とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

近畿自然歩道19日目(通算272日) 京都府京丹後市八丁浜〜間人 間人って読めるかな?

 本日は京丹後市八丁浜の宿で5:30に目を覚ました。薄い塩味のする温泉に浸かって、7:00から朝食。旅館の朝食は美味い。テント泊では体重が必ず減るが、今回は大幅に増えてしまいそうだ。

旅館朝食大好き

 天気予報は雨。昨夜からすでに雨が降り続いている。上下の雨具をつけて、万全の雨対策のパッキングを施したザックを担いで、8:00に行動を開始した。

旅館の裏手は離湖という周囲3.7kmの淡水湖

 宿の裏手にある離湖(はなれこ)の水面を眺めてから北の海岸に向かう。県道を進んで、8:54にハ丁浜の海岸に到着した。雨は強い。すでに雨具の中まで水が染み込み始めた気がする。

雨具の中まで水が浸みてきた

八丁浜からトレイル復帰

 砂浜を歩いてから、その先の松林の中の美しい海岸線を進む。ライオン岩などの奇岩が並ぶ海岸だ。

八丁浜海岸

千石帆掛け岩

ライオン岩

 松林を抜けた先は琴引浜の美しい砂浜となる。鳴き砂で有名なところだが、雨のせいか足元から音は聞こえない。沖にはサーファーが4人ほど浮かぶ。

琴引浜

半島はすぐ近くなのだ

鳴き砂は今日は音を発さない

甲子園ではないと思うのだが

 砂浜が尽きたところから、キャンプ場の中を通って、崖の上を進む。ここも眺めが素晴らしい。

 しばらく松の間からのぞく眺めを楽しみながら進み、9:35に遊漁港に到着した。小さな遊集落を過ぎて、また海沿いの快適な道を進む。道の整備状況が素晴らしい。

遊漁の港ではなく、遊集落にある漁港

 岬をグルっと廻って、10:05に赤い灯台の三津集落に到着した。気温は5℃。雨が強いので体が冷えてきた。三津の八幡宮の軒先を借りてしばらく雨宿りとした。お湯を沸かし、コーヒーを淹れて小休止。身体が温まった。このさ

この先も素晴らしい景色が続くが雨が強くなってきた

三津漁港が見えてきた

八幡宮

しばし雨宿り

美味し

三津漁港

 10:35に行動を再開。三津からは坂を上って国道178号線に合流した。左は急傾斜の崖で、海が広がる。歩道がなく、自動車が頻繁に通るのが残念だが、眺めは良い。居心地の良さそうな宿が山手にポツリポツリと現れる。


 11:06に砂方集落を通り過ぎ、11:25に間人トンネルに進む国道178号線と分かれて海沿いの道を進む。ようやく自動車が少なくなった。

国道178号線は間人トンネルに進む

トレイルは長浜集落を進む

海鼠漁かな?

 11:37に長浜を過ぎると家並みが続くようになる。間人の集落に入ったようだ。間人と書いて「たいざ」と読ませる難読地名。調べてみたら、蘇我氏物部氏との争乱を避けて飛鳥から当地に身を寄せてきた聖徳太子の生母の間人(はしうど)皇后が、当地を去る際に自分の名をこの地に贈ったことに由来するという。「はしうど」と呼び捨てにすることを畏れ多く思った住民が、間人皇后がこの地から退座したのにちなんで間人を「たいざ」と読み替えたからとか、地名に名前を頂くことを辞退≓退座したからとか伝えられている。

間人の町並

城嶋が見えてきた

 間人集落から海の方に下って城嶋に立ち寄る。ここは文字通り、かつての支配者荒川武蔵守が城を築いていた島。今は橋がかかり、神社が建てられている。

橋を渡ると城嶋

間人の町

かつて丹後小学校のプールとして使われていた間人親水プール

 間人港大橋を渡り、12:00に間人港に到着。ここもカニで有名なところだと同行する弟が教えてくれる。当地に水揚げされる雄の松葉ガニは間人カニと呼ばれて珍重されるよう。

間人港大橋

間人港

後ヶ浜の向こうには丹後半島の先端の経ヶ岬が見えてきた

Blue Rock Cafeなるおしゃれな店も

行者が岩

次回はこの先の立岩を巡るところから

 港から坂を上がると瀟洒な建物の丹後町役場が目に入る。本日はここで行動終了とし、道の駅てんきてんきで昼食を摂って、丹後温泉で汗を流してから帰途に着くこととした。

旧丹後町役場

道の駅てんきてんきで昼食

地元のわかめうどんとへしこおにぎり

締めは丹後温泉。効きました!

丹後庁舎から丹海バスで帰途につく

峰山駅からは京都丹後鉄道。KTR700形のあおまつが来た。

快適すぎるやろ

乗り換えの豊岡駅ではKTR8000形のたんごリレー号とあおまつが並ぶ

ちなみに丹鉄は硬券

豊岡-姫路ははまかぜ6号

姫路-博多はみずほ613号

2024年2月25日 近畿自然歩道19日目(通算272日) 京都府京丹後市網野町八丁浜〜京丹後市丹後町丹後庁舎 雨 4/1℃ 行動距離13.7km 行動時間4:34 獲得高度468m 22549歩

復路交通: 丹後庁舎前14:28丹後海陸交通バス-峰山15:10/ 15:47京都丹後鉄道-豊岡16:36/17:28はまかぜ6号-姫路18:59/19:22みずほ613号-博多21:22

近畿自然歩道18日目(通算271日) 京都府京丹後市久美浜〜八丁浜 浦島太郎の浜を歩く

 本日は京丹後市久美浜温泉で5:30に起床。6:00から温泉に浸かり、朝食時間の8:00までのんびり過ごす。

旅館の朝食って、どこも美味しい

 朝食をたっぷり摂った後、もう一度温泉に入ってから準備をして、10:03に行動を開始した。

今日は距離が短いため、久美浜温泉からの出発は10時と超遅め

 宿の前の佐野谷川を不動橋で越えて、国道178号線を北上する。ちょうど丹鉄宮豊線の通過時間だった。橋梁の手前から上りと下りの2つの列車が通過するのを見物させてもらった。

