった。北の玄界灘方面には糸島半島をぐるっと見渡すことができる。東に目を移すと糸島半島の中心に鎮座する糸島富士(可也山、365m)が聳え、西には姫島の浮かぶ青い海が映える。南を振り返ると浮嶽や二丈岳などの背振山系が一望できる。うーーん、360°完璧な眺望。山は高さだけではないという好例。もうすぐ100名山氏の推しに1票入れたくなった。

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頂上近くの岩に到達

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北には糸島半島が一望

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東には可也山

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西には姫島

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南には背振山

 近くの岩場に腰掛けて、サーモスをザックから取り出してコーヒーを淹れる。本日1杯目のコーヒーを山頂で頂く。風はなく、コーヒーの香りが鼻腔に心地よい。

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今日の山コーヒーはスタバ

 岩場からほんの少しだけ進み、10:51に立石山の山頂(209.5m)に到着。全周が開けた先ほどの岩場と比べると、山頂周囲には低木が茂っており、西方向のみの眺望が開けている。ただし、山頂からは姫島がもっともよく見える。

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立石山の山名標

 山頂からは南に向けて下山を開始。南の山道もよく整備されている。こちらのルートの方が山頂までの距離が短いからか、家族連れが何組も上がってきた。そのたびに脇に避けて先に登ってもらう。小さな子供でも十分登ることができる。

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下りも快適

 11:18に南の登山口に到着した。登山口には一帯の地図が掲示されており、自動車が4台ほど停められるスペースがある。ここまでのルート上にはゴミも見当たらず、いい山だった。

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南登山口に到着

 登山口からは舗装された林道を歩く。スギの植林の間に広葉樹も交じり、直射日光は遮られているため、心地よく歩くことができる。交通量は少なく、登山者が乗ったと思われる車しか通らない。

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舗装された林道をのんびり歩く

 左に緑色の大きな貯水池が見えてきた。貯水池の向こうには立石山の全景が見える。ここからは、圃場を右に見ながらのんびりと歩き、11:49に第一駐車場に戻った。景色をゆっくりと楽しみながら、まったく汗をかかずに2時間の行動を終えた。

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貯水池の向こうに立石山の全景

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圃場が見えたらもうすぐゴール

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2時間弱で駐車場に戻る

 ザックを助手席に置いて時計を見るとちょうど昼ご飯の時間だった。ザックの中に入っている棒ラーメンという手もあるが、ここから自動車で20分ほどの商業施設の敷地にある漁協が運営する直販施設の志摩の四季では、安くて美味しいと知られている海鮮丼が数量限定で販売されている。昨年、午後1時過ぎに来店したときは、3組ほど前で売り切れとなり悔し涙を流している。今日は食べることができるか、神様にお願いしながらエンジンをかけた。

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志摩の四季

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海鮮丼(大、950円、税別)

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2021年2月23日 福岡県糸島市芥屋 立石山 晴れ 15℃ 行動時間1:54 距離4.1km

2021年2月13日 九州自然歩道 85日目 鹿児島県霧島市国分敷根~霧島神宮 ここが日本発祥の地

 今朝は桜島が真正面に見える海岸で6:00に目を覚ました。海抜は0メートル。暖かい。ただし、風が強く、撤収の際にはテントが飛ばされそうになる。錦江湾を隔てた桜島は美しいが、今日は笠雲がかかっている。たしか笠雲は天気が崩れるときの兆候。天気予報を見てみると、午前中の降水確率は30%から60%を行き来している。雨が降り始める前に歩き始めようと、すばやく撤収作業を終え、7:00に行動を開始した。

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桜島に笠雲がかかる

 まずは検校橋のたもとまで戻り、ファミマのイートインでコーヒーを飲みながらバッテリーに充電を行う。ありがとうファミマ。まぢコンビニは神。イートインでコーヒーを飲んでいると、ドアを開ける人の30%ぐらいが、車の中のゴミを捨ててから買い物に向かうのが分かる。コンビニのゴミの廃棄の手間や費用も大変なものだろうと思う。神を怒らせないようにしないといけないなと思いながら、バッテリーが90%になったのを確認してコンビニを出た。

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検校橋に戻る 山の上には展望台

 コンビニ前の交差点で信号を待っていると、通りかかった女の子が大きな声で挨拶をしてくれる。紫色のランドセルを担いだ、上顎に前歯が生えてきたばかりの小学生だった。挨拶を返しながら、「今日は土曜日だけど学校?」と尋ねると、「学校でーす」と大きな声で答えてくれた。自分がこの子の小学校の校長先生だったら、今日はこの子に挨拶賞を贈呈したいなと思いながら、青に変わった信号を渡りはじめた。

 国道504号線と国道10号線が重複する道路をしばらく歩き、高速道路の高架下をくぐる。その先から県道472号線に右折したのが7:40。ここからは、数キロにわたる直線道路を、国分の中心地に向かって歩く。最初は道路の両側は刈り取りを終えた田んぼだったが、しだいに人家や商店が増えてきた。ヘルメットをかぶった中学生も、自転車で通り過ぎる。今日は小中学校ともに開校しているようだ。県道472号線は交通量が多いが、さいわい歩道がある。

