とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

すきま散歩 遺跡巡り ローマ

 昨日はフィレンツェからローマに移動。本日は昼から用事があるので、早朝にローマの市街地を軽くジョギング。

 ローマ・テルミニ駅(Roma Termini)にほど近いホテルを6:15にスタート。角ごとに警察官の立ったイギリス大使館の角を曲がってチェルナイア通り(Via Cernaia)を南に進む。

イギリス大使館のお屋敷周辺には警察官が多い

 通りに沿って通産省(Ministry of Economy and Finance)と防衛省(Ministero della Difesa)の建物。いずれも歴史を感じさせる。

通産省みたいな

防衛省

 古代ローマの遺跡をそのまま利用したかのような国立考古学博物館(Museo Nazionale Romano)を過ぎた先が共和国広場(Piazza della Repubblica)。

国立考古学博物館

共和国広場

 ロータリーの中央には大きな噴水。ナイアディの泉(Fontana di Naiadi)と名付けられている。ナイアディとはギリシア神話に登場する妖精のこと。ここでは湖の妖精、川の妖精、大洋の妖精、地下水の妖精が現れるとされてる。

ナイアディの泉

 ロータリーの北側部分にはサンタ・マリア・デランジェリ・エ・デイ・マルティーリ聖堂(Santa Maria degli Angeli e dei Martiri)が面している。ローマ帝国時代のディオクレティアヌス浴場跡を利用して建てられた大聖堂。中に入ってみたいが、まだ開門前。

サンタ・マリア・デランジェリ・エ・デイ・マルティーリ聖堂

 ロータリーの南にも半円形の柱廊が扇状に拡がる。柱廊の間を通るのがナツィオナーレ通り(Via Nazionale)。ここを真っ直ぐ南に進む。

ナツィオナーレ通りを南に進む

 左に見えてくるのはセント・ポールズ ウィズイン・ザ・ウォールズ教会(Chiesa di San Paolo entro le Mura)。ローマに建てられた最初のプロテスタント教会1880年建造。明るい色調のレンガが特徴。

セント・ポールズ ウィズイン・ザ・ウォールズ教会

 次に右に現れるのが歴史を感じさせる半地下の教会、サン・ヴィターレ聖堂(Basilica dei Santi Vitale)。4世紀に建てられ、402年教皇インノケンティウス1世により改築されたとあるので、ずいぶんと歴史がある。これって日本の古墳のほとんどより古いんだよなと思いながら通り過ぎる。

サン・ヴィターレ聖堂

 その隣に建つ立派な建物がエスポジツィオーニ宮殿(Palazzo delle Esposizioni)。1883年に完成した、ローマでは比較的新しい建築物。美術館などとして利用されている。大きすぎて歩道からでは全景が入らない。

エスポジツィオーニ宮殿

 さらにナツィオナーレ通りを南に進むと左に現れるのがイタリア銀行本店(Bank of Italy Palazzo Koch)。1893年に完成。内部は見学できるようだが、まだ営業時間外。

イタリア銀行本店

 ナツィオナーレ通りが右に曲がるところから真っ直ぐ階段を下りると、トラヤヌスの記念柱(Colonna Traiana)が正面に見える。ローマ皇帝トラヤヌスダキア(現在のルーマニア周辺を支配した部族)戦争(101~106年)での勝利を記念したもので、113年に完成。高さは30mで、直径3.7m、40トンの大理石を20個積み重ねてできている。さすがにこのころローマにも重機はないよね。どうやって作った?日本はそのころ弥生か縄文時代。唖然とするばかり。

トラヤヌスの記念柱

 記念柱のあたりはトラヤヌスのフォルム(Foro Triano)、トラヤヌスの市場(Mercati di Traiano Museo dei Fori Imperiali)と呼ばれる遺跡群。フォルムは英語ではForumとなり、公共広場ぐらいの意味。市場の方は本気のショッピングセンターだったよう。デカいよ。今のイオンに負けないよ。