国道178号線を北上

京都丹後鉄道、通称丹鉄のたんごリレーKTR8000形が通過

コミューターのKTR700形も通過

 雨はポツリポツリと降る。砂地の圃場を抜けて、10:45から箱石海岸を歩き始めた。

箱石海岸に到着

丹後砂丘を歩く

 砂地に足を取られながら先に進む。ふだん歩き慣れていない弟は砂地を歩くのが辛そう。雨も強くなってきた。

ところどころに鬼の洗濯岩のような岩場も

夕日ヶ浦が近づいてきた

 波打ち際を歩いて、11:25に夕日ケ浦に到着。サーファーが10人ほど海に浮かんでいる。

夕日ヶ浦の温泉旅館街

沖にはサーファーが浮かぶ

 夕日ケ浦から海沿いの舗装路となる。志布比神社を通過して、11:51に浜詰漁港(夕日泊地)から山道に入る。軽トラックがなんとか通れるほどの山道で、左に見える海が素晴らしく美しい。

夕日ヶ浦からはしばらく舗装路

志布比神社

浜詰漁港

漁港からは山道となる

 少し進んだ大島の地形を生かした漁港が一望できる岬の先端にベンチを発見。風が少しあったが、ザックを下ろしてコーヒーを淹れることにした。

大泊古墳

石室が露出している

浜詰漁港を眺めながら休憩

コーヒー美味し

 景色とコーヒーを楽しんだのち、12:25に行動を再開した。浜詰漁港(塩江泊地)を過ぎた先も、断崖を丁寧に削り取った眺望の良い道が続く。

美しい海岸。晴れていればさらに美しいだろう。

浜詰漁港(塩江泊地)

ここからも崖の道

 13:00に五色浜に到着。ここは自動車でやってきた観光客が数名。きれいなところだが、ここまでの道のりの方がきれいなぐらい。すぐに先に進むことにした。

 五色浜から坂を登る途中で男性が法面の手入れをしようとしているところで挨拶を交わした。五色浜の芝生や道路のメインテナンスをされているよう。こういう人にトレイルも支えられているんだろうなと感謝。

五色浜あたりは丁寧に手入れされている

 この先は舗装路が続く。標高が100mを少し越えたほどの七竜峠には13:30に到着した。ベンチがあったため小休止。出発前に宿で購入した焼き芋を2人で分けて食べる。紅はるかが素晴らしく美味しかった。

府道665号線に合流

七竜峠で小休止

紅あづま、メチャ美味し!

七竜峠の先で見つけた農業用モノレール

この山から何を運搬するためのモノレールかとしばらく弟と議論。ミカン×、タケノコ×、お茶×、マツタケ×、と決着つかず。

 峠を下ると海沿いの道となる。14:30に網野町磯の集落に到着。初めて知ったのだが、ここは源義経の妻の静御前の出生地だとのこと。静御前にちなんだ神社と、生誕の地の碑の建つところを見学して先に進む。

磯集落

磯は源義経の奥さんの静御前の出生地だと

静神社

静御前生誕碑

冬の磯は厳しく寂しいところだった

 15:00には東経135度の子午線の碑を見物。ここは明石の真北になるのかな。なんとなく実感が湧かない。

東経135度の碑

 斜面にヤシャブシの目立つ舗装路を歩く。本日の目標の八丁浜も見えてきた。

美しい海岸線

灌木はヤシャブシが多い

ガッカリするのは海岸の傾斜地に不法投棄されたゴミの多さ。自動車の通行できるところには必ず、ゴミが投棄されている。

ハッキリ言おう。ここまで歩いた中で海岸線の美しさと不法投棄ゴミの落差は京丹後市が日本一。

こんな美しい海に向かってファンヒーターを投げる?

 15:18に浅茂川漁港を通過。福田川を日吉橋で越えて八丁浜の砂浜に進む。

浅茂川漁港

福田川を越える

八丁浜には浦島太郎の伝説

八丁浜

 15:45には八丁浜を離脱して、16:00に本日宿泊の旅館に到着して行動を終了した。

ここで八丁浜を離れる

旅館の夕食はカニ一択

カニ美味し

2024年2月24日 近畿自然歩道18日目(通算271日)  京都府京丹後市久美浜町久美浜温泉元湯〜京丹後市網野町八丁浜小浜 曇りときどき雨 8/3℃ 行動距離18.4km 行動時間5:55 獲得高度569m 28641歩 行動中飲水量200ml

近畿自然歩道17日目(通算270日) 兵庫県豊岡市城崎〜京都府京丹後市久美浜 日本海の冷たい風を左の頬に受けながら

 本日は3連休の1日目。近畿自然歩道トレッキングの再開で、城崎温泉に出発だ。

 博多駅を6:00に出発するのぞみ2号に乗車。こんな早朝の便にも関わらずほぼ満席。もうコロナ禍の影響は感じられない人出だ。

博多からのぞみ2号に乗車

新幹線では本とコーヒーと朝食のデコポン

 7:43に岡山に到着し、8:10発のこだま836号に乗り換えた。指定席は満席だったが、自由席は50%ほどの混み具合。姫路まで30分ほどだが、700系のグリーン車車両を使ったこだまが快適だった。

岡山からはこだま836号に乗り換え

姫路からは鳥取行のはまかぜ1号

 姫路からは8:58発のはまかぜ1号に乗り換えだが、全席指定のはまかぜは指定席が取れず、立ち席特急券というデッキに立っておかなければならない券しか取れていない。ところが、優しい女性の車掌さんがキャンセル空席を探してくれた。無事に3号車にキャンセル席が見つかり、城崎温泉に10:46に到着するまで快適に過ごすことができた。

