とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2021年9月12日 九州自然歩道117日目 大分県中津市耶馬溪町山移~中津市本耶馬渓町青の洞門 羅漢寺の鐘を撞いたら心が浄化されるか?

 本日は耶馬溪ダムスポーツ公園で5:00に起床。静かで快適な一夜だった。すぐそばの山移川の清流で顔を洗い、6:00にスタート。

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耶馬溪ダムスポーツ公園

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山移川

 2.5kmほど県道28号線を引き返して、九州自然歩道への分岐点まで復帰。鼻環(はなぐり、鼻繰とも)峠に向かう舗装路をしばらく上る。

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九州自然歩道への分岐点まで引き返す

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鼻環峠への道を登る

 6:44から山道に入るが、大名も歩いたという玖珠街道だけあって、整備状況はとてもよい。鼻環峠は難なく越えて舗装路に出た。峠にはゴミ箱が設置してあったが、おそらく中身を回収する人はいないだろう。とても捨てる気分にはなれなかった。

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鼻環峠への山道に折れるところの標識

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峠への道は整備良好

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ゴミ箱が設置してあるがとても捨てられない。

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ほどなく舗装路に出る

 峠を過ぎてからは、しばらく雲海を眺めながら舗装路を歩く。7:45から左折して山道に入ると、途中からはわりとヘビーな藪漕ぎ。このところ整備状態の良い道ばかり歩いていたので、久しぶりに九州自然歩道を歩いているという気持ちになってきた。

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雲海に浮かぶ山の姿を眺めながら歩く

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コンクリート舗装の山道に進むが

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久しぶりの本格的な藪漕ぎ

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途中でコースが不明瞭なところもある

 藪漕ぎもほどなく終えて舗装路に出た。直入畑(のりはた)の集落には妖精の広場という怪しげな雰囲気の農園があった。

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直入畑集落の舗装路に出た

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妖精の広場ですか

 舗装路を北に進み9:07に木ノ子の集落に到着。しばらく小休止。9:20から行動を再開し、木ノ子集落から東に進んで城井峠に向かう。

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木ノ子の集会場

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木ノ子集落から東の城井峠に進む

 城井峠への道程も藪漕ぎが続く。しかし、かつては多くの人が行き交う街道であったようで、幅の広い木道が残っているところもある。足下を見ながら登っていると蹄鉄が落ちていた。かつてここを行き交った馬から落ちたものだろうか。城井峠はなんとか九州自然歩道のオリジナルコースと思われるルートをクリアできた。

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すぐに藪漕ぎがはじまる

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ところどころ街道らしき跡も残る

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足下に蹄鉄を見つけてビックリ

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なんとか城井峠をクリア

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下りも油断ならないが

 しばらく下ると幅の広い林道にたどり着き、コンクリート舗装路に変わると正面にメサが見えてきた。10:23に道祖原集落の中心を走る国道500号線に出た。

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ほどなく快適な林道にたどり着く

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正面には独特なメサが現れる

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長野集落を通過

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道祖原集落からほんの少し国道を進む

 すぐに国道を離れて右岸を進み、洞鳴(どうめき)瀑布を経て、11:00に羅漢寺門前に到着。

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すぐに国道を離れて跡田川の右岸を歩き始める

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前方に怪しい形の岩山が現れた

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このトンネルをくぐれば羅漢寺の門前に着く

 このままトンネルをくぐって山門から羅漢寺に進んでもよいのだが、せっかくなので旧参道を経由して進むことにした。この参道は鎖場もあるなかなか眺めの良いルート。ザックが岩に引っかかって危ないが、腰をかがめてなんとか通過。スリリングな参道だった。

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トンネルの手前から古羅漢に進む

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快適な山道と思いきや

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なかなか攻めた山道だった

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油断するとザックが引っかかりそうな鎖場もある

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眺めは最高

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 いったん山を降りて、羅漢寺への旧参道へと進む。苔むした石畳の参道が続く。山門から先は写真撮影禁止のためお見せできないが、本堂はとても雰囲気の良いところ。地獄箱に悩みを投函して鐘を一撞きして、心が浄化されたような気がした。しばらく登る必要があるが、ぜひお参りすべきと言っておこう。

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ここが羅漢寺への旧参道入口

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苔むした雰囲気の良い参道

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リフトを使ってショートカットも可能

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山門前の曼荼羅

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山門から先は撮影禁止

 本堂ではゆっくり過ごして、13:00に門前まで下山。門前のお土産店で手打ち蕎麦の昼食を摂ったが、これがすばらしく美味だった。ご主人に聞いたところ、すぐ横の畑で栽培した蕎麦から作った粉で打ったとのこと。

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石段を下り門前町

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万千百園のとろろきつね蕎麦が美味しかった

 昼食後は13:35に行動再開。次の目標地である大平山を正面に見ながら、跡田川に沿って北に進む。

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正面に大平山を望みながら跡田川沿いを進む

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 山国川に架かる羅漢橋、跡田川の合流点に架かる犬走りという沈下橋を見ながら、山国川下流に向かって北に進む。

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大正9年竣工の羅漢寺橋で山国川を渡る

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山国川と跡田川の合流点には犬走りの沈下橋

 正面に見えてきたのは競秀峰という奇岩の連なる岩山。その下には羅漢寺の禅海によって彫られた青の洞門が走る。

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競秀峰

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競秀峰の裾の部分に青の洞門が彫られている

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禅海手彫りの部分も残されている

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 青の洞門を抜けた後は、観光案内所で一息ついていると、ぜひこの先の耶馬溪橋を見てきなさいと勧められた。耶馬渓橋は日本最長の8連の石橋。見事だった。