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国道10号線を進んで高速道路の高架をくぐる

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国分中心地まで真っ直ぐ進む県道472号線

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両側には田んぼが拡がる

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歩道が整備されているのがさいわい

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しだいに人家と店舗が増えてくる

 8:10には開店したばかりのジョイフルで朝食とした。ときどきバランスのとれた食事をしたくなる。いつもは朝に米を食べることはないが、今日はとても美味しく感じる。

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ジョイフルで朝食

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ときどきこんな朝食もいい

 8:34に行動を再開し、県道を先に進む。コース上の人家はさらに多くなる。この先、8:56に国分市街地で地図に従って右折し、狭い路地をすすむ。とくに史跡があるわけでもなく、景観がよいわけでもない。理由は分からないまま、地図に従い法隆寺の角に出て左折した。

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この先の細い路地を右に入る

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法隆寺の角に出る

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由緒のありそうな

 9:05に国分市民会館の交差点を右折し、国分マダムの集いの場であろう山形屋を通過して、県道60号線を一路北上した。ここからは、もう一回歩いたとしても思い出せないほど退屈な、これといった特徴のない、歩道があったりなかったりする道路をひたすら歩く。9:33に雨が降り始めた。しばらく我慢して歩き続けたが、9:48に重久集落の道路沿いにコンビニがあったため、飲料水を購入し、軒先でレインカバー装着した。まだ、雨具をつけるほどの雨ではない。しばらく休んで、すぐに行動を再開した。

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市民会館の交差点を右折して県道60号線がスタート

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国分のシンボル山形屋前を通過

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ここから先は記憶に残りがたい道路

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交通量が多く、雨も降ってきた

 国分から霧島神宮まで続く県道60号線は、本当に交通量が多い。地図を見ると、重久から先は九州自然歩道のルートと並行して川沿いに道があるのが分かった。重久橋の手前から、川沿いの道を進むことにした。車の騒音から解放されてのびのびと歩いていると、犬の散歩をする人やジョギングの男女が挨拶をしてくれる。川の土手には、ヒガンバナが葉の状態で茂っている。気をつけて観察しないと、ヒガンバナだとは気づかない。秋の開花に向けて、いまエネルギーを生産しているのだなと思う。歩くのはこういう道がよい。安全で静か。歩きながら「はーるのおがわは」とか鼻歌が出てきそうな道だ。振り返ると、つるんとした笠雲をかぶった桜島が見える。

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重久から川沿いの道を進むことにした

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県道よりも数倍心地よい道

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ヒガンバナの葉が生えている

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残念ながら川沿いの道はもうすぐ終点

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振り返ると桜島

 こんな心地のよい道もすぐに終わり、9:56には橋を渡って県道60号線に戻った。交通量が多く、市街地を離れるため、自動車の速度がかなり上がっている。しばらく歩道はない。

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県道60号線に戻ると一気に危険度アップ

 30分ほど進むと、10:31には旧道が並行して現れた。地図上では旧道が九州自然歩道に指定されているようだが、旧道はすでに廃道と化しており、歩くにはしんどい状態だった。このあたりから西側にのみ歩道がつけられており、安全面の不安はなくなった。ここから先にも、ときどき旧道の痕跡が現れる。しかし、いずれも歩くことのできるような状態ではない。反対側の山を見ると、斜面の崩落か所が何カ所も見える。岩ではなく、土の山のようだ。火山灰でできたシラス台地の山なのかもしれない。

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旧道の跡が現れた

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旧道は廃道化しており、進んだら痛い目に遭いそう

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県道は高規格化され、山側にのみ歩道が設置されている

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向かい側の山の土砂崩れの痕跡が生々しい

 10:53に関の坂の峠に到着した。標高は151m。峠の案内表示を読むと、この坂は、平成22年7月に1時間雨量126mmの降水で大被害を生じて、1年半をかけて復旧したという。これを読んでいるとき偶然雨が強くなり、ヒヤリとした。木の下で小休止しながら解説を読んだが、雨が強く降らずにすんでよかった。それにしても1時間降水量126mmとはすさまじい。しばらく休んでから行動を再開した。

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関の坂の峠

 11:04に峠の三叉路に到る。都城方面に向かう県道2号線は右に分かれるが、霧島神宮に向かう県道60号線を直進して進んだ。ここからはほぼ平らな道となる。11:07に牧神を通過中に急に雨が強くなってきた。やれやれ、雨具をつけなければならないかと思いながら、廃工場の軒先を借りて雨宿りしていたら、西の空が明るく見えた。しばらく待っていたら雨脚は弱くなり、歩くのに支障はなくなってきたので、雨具をつけずに行動を再開した。

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左の廃工場の軒先で雨宿り

 ここから先の道路沿いには、小洒落たカフェ、テイクアウト専門の焼き鳥屋、木質発電所など、気になるところが時々現れた。木質発電というのは耳慣れなかったので調べてみた。動植物由来の資源を使ったバイオマス発電の一種で、ここは主に間伐材を燃やして発電する施設だった。

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道路の勾配はなくなる

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気になるカフェ

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気になる木質発電所

 11:58には黒豚の館という名のレストランを通りかかった。山の中のレストランにもかかわらず、お昼の行列ができている。店を出てきた人に聞いてみたら、希少な種類の黒豚のみを提供する有名店のよう。それではと思って行列に並んで、カツカレーを食べてみた。美味しいとは思ったが、普段からそれほどよいものを食べているわけではないので、さして違いが分からず残念だった。

