とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

すきま散歩 伊都国遺跡巡り

 本日も福岡近郊の遺跡巡り。最近のすきま散歩のテーマは魏志倭人伝に出てくる古墳時代の国巡り。ご存じとは思うが、魏志倭人伝とは280年から297年の間に中国で書かれた歴史書の「三国志」の巻三十「烏丸鮮卑東夷伝」の一部で、日本に関するまとまった文献としては最も古いもの。

魏志倭人伝

 魏志倭人伝によると、古代中国によってソウルの南あたりに置かれた帯方郡からの使者は、船に乗って対馬国一支国壱岐)、末廬国(松浦)と進んで現在の九州に上陸し、陸路で伊都国、奴国、不弥国、投馬国、そして邪馬台国へと至っている。

 このうちの奴国は現在の博多近辺とされており、2024年1月14日を中心に遺跡巡りを行った。

 

nayutakun.hatenablog.com

 不弥国は不彌國とも言われ、諸説あるが福岡県宇美町あたりが有力とされ、2024年1月21日に遺跡巡りを実施した。

 

nayutakun.hatenablog.com

 

 さて今回訪れるのは伊都国。現在の福岡県糸島市あたりで間違いがなさそう。魏志倭人伝の旅に出発だ。

 西新駅から福岡市営地下鉄に乗って、10:11に糸島市波多江駅に到着。ここは相互乗り入れのJR筑肥線の駅。正午まで有人のみどりの窓口が開いているため、来週の自然歩道トレッキングで使う予定のJR切符を購入して、10:32から行動開始。

地下鉄からJRに直接乗り入れ

波多江駅で下車

南口から出発

 まずは雷山川に沿って南に進む。昨日まで冷たい雨が降っていたが、今日は天気が回復した。よかった。西を見ると、糸島富士とも呼ばれる可也山が見える。

雷山川に沿って進む

北の糸島半島中心部には可也山

 10:52に福岡前原道路の高架下をくぐり、平原の集落の中を進む。

福岡前原道路

平原公民館の前にはよく手入れされた梅の古木

 11:24に平原遺跡(ひらばるいせき)1号墓に到着。ここは14m×10.5mの方形周溝墓。弥生時代後期~終末期のもので、方墳とは呼ばないようだ。日本最大の直径のものも含めて40