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日本最長の石橋耶馬溪

 今日は耶馬溪の見どころをくまなく歩き、15:22に青の洞門バス停から帰途についた。

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f:id:nayutakun:20210915204128j:plain九州自然歩道117日目 2021年9月12日 大分県中津市耶馬溪町山移~中津市本耶馬渓町青の洞門 曇り 25/21℃ 行動距離21.5km 行動時間9:16 35692歩

復路: 青の洞門15:24大分交通バス-中津駅15:48/16:04JRソニック40号-博多17:28

2021年9月11日 九州自然歩道116日目 大分県玖珠郡玖珠町豊後森~中津市耶馬溪町山移 素朴なそば饅頭でほっこり

 本日は豊後森の玖珠インターチェンジバス停から10:23にスタート。あいにく小雨がぱらつく天気だが、暑くないのが幸い。伐株山、万年山を背にしながら県道679号線を北に向かって進む。

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博多から豊後森までは高速バス JR久大本線のこの区間は現在運休中

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県道679号線を森川に沿って北に進む

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背後には豊後森のシンボルの伐株山

 前方には伐株山と同じようなメサの大岩扇山が現れる。県道を小野集落で左に折れ、11:26に清水瀑園入り口に到着。400mほど先の滝を見物に進む。渓谷全体が涼しい。

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北に見える大岩扇山もメサの地形

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道の途中で現れたキャンプ場は整備中のよう

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九州自然歩道から東に400mほど進んだ清水瀑園までの渓谷は涼しい

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飲んでも美味しい

 11:48に清水瀑園からさらに北に進み始める。15分ほどで国道387号線に合流した。500mほど進んだ片草集落から農道に左折して丘を越える。2kmで再び県道28号線に合流するが、合流地点の左角にあったのが、屋根から白い湯気を上げるそばまんじゅうの新栄堂。ここは蛸鹿さんのレポートにも出てくる店。素朴な味の蕎麦饅頭をいただきながら12:34から小休止。気さくな女性店主に癒される。5年前には田中陽希さんが百名山のグレートトラバースの際に2時間も立ち寄ったと、写真と年賀状を見せてくれる。

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片草集落から西に折れるが、標識は丁寧に設置してある

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新栄堂そば饅頭

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美味しいお茶まで出してくれた

 12:50から行動を再開し、県道28号線のすぐ先には温泉宿泊施設の湯の森くす。ここからはすぐに山道に左折して、椿原湿原を抜け、内匠の池まで小高い山を越える。しばらく舗装路歩きの後、再び山道歩き。幸い整備状況は良好で周囲の景色も良い。

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温泉施設の湯の森くす

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ダリア園から左折

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柵の先の道は少し草が茂っている。

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椿原湿原

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山道の整備状況は非常に良い

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内匠の池

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内匠の池から先は殿様道

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ここの整備状況も良い

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ほどなく鳥屋に続く舗装路に出る

 ふたたび舗装路に出た後は雨が強くなってきたため、鳥屋集落の養専寺に立ち寄って、山門の下で雨宿り。小雨になってから草原の中の心地よい道を歩き始める。

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鳥屋の養専寺

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藁葺きの家も残るが、管理が大変そう

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うつくし谷を過ぎる

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快適な林道

 次に現れた下百谷の集落には人がたくさん集まっているなと思ったら、たくさんの案山子だった。縁側に腰掛けている本物の方の女性に挨拶して先に進む。

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上百谷の集落

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やけに人が多いと思ったら案山子

 この先は深耶馬溪トンネル入口を右に見ながら進み、ゆっくりと高度を下げながら17:15に山移の町に到着した。

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耶馬溪トンネル入口

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山の麓には山移の家々が見えてきた

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しばらくは県道28号線を歩く

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山移郵便局

 山移川を越えた先には九州自然歩道の分岐点があるが、九州自然歩道を外れて県道28号線をまっすぐに進む。耶馬溪ダムスポーツ公園から南に折れて3kmほど山中に進み、18:20にとろろの湯に到着。地鶏炭火焼きの夕食の後、温泉で身体をほぐした。

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山移川を渡る

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九州自然歩道は左の県道28号線を離れて右の山に向かう

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真っ直ぐ進んだ県道28号線は国道212号線の高架をくぐる。

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その先には耶馬溪ダムスポーツ公園

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山移川に架けられた沈下橋を渡って南の長谷の谷に進む

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この先に温泉があるのか心配になるほど寂しいところだった。

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とろろの湯

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川べりのテラスで夕食

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地鶏が美味しい

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温泉もトロリと肌に優しい

 19:30にとろろの湯を出発して19:55に耶馬溪ダムスポーツ公園に到着。真っ暗な中で、ヘッドライトの明かりでテントを設営してシュラフに潜り込んだ。

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九州自然歩道116日目 2021年9月11日 大分県玖珠郡玖珠町豊後森中津市耶馬溪町山移 小雨 26/19℃ 行動距離28.4km 行動時間9:29 45236歩

往路: 西新8:10福岡市営地下鉄-博多8:23/博多バスターミナル8:48西鉄高速バスゆふいん号-玖珠インターチェンジ10:23

2021年9月5日 九州自然歩道115日目 大分県玖珠郡九重町宝泉寺温泉~玖珠町豊後森 伐株山から愛を叫ぶ

 本日は宝泉寺温泉の宿から出発。掛け流しの温泉があまりに心地よく、朝食後に再びお湯に浸かったため、出発は8:45と遅くなってしまった。

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宝泉寺温泉街を出発

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国道387号線の橋の下をくぐって北に向かう

 宝泉寺から北に進み、相狭間、口の園という日本昔話に出てきそうな田園の集落を過ぎる。トマトのハウスから男性が出てきてどこまで歩くかと尋ねる。ハウスの中のトマトは真っ赤に熟していた。

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口の園集落を通過 鎮守の森か?