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行列のできる黒豚の館

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カツカレーを注文

 12:37に食事を終えて行動再開。ここからは坂を下り、日豊本線の線路を越えて霧島の市街地に入る。店舗や民家が増えてきた。川向こうには、別荘地のような赤い屋根の家が並んでいる。霧島神宮まで真っ直ぐ県道60号線が続く交通標識があらわれた。

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坂を下った先には霧島連山 あいにくの雲で隠れている

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日豊線跨線橋で越える

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市街地に入る

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川向こうには別荘地か

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霧島神宮が近づく

 13:12に霧島神宮駅前交差点を通過した。霧島神宮駅霧島神宮とは8km近く離れているので、まだ油断してはいけない。市街地の狭い道を北に進み、13:16には県道60号線から橋を渡って並行する農道を歩き始める。

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霧島の中心地の駅前交差点を通過

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市街地の狭い道を進む

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霧島川を渡ってのんびりした道に進む

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こちらの道の方が楽しい

 しばらくは集落の間を縫うようにして歩くが、圃場の整理をしてできたような直線道路に出てきた。直線道路の両側は刈り取りを終えた水田。右側に青い屋根の建物が見えた。あれが温泉の神乃湯だろうと狙いをつける。

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しばらく標識に従って進む

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圃場整理の直線路

 13:39に直線道路を突き当たったあたりの猿田彦神社に到着した。案内の看板には猿田彦の住まいと書いてある。全国に多数ある猿田彦神社の、あの猿田彦の住まいだろうか。それにしては扱いがやや小さいが、大隅半島の神話関連施設には驚かされることばかりだから、本物の住まいかもしれない。

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猿田彦神社

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全国に数ある猿田彦神社の中でも別格か

 ここから先は少し幅の狭い林道に近いような道を進む。標高は400m近くまで上がってきた。道路に沿って、由緒の正しそうな野上神社が出てきた。由来は分からないが、参道に並ぶ木々の威圧感が強いので、きっと有力な神社なのだろう。お詣りだけはしておいた。

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林の中を進む

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野上神社に立ち寄った

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小さいながら大切に管理されており、威厳がありそう

 しばらくは、家が点在する集落を進む。いくつか分岐があるが、そのつど標識が案内してくれる。人家が尽きたところで、片側1車線の舗装路に突き当たり、正面には九州自然歩道の案内図が現れた。ここから右折して坂を降り、霧島川に架けられた霧島橋を渡った。

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いくつか曲ながら進む

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標識が案内してくれる

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突き当たりに案内板

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坂を下って進む

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霧島川の霧島橋を渡る

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霧島川

 ほどなく、表参道直進、九州自然歩道左折の標識が出てきて、左に曲がって亀石坂に進んだ。きれいな石段を登り、15:04に霧島神宮の本殿に到着した。

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標識に従って左折

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100mほど進むと亀石坂に

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ここから石段が始まる

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石段を進むと

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霧島神宮の本殿に到着した

 本殿に参拝して、表参道を下った。境内には立派なご神木が祀られていた。境内を出たところには君が代に出てくるさざれ石の元になった石が飾られていた。鳥居をくぐって出た正面には桜島が鎮座している。ああ、桜島は沁みる。雄大な光景が目の前に広がる。

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本殿に参拝

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立派なご神木

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これが、巌となったさざれ石

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自然と頭を垂れたくなる

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霧島神宮からも桜島がくっきり

 表参道を先に進み、最後の鳥居をくぐった後は、朱塗りの橋を渡る。その先には霧島神宮温泉のロータリー。ロータリーの中央の石塔には、「日本発祥の地 霧島」と誇らしげに刻んであった。誰も文句は言えまい。そんな威厳を感じる霧島だった。

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鳥居をくぐって霧島神宮を後にする

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ここが日本発祥の地

 ロータリーにある霧島神宮バス停で、帰りのバスがあるのを確認したのが15:24。ここで本日の行動終了とした。

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バスの時間を確認してホッとする

 その後は、15:53のバスに乗り、霧島神宮駅前の3つ前の停留所の神乃湯温泉で降りて、ゆったりと温泉を堪能した。

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ずばり、神乃湯

 神乃湯温泉から駅までの1kmほどの道を歩いていたときに、オガタマノキを見かけたので写真を撮っていたら、男性から山登りかと声をかけられた。男性は来年仕事を辞めて山登りを始めるつもりという。山登りの機材についていくつか質問された。オガタマノキは男性の家の庭木とのこと。私が友人からオガタマノキはミカドアゲハの食樹として有名だと聞いたというと、これからは飛んできた蝶に気をつけて見ておこうという。

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オアガタマノキを見つけた

 ここからは15分ほどのんびりと歩いて、霧島神宮駅に17:20に到着した。乗車を予定していた列車は18:56発でずいぶんと早いが、これは駅前に「ただカレー屋やりたいだけ」という尖った名前のカレー屋があるのを確認していたので、タイミングが合えばここで晩ご飯と思っていたため。残念ながら本日は休業中だった。

