とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

すきま散歩 筑紫野遺跡巡り

 さて、本日も日程の都合のために自然歩道歩きはお休み。6時に目を覚ましたものの、天気予報は一日中雨。うーむ、どうしよう。福岡近郊で、雨に降られても楽しめそうなコースで、できれば最後に雨に濡れた体を温める温泉に立ち寄れるプランはないか?ベッドの中でYAMAPの活動記録を眺めながら考える。

 迷ったすえ、博多駅を9:00に出発する鳥栖行きの鹿児島本線快速に乗車して、9:28に原田駅に到着した。駅前でYAMAPの地図をダウンロードして9:37に行動開始。今日は筑紫野エリアの遺跡を巡ることにした。ポツリポツリと細かな雨が降る。

原田は長崎街道の宿の一つで、伊能忠敬も滞在したよう

 まずは9:50に五郎山古墳に到着。古墳見学は予備知識があるとなお楽しい。最初に隣接した五郎山古墳館に立ち寄って予習することにした。女性の館員の方が丁寧に説明してくれる。案内のビデオを2本、合計40分間鑑賞したが、なかなか出来が良くて楽しめた。

住宅街の先に古墳の丘が見えてきた

五郎山古墳館

まずは予習をしよう

 ビデオの後は、カンテラを借りて館内にある実物大の石室模型の中を見学。真っ暗な羨道(せんどう。遺体を安置した玄室への通路)を経て玄室に入る。復元された装飾壁画が見事。油断して玄室から出る時に思い切り頭をぶつけてしまったので要注意。

カンテラを手に真っ暗な羨道に向かう

玄室内がぼんやり見えてきた

見事な彩色壁画が再現してある

 1時間ほども滞在した後、五郎山古墳に上る。6世紀後半、古墳時代が終わりを告げようというタイミングの円墳で、直径約35メートル。かつては内部を見学できたようだが、現在は石室内部をのぞくことはできず、外観を眺めるのみ。小雨混じりの風が冷たい。

ツバキの花を踏みながら坂を上る

堂々とした円墳

 五郎山公園を歩いて、金毘羅神社にお参り。

五郎山公園

金比羅神社

金比羅神社

 階段を下りると井出ちゃんぽんの看板が見えた。唾液が自然に分泌してきた。ちょっと早めだがクリーミーなスープとたっぷり野菜の井出ちゃんぽんの魅力には勝てない。昼食をとることとした。

井手ちゃんぽんはMyちゃんぽんランキング3位

普通盛りでこの野菜。麺まで3分。野菜盛りにしたときに油断すると野菜タワーが倒れてくる。

 胃袋を満たして11:30に行動再開。今日はなかなか先に進まない。11:40に筑紫神社にお参り。

筑紫神社参道を進む

筑紫神社

 神社からは東に進路を変え、栗木橋国道3号線を越える。住宅地を縫うように進み、12:05に筑紫野前畑遺跡と思われるエリアに到着。遺跡の痕跡や説明版でもないかと探すが見つからない。

木橋国道3号線を越える

正面には太宰府宝満山

このあたりが筑紫野前畑遺跡のはずなのだが

何も見つからない、、、

 やむなく森の中を歩いて南に進む。県道200号線を熊橋で越え、地図に表示されていた気になる名前の捨て身の松神社に立ち寄ってみる。

ピンクテープと調査杭のようなものは見えるが

いい感じの給水塔

捨て身の松神社

捨て身の松神社

 予想していたのと少し違う。どうも宗教施設の中に迷い込んでしまったようだ。早々に立ち去ろう。

どうも雰囲気が違う

 13:08に住宅街の中の津古1号墳に到着した。4世紀前半の墳長42mの前方後円墳。周囲には2号墳と3号墳があったらしいが、現在残るのは1号墳のみ。周囲にはびっしりと住宅が立ち並ぶので、仕方のないことなのだろう。

筑紫野市から小郡市に入る

住宅地の中に津古1号墳

津古1号墳

津古1号墳

こんな住宅地の中によく残してくれました

 13:20に西鉄跨線橋を越え、次の目標の津古生掛(つこしょうがけ)古墳を探す。ここも住宅に囲まれている。不審者と思われないように気をつけながら住宅街の中を彷徨くが、古墳らしきものは見当たらない。もしやと思って立ち寄った生掛公園に、ようやく津古生掛古墳の説明版が見つかった。説明板によると3世紀末頃に造られた墳長33mの前方後円墳だったが、宅地造成の後に公園になってしまったという。

跨線橋西鉄の軌道を越える

生掛公園

ここが津古生掛古墳(跡)でした

 次に向かったのは三国の鼻1号墳。これも見つけにくかった。大きな通りに沿った宝満川浄化センターの隣に説明版があった。4世紀後半に造られた墳長66mの前方後円墳だが、古墳そのものはなくなっているよう。金網に囲まれており、一帯は外から眺めるとたんなる森になっている。

宝満川浄化センター

このあたり

周囲は田園

 西に進路を変え、住宅地の中を進む。14:05に横隈山古墳に到着した。こちらは5世紀中頃に造られた墳長31.6mの前方後円墳。住宅街の中に聳えるように残されている。市民活動により保存されたよう。整備状態も良く、うれしいかぎり。

横隈山古墳

市民の運動で残された

前方後円墳の姿を残す

 次に北に進んで、14:15に井の浦1号墳に到着。三国が丘駅近くの井浦公園内にあり、6世紀後半に造られた直径23mの円墳。

井浦公園

貯水池のほとり

井の浦1号墳

 ここからは三国が丘駅構内を通過して三沢遺跡に向かう。丘全体が遺跡となっているようだ。弥生時代の農村集落や古墳群が発掘されているようだが、遺跡の展示や説明板は見つからなかった。

三国が丘駅

三沢遺跡

この丘あたりが三沢遺跡か

見学できそうなものは見当たらない

 丘を下る時から雨が強くなってきた。さいわい5分ほど進んで、14:45に九州歴史資料館に到着した。ここも素晴らしい展示物。太宰府政庁に関する資料が多い。雨が小降りになるのを待って15:40に先に進んだ。

九州歴史資料館

太宰府政庁に関連した展示物が多かった

 5分ほど歩いて小郡市埋蔵文化財調査センターに到着。ここの展示は小規模。10分ほど見学して、次の一の口遺跡に進む。とはいってもここは道路脇の説明版のみで、遺跡はすでに住宅の下に埋め戻され、埋蔵文化財はセンターに所蔵されている。

小郡市埋蔵文化財調査センター

一の口遺跡はこのあたりにあったはず

 小雨の降る中を進んで、筑紫野温泉アマンディに16:30に到着。バリ風の温泉施設にすっかりくつろぐ。のんびりとお湯に浸かり、お風呂の後は早めの晩御飯。魚料理が美味し。レストラン内に県境があるのが驚き。

筑紫野温泉アマンディ

 18:35にアマンディを後にした。すでに真っ暗となった18:53にJRけやき台駅に到着して行動終了。

けやき台駅に向かう

鹿児島本線で帰途につく

2024年1月20日 すきま散歩 筑紫野遺跡巡り 雨 12/9℃ 行動距離21.4km 行動時間9:13 獲得高度396m 30152歩 200ml 

往路交通:博多9:00鹿児島本線ー原田9:28

復路交通:けやき台19:04鹿児島本線ー博多19:44