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茅葺きの家が現役

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ビニールハウスの中には真っ赤なトマトが成る

 口の園からはスイッチバックして丘を越えて、9:48に黒猪鹿集落を通過する。秋の実りが風に揺れている。黒猪鹿からは迫り来るような万年山(はねやま)の姿が見えてきた。万年山はメサというテーブル状の台地の地形。メサmesaとはスペイン語でテーブルの意で、かつてスペインが支配した米国南西部に多い。西部劇に出てくるような乾燥地に多い地形だが、これに灌木が繁るとこうなるのだろう。

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丘を越えて黒猪鹿集落に

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実りの秋を迎えている

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集落の向こうには万年山

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近づくと迫り来るような万年山の地形

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メサ(右)とビュート(左)。ビュートはメサがさらに浸食されてできた孤立した丘。

 黒猪鹿から北西に進路を変えて万年山の登山道に入る。人気の山らしく、最近の雨による多少の倒木はあったものの、整備状況は良好。標識も丁寧に設置してある。コンクリート舗装路がどこまでも続く快適な登山路。

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柵を通過して登山路に向かう

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標識はしっかり設置してある

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ときどき倒木がある程度。九州自然歩道ではドンマイレベル。

 北に進路を変えたところから先は、300mほどの距離に等高線が10本以上ある地形となるが、木道が設置してあり歩きやすい。ところが、頂上まで500mのメサの台地の上に乗ってからは、背丈ほどの笹が繁り足下が見えない。手探りというか、足探りで進むと、路盤はしっかりしており、多数の人が歩いているように感じるのだが、ここまで笹が繁っているのが不思議だ。

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勾配の強いところには木道が設置してある

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眺望も良くなる

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台地の上に出ると植生が変わり、背丈ほどの笹に覆われている。

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笹で前が見えない

 しばらく藪漕ぎを強いられ、露出した皮膚は傷だらけになってしまったが、万年山頂上には無事に11:48に到着。本日は曇って遠くは見えないが、晴れていれば久住連山や阿蘇がきれいに見えるはず。

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万年山頂上は開けている

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残念ながら本日の視程は10kmほど

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 20分ほどの小休止をとり、行動食で昼食の後、行動再開。山頂からは北に向かって、次の目標地の伐株山に進む。こちらの道には笹は生えていない。万年山牧場、吉武台牧場と、心地よい草原の中のコンクリート舗装路を進む。

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山頂のすぐ北に9合目避難小屋がある。水道、トイレあり。

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万年山牧場に入る

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快適な草原の道を進む

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 12:50に牧場エリアを抜けて林道に入る。1時間ほど進み、次いで唐杉線林道を北に進む。林道の先に伐株山が見えてきた。

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牧場の先は舗装された林道。どきどき自動車が通過する。

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木々の間からの眺望も良い

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四阿から先で唐杉線林道に左折

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正面に伐株山が見えてくる

 伐株山はメサmesaがさらに浸食されて孤立したビュートbutteと呼ばれる地形。メサmesaがスペイン語であるのに対して、butteはフランス語で小さな丘を意味する。

 伐株山には北から戻る舗装路と、そのまま南から稜線伝いに登る針の耳という修験道の道がある。針の耳には鎖場があるようだが、問題はなさそうなので14:00から南登山口の針の耳からとりついた。

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針の耳ルートから登ってみた

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景色が良かった

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整備状況も良い

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ビュートがこれ。John Wayneが駅馬車強盗を追いかける背景のようなところ。

 3か所ほどの鎖場を通過して、14:30に山頂に到着。山頂のアンテナから北に300mほど進むと快適そうな芝生の伐株山園地がある。数機のパラグライダーが心地よさそうにフライトしている。北の風3mほどで、パラグライダーには最適な条件。しばらくフライトを眺め、Kirikabu Cafeでくつろぐ。

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山頂の電波塔

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麓の街並みがきれいに見える

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伐株山園地

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パラグライダーが心地良さげ

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Kirikabu Cafeで小休止

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 15:15に下山を開始。下山路も整備状況は良好。

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下山開始

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下山路も快適

 15:45に登山口に到着した後は、九州自然歩道の標識は見当たらず、圃場の中を縫うように進む。ここでは稲の収穫がはじまっていた。稲穂の向こうに、伐株山がすっくと、日本昔話の山のように立っている。

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すでに新米の時期を迎える

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日本昔話に出てきそうな伐株山

 豊後森の中心地を横切り、国道387号線を進む。玖珠川を越えると、その先の田んぼの中に風変わりな建物が見える。JR豊後森駅のすぐ近くだ。

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豊後森の街並みを横切る

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玖珠川を越える

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稲穂の向こうの特徴的な建物が豊後森機関庫だった

 せっかくなので立ち寄ってみたら、豊後森機関庫という歴史的な機関車の倉庫だった。機関車の方向を変える転車台も保存されている。蒸気機関車もレールに配置されており、往年の姿が想像できる。ここに白い蒸気を立ち上らせる蒸気機関車が出入りしていた頃の状況を想像するとワクワクする。立ち寄って良かった。状態を見ると維持も大変そうだが、保存してくれている方々に感謝。