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霧島川を見ながらのんびり歩く

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とっても気になった、ただカレー屋やりたいだけ

 やむなく霧島神宮駅に行き、駅の鳥居をくぐって、17:40の日豊本線特急きりしま15号に乗車して福岡への帰途に着いた。

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霧島神宮駅もいい味

 

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駅名標もいい味

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特急きりしまで帰宅

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2021年2月13日 九州自然歩道 85日目 鹿児島県霧島市国分敷根~霧島神宮 曇り時々雨 気温14/6℃ 行動時間7:23 距離25.7km 44251歩

復路交通:霧島神宮15:53-神の湯16:03/霧島神宮駅17:40日豊本線特急きりしま15号-鹿児島中央18:31/19:09九州新幹線さくら408号-博多20:43

2021年2月12日 九州自然歩道 84日目 鹿児島県霧島市福山町狐ヶ丘高原~霧島市国分敷根 錦江湾の向こうに桜島がドーーン

 今朝は遠くの方で巨人が振り回すブーメランの音で目が覚めた。風力発電用の風車は300m以上離れているというのに、耳障りな音だ。夜半にテント近くにイノシシが集餌のために来ていたようだが、ライトを一瞬点けたらその後は静かになった。これとは対照的に、風車を静かにする方法はないようだ。

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快適な公園で朝を迎えた

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テントの周りにはイノシシの食事の跡が残されていた

 本日の行程には余裕があるため、テントの中でコーヒーを淹れて、香りと苦みをゆっくりと楽しんでから撤収を開始する。神社のメインテナンスに使っている広場のようだが、過ごしやすい公園だった。

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山頂まで続く階段を上ると神社があるようだった

 7:42に行動開始。林道を下っていく。すぐに広い牧草地が見えてきた。牧草地の中で数回右左折をするが、そのつど標識が案内してくれる。ときおり大隅観光開発の標識が異なった方向を示しているが、終着地は同じようだ。電波が入り始めたので、天気予報を確認すると、午前中は1時間ごとに降水確率が30%から60%を行き来するような状況。時間には余裕があるので、雨に濡れて歩くのは避けたい。

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すぐに牧草地に出た

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田んぼのように見えるが、現在は牧草地として利用されているよう

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集落の外れに体育館がある。小学校の跡地だろうか?

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右左折を繰り返すが、標識はこまめに立てられている

 人家の点在する旭ヶ丘の集落を抜け、8:21には昨日に大隅湖で離れた国道504号線に再び合流した。この道路には歩道はなく、交通量、それも大型のダンプカーの交通量が多く危険。大型車が横を通るたびよろけるほどの風圧を感じる。

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林を抜けると

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国道504号線との三叉路にぶつかる

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ここは歩道がなく、交通量が多い

 5分ほど歩いた道路脇にブルーベリーの観光農園があった。木製デッキの付いた建物の横には、ブルーベリー畑が拡がっている。現在はシーズンオフのようだが、品種を比較しながら、自分で摘んだブルーベリーを食べてみたいものだ。

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とても魅力的なブルーベリー農園

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農園にはブルーベリーの木が立ち並ぶ

 高速で通過する自動車の脅威にさらされながら、さらに国道504号線を進む。9:00頃に道路の正面が開け、海が見えてきた。カルデラの外縁の広い台地の端にさしかかってきたようだ。

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歩道がないところは危険

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国道の正面に海が見えてきた

 道路が右にカーブを描きながら降下していく丘の上に、海に面した緩いカーブを描いた魅力的な建物がチラリと見えた。美術館のような作りのガラス張りのファサードが、こちらにおいでと誘うよう。何の建物か気になって坂を登って見に行ってみた。どうやら廃業した病院か老健施設のようだ。看板は撤去されているが、手すりの付いた白いベッドが窓から見える。埃の溜まり具合から、閉鎖されて5年ほどか。建物の正面には広大な太陽光発電所が拡がっている。左を見ると、錦江湾と、桜島が噴煙を出しているのがよく見える。この素晴らしいロケーションに加えて、建物自体の芸術的な造作から、安かったら買ってもいいかなと一瞬思ったほど(ウソ)。

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道路の上の方に気になる建物が見えた

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医療関連施設の跡地のようだった

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正面には海

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左には桜島

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太陽光発電施設はない方がいいが

 海が見えるカーブを右に曲がると、ふたたびスギの植林の中のまっすぐな道路になる。9:20にラーメン大海を通過。ここまでの距離は6.1km。現在の標高は395mと、まだ台地の上にいるのが分かる。朝からラーメンという気分ではないが、店の中には割烹着で働く人の姿が見えたので覗いてみたら、なんと県外者は入店不可だった。仕方がない。店の外には無人の農産物販売があったので、ザックを下ろして小休止。温州みかん系の柑橘が安くて美味しそうなので、購入してザックに詰め込んだ。

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ミカンを購入

 ここからは、左手に陸上自衛隊の演習地の草原を見ながら進む。道路は真っ直ぐで、歩道はなく、徒歩には適していない。ふくふくふれあい館という農産物販売の店舗を右手に通過して、9:48に福山町の牧之原交差点に到着した。正面の山には、「フクヤマ」の文字が花文字で描かれている。もっとも現在は開花していないので、ただの木だが。後で解説を見てみたら、このフクヤマの花文字は日本最大の大きさとのこと。牧之原交差点にはコンビニがあるので、コーヒーとサンドイッチの朝食とした。いつも思うが、コンビニは、神だ!