悲しいことに立席特急券

車内で空席の指定券を発行してもらった

城崎温泉まで快適な旅だった

 城崎温泉に10:58着のこうのとり1号でやって来た弟と合流。温泉街をぐるっと一巡りしてからバスに乗車。

10分ほどで弟の乗ったこうのとり1号が到着

城崎温泉は30年ぶりだという弟と城崎温泉を一巡り

 スタート地点の小島バス停から12:04に行動を開始した。まずは港大橋で円山川を渡る。

歩道のない県道9号線はあまりに危険なため小島バス停からのトレッキング再開

港大橋人道橋で円山川を渡る

 渡った先が絹巻神社。ここからは県道122号線を進む。

絹巻神社

 県道は田結(たお)集落から東の田結湿原を進む。よく手入れをされた湿原の快適な道を進む。1羽のカワセミが道案内してくれた。

田結の町も焼杉の壁板の家が並ぶ

田結湿原

ツルの観察小屋だろう

水路の上を飛ぶカワセミが道案内

 湿原の尽きるところで13:10から昼食とした。食後には湿原を眺めながらコーヒー。連れがいるとコーヒーはさらに美味い。

コーヒー美味し

 30分ほどで昼食を終え、舗装のなくなった山道を進む。13:55に田結峠(132m)を越えて京都府に入る。大きなイノシシが眠りを妨げられて怒ったような声をあげて走り去っていった。

湿原から先は舗装はなくなる

峠の先でイノシシ君を怒らせてしまった

 峠を下り、14:25に林道蒲井大谷線との合流点を過ぎて蒲井集落を進む。

人家が見えてきた。別荘地か?

蒲井集落

 左手に日本海を望みながら舗装路を進み、15:22に久下(くげ)からは府道49号線を左折して進む。右手には久美浜湾。牡蠣の養殖筏が浮かぶ内海が美しいが、なにしろ交通量が多い。歩道がないためのんびり歩けないのが残念。

集落まで波の音が聞こえてくる

赤い地衣類が繁殖していた

ひと山越えると久美浜

牡蠣養殖の筏が浮かぶ美しい内水

残念ながら歩道がない狭い道で、交通量は多い

もう少しこんな景色を楽しみたかった

 15:35に湊大橋、次いで湊小橋を通過。日本海から吹き付ける風が強い。トビがソアリングで静止しているのを橋から間近に眺める。

久美浜湾と日本海を繋ぐ水路にかかる湊大橋

橋の上からの眺めがいい

その先には人道のみの湊小橋

 14:50から小天橋の砂浜を歩き始める。目の届くずっと先まで砂浜が続く。風が強く、メガネの左だけが曇ってきた。潮風のせいだ。

小天橋は久美浜湾をせき止めた長い砂州

風が強く、頬に突き刺さるよう

こんな海岸を歩く機会はなかなかない

 ひたすら砂浜を歩き、17:00に箱石でようやく丹後砂丘を離脱した。

一日中雨と風だったが、夕刻のひとときにお日様が顔をのぞかせてくれた

箱石海岸でルートを離脱して宿に向かう

 17:15には国道178号線に合流し、17:30に本日宿泊の久美浜温泉湯元館に到着して行動終了。到着直前に不動橋の上で霰が降り出したが、すぐに温泉に駆け込んだ。

国道178号線を南下

本日は久美浜温泉湯元館にお世話になる

料理は美味しく、塩気を感じる温泉も快適だった

2024年2月23日 近畿自然歩道17日目(通算270日) 兵庫県豊岡市城崎温泉京都府京丹後市久美浜 曇りときどき雨+霰 7/4℃ 行動距離18.0km 行動時間5:26 獲得高度393m 34564歩 行動中飲水量200ml

往路交通: 西新5:36-博多5:49/6:00のぞみ2号-岡山7:43/8:10こだま836号-姫路8:35/8:58はまかぜ1号-城崎温泉10:46/11:53全但バス-小島12:00

近畿自然歩道16日目(通算269日) 兵庫県豊岡市竹野〜豊岡市城崎温泉 城崎にて

 本日は香住の宿で4:00に目を覚ました。雨音が聞こえる。とうとう3日とも雨かと、少し悲しい気持ちになる。雨対策のパッキングをして玄関でトレッキングシューズの紐を締める。宿のおばちゃんが出てきて、「おおきにな。気をつけてな。」と言ってあめちゃんを渡してくれた。ていねいに、雨の降る中を送り出してくれた。少し元気になった。

日の出の前に家を出る

おばちゃんのあめちゃん。ここは大阪の勢力下か。

 山陰本線は香住を定刻の6:35に発車。口に入れたあめちゃんがちょうど溶けおわったころ、竹野には6:56に到着。小雨が降っている。

竹野では山陰本線の上下列車が待ち合わせ

竹野駅を出たときにはパラリと降る程度

 西の空が明るいので、雨具をつけないまま行動開始。残念ながら7:05に竹野新橋を渡る頃には本格的に降ってきたためローソンで休憩とした。

竹野庁舎横を通過

竹野新橋を渡る

竹野川

 イートインで外を眺めながら朝食をとる。20分ほどで小降りになってきたため、行動再開。迷路のような竹野の町の中を進む。

竹野の町に進む

町中は迷路

消防法は大丈夫か?

