とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

すきま散歩 朝のフィレンツェ

 出張でイタリア・フィレンツェ滞在中。仕事前の早朝のすきま時間に古い町並みを散歩する。

 5:00に起床してシャワーを浴びる。ジョギングの格好を整えて6:32からフィレンツェの中央駅になるフィレンツェサンタ・マリア・ノヴェッラ駅からスタート。気温は7℃。風はなく、半袖のTシャツでも寒くない。駅の正面の立派な尖塔を持つ教会がサンタ・マリア・ノヴェッラ教会。

サンタ・マリア・ノヴェッラ

駅前には超低床型の市電が行き交う。奥に見えるのがサンタ・マリア・ノヴェッラ教会

 古い町並みを東に向かって古い町並みを進む。電柱が立っていないためか、景観がスッキリしている。

町には電柱がない。ぶら下がった電線は街灯のため。

 石畳を剥がして工事をしている。地中に施されているであろう上下水道、ガス、電気、通信などの様々な配管をどうやって処理しながら工事を進めるのか興味津々。

土中には配管が行き交っている

 そうこうするうちにフィレンツェ大学に到着。大学の南に接してアカデミア美術館。ここはミケランジェロダビデ像が中央にドンと配されていることで有名。

フィレンツェ大学

アカデミア美術館所蔵のミケランジェロダビデ像。後日撮影。

 アカデミア美術館から南に下るとサンティッシマ・アンヌンツィアータ広場。飾られているのは海の怪物の噴水(Fontana dei mostri marini)。半魚人をモチーフにしたピエトロ・タッカによって17世紀に作られたちょっとグロテスクな作品。後ろに見えるのがフェルディナンドⅠ世の騎馬像。ジャン・ボローニャニよって製作に着手され、ピエトロ・タッカによって完成したとされている。鋳造に使った材料は海賊から奪った大砲の砲弾を溶かしたものだとか。

サンティッシマ・アンヌンツィアータ広場

海の怪物の噴水

フェルディナンドⅠ世騎馬像

 そこから路地を進むと見えてくる美しい建物が、フィレンツェでもっとも有名な通称Duomo(ドゥオモ)で呼ばれるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。全長153m、幅90mで最も高い部分は114m。大理石とレンガでできたゴシック・ルネッサンス様式の巨大な建築物だ。1296年に着工して、1436年に完成。日本でいうと着工期は鎌倉時代のど真ん中で、完成期は室町時代の真ん中。応仁の乱とかやってる頃にこんな建物作っちゃっている。すげー。

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂とジョットの鐘楼

 横に立つのは高さ84mのジョットの鐘楼。正面に向き合う八角堂はサン・ジョバンニ礼拝堂。いずれも大理石のモザイク模様が素晴らしい。

 ドゥオモの広場から南に進むとレプッブリカ広場。さらに進むとアルノ川のほとりにでるが、ここに架かる橋がヴェッキオ橋。早朝の現在はシャッターを下ろしているが、橋の上には宝飾店などがずらりと並ぶ。

レプッブリカ広場

ヴェッキオ橋

 川沿いに東に100mほど進むとウフィッツイ広場に出る。広場の両側に並ぶのがウフィッツイ美術館。美術の教科書に出てくるビーナスの誕生の絵が収蔵されている美術館だ。

川に沿って100mほど進む

ウフィッツイ広場。両側の建物がウフィツィ美術館

ウフィツィ美術館所蔵でもっとも有名なのはボッティチェッリヴィーナスの誕生だろう。教科書に出ていたよね。後日撮影。

 そのまま東に向かって川沿いを進み、アッレ・グラツィエ橋でアルノ川を渡る。川の真ん中の橋脚には現代美術のオブジェと思われる人形が据え付けられている。作品名はわからない。

アルノ川は西のピサの方向に流れる

アッレ・グラツィエ橋

 左岸に渡り、500mほど東に進むと右手にレンガでできたサン・ニッコロ門が見えてくる。門のところから山手に上っていく。ポッジ広場の泉を眺めながら小高い丘の上に上ると、そこがミケランジェロ広場。フィレンツェ随一の眺望が見られるポイント。

サン・ニッコロ門

ポッジ公園の泉

ミケランジェロ広場からの眺めはフィレンツェ随一

 ミケランジェロ広場の名のとおり、ミケランジェロの代表的な彫刻であるダビデ像が広場の中心に鎮座している。広場から北の眺望が素晴らしい。近くでは大きすぎて全体像がつかめなかったドゥオモや、町の東の荘厳なサンタ・クローチェ教会が一望できる。

広場の中央にあるダビデ像

ドゥオモ

サンタ・クローチェ教会

 ミケランジェロ広場でしばらく眺望を楽しんだ後、丘を下ってSan Niccolo通り、Costa San Giorgio通りと路地を巡る。Costa San Giorgio 19のガリレオ・ガリレイの家を探すためだ。たぶんここだろうというところまで探し当てたが、現在は他の方が住んでいるよう。不審者と思われないうちに退却した。

San Niccolo通りからガリレオの家探し開始

多分このあたりだが表示や目印が見つからない

 ヴェッキオ橋の西まで走って、次のサンタ・トリニータ橋でフィレンツェの中心街に戻る。

サンタ・トリニータ橋を渡る

中世に迷い込んだような気分

サンタ・トリニータ広場

 サンタ・トリニータ広場を通り過ぎると、その先にはサンタ・マリア・ノヴェッラ広場。広場の手前にはTartarugheのオベリスク(記念塔)が建つ。Tartarugheとはイタリア語で亀。オベリスクがその下の亀を押しつぶすかのように建てられている。

Tartarugheのオベリスク

 広場の正面にはサンタ・マリア・ノヴェッラ教会のファサード(正面観)。大理石の端正なデザインだ。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会

 教会横の路地を抜ければ中央駅になる。およそ2時間、8kmほどの散歩は終わりとなる。

2024年3月12日 フィレンツェ 曇りときどき晴れ 16/7℃ 行動距離8.3km 行動時間2:07 獲得高度164m 行動中飲水量0ml 15944歩