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左の草地は陸上自衛隊の演習場

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右手にふくふくふれあい館を見て進む

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正面にフクヤマの花文字がある惣陣が丘

 10:10にコンビニを出て行動再開。少し寄り道をして、フクヤマと描かれた山の頂上である惣陣が丘に登ってみることにした。かつて肝付氏と対峙した島津氏が本陣を置いた場所で、登り口には自動車が20台ほど停められる駐車場が設置してある。駐車場から手すりの付いた急な階段をゆっくりゆっくり登り、15分ほどで惣陣が丘の484mの頂上に到達した。景色は文句なし。桜島が正面に見え、福山の町も一望できる。晴れていれば霧島の山地も見えるはずだが、今日は雲に隠れている。

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惣陣が丘からの眺めはよい

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福山の町が一望できる

 惣陣が丘の頂上は風が強いのでそそくさと退却。丘を下りて10:40から国道504号線から分かれて、おそらく旧道であろう九州自然歩道に進む。入口には、6km先通行止めの表示があるが、途中に3か所ほどエスケープ路があるのが地図で確認できるので先に進むことにした。舗装状況は良好だが、両側に針葉樹が植林してあるため眺望はない。ときおり、かなりの急斜面にスギが植えられているのが見える。こんな斜面によく植えたものだなと感心する。

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九州自然歩道は国道を離れる

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どんな傾斜地にも植林されている

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一瞬だけ海が見える

 この林道は全般に緩い下りで、身体負荷は軽度。切り通しや針葉樹林の中を気持ちよく進んでいく。11:52に林道の斜面に落差のある滝が見えた。ここでザックを下ろし、さきほど惣陣が丘で食べたミカンでベトついた手を、滝の水で洗う。滝の水しぶきが身体にかかるなと思ったら、滝ではなく雨が降り出していた。ザックにレインカバーを掛けて、再び歩き始めた。

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切り通しを抜ける

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スギの植林地を抜ける

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崖の横を通る

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落差のある滝が現れた

 木々の間から錦江湾が見えてきた。ちょうど正午となり、学校からと思われるビッグベンの鐘が鳴り始めた。12:33には工事現場を通過したが、工事はほぼ終わっており、徒歩ではとくに問題なく通過できた。結局、エスケープ路を使うこともなく、12:45に亀割峠に到着した。

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海が見えてきた。学校らしきチャイムが響いてきた。

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海から峠に向かう国道が見えてきた

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亀割峠に到着

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バス停もある

 亀割峠ではさらに強く雨が降り始めた。屋根のあるところはないが、道路脇の給水ポンプの施設のようなところに階段があったため、腰を下ろして休憩とする。サーモスのお湯でカフェラテを作って、牧之原のローソンで購入したパンの昼食とした。林道から亀割峠に出た後は、国道269号線に合流する。交通量は多い。

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亀割峠の頂上

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座るスペースがないので、給水ポンプの階段に腰掛けて休憩

 カフェラテを飲み終えたころに雨が止み、13:00に行動を再開した。亀割峠からはすぐに高度を下げ、13:15に脇元、13:24に敷根集落に入る。ここまで国道269号線を歩いたが、歩道がなく、あまりに交通量が多いため、集落を海まで抜け、海岸線を歩くことにした。

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峠を抜けるとすぐ海が近くなる

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脇元集落を通過

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敷根集落に入ると、道はいよいよ狭く、危険極まりない

 国分敷根の海は、錦江湾の最北端に当たる静かな海だった。波の音は聞こえず、海岸のゴミも少ない。海岸線は美しい。堤防に沿って歩くが、菜の花や綿花が植えられていた。ここは河口に当たるようで、遠浅の海が拡がっている。

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海沿いの道の方が遙かにきれい

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先に見えるのが国分キャンプ場

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堤防沿いには菜の花

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綿花も咲いている

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梅も綻んだ

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遠浅の海

 13:51に検校橋に到着した。橋の近くには、中華料理屋や定食屋がある。あまりお腹は空いていないが、トレッキング中には食べられるときに食べておく習慣が形成されている。中華料理屋に入り、五目焼きそばとチャーハンという明らかにオーバーカロリーの昼食とした。

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検校橋

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がっつり中華のランチ

 120%満腹の状態で14:30に行動を再開し、検校橋を渡って海岸沿いに進んだ。14:50には今日の宿泊地と予定している国分キャンプ海水浴場に到着した。ここは、芝生のグラウンドと松の木が植えられた居心地の良さそうなキャンプ場。正面には錦江湾の向こうに桜島が見える。とりあえず、桜島を見ながらコーヒーで一服。コーヒーの苦みで、満腹の膨満感がいくらか緩和するような気がする。

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海沿いに進む

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キャンプ場に到着

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とりあえず、桜島を眺めながらコーヒー

 周囲には車で来た数人の方が機材を運び込み、すでにテントを設営している。自分もザックを下ろし、テント設営を終えた方に聞いて、少し離れた場所にあるキャンプ場の管理事務所に申し込みに行った。管理事務所で申込用紙に記入していると、担当の方から、現在は他県の人間はキャンプできないと非情な宣告。ああ、神は容易には安寧な日を与えてくれないようだ。