焼杉の壁板は耐火性があるというが

迷う。

 ダウンジャケットを少し湿らせながら7:39に竹野浜に出た。雨は大したことはないが、風が強い。篭島が白い波に飲み込まれている。

竹野浜

砂浜にポツンと一軒家

向こうには猫崎半島

猫崎半島の陰を過ぎると波風が強い

 砂浜を歩いて7:50に県道11号線に合流。東に進む。歩道はない。幸い交通量は少ないが、波の音が大きく、風も強いため、後方から自動車が来ても気が付かない。自動車は大きく回り込んで避けてくれるが、海側のガードレール沿いは風で飛ばされそうで怖くて歩けない。

県道11号線の眺めは最高

篭島にドッカーンと波がぶつかる

道路まで潮水が飛んでくる

あまり海側に近づくと飛ばされそう

 県道はじわじわと高度を上げていく。傾斜が45°を越えるような、斜面を削り取った舗装路が続く。眺めは良いが、遥か下の海岸に打ち寄せる波の音は、聞いていると怖くなるほど大きい。

怖いほどだが、きれい

 8:20に最初の小集落宇日(うい)を通過。ここまで、雨は降ったり止んだりをくりかえしている。

宇日を通過

 さらに断崖の道は続く。振り返ると、一昨年歩いた下の廊下のよう。こちらは舗装路だが。

振り返ったこの景色は黒部渓谷の下の廊下のよう

海の色も黒部川を思い出す

 県道を離れて田久日の集落に下る。焼杉の壁板の家が、額を寄せるように立ち並んでいる。どの家も手入れされていて、朽ち落ちたような家はない。こんな厳しい自然の中によく暮らしているものだと感心する。自販機が1台。商店はないようだ。

県道から離れて田久日集落を覗いてみる

港口には激しい波が打ち寄せる

田久日のメインストリート

 集落を端から端まで歩き、再び県道に戻る。平家の里と小さな看板が出ている。本当にそうだろう。立派な県道ができるまでは、周辺の町に行くには後背の山をいくつも越えるか、船で町に行くかのどちらかしかなかったはずだ。

狭い谷間に額を寄せ合うような家並みが続く

平家の里

集落全景

地図を見ると海の反対の南側にはこんな山がいくつも続いている

 県道を上り、見晴らしの良いとこをまで行くと才の神古墳の碑が立っていた。古代の遺跡の跡。そして、平家の集落の見張り台があったようだ。ちょうど雨も上がったようだ。義経が攻めて来ないか見張りをしながら休憩をとることにした。

多久日を見下ろす位置に立つ才の神古墳の碑

ここで小休止

多久日を振り返るとすでに岬の陰に隠れている

 この先も眺めの良い道が続く。ここまでの山陰の海岸沿いの道と比べても、県道11号線はずいぶんと眺めが良い。斜面に背の高い木が生えていないからだ。それほどまでに風が強いのかもしれない。

丹後の経ヶ岬まで見えてきた

それにしても厳しい地形だ

竹野を離れて城崎エリアに入る

 10:00に北胆海岸道路開通記念碑を通過。裏側にこの県道が整備された経緯が書いてある。陸上自衛隊が道路の整備を行い、昭和37年に開通したそうだ。やはりそれまでは、集落の補給路は山越えだったのか。大変な状況だったろう。学校はどうしたんだ?

北胆海岸道路開通記念碑

 城崎カンツリークラブを通過してからは次第に高度を下げていく。途中の展望台で崖に向かって大きなレンズを据えている男性が2人いる。聞くと、崖につがいのハヤブサが営巣しているようだ。なかなか姿を現さないという。

この崖にハヤブサが営巣しているようだ

城崎マリンワールドから日和山海岸経ヶ岬まで一望

 坂を下り、トンネルをくぐって、10:30に城崎マリンワールドに到着。観光客が多い。しばらく日和山海岸の景色を楽しむ。

県道11号線はこのカーブの先で終点

トンネルをくぐると城崎マリンワールド

城崎マリンワールドと後ろにはホテル金波楼

絵画のような

後ヶ島

 県道を離れて瀬戸の集落の中を進む。対岸の津居山との間には瀬戸川が流れている。小さな橋を渡って津居山の家並みを歩く。

瀬戸集落。対岸は津居山。

瀬戸川を渡ってみる

こんな家にしばらく住んでみたいな

港橋の向こうは津居山漁港

 港橋を渡り、10:57に津居山漁港に到着。ここでしばし休憩。カモメが周りに集まってきた。パンが欲しかったのかもしれない。

津居山漁港のカニ船団

パンを取り出すと鳥が集まってくる

 15分ほどで歩き始める。県道3号線を進むが、歩道がない。狭い道をマリンワールドに向かう車やバスが盛んに行き交う危険な道路。他に選択肢はないが、できれば歩きたくない。

県道3号線を歩き始める

 11:23に港大橋を通過。円山川にかかる橋だ。この辺りは道路が直線で、車の速度が速く、歩道がないため歩くには危険なレベル。

港大橋

歩道がない

路側帯も狭く危険

 なんとか無事に11:55に城崎温泉の大谷川にかかる大谷橋についた時にはホッとした。本当に、県道3号線の瀬戸から城崎温泉は、歩くのは危険すぎる。

城崎温泉に向けて円山川に架橋中

温泉街の入口の大谷橋にようやく到着

落ち着いた町並みの城崎温泉

 地蔵湯の脇を通過して、城崎文芸館の横から大師山に向かう山道に取り掛かる。コースはわかりやすい。12:18に城崎温泉全体が見渡せる愛宕神社に到着。先に進む。

城崎文芸館

文芸館の裏手から山道に取り付く

城崎温泉を俯瞰する

 道沿いにはたくさんの仏様が並んでいる。踏み跡もしっかりついており、みんなに愛されている山だとわかる。12:56に大師山ロープウェイ駅に到着。ここも景色が良い。

大師山への道はよく整備されている

名前の由来どおりか石像が山道に沿って立ち並ぶ

城崎ロープウェイ大師山駅

 この先はアップダウンの少ない快適な林道。ロープウェイの管理に使っているのだろう。車の轍が砂利を敷いた道にしっかりついている。

快適な林道を進む

 13:26に来日岳の分岐を右折。ここからは下り。ところどころ舗装されている。シカがしきりに鳴いている。谷川に沿った道は冷え込んでいる。

来日岳の分岐を右折して下っていく

 13:53に県道9号線に合流。右折して城崎温泉に向かう。13:39に志賀直哉の「城崎にて」に出てくる桑の木を通過。中学校の頃読んだが、そのくだりは覚えていないな。