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豊後森機関庫と転車台

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機関庫に9600型蒸気機関車が設置してある。これは非テツ系でも興奮する。

 16:40に豊後森機関庫を出て、17:00に玖珠インターチェンジの横にある道の駅に到着。バスの時間まで少しあるので、食べるものを買おうと思って立ち寄ったが、ちょうど17:00で閉店。残念。昼食は行動食のナッツだけなので空腹感はMax。

 17:07に玖珠インターチェンジバス停に到着して行動終了とした。

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豊後森の道の駅。残念ながらすでに閉店。

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玖珠インターバス停から帰途に着く

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九州自然歩道115日目 2021年9月5日 大分県玖珠郡九重町宝泉寺温泉玖珠町豊後森 曇り 25/19℃ 行動距離23.5km 行動時間8:23 40965歩

復路: 玖珠インターチェンジ17:31西鉄高速バスゆふいん号-博多バスターミナル19:07

2021年9月4日 九州自然歩道 114日目 大分県玖珠郡九重町牧ノ戸峠~九重町宝泉寺温泉 秘湯、秘湯、秘湯、秘湯、掛け流し

 週末の仕事が入ってしまったため、今回はおよそ1か月ぶりの九州自然歩道。しかも、大分県玖珠郡周辺は8月中旬の大雨の影響による公共交通機関によるアクセスの困難が続いている。久大本線は不通区間があるため実質的に使えず、コロナの影響で高速バスは減便。最速の交通を使ったが、スタート地点の牧ノ戸峠には午後1時近くにようやく到着。

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コミュニティバスに乗り継いだJR豊後中村駅 藁葺き駅舎

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牧ノ戸峠に到着 駐車場は満車

  幸い雨は降らずになんとか持ち堪えている。牧ノ戸峠から筋湯温泉に向かって車の通らない舗装路を下りはじめる。標高は1300mを越えており、涼しい。

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牧ノ戸峠から筋湯に向かう下り道

 正面の湧蓋山、左手の猟師山、現在下りている黒岩山に挟まれた谷に筋湯の温泉街が見える。緑の円錐状の一目山が顔を覗かせてきたら、湯煙がたなびくのが見えてきた。かすかに硫黄の臭いもしてきた。湯煙は八丁原地熱発電所からのものだった。1km以上距離があるのに、ゴーという音が谷中に響いている。

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湧蓋山、猟師山、黒岩山に囲まれた筋湯

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一目山の麓に八丁原地熱発電所

  牧ノ戸峠を出発して50分ほどで到着した筋湯は秘湯感のある落ち着いたところ。うたせ湯や公共の温泉が知られているのだが、今日はスタートが遅く、先を急ぐため残念ながら先に進む。

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ここが有名なうたせ湯

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温泉街には秘湯感

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 すぐにひぜん湯、大岳温泉と次々に温泉が現れる。大岳温泉でも地熱発電所が湯煙を上げている。比較的小規模な旅館に挟まれるように、立ち寄り湯が点在している。温泉巡りも楽しそうだ。

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大岳地熱発電所

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ローカルな温泉も魅力的

  14:20に通過した湯坪温泉には、とりわけ魅力的な温泉旅館が並んでいる。町の雰囲気も良く、しばらくゆっくりしたかった。

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湯坪温泉の正面には黒岩山

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湯坪温泉の町並みがいい

 湯坪温泉からは山中の道に進む。石原集落を通過して、湧蓋山の麓を進み、地蔵原の湧蓋山登山口を過ぎたところで自販機を見つけて15:13に本日最初の休憩。

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湯坪温泉から小高い丘を登る

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しばらく山中を進む

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地蔵原の湧蓋山登山口

 行動再開後は、左手に湧蓋山を見ながら直進し、500mほどで舗装路を外れて山道に右折。本日はじめての非舗装路。右手の林の奥は地蔵原湿原。さらに進むと天ケ谷貯水池が見えてきた。この道はときどき自動車が通過しているようで、轍が付いているので歩きやすい。

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湧蓋山の麓を進む

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地蔵原湿原の快適な道を進む

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天ヶ谷貯水池が見えてきた

 ダム体からは北に向かって山中に左折して石段を300mほど進む。ほどなく県道の四季彩ロードに合流。地図では100mほどで斜面を下る山道に右折するはずだが、草に覆われて降り口が見えない。やむなく四季彩ロードをそのまま進む。交通量はそれほど多くない。道路からの眺望は良い。

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ダム体から左折して石段を登っていく

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四季彩ロード

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四季彩ロードからの眺望は良い

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 右手に町田バーネット牧場が見えてきた。レストランのアイスクリームや豊後牛が美味しそう。牧場を過ぎてすぐに左手の旧道を進むが、九州自然歩道のその道は大規模な崩落があり先に進めない。やむなく再び四季彩ロードに戻る。

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町田バーネット牧場

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牧場の先から左の旧道に進むが

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大規模な道路崩落のために引き返す

 舗装状況の良い下り道を1kmほど進み、宝泉寺温泉に向かって左折する。きれいな舗装路と交差したのちも旧道を進むが、この道は荒れ果てておりあまりお勧めできない。新道の交通量は少ないので、そちらを通行する方が良いかもしれない。