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2021年2月12日 九州自然歩道 84日目 鹿児島県霧島市福山町狐ヶ丘~霧島市国分敷根 曇り 気温16/10℃ 行動時間6:43 距離21.3km 34437歩

2021年2月11日 九州自然歩道 83日目 鹿児島県鹿屋市高隈ダム~霧島市福山町福地狐ヶ丘高原 20機の風車の並ぶ稜線をのんびり歩く

 今回の九州自然歩道トレッキングは鹿児島県鹿屋市郊外の高隈ダムからの再開。高隈ダムは鹿屋市の中心地区から北に15kmほどの景勝地である大隈ダムの南端にある。平日はこの地域には1日数便のローカルバスがあるが、土日祝日はバスの便がない。しかし幸運なことに、鹿児島空港から鹿屋までの高速バスが、高隈ダム近くの鹿屋カントリークラブの停留所で止まる。現在1日3便運行されているこの高速バスに乗るため、博多を6:10に出る新幹線に乗り、鹿児島中央から8:09の日豊線で国分まで行き、市役所前から高速バスに乗り継いで10:11にカントリークラブ前のバス停に到着した。

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まずは博多から新幹線

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鹿児島中央から日豊本線で国分まで

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国分からは高速バスで高隈ダムまで

 天候は曇り。現在の気温は14℃。当地の標高は275m。歩くと汗ばみそうな暖かさなので、ダウンジャケットを脱いで、サングラスをかけて、10:16に国道504号線を北に向かって歩き始めた。

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高隈ダムに近い鹿屋カントリークラブ

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まずは国道504号線を北上する

 5分ほど歩いたところで国道504号線は県道71号線に分かれるが、ここを左折して県道を進む。県道71号線は前回、高隈山系から大隈湖に下ってきた道路。先週は南岸の湖畔周回路を進んでダムまで歩いたが、今回は北岸の道路を歩くことになる。分岐点の交差点近くに白いピラミッドのような建物があり、宗教施設かマルチ商法の本部かとのぞいてみたが、林業関連の施設のようだった。

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すぐに県道71号線への分岐が現れる

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目印になるピラミッド

 県道71号線を500mほど進んだところで、牛根峠右折の標識に出会う。ここからは県道を離れて右折し、林道を進む。県道は交通量が多かったので、林道に入ってホッとする。舗装路で、整備状態は良好。人家はほとんどなく、牛や鶏の比較的規模の大きな飼育施設が道路に沿って点在している。風下を歩くと、その施設で飼育されているのが牛なのか豚なのか、それとも鶏なのかはすぐ分かるようになった。

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標識は丁寧に設置してある

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山間には飼育施設が多い

 ゆったりとした上り勾配の舗装路を楽しみながら歩く。交通量はときおり白い軽トラが通過し、ほんのまれに飼料運搬車と思われるタンクローリーのような形状のトラックが通るだけ。しだいに高度が上がっていき、木々の間からずいぶん下に大隈湖が見えてきた。11:12に標高412mの小さなピークを通過した。

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心地よい林道を歩く

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大隈湖が見えてきた

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小ピークが近づく

 そこからもさらにカーブを描きながら尾根に近い部分を登っていき、11:22に分岐のあるところに到達した。左方向は道路の崩落のために通行止め。今回進む牛根峠方面は通行制限がなくてホッとした。下方に見える谷はだんだん深くなってきた。道路脇の道標には輝北町と書いてある。おそらく合併前のものだろう。11:45には標高519mの峠に到達した。頂上近くからは遠くの山で風車が回っているのが見えてきた。

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左の路線は通行止めだった

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稜線の風車が見えてきた

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輝北町の境界か

 峠を越えた後は視界が開けてきた。目の前には牧草地が拡がる。地図には牧場との表記がある。岳野集落の牧場のようだ。この牧草地には放牧された牛は見られず、柵も設置されておらず、大型のサイロがあることから、飼料用の牧草を栽培しているのかもしれない。牧草地の向こうには高隈山系が見えてきた。あの一番高いのが大箆柄岳(おおのがらだけ)で、その左が小箆柄岳で、と地図を見ながら確認する。今日ぐらいの天気だったら、頂上からの眺望が楽しめたのにと、少し残念に思う。ただし、じゃあもう一回登ったら?と言われたら、しばらく遠慮しておくと答えたい。

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牧草地の先には高隈山系 試練の縦走の記憶が新鮮

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牧草地が拡がる高原

 岳野集落の辺りには広い牧草地が拡がり、異国のような雰囲気がある。サイロや赤い屋根の家などが、そのイメージをさらに強くする。牧草地の新鮮な空気を吸ってから先に進む。

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 岳野集落の中心にある道路が交差する位置には12:25に到着した。GPSを見ると標高は564m。ずいぶん上がってきた。交差点には丁寧に標識が設置してある。牛根峠の方向に右折する。