県道9号線に合流

道路沿いに残る桑の木

 湯島跨線橋を越えて、14:16に城崎国際アートセンター前を通過。中身も気になるが、今回はパス。前もって予習しておけばよかった。

湯島跨線橋からトンネルを抜けた山陰本線の線路が見えてきた

特急はまかぜが通過していった

城崎国際アートセンター

 ここからはホテルや旅館の立ち並ぶ温泉街。川を挟んで、両側に遊歩道。観光客がそぞろ歩く。

温泉街に出てきた

薬師源泉

 14:32に温泉寺にお参りしてから、城崎温泉で一番人気だという御所の湯に14:40に到着。入り口に行列ができている。なんと、入湯の順番待ちだという。待ち時間を聞いたら30分ほど待つだろうとのこと。

温泉寺

御所の湯

 列の最後尾に並んで待つこととした。意外と早く列が進み、15分ほどで入場できた。しかし、御所の湯は並んだ甲斐があった。露天風呂のみのシンプルな構造だが、山から湯が流れ落ちてくる風景が素晴らしかった。

 温泉を堪能して16:00に行動再開。お隣の四所神社にお参りしてから、16:18に城崎温泉駅に到着して行動終了。

四所神社

一の湯

駅前通

美味しそうだけど、ちょっと手が出ない

駅前の飲用泉

下駄奉納

JR城崎温泉駅

特急こうのとり。これには乗っていません。

特急はまかぜに乗って博多への帰途につく

姫路で新幹線みずほに乗り換え

2024年2月12日 近畿自然歩道16日目(通算269日) 兵庫県豊岡市竹野〜兵庫県豊岡市城崎温泉 曇りのち晴れ 9/2℃ 行動距離24.7km 行動時間9:18 獲得高度764m 37834歩 行動中飲水量300ml

往路交通: 香住6:35-竹野6:56

復路交通: 城崎温泉17:17はまかぜ6号-姫路18:59/19:22みずほ613号-博多21:22

近畿自然歩道15日目(通算268日) 兵庫県香美町佐津〜竹野 兵庫県の最北端でカップヌードル

 本日は香住の宿で5:00に起床。窓の外から響いてくる雨音を聞き、雨対応のパッキングを整えて部屋を出た。玄関にはご主人が魔法瓶に入れたお湯を用意して待っていて、送り出してくれた。こんな早朝に。ありがたいが、わざわざ気の毒だったと感じてしまう。

始発が入線する前の香住駅ホーム

 5:50に宿を出発。6:35発の山陰本線香住駅から乗車。乗客は5人ほど。

定刻どおり佐津駅に到着

山陰本線の列車を見送る

無人の佐津の駅舎にもカニ

 定刻の6:46に佐津駅に到着して行動開始。佐津の街並みを抜けて、佐津川を佐津川橋で越える。

街中には融雪装置が整備されている

こんなカニが食べたい

佐津川橋を渡る

佐津川

佐津にも焼杉を壁板に使った歴史を感じる家が多い

やさしい町並みだ

 7:02に県道11号線に合流し、東に進む。歩道はないが、交通量が少ないためそれほど問題はない。舗装路を進んで高度を上げていくが、潮騒が心地よく耳に響く。

県道11号線に合流

佐津の町全体を眺める

 しかし、県道を歩き始めてすぐにまとまった雨が降ってきた。道路沿いの駐車場に番屋があったため、逃げ込んでしばし雨宿り。雨音が聞こえるほどの強い雨

また雨が強くなってきた

佐津も町も雨に煙る

現地では山番と呼ばれる地引き網のための監視所。海岸近くに魚の群れを見つけたら集落に知らせて地引き網を入れるために使われていた。

 しばらく様子を見ていたが、いっこうに雨は弱くならない。やむなく上下の雨具を装着し、機材をパッキングし直して7:50に行動を再開した。

晴れていたらさらに素晴らしいだろうな

こんな荒天の日ににも釣り人。あがったばかりの30cmほどの獲物を脇に抱えて、針からはずそうとしている。

 雨に打たれながら県道を歩き、安木集落を通過。この先は急勾配の上りになる。8:26に標高100mほどの峠を通過した。

集落が見えてきた

どの集落にも集落ごとの美しいプライベートビーチがあるように見える

山陰本線が下に見えてきた

峠の路肩には雪が残る

 下りにかかると左に山陰本線の線路が見えてきた。しばらく線路と並行して進み、線路の下をくぐった先が相谷(あいたに)集落。民宿と自販機がある。

左手にトンネルを抜けた山陰本線の線路が見えてきた

山陰本線をくぐる

相谷には民宿が数軒

相谷漁港

 眺めの良い道を歩き、9:07に豊岡市境を越えて浜須井集落に入る。集落の入り口には昔ながらの喫茶店。ちょっと食指が動いたが、我慢して先に進む。

眺めの良い県道11号線

県道開通記念碑。なんと昭和45年に開通ということは、それまではどうやって生活していた?

香美町から豊岡市に入る

道沿いに懐かし系の喫茶店

何の記念碑かと思ったら、道路の無料化の記念碑だった!え?これって生活道路じゃない?平成7年まで有料道路だったことのほうが驚きだ。

 9:18に須井トンネルを抜けた先にははさかり岩。2つの尖った岩の間に丸い岩が挟まった不思議な光景。巨人が戯れに持ち上げた岩がとポロリとこぼれ落ちたかのような。

須井トンネル

はさかり岩

道路脇には柳原白蓮の歌碑。

切浜集落が見えてきた

 しばらく歩いた切浜集落の漁港の先の崖にはポッカリと穴が空いている。見に行ってみる。淀の洞門という海蝕洞。海が穏やかで良かったが、荒れていたら水飛沫が恐ろしいぐらいだったろう。