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ふたたび四季彩ロードを進む

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宝泉寺温泉に向かって左折

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旧道はほとんど使われていないよう

 道路脇から湯煙が出てきた。河原や民家のようなところでもところどころで湯煙が立っている。渓流に沿って進むが、せっかくの美しい流れに沿って、無数のパイプが走行するのが無粋。各宿に温泉を引いているのだろうが。

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湯煙がそこかしこから見えてきた

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 川沿いに心地よさげな旅館が現れてきた。旅館街を抜けて町田川にかかる宝泉寺橋を渡ったところが中心街。18時過ぎに宝泉寺温泉に到着して行動終了。

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宝泉寺温泉街に入る

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町田川を越える

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宝泉寺の中心地

 宿に荷物を置いて、すぐ近くの鉄道遺構を見学に行く。1984年に廃止された国鉄宮原(みやのはる)線の線路はすでに撤去されているが、宝泉寺駅の駅舎が残り、観光案内所として使用されている。かつては小国まで旅客を運んでいた。きっと素晴らしい車窓風景だったろうなと思いながら宿に戻った。今日は宿の掛け流し温泉でゆっくりと筋肉をほぐそう。

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1984廃線宮原線の宝泉寺駅跡

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駅舎は観光施設に

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宝泉寺温泉の湯量は多い

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九州自然歩道114日目 2021年9月4日 大分県玖珠郡九重町牧ノ戸峠~九重町宝泉寺温泉 曇り 27/22℃ 行動距離21.8km 行動時間5:23 37290歩

往路: 西新8:10福岡市営地下鉄-博多8:23/博多バスターミナル8:48西鉄高速バスゆふいん号-九重インターチェンジ10:43/豊後中村11:44九重縦断コミュニティバス-牧ノ戸峠12:43

環境省EADASの利点と限界に関する考察(第2報)

 前回は環境省のデータベースEADAS(イーダス、URL:https://www2.env.go.jp/eiadb/ebidbs/)の概説と簡単な使用法の説明を行った。EADASというのは様々な環境関連の情報のデータベースであるが、九州自然歩道をはじめとした全国に10ある長距離自然歩道のコースデータを国土地理院地図(電子国土Web、URL:https://maps.gsi.go.jp/index_m.html)に表示する優れた機能がある。この機能が、長距離自然歩道を続けて(縦走して)歩くために有用そうだというのが前回伝えたかった内容である。

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EADASによって国土地理院の地図の上に近畿地方長距離自然歩道を表記した例 青の線が長距離自然歩道

 九州自然歩道については、環境省の九州地方環境事務所国立公園・保全整備課が2012年に公開を開始した九州自然歩道ポータルからハイカーズマップ(URL:http://kyushu.env.go.jp/naturetrail/index.html)という国土地理院地図に九州自然歩道の本線を赤の実線、支線を緑の実線で表示した九州自然歩道利用者のための電子地図が提供されているため、九州自然歩道ウォーカーたちは活用していると思う。

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九州自然歩道を歩く者がほとんどお世話になっているハイカーズマップ

 ところが、私の調べたかぎりでは日本の長距離自然歩道で最もメジャーと思われる東海自然歩道ですら、ハイカーズマップのような電子地図情報が提供されていない。九州自然歩道以外の自然歩道を縦走する人たちは、関連する各県ごとに提供されているコースガイドのような1日歩行のための印刷物のガイドを使用したり、NATS自然大好きクラブ(URL:https://www.env.go.jp/nature/nats)の提供する個別のコース情報を利用したり、これまでスルーハイク(全行程を一回で通して歩くこと)をした方たちの書籍やブログ等を参考にされたりしているのではないかと思う。

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NATS自然大好きクラブでは全国の長距離自然歩道の情報が得られる

 しかし、長期に及ぶ縦走の際に印刷物の地図やガイド本を持ち歩くのは負担になる。また、県ごとの資料は使いにくい。コースとコースの連絡路の情報を欠くケースもある。

 そこで、EADASを活用して、全国の長距離自然歩道のコースを国土地理院地図に表示して、トレッキングに活用してもらったらいかがかというのが、前回のEADASのエントリで伝えたかったことである。

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EADASでは電子データとして自然歩道のコースを使用できる

 そこで気になったのが、EADASで表示される自然歩道の正確性である。九州自然歩道ポータルのハイカーズマップは2012年に供用が開始されたが、その後にコースデータのアップデートがあまりなされていないようで、ところどころ実際のコースと食い違ったところがある。これまで九州自然歩道を歩いてみて、実際の標識で示されたコースとハイカーズマップの乖離が顕著であった部位について、EADASでは修正が見られるかどうかの検証をしてみたいと思う。

1.福岡県夜須高原エリア(ハイカーズマップが誤っており、EADASが実際のコースに一致した例)

 ここは2019年10月26日に実際に九州自然歩道を歩いてみて、ハイカーズマップと現在の九州自然歩道の標識が数kmにわたって著しい乖離を示したエリアである。当日は、当該エリアのハイカーズマップのプリントアウトを見ながら行動していたが、夜須高原記念の森を通過したところでハイカーズマップに記載された道が完全に消失していた。やむなく迂回しようと進んだところ、その先に別の方向を指した九州自然歩道の標識を見つけて、それに従って行動した。プリントアウトに実際の行動経路を記入したものを示す。

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このエリアではハイカーズマップを見ながら歩いてみて、あまりのコースのズレっぷりに愕然とした。緑の蛍光ペンで地図に実際の歩行路を記入した。