トラヤヌスのフォルム

トラヤヌスの市場

 さらにその南に建つのはヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂(Monumento a Vittorio Emanuele II)。国父の祭壇(Altare della Patria)とも呼ばれる。1911年に完成した建造物で、イタリア王国を成立させたヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の偉業を讃えるために、その息子であるウンベルト1世の治世に建設が開始されている。新しい。

ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂

 この先はテアートロ・ディ・マルチェッロ通り(Via del Teatro di Marcello)を南に下るとコロッセオのような建物。これはコロッセオではなく、マルケッルス劇場(Teatro di Marcello)という古代ローマのコンサートホール。皇帝アウグストゥスが紀元前13年に完成させ、紀元前12年に供用開始。ローマ帝国崩壊後は廃墟となっていたが、現在、上層階はリノベされてアパートになっているそうだ。はぁ?高松塚古墳の石室に壁紙貼って住むような感覚かいっ?想像もできんわ。どんな人が住むんか?

マルケッルス劇場

アパートはどこだ?

 さらに進むとテベレ川に突き当たる。ちょうど薄い雲をとおった光が差し込んできて絵画のよう。右に見える橋はファブリキウス橋(Ponte Fabricio)。川中島はティベリナ島(Isola Tiberina)。

テベレ川

 テベレ川に沿って南に進むと、ほどなく尖塔を持った教会が見えてくる。これがサンタ・マリア・イン・コスメディン教会(Basilica di Santa Maria in Cosmedin)。「ローマの休日」に出てくる「真実の口」がある教会だ。まだ朝の7時前と、早すぎて中には入れないが、柵の向こうに真実の口が見えるようにしてある。あの口の中に手を入れて、自分は嘘をついたことがないことを証明できるのに、今日はお預け。残念。

サンタ・マリア・イン・コスメディン教会

真実の口

 教会からは東に進路を変え、チルコ・マッシモ(Circo Massimo)という古代ローマ時代の競技場の遺跡の中の草地を走る。いまでも陸上トラックのように整備されている。

チルコ・マッシモ

チルコ・マッシモ

 この先でグレゴリオ通り(Via dis Gregorio)を北に進むとコンスタンティヌス凱旋門(Arco di Costantino)が見えてくる。

コンスタンティヌス凱旋門

 さあ、その先に見えるのが皆さんご存じのコロッセオ(Colosseo)。言わずと知れた円形闘技場で、ティトウス治世の80年に完成している。蝶形187.5m、短径156.5mで高さは48m。収容人数は推定で5万から9万人弱。現在のアリーナと比べて遜色のない大きさだ。

 剣闘士競技や野獣狩りを見世物として市民の娯楽に供していたというが、ちょっとその感覚はわからない。ちなみに剣闘士競技は434年まで、野獣狩りは523年まで実施記録が残っている。

 コロッセオ広場から北の丘の上に上る。皇帝ネロの黄金宮殿(Domus Aurea)があるが、営業時間外で中には入れず。その先にはトラヤヌスの浴場跡(Trajan’s Bath)。

トラヤヌスの浴場跡

 さらに北に進むとサンタ・マリア・マッジョーレ教会(Basilica Papale di Santa Maria Maggiore)。ここも5世紀に創建されている。

サンタ・マリア・マッジョーレ教会

 この先は路地をクネクネと進むとオペラ座(Teatro dell'Opera di Roma)。時間が合えば、オペラかコンサートに行きたいが、どうも今夜はないようだ。残念。

オペラ座

 この先はローマ・テルミニ駅を通り過ぎ、8:07にホテルに帰着。心地よい朝のジョギングだった。

テルミニ駅

2024年3月15日 すきま散歩 遺跡巡り ローマ 曇り 18/6℃ 行動距離8.5km 行動時間1:51 獲得高度126m 17727歩 行動中飲水量0ml