淀の洞門

洞門からはすさまじい勢いで水しぶきが躍り出てくる

 洞門の岬から山手に進んで、10:00に国民休暇村竹野海岸に到着。過ごし良さそうなキャンプ場がある。雨の中をひと家族がテントを片付けていた。

国民休暇村竹野海岸

快適そうなキャンプ場がある

 国民休暇村から庵蛇浜まで下ってみた。ここにも大きな海蝕洞。向こう側に抜けられないか先に進んでみたが、途中で断念。小浦展望台に戻ってカフェオレとパンの朝食とした。

庵蛇浜。向こうには猫崎半島。

庵蛇浜にも海蝕崖。向こうの灯台まで通り抜けを試みたが水没した。

小浦展望台で小休止

 10:36に行動を再開し、10:56に竹野の西にある弁天浜キャンプ場に到着。現在は営業はお休みのよう。

弁天浜キャンプ場

弁天浜

キャンプサイトは松林の中

 この先は竹野港に並ぶ漁船を眺めて、西町の風情のある街並みを進む。竹野川に映る東町の家々が美しい。北前船で賑わった港の町は落ち着いた風情がある。

竹野港

イカ釣り漁船が並ぶ

竹野川を挟んだ東町の眺めも素晴らしい

 11:07に竹野川を竹野橋で越えて東町に進む。

竹野橋

竹野川に映える西町、東町、奥には猫崎半島

 その後、北前館という観光案内兼温泉施設で北前船に関連した展示を見学。

北前館

北前船の模型

 30分ほどで北前館を出て猫崎半島に進む。2つの盛り上がった山が猫の姿に似ているためにつけられた名前とのこと。

猫崎半島に進む

半島の西岸は厳しい表情の海蝕崖

油断すると波がせり上がってくる

波に打たれた跡だよね

白いプレートがたぶんゾウの足跡の化石

 11:55に標高50mほどの賀嶋公園を通過し、12:15に標高141mの賀嶋山を通過。コースは程よく整備されていた。

半島の東の道を上っていく

賀嶋公園

標高141mの賀嶋山を通過

ちょっと眺めの良いところを通過

 12:30に猫崎灯台に到着。ここが兵庫県の最北端になる。

猫崎灯台

 西から黒い雲が近づいてきているため急いで昼食とする。お湯を沸かしてカップヌードルを平らげ、締めはコーヒー。眺めの良いところで飲むコーヒーは格別。雨がぱらついてきたので13:00に行動再開。

ダッシュでお湯を沸かす

今日のランチ

ダッシュでコーヒー抽出

海コーヒー

 シーサイドホテルを経て、竹野浜を歩く。砂浜が心地良いが、雨が心配。13:50に観光センターに立ち寄って1時間で楽しめる竹野のおすすめコースを教えてもらった。

猫崎半島の付け根にある奥城崎シーサイドホテル

竹野浜

海岸沿いにある観光センター

 観光センターの親切な女性のおすすめコースというのが、竹野の巨大迷路区。本当に迷路のように入り組んだ街並み。地図をもらったものの、目標の神社や船主邸にはなかなか辿りつかない。幅1mほどの細い路地の街並みで、T字路やクランク、L字路が多く、都市計画は微塵も感じられない。どういう地割りで作られたのか不思議な街並み。消防車は絶対に入れないところがほとんどなので、再建築は困難。絶滅危惧街並みだろう。

迷路区

どういう地割りをしたらこんな風になったのだろう

 ようやく14:00に鷹野神社を探し当てた。次いで、14:15には観光協会の女性のおすすめのゴザで保護された興長寺に到着。本堂を冬の寒さから守るため、寄進されたゴザで本堂そのものを取り囲んでいる。今の季節しか見られない奇観だそうだ。でもこれも火事が心配。

鷹野神社にようやくたどり着いた

また迷子になる

龍海寺にたどり着いた

最後はゴザに囲まれた不思議な光景の興長寺

 この先は、八坂神社を経て、14:44に竹野駅に到着して行動終了。本日宿泊の香住に向かうための山陰本線を待つ。

八坂神社

竹野新橋

竹野川

豊岡市役所竹野庁舎

晩ご飯には海の幸

2024年2月11日 近畿自然歩道15日目(通算268日) 兵庫県三方郡香美町佐津〜豊岡市竹野 雨ときどき曇り 8/1℃ 行動距離20.0km 行動時間7:53 獲得高度764m 32792步 行動中飲水量150ml

往路交通: 香住6:35ー佐津6:46

復路交通: 竹野15:06-香住15:25

近畿自然歩道14日目(通算267日) 兵庫県香美町香住〜佐津 雷のち虹

 今週末は3連休のため、久しぶりの近畿自然歩道に向かう。11月以来となる。このところの自然歩道トレッキングの再開地点は山梨県兵庫県にあるため、土日のみの休みでは簡単にいくことはできない。

 今朝は6:00に博多を発車するのぞみ2号に乗車。早朝便なのに自由席はほぼ満席状態。広島からは通路に立つ人までいる。コロナからの回復がめざましい。

のぞみ2号

 岡山で8:10発のこだま836号に乗り換えて8:35に姫路に到着。8:58にはまかぜ1号に乗車したが、全席指定のこの列車も満席状態。隣に座った城崎温泉まで旅行の女性は相方が前の席になってしまったようで、通路に立ったまま長いことお喋りをしている。せっかくの旅行なのに可哀想だ。席を替わって隣にしてあげよう。不審者と思われないように、なんと声を掛けようかしばらく思案する。

岡山でこだまに乗り換え

姫路からははまかぜ1号

電車の中のごはんって美味しい

 豊岡で非常ボタンが押されたため8分ほど遅れた。城崎温泉で下車する二人組女性と挨拶を交わし、香住には11:22に到着。駅の改札上に掲げられたカニを写真に収めて行動開始。