 その後、九州自然歩道の地図のついた看板が現れたところで、ハイカーズマップのコースがまったく違うところを走行していることに気がついた。

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実際に歩いたコース上には九州自然歩道の標識が出てきた。

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地図のある看板の標識も現れたが、ハイカーズマップの経路とはまったく異なっていた。

 帰宅後にハイカーズマップとYAMAPで得られた行動経路を重ね合わせてみたところ、現場で感じたのと同じように、現在の標識の位置に従って行動した経路はハイカーズマップと乖離していることが確認された。

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イカーズマップとYAMAPの歩行データを比較して違いを確認した。

 ところがEADASで同部位の九州自然歩道を表記してみると、実際に今回、標識に従って歩いたコースと一致していた。このエリアに関しては、EADASのコースデータが正しいようである。

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このエリアではEADASに軍配が上がる。

 ちなみに、さらに同エリアから5kmほど進んだ冷水峠の地図付きの標識では、ハイカーズマップと同じコースが記載されており、新旧のコースの表記された看板がこのエリアでは混在しているようであった。

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5km先の冷水峠では旧データの看板が出てきた。ここで表示されたコースはハイカーズマップのコースと一致している。

2.福岡県太宰府エリア(ハイカーズマップよりもEADASのほうがより正しい可能性)

 このエリアは2019年10月27日にハイカーズマップを参照しながら行動して、標識との差異に気がついた。

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イカーズマップを信じて行動したが、標識を見失い、藪に阻まれ、緑のようなコースしか歩けなかった。

 EADASのコースは次のとおりで、大きく異なることが分かる。

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EADASのコースはハイカーズマップとは大きく異なる。

 私が実際に行動したコースはハイカーズマップともEADASとも異なり、藪漕ぎをしながら苦労して進んだ記憶がある。

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私が実際に歩いたコースは、ハイカーズマップとEADASを混ぜて、さらに迷った歩き方。

 あとでヤマトホの歩行データを確認すると、EADASのとおりに歩行していることから、標識の有無は分からないが、EADASのコースの通りに歩くことはできるようである。

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ヤマトホは正確にEADASコースを歩行している。

3.福岡県香春町エリア(ハイカーズマップもEADASも誤っている)

 このエリアは2019年9月15日にハイカーズマップを参照しながら行動したが、通過を予定していた仲哀隧道および旧仲哀トンネルともに通行不可だったため、やむなく新仲哀トンネルを通過したケースである。

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イカーズマップでは山頂近くの仲哀隧道を通過して香春町に抜ける。

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実際には新仲哀トンネルを通過せざるを得なかった。

 仲哀隧道(1889年竣工)は落盤の危険性があることから、以前から通行が禁止されており、旧仲哀トンネル(1967年竣工)も入口が封鎖されていた。

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旧仲哀トンネルは封鎖してあった

 かわりに通過した新仲哀トンネル(2007年竣工)は大型の自動車の交通量の多いトンネルで、二度と歩きたくないと思ったほどつらいトンネル通過であった。

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新仲哀トンネルの通過は苦行だった。

 EADASのコースはハイカーズマップと一緒で、山頂近くの仲哀隧道に誘導するコースとなっており、通過はできないはずである。

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EADASはハイカーズマップと一致

 ちなみに2019年3月16日に同所を通過したヤマトホも、新仲哀トンネルを通過している。

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ヤマトホも新仲哀トンネルを通過

4.宮崎県都農町込ノ口エリア(ハイカーズマップ、EADAS、実際の標識が3つとも異なる)

 このエリアは2021年4月11日に通過した。先行しているヤマトホがハイカーズマップの経路を正確に歩いているのを確認したため、ハイカーズマップを参照しながら進んだ。

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ヤマトホはハイカーズマップと同じ経路を通過

 ところが、赤で示したハイカーズマップのコースを忠実に進んだところ、民家の男性からこの先は九州自然歩道ではなく、標識はさらに下ったところにあると教えられて、下図の青で示したコースに進んだ。男性の言うとおりに、ほどなく九州自然歩道の標識が現れ、山を下って集落で折り返す地点、尾鈴山に向かう県道307号線上にも標識が連続して立てられていたケースである。

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イカーズマップ(赤)、EADAS(緑)、実際に九州自然歩道の標識を確認しながら進んだ歩行路(青)

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イカーズマップのとおりに進んだら民家の敷地内に侵入。民家の男性から標識のある方向を教えてもらった。

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実際に標識が現れた。

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さらにその先まで標識が続いた。

 EADASはハイカーズマップとも実際の標識とも異なる遊学の森へと進むコースを示していた。

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EADASコースへの分岐点にあった看板

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同所には九州自然歩道の標識もあった。次の目的地は尾鈴キャンプ場。

 県道307号線を尾鈴山に向かう途中で、遊学の森の記載のある標識が出てきたため、EADASの示す遊学の森からのショートカットコースが実際に存在する可能性がある。ハイカーズマップ、EADAS、実際の標識ともに異なる可能性のあるエリアである。

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その先で遊学の道の標識が出てきたので、実際にEADASコースが存在する可能性もある。

 以上のように、ここまでいくつかのエリアでハイカーズマップとEADASを比較したところ、EADASのほうがより新しい情報を含んでいる可能性があることが示唆された。

 しかし、自然歩道はつねに自然災害による道路の崩壊や通行者の減少に伴う廃道化、林道の付け替えなどの新陳代謝を伴う。直近に通過した者からの情報を共有しつつ、現時点で最も確からしいコースデータを更新していく仕組みが必要ではないかと感じる。

