とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

すきま散歩 奴国遺跡巡り

 自然歩道歩きを休みとした本日も福岡近辺ですきま散歩。今回のテーマは遺跡歩き。近ごろYAMAPをフォローしていただいているねこやんのツレさんの活動記録にインスパイアーされたもの。

 博多駅から10:09発の特急博多南線に乗車。じつはこれも今回の目的の一つ。特急博多南線とは、1990年から運営されている、博多駅から車両基地までの回送便を旅客運送に使用している路線。本来、博多駅で運行が終わる新幹線車両の行先表示が「博多南」と変わり、新幹線車両で9kmほど先の車両基地博多南駅まで乗れてしまう。

新幹線500系が入線

博多南行に表示が変わる。ここからは在来線特急となる。

 本日の車両は新幹線500系。日本の営業運転で初の時速300km越えの車両で、いまだに日本最速の営業運転車両。現在は山陽新幹線のこだまに運用されているのが悲しい。

 日曜の本日は乗客が少ない。ざっとみると鉄道好きの子供連れが5組ぐらいだけ。博多駅を出発したのち、ゆっくりと運転を続け、九州新幹線の線路から外れて10:17に博多南駅に到着。車両基地の写真を撮ってから10:30に行動開始。

博多南までの最高時速は120km/hとのんびり。ここで九州新幹線の軌道から車両基地への引き込み線に変わる。

新幹線の高架から下りていく

博多南では写真を撮影している親子連れが多い

ずらりと並んだ700系を従える500系

こんな経験が330円でできるのも魅力

 博多南駅を出て新幹線の高架を潜って新幹線車両基地の東に出る。線路に沿って南に歩き、10:39に門田遺跡跡に到着。ここは交差点に取り残された小さな緑地。春日市教育委員会の標のみで、他に遺跡らしいものはなし。

博多南駅をスタート

高架をくぐって東に進む

車両基地を眺めながら南に進む

道路の三角地帯が門田遺跡跡

これだけ

 ここからは北に向かって住宅地の中を歩き、10:47に日拝塚古墳に到着。「ひはいづか」と読ませる。住宅地の中にいきなりドンと現れる、形態保存の良好な前方後円墳。6世紀に築造され、墳長は60m程度。墳丘の主軸がほぼ東西を向いており、彼岸の時期には東方約16kmにある信仰対象の大根地山(おおねちやま)から昇る太陽を拝めることから、「日を拝む塚」として「日拝塚」と呼ばれるようになったという。

住宅地に突如現れる日拝塚古墳

日拝塚古墳

 次は南東に1kmほど進んだところにある水城跡を中心とした天神山水城跡に11:09に到着。

天神山水城跡

天神山2号墳(円墳、墳径10m)

天神山1号墳(前方後円墳、墳長35m)

 水城とは、7世紀に唐・新羅の侵攻を恐れた大和朝廷大宰府を防衛するために築造した土塁。東の太宰府から大水城が連なっているが、この辺りは比較的小規模な小水城。天神山土塁は水城の西端で、墳長35mの前方後円墳と墳径10mの円墳からなる天神山古墳をその端に持つ。

天神山から連なる水城

住宅街の中に進んでいく

 水城跡を辿るようにして東に進む。11:30に昇町の大土居水城跡の南から散策路を進む。ゴルフ練習場の塀が土塁感のある石垣だが、これはたぶん水城の跡ではないだろう。

大土居水城跡は遊歩道となっている

水城のようなそうでないような

この石垣は水城ではないか

 寺田池を通過して、12:07に下白水大塚古墳に到着。住宅街の中で、しかも本体には立ち入り禁止となっているため全貌が掴みにくい。6世紀の前方後円墳で、墳長は36m。

寺田池

下白水大塚古墳。周辺は立ち入り禁止。

下白水大塚古墳

 福岡女学院、春日中学校、上散田公園と経て、12:30に須玖岡本遺跡に到着。

福岡女学院

春日中学校

上散田公園

 丘の上には白いドームが2つ。弥生時代の甕棺墓(かめかんぼ、2つのかめを合わせた棺で埋葬者を弔っていた)が発掘時の状態で保存されたもの。王墓の甕棺墓を覆っていた上石(うえいし)も展示されている。

須玖岡本遺跡の中心部の2つのドーム

ドームの中には甕棺墓などが発掘時のまま保存展示されている

王墓の上石

 近隣には王墓や王族の墓も見つかっており、このあたりが奴国の中心地であったと考えられている。

 隣接する春日市奴国の丘歴史資料館に立ち寄る。青銅の生産工程がかなり詳しく再現されている。面白い。

春日市奴国の丘歴史資料館

展示物も充実。個人的には青銅器鋳造のプロセスの解説が面白かった。

 13:00に歴史資料館を後にして、春日市奴国の丘歴史資料館前を過ぎる。正門を過ぎたところのコンビニで食料を購入して、イートインで昼食とした。

春日市奴国の丘歴史資料館

本日のランチ

 西鉄天神大牟田線の踏切を渡り、三筑小学校と三筑中学校の周囲をぐるっと回って、この辺りから発掘されたはずの三筑遺跡の痕跡を探すが見つからない。大型重機が入っているから、何かの工事ですでに埋め戻されてしまったかもしれない。

三筑小学校

ひょっとしたら遺跡は工事の土中か?

 やむなく先に進む。諸岡池を経由して14:22に滝見天神社の丘の上に到着。天神社の裏手には5基の古墳があるはずだが、2基ほどしか確認できない。諸岡八幡宮にお参りして先に進む。

諸岡池

滝見天神社

このあたりが円墳か?

諸岡八幡宮

コース上にはハムの自販機

 諸岡川を渡って14:45に板付遺跡に到着。縄文から弥生時代にかけての環濠集落が再現されている。幅2~4m、深さ約2~3mの溝が東西約80m、南北約110mの楕円形に掘られた環濠集落。日本で最も早く稲作農耕が開始されたとされている。

板付遺跡

大きな環濠集落

竪穴式住居の復元モデルもある

 隣にある板付遺跡弥生館に立ち寄ってみる。遺跡から発掘された縄文式土器弥生式土器や炭化した米など、貴重な資料が大量に展示してある。学芸員の方が丁寧に説明してくれる。素晴らしい施設だった。

遺跡のそばにある板付遺跡弥生館

展示物が充実しているが、なによりも学芸員の方の解説が素晴らしい

板付遺跡弥生館の外には弥生時代の水田を再現したものもある

 15:30に弥生館を出て、再び諸岡川を越えて西に戻り、15:47にららぽーとにあるガンダム立像の写真を撮る。観光客でいっぱいだ。

日本中の男子はこれは好きだよね!

 竹下駅のあたりで弥生館の学芸員の方から教わった古墳を探してみるが見つからない。

公園の片隅のこれかな?

地禄神社

 しかたがない。アサヒビール博多工場を経由して、16:30に春住小学校のグラウンドとして使われている比恵遺跡に到着。サッカー少年に断りながら、グラウンドの橋にある遺跡の説明版を撮影。遺跡は埋め戻されて何もなし。

アサヒビール博多工場

比恵遺跡は小学校のグランド

比恵遺跡

 竹下通りを北に進み、16:57に博多駅に到着して行動終了。

SANKO

都ホテル

博多駅筑紫口

ここで行動終了

往路交通:博多10:09特急博多南線博多南10:17

2024年1月14日 すきま散歩 奴国遺跡巡り

晴れ 14/1℃ 行動距離20.7km 行動時間6:25 獲得高度90m 33020歩 行動中飲水量600ml