改札口の上に掲げられた大きなカニ

香住駅から出発

 香住の市街地を貫く県道4号線を北に進む。11:47に香住西漁港を通過して八坂神社の鳥居をくぐる。ときおり雨が降りつける。

香住漁港西港

八坂神社の参道に進む

 12:00に岡見公園に到着。海が美しい。

美しーーー海

丘の上には天文館

 岬の先端を回り、12:10に香住漁港東港に下る。市杵島(いつきしま)橋を渡って、漁港を横切り、県道11号線を進む。

香住漁港東港

市杵島橋

漁港内には除雪した雪が残る

県道11号線を進む

 岬の先端に向かって高度を上げる。岬の西側には今子浦海岸の夕陽ポイント。日本の夕陽百選だそうだ。

美しい海だ

日本の夕陽百選

 今子トンネルを抜けると今子浦キャンプ場。現在は回収のために休止中。空は真っ暗になり、雨が強くなる。山陰の泣き出しそうな暗い空は、怖い。

今子トンネル

黒島

かえる島

 12:56に大引の鼻の眺望ポイントに到着。断崖の先端からの眺めは素晴らしいが、風が猛烈。ポケットから出したiPhoneが飛ばされそうになる。

絶景だという大引の鼻の眺望ポイントに向かう

猛烈な風で、先端まで行くのも怖い

景色はいいけど

iPhoneが飛ばされそうなぐらい

 眺望の見物はそそくさと引き上げて、13:00から山道に取り付く。道はぬかるみ、時折シカの鳴き声が聞こえる。左側は断崖。滑って落ちたら3か月ぐらい行方不明になりそうだ。強い風に煽られてスリリング。ルート上に仏様が何か所も鎮座しているが、ひょっとしたら滑落した人の霊を慰めるためか?なんてことが頭をよぎる。海上からは雷の音が聞こえてくる。

山道を進む。滑る。

え?こっちなの?トラロープが垂れてますけど。

マジこわい

なんでこんなところに

ありがたいけど、数が多すぎ

風雨強し

ここも通過

また

 海から吹き付ける風をいなしながら、14:04に大山灯台にようやく到着。沖合には9つの巨大なケーソンが並ぶ。ケーソンcaissonとはコンクリートや金属で作られた大きな箱のことで、橋桁や堤防などにおもに用いられている構造物。Googleで調べてみると、柴山港を保護するために設置されている消波堤で、直径29.4m、高さ26.5m、重さ7100tにもなるという。1994年に1基目が設置され、現在は9基。最終的には15基並ぶそう。こんな大規模な消波堤が必要なほど海が荒れるのだろう。今日の風の強さからもそれがわかる。

大山灯台が見えてきた

9基並ぶケーソンは消波堤


 天気はあられまじりの冷たい雨に変わってきた。空は暗い。雨具の下に水が染みてきて、帰りたくなってきた。泣きそうな気持ちになりながら、14:40に柴山港までたどり着いた。

あられ混じりの雨に変わってきた

柴山の町が見えてきた

柴山港に到着

 雨が強いので沖浦区公民館でしばらく休憩。待っていても雨が止まないので、柴山港を横切って進む。外海と異なり、港内は真っ平ら。対岸では巨大なケーソンを建造中。完成したら沖合に設置するのだろう。

沖浦区公民館の軒下をお借りしてしばし雨宿り

柴山港内は真っ平ら

現在建造中のケーソン

 15:00から県道11号線を進み始める。15:20に柴山駅前に到着。雨が激しくなり、しばらく軒下を借りて雨が弱くなるのを待つ。

県道11号線を歩き始める

柴山駅近くで再び強い雨から避難する

 このまま柴山駅から山陰線に乗って、本日滞在予定の香住に戻ろうかとも考えたが、意を決して雨の中を歩き始める。歩道はなく、自動車の水飛沫が飛んできる。

県道11号線にはほとんど歩道がない

 15:44に柴山トンネルに入る。自動車の音が恐ろしいほど。トンネルを抜けると雪が降っていた。海上からは雷が鳴り響く。

柴山トンネル

トンネルを抜けると白い世界だった

県道から佐津の市街地に進む

 16:05に佐津駅に到着して行動終了。駅舎に入る直前、すぐ近くに落雷があった。落雷地点はおそらく300m以内。目の前が白くなったと思ったら、直後に爆音が轟き、空気が震えた。急いで駅舎に逃げ込んだ。レインウェアを脱いでハンカチで顔を拭く。ザックからは水が垂れ落ちる。

佐津駅に到着

無人の駅舎でレインコートを脱ぐ

 しばらくしたら雨が弱くなってきたので駅舎の外に出てみた。虹がかかっていた。神様からのねぎらいかな。

夕食は香住の居酒屋笑ら

海鮮美味し

2024年2月10日 近畿自然歩道14日目(通算267日) 兵庫県三方郡香美町香住〜香美町佐津 雨ときどき雪 10/1℃ 行動距離14.5km 行動時間4:37 獲得高度611m 27334歩 行動中飲水量0ml

往路交通:西新5:36-博多5:49/6:00のぞみ2号-岡山7:43/8:10こだま836号-姫路8:35/8:58はまかぜ1号-香住11:14

復路交通:佐津16:42-香住16:52

すきま散歩 伊都国遺跡巡り

 本日も福岡近郊の遺跡巡り。最近のすきま散歩のテーマは魏志倭人伝に出てくる古墳時代の国巡り。ご存じとは思うが、魏志倭人伝とは280年から297年の間に中国で書かれた歴史書の「三国志」の巻三十「烏丸鮮卑東夷伝」の一部で、日本に関するまとまった文献としては最も古いもの。

魏志倭人伝

 魏志倭人伝によると、古代中国によってソウルの南あたりに置かれた帯方郡からの使者は、船に乗って対馬国一支国壱岐)、末廬国(松浦)と進んで現在の九州に上陸し、陸路で伊都国、奴国、不弥国、投馬国、そして邪馬台国へと至っている。

 このうちの奴国は現在の博多近辺とされており、2024年1月14日を中心に遺跡巡りを行った。

 

nayutakun.hatenablog.com

 不弥国は不彌國とも言われ、諸説あるが福岡県宇美町あたりが有力とされ、2024年1月21日に遺跡巡りを実施した。

 

nayutakun.hatenablog.com

 