長距離自然歩道愛好者必見!環境省EADAS

 先日、行政関係の方と電話で話しているときに、「環境省のイーダスというのがイイらしいダスよ」と駄洒落混じりに教えてもらった。「使ったことはないんですけど」ということだったが。なにがどういいのか分からなかったが、とても親切な方だったので、見てみた。とても良かった。これは、ひょっとしたら全国128±100名ほどの九州自然歩道トレッキングファンだけでなく、全国にひろがるもう少しだけ多い長距離自然歩道のファンにも有用なツールになりそう。そこで、皆さんに紹介することにした。

 イーダスとは環境省の提供するデータベースEADASのこと。何ができるかというと、皆さんお馴染みの国土地理院の地図データの上に、全国の長距離自然歩道のコースを表示できるのである。それに加えて、各地のキャンプ場や観光地、ジオパークなども表示できる。下の地図はEADASを使って国土地理院の愛知県東部の地図に東海自然歩道を表示したもの。さらにはキャンプ場や見どころも同時に表示している。なかなか便利ではないか。

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国土地理院の地図の上に東海自然歩道のコースを表示 もちろん拡大・縮小可能で、キャンプ場、景観地などの情報も併せて表示できる

  いやいや、東海自然歩道はスルーハイクのブログもたくさんあるし、本まで出ているからそんなのいらないや、という人がいるかもしれない。また、九州自然歩道には九州自然歩道ポータル ハイカーズマップという全コースの地図があるじゃないかという人もいるかもしれない。しかし、全国にはコースの地図情報が充分に提供されていない自然歩道がある。全コース踏破した人がいるのかどうかも明らかではないような自然歩道もある。1980年代の整備後に、メインテナンスがなされないまま廃道化しているところも多々ある。また、整備後にルートが変わっているにも関わらず地図情報に変更が反映していないところもある。実際に九州自然歩道を歩いてみて、そんなところを何度も経験し、正確な地図情報の重要性が身にしみて分かった。もし、今後、どこかの長距離自然歩道の、それも有名な山とかではなくてマイナーな里山コースや連絡路を歩いてみようと思う方がいたら、ぜひEADASを見てもらいたい。 

 環境省のEADASは、豊富な情報を国土地理院の地図に表示できるデータベースであるが、少し操作にクセがある。以下に順を追って操作法を解説するので、同じ手順で再現してみてもらいたい。 

 まずはGoogle等の検索エンジンで「環境省EADAS」と入力して検索してもらいたい。

環境省がEADASをリニューアルした、というプレスリリースが一番上に表示されると思う。URLはhttps://www.env.go.jp/press/104267.html

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最初に表示されるEADASのプレスリリース

  この画面を少しだけスクロールすると、EADASのURLが表示される。ここをクリックする。

 すると、環境アセスメントデータベースEADASのトップページが表示される。念のために、URLは https://www2.env.go.jp/eiadb/ebidbs/ である。

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EADASのトップページ

 ここで、「データベースを見る」のタブをクリックして、データベースのどの情報を見るのか選択する画面に移る。

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4つの機能が表示される。

  いろいろ機能があるが、自然歩道トレッカーが見るべきは地理情報システム(GIS)の「地図を見る」である。ここをクリックする。 

 すると日本地図の上に、「情報項目」、「凡例と表示設定」などと書かれたパネルが表示される。

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国土地理院の地図の上に大きなパネルが表示される。

 左の情報項目の中から、一番上の「全国環境情報」をクリックする。

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  自然的状況の中から、上から12番目の「景観および自然とのふれあいの活動の場の状況」をダブルクリックする。

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  景観および自然とのふれあいの活動の場の状況の中から、上から8番目の「長距離自然歩道」の右の「追加」をクリックする。

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追加するたびに右に凡例が追加されていく

  その他「キャンプ場」、「自然景観資源」など、ニーズに合わせて追加する。

 画面右上の「画面モード切替」をクリックして、地図の上のパネル類を見えなくする。

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  画面左の倍率バーを操作して、地図の縮尺を変化させる。地図上に現れる青い実線が自然歩道で、オレンジの三角でキャンプ場、その他の情報が表示されているのが分かると思う。基本的な操作はこのぐらいである。国土地理院の電子地図データ上に、各地の長距離自然歩道のコースが表示される。ただし、支線と本線の区別がない。このあたりは改善の余地がありそうだ。

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九州北端の九州自然歩道山口県の中国自然歩道のあたりを表示 青の実線の自然歩道の他に、キャンプ場、景観地などを表示

 

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地図の拡大もできる

 全国には、北海道自然歩道、東北自然歩道、東北太平洋岸自然歩道、中部北陸自然歩道、首都圏自然歩道、東海自然歩道、近畿自然歩道、中国自然歩道、四国自然歩道、九州自然歩道の10の長距離自然歩道が整備されたり、計画されているが、その中でコースの電子地図情報が提供されているところは多くはない。基本的には自然歩道は1日で歩くのに適当な距離のモデルコースが設定されており、スルーハイクをしたり、数日間の縦走をするのに必要な情報を欠いていることが多い。また、自然歩道の管理が都道府県単位で行われているようで、地図情報が県境の山で途切れたりすることも少なくない。

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全国の長距離自然歩道 青の実線が整備済みで、水色は計画線

 こういう状況下では、だれでもアクセスできる国土地理院の地理データに連続した長距離自然歩道のコースデータを表示できる環境省EADASは、自然歩道を縦走しようとするものにとっては必須のツールとなりそうである。