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大隅半島の標識は非常に丁寧

 岳野を過ぎると牧草地はなくなり、周囲の山にはスギとヒノキの植林ばかりになる。気になったのは、ここの植林にはスギとヒノキが混在していること。同じ科に属しているが、栽培適地は若干異なっていたような気がする。また、出荷の際にも混在させてしまいそうな気がする。人ごとながら気になってしまった。

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スギの苗が植えてある

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こんなところにもスギとヒノキが混在している

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スギ

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ヒノキ

 風車がずいぶん近づいてきた。以前の野尻野でも経験したが、発電用の風車は1分間20回転ほどで優雅に回っているように見えるが、近くに行くとかなりの騒音を発する。しかし、風車の設置してある辺りは伐採してあり景色がよい。今回は景色をとって、12:42から風車の下でサンドイッチとミルクティーの昼食とした。曇ってはいるが、鹿屋の平野の向こうには、大隅半島東海岸志布志湾が見える。

 昼食を済ませて12:56から行動を再開した。20分ほど歩くと牛根峠に到着した。ここは鹿屋市と垂水市が境するところ。西に山を下りれば錦江湾に向かい、桜島の付け根辺りにたどり着き、東に山を下りると鹿屋市街につながる。今回は稜線をさらに北に進む。このあたりから舗装状況が若干悪くなるが、歩きにくいというほどではない。

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牛根峠

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西に進めば垂水の牛根

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東に進めば鹿屋に戻る

 稜線の林道を進む。交通は軽トラがごくたまに通行する程度。静か、といいたいところだが、絶え間なく風車の音が聞こえる。巨人が頭上でブーメランを振り回しているかのようなこの音は、無機質で、暴力的。山道の先に風車が並んでいるのが見えてきた。その中央には風変わりな建物が建っている。これが本日の目標としている天文台輝北天球館のようだ。

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整備が若干悪くなった山道を進む

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もうフキノトウが顔を出している

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風車が並ぶ先がうわば高原

 13:57にふれあいの森への分岐を通過し、輝北天球館近くの風車のブレードが倒れている傍を歩いていたところ、前方から男性が下りてきた。挨拶を交わし、お互いに行き先を尋ねると、九州自然歩道完歩間近の佐賀からの男性だった。すでに西の福岡~佐賀~長崎~熊本~薩摩を終え、東の福岡~大分~宮崎~大隅を歩き進めているところだった。本日は大隅湖までということだった。これから自分の行く先の注意点やお勧めの民宿などいろいろ教えてもらう。宮崎はヒルの対策が重要そうだ。お互いに無事な完歩を祈り、握手を交わして14:25頃に互いの進路を歩き始めた。

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風車のブレードが横たわっていた。ここで九州自然歩道氏と遭遇

 広い芝生の原を登り、14:32に輝北天球館に到着した。天文台ではあるが、建築物としても魅力的。ここからは風車と桜島が一望できる。炊事棟やシャワーのあるキャンプ場がある。今日はここのテントサイトに泊まる予定で、トレイルセンターに行き、まずはソフトクリームで小休止。その後、キャンプの申し込みをしようとしたが、フリーサイトが水道の故障のために使用不可とのこと。まだ時間は早く、明るいため先に進むことにした。

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うわば高原が近づいてきた

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シンボルの天文台 輝北天球館

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快適そうなキャンプ場がある

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桜島が真正面に

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九州自然歩道のトレイルセンターも

 トレイルセンターからは15:03に行動再開。この先さらに10機ならぶ風車の下の山道を歩く。ところどころ舗装路もあり、快適に進むことができる。舗装路に出ると、火山灰がかなり降り積もっているのが分かる。奥歯をかみしめると、ジャリッと音がする。

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風車に沿って先に進む

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最後の風車は狐ヶ丘の上に

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ここからも桜島が美しく見える

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舗装路には火山灰が堆積する

 野営をするならば風車のないところがよい。以前の経験から強くそう思っている。15:54に最後の風車が設置してある狐ヶ丘を通過した。標高は499m。風が強い。しかも反対斜面では造成工事をしているようで、ブルドーザーやダンプカーの音がうるさい。野営適地を求めてさらに先に進む。

 300mほど進んだところで、公園を見つけた。林道からは少し山手に入り、自動車のライトが当たるようなこともない。本日はまだ十分に明るい16:09に行動を終え、テント設営を開始した。

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ここでゆっくり

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 晩ご飯にはペンネで作ったペペロンチーネとほうれん草と卵のスープ。簡単で美味しい。

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2021年2月11日 九州自然歩道 83日目 鹿児島県鹿屋市高隈ダム~霧島市福山町狐ヶ丘 曇り 気温14/6℃ 行動時間5:41 距離19.8km 34713歩

 

往路交通:西新5:36-博多5:50/6:10-鹿児島中央7:58/8:09-国分8:56/霧島市役所前9:22-ゴルフ場前10:16

2021年2月7日 九州自然歩道 82日目 鹿児島県垂水市大野原~鹿屋市高隈ダム 標高500mの高峠高原から大隈湖に向かってクールダウン

 昨夜は廃校跡の校庭の片隅にテントを設置させて頂いたが、一晩中、飛行機が上空を通過するような音が聞こえていた。桜島の噴火の音だろう。ここから火口までは北西に直線距離で12km。細かな火山灰も間断なく降り続いているようで、上下の歯を噛みしめるとジャリッとした感触がする。