 さて今回訪れるのは伊都国。現在の福岡県糸島市あたりで間違いがなさそう。魏志倭人伝の旅に出発だ。

 西新駅から福岡市営地下鉄に乗って、10:11に糸島市波多江駅に到着。ここは相互乗り入れのJR筑肥線の駅。正午まで有人のみどりの窓口が開いているため、来週の自然歩道トレッキングで使う予定のJR切符を購入して、10:32から行動開始。

地下鉄からJRに直接乗り入れ

波多江駅で下車

南口から出発

 まずは雷山川に沿って南に進む。昨日まで冷たい雨が降っていたが、今日は天気が回復した。よかった。西を見ると、糸島富士とも呼ばれる可也山が見える。

雷山川に沿って進む

北の糸島半島中心部には可也山

 10:52に福岡前原道路の高架下をくぐり、平原の集落の中を進む。

福岡前原道路

平原公民館の前にはよく手入れされた梅の古木

 11:24に平原遺跡(ひらばるいせき)1号墓に到着。ここは14m×10.5mの方形周溝墓。弥生時代後期~終末期のもので、方墳とは呼ばないようだ。日本最大の直径のものも含めて40枚もの銅鏡が発掘されたことで有名。銅鏡などの発掘物は伊都国博物館に展示されているので、後で見学させてもらうつもり。

平原遺跡

平原遺跡1号墓

 ここには5つの墳墓があったらしいが、復元されているのは1号墓のみ。発掘物から埋葬されたのは女王だと推定されている。

 住宅地の中を進み、11:45にワレ塚古墳に到着。古墳時代中期築造と考えられる前方後円墳で、中央部分が窪んでいるからワレ塚なのだろうか。墳長は43mと比較的大きい。

ワレ塚古墳

ワレ塚古墳

 すぐ先には銭瓶塚古墳。古墳時代中期築造と考えられる前方後円墳だが、一部は道路に造成されてしまっているようで、形は捉えにくい。

銭瓶塚古墳

銭瓶塚古墳。横から見ると一部は道路に削り取られているようだ。

 住宅地を奥の方に進むと狐塚古墳。古墳時代中期築造と考えられる円墳で、丁寧に復元されている。直径33m、高さ4m。内部に横穴式石室があるが、すでに埋め直されている。

狐塚古墳

狐塚古墳

 狐塚古墳からは東に進み、瑞梅寺川に出たところで川に沿って南に進む。舘角橋を渡って光円寺、住吉神社に手を合わせてから県道を東に進む。

瑞梅寺川

ムラサキアオゲイトウヒユ科

光円寺

住吉神社

県道大野城二丈線をしばし東に進む

 赤崎川に架かる高江橋を右折すると前方に墳丘が見えてきた。農地の中を進んで、12:42に井原1号墳に到着。前方後円墳だが、形はかなり崩れている。後円部から出てきた石の棺の形から2世紀から3世紀のものとされ、かなり古い。後円部の頂上には石碑のようなものが見えるが、取り付きがわからない。諦めて先に進む。

井原1号墳

井原1号墳の頂上には石碑らしきものが

 畦道を進んで、井原川を越える。12:55に西堂古賀崎古墳(にしのどうこがさきこふん)に到着。前方後円墳だとされるが、墳丘は削り取られているため形がよくわからない。頂上部には破壊された石室が露出している。6世紀前半の築造とされている。

西堂古賀崎古墳

西堂古賀崎古墳は石室が露出している

西堂古賀崎古墳。前方後円墳かな。

  この先は舗装路を北に進み、13:10に伊都国歴史博物館に到着。4階建ての立派な博物館で、平原遺跡から出土した銅鏡などの展示が豊富。説明文も丁寧で、ゆっくり楽しめる。4階の休憩スペースで昼食を摂らせてもらった。

伊都国歴史博物館

これが平原遺跡1号墓から出土した国宝 内行花文鏡

展示は充実している

銅鏡がこれでもかというぐらい展示されている

休憩スペースでランチ

雷山山系を眺めながら食後のコーヒー

 14:25に博物館をあとにして三雲・井原遺跡に向かって進む。14:40に築山古墳に到着。墳長60mの前方後円墳。頂上部に続く石段が設置されている。4世紀末のもの。

三雲の町を進む

築山古墳とその先には端山古墳

築山古墳の頂上には祠が建てられている

築山古墳

 築山古墳にあった説明版を頼りに王墓に向かう。住宅地の中をうろついていると、「卑弥呼のお墓はあっち」と通りがかりの女性が教えてくれたのが細石神社。

地元の方から卑弥呼のお墓はここよと指さし教えてもらった細石神社

お参りしておきました

 そうかなと思いつつも、とりあえずお参りして、14:55に三雲南小路遺跡に辿り着いた。こちらが伊都国王の墓。一辺30mの大型弥生墳丘墓だが、現在は芝生の公園となっている。

雲南小路遺跡。こちらが王墓のよう。

 ここからは住宅地の中を進み、15:05に端山古墳に到着。4世紀に作られた墳長78mの前方後円墳だったが、現在は前方部が削られてなくなり、円墳のように見える。

端山古墳

 15:14からは井原川に沿って左岸を北に進む。郡里橋(こうりはし)、天神橋、共栄橋と通過する。

井原川に沿って進む

ハマダイコンアブラナ科

 九星飲料の工場を通過して、中川原橋で右岸に渡る。15:52に福岡前原道路の高架下を通過。

中川原橋

川辺では山羊が草を食んでいた

福岡前原道路をくぐる

 この先は瑞梅寺川の右岸を進むが、川べりには桜の木が植えてある。蕾がすでに膨らんできている。

瑞梅寺川沿いにはサクラが植えられている

筑肥線の列車が通過

 16:00に筑肥線の鉄橋の下をくぐり、その先の池田川橋を渡って波多江小学校の横を通過して16:10に波多江駅に到着して行動終了。

筑肥線をくぐる

波多江の街中

波多江駅北口に到着。行動終了。

2024年2月4日 福岡県糸島市波多江駅波多江駅 曇りときどき晴れ 12/6℃ 行動距離16.9km 行動時間5:37 獲得高度116m 26664歩 行動中飲水量150ml