水芋

 先週は久しぶりにイタリアンの店にランチに行った。以前のエントリにも書いている、地元の食材を使った居心地の良いお気に入りの店。最近はコロナの影響で、受入可能なお客さんの数を減らしているようで、席がとれるか心配だったが、さいわいカウンターが空いていた。

 いつものように、手作りの前菜のプレートがまず運ばれた。5種類の前菜の中には、たいていこの店の得意料理のロートロが含まれているが、今回もやはりプレートの左端に乗っている。ロートロとは巻くという意味のイタリア語rotoloに由来し、鶏の肉などに野菜類をのせて筒状に巻いてから加熱するイタリア料理。フランス料理では、温かくしてガランティーヌとか、冷製でバンティーヌと言われる。このあたりは、この店で教わった。

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ランチの冷菜5品 左端がロートロ その下に水芋のピクルス

 気になったのは、ロートロの下に添えてあったピクルス。軽くお湯を通した後でピクルス液に漬けてあるようで、サクッとした歯ごたえが残っている。フキのようだが、線維が残らず、香りが違う。径も少し大きすぎる。ひょっとしてルバーブかと尋ねたら、「水芋のピクルスです」と返ってきた。これが水芋を食べた初めての経験。

 ところが何の偶然か、イタリアンの店で食べた4日後に、たまたま職場で水芋を頂いた。自分で生産していて、直売所のようなところに出品しているものが余ったので、おすそ分けしてくれるという。未調理の現物を見るのは初めて。調理済みのものも、先週食べたのが初めてだったのに。

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職場で頂いた水芋

 せっかくなので、水芋について調べてみた。

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里芋の茎のような形態

 水芋とは、サトイモ科のサトイモColocasia esculentaの栽培品種。四国、九州などの暖地の湧水付近に栽培される。浅い水を張った畑(水田)で栽培されるサトイモと書いてあるものや、ハスイモやサトイモの葉柄の部分だとしたものもあるが、生産した本人に尋ねるとサトイモとは違うものだという。陸上部分はサトイモと変わらないが、根が細く長く伸びるところが異なるとのこと。いろいろ聞いてみたが、どんな風に異なるのかよく分からなかった。もっぱら茎を食用とし、芋本体は食べずに、種芋として使用するとのこと。

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断面には海綿状の緻密な空隙が多数

 これまでスーパーや青果店で見かけたことがなかったが、佐賀県あたりではよく食べられているよう。今回頂いた方も、佐賀県に近い福岡の西部の方なので、関係があるのかもしれない。

 食べ方が分からないので調べてみたら、佐賀県では水芋を酢の物にした「にいもじ」という郷土料理が人気のよう。「煮」た「芋茎(いもじ)」がその名の由来のよう。レシピを探してみたら、ピクルスよりも簡単そうなので作ってみた。

 

   にいもじの簡単レシピ

<材料(1人前)>

  • ・みずいも 50g
  • ・酢 90 ml
  • ・砂糖 20g
  • ・塩 3g
  • ・薬味適量(唐辛子、かつおぶし、ごま、しょうがなどお好みのもので味付け)

<作り方>

  1. 水芋の皮を剥いて5cmほどの長さに切る。

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    水芋の皮を剥いて5cmの長さに切断。
  2. アクをとるために1%程度の濃度の酢水に浸漬。

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    酢を1%程度に希釈した溶液に水芋を20分ほど浸漬。
  3. 酢、砂糖、塩、(薬味)を鍋に入れひと煮立ちさせ、酢をマイルドにする。

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    水芋以外の材料を混和した鍋を加熱していちど沸騰させる。
  4. アク取りを終えた水芋を煮汁に入れて、2分間加熱。

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    酢の水溶液に浸漬した水芋を軽く脱水して煮汁の鍋に投入。
  5. 容器に移して冷蔵庫で冷却したら完成。出汁で煮るバージョンもあるよう。

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    タッパーに移して冷蔵庫で冷却。

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    にいもじの完成。シャキッとして美味い。

    にいもじはそれなりに美味しかったが、さらに水芋について調べてみた。 

 南西諸島では、浅い水を張った水田で栽培するサトイモを、田芋(タイモ)とか水芋(ミズイモ)というよう。そして、蒸かした芋を潰して砂糖を加え混ぜ合わせペースト状にしたものをディンガク(リンガクとも。漢字表記では田楽)という料理にして、子孫繁栄を願って正月や祝い事の膳に供されるよう。

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阿蘇の高森田楽村

 そういえば阿蘇の高森で田楽を頂いたときに、昔ながらのスタイルではサトイモやそれをすりつぶして餅状にしたものだけを田楽(デンガク)として食べていたと、囲炉裏で竹串に刺したサトイモを焦がさないように回しながら解説してもらった。

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最近では豆腐やコンニャク、他の野菜なども焼くが、昔ながらの高森の田楽は中央にあるサトイモと右のサトイモをすりつぶした餅だけだったと解説された。

 縄文時代後期にはサトイモは日本で栽培されていたと考えられ、弥生時代(縄文後期に伝搬したとする説もある)に日本に入ってきたイネよりも早いようである。サトイモは熱帯アジアで主食となっているタロイモ類に近い種とされることから、南の島からやってきた我々の祖先がタロイモに改良を加えながら南西諸島、九州へと北上し、たき火を囲みながらディンガクの夜を過ごしていたのかな、などと考えたら楽しくなってきた。

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阿蘇の高森まで北上してきた古代人がディンガクをしていたか?