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 ふだんはアルコールを全く飲まないし、飲めないのだが、鹿屋のドーミトリーをチェックアウトするときに店長さんからHARUという焼酎のミニボトルを1本頂いた。コップに焼酎を5mlほど垂らし、お湯で4倍ほどに希釈して寝る前に飲んでみたら、芳醇な香りに驚いた。わずか20mlほどの焼酎のお湯割りで身体は温かくなり、すぐに眠りにつくことができた。しかし、夜半に急に右の腓腹筋がつり始め、次いで大腿四頭筋に連鎖し、七転八倒の苦しみを味わった。ようやく発作が治まったと思ったら、次は左側の足の番。都合1時間半ほど苦しみ、目が覚めてしまった。

 睡眠不足のまま6:00に起床。昨日の雨で湿っていたシャツを外に干しておいたら、降灰のために白線の模様が一本できていた。コーヒーを淹れて、飲み干してから7:00に行動開始。日の出時刻は7:05で、東の空がようやく明るくなってきた。

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東の空が明るくなってきた

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高原ののどかな圃場が続く

 大野原の集落の外れから、北に向かって舗装路を1kmほど歩いて、7:15に高峠との分岐点に到着した。ここには他の方のブログで美味しいと評判の焼き芋が販売されているはずだが、時間が早すぎる。しかし、道路までサツマイモのよい香りが漂っていたので覗いてみると、いま加熱処理中のようだった。

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この店の焼き芋が美味しいらしい

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道端から覗くと、現在調理中のよう

 分岐点からは県道71号線を右折して、下り始める。整備状況の良好な高規格の県道で、歩きやすいが、歩道はない。こんなところを人が歩くということは想定されていないようだ。路側帯を歩くが、自動車の通行もそれほど頻繁ではないから、危険なほどではない。山並みはきれいで、朝日に照らされた斜面が美しく光る。

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 ときおり、県道に沿って、旧道らしき痕跡が見られる。崖の崩落に飲み込まれたところもあり、かつての交通の厳しさがうかがわれる。

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崩落か所も見られる

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旧道の痕跡も

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これも旧道の跡か

 7:57に垂水市を離れ、鹿屋市境を越えた。道路のはるか下には川の流れが見えてきた。ここは深い谷だ。弟が一緒だったら、きっと渓流魚を釣りに谷を下りていきそうだ。山からも滝の水が落ちてきている。ここにも何万年か後には深い谷が削られそうだ。

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谷の下の方に川が見えてきた

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再度鹿屋市に入る

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水面が近くなってきた

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滝も流れる

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こんな山上から滝水が落ちてくる

 道路の先に集落が見えてきた。鶴集落かと思われる。県道の勾配は緩くなり、8:47に大隅湖上流の北岸と南岸の分岐点に到着した。分岐点近くには農村研修村の瀟洒な施設が見える。九州自然歩道のルートは南岸に沿った道なのだが、しばらくは法面工事のために通行不能だったよう。最近、工事がほぼ終わって、徒歩では通行可能だったという情報を得ていたので、南岸ルートを進むことにした。

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先に集落が見えてきた

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大隅湖の南岸と北岸の分岐点に標識が立つ

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農村研修村が対岸に見える

 現在は渇水期なのか、貯水量は少ない。湖畔には数台の車が停まっており、釣り人が2人、中央の瀬の部分から竿を振っている。湖に沿った道を心地よく歩く。工事区間も問題なく通過でき、9:36に大隅湖の南端にある高隈ダムに到着した。ダム施設の隣でおにぎりとお茶の朝食とした。

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上流から大隈湖を眺める

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湖沿いの心地よい道路を進む

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美しい湖面が見えてきた

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トンネルを抜けるとダム体

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 朝食の後は、ダムから国道504号線を左折して北に進み、ほんの5分ほどで大隅湖ふれあいパークに到着した。ここは大隈湖全体が見渡せる眺めの良い所。自販機とトイレもある。

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ダムから左折して国道を北に

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ふれあいパーク

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静かな湖面の大隈湖

 ふれあいパークから舗装路を1kmほど進み、10:26にゴルフ場前バス停に到着した。ここは、鹿屋市から鹿児島空港までの高速バスの停留所で、通常では1日5便が運行されている。現在はコロナ禍のために1日2便に減便されている。2月15日からは8:39の1便のみに減便の予定なので、首の皮一枚でつながった。

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さらに国道を1kmほど進む

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空港バスのバス停

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臨時のバス時刻表では1日2便

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来週からは1便のみだった。セーーーフ。

 この停留所に本日の最終バスが来るのは12:39。まだ2時間もあるので、鹿屋カントリークラブに立ち寄って、ランチと休憩とすることにした。

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汚い格好の登山者にも優しくしてくれたカントリークラブに感謝

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2021年2月7日 九州自然歩道 82日目 鹿児島県垂水市大野原~鹿屋市高隈ダム 晴れ 気温16/4℃ 行動時間3:23 距離12.8km 18467歩

 

復路交通:ゴルフ場前(鹿児島鹿屋カントリークラブ)12:39鹿児島空港高速バス-霧島市役所前12:33/JR国分15:12日豊本線鹿児島中央15:53/19:06九州新幹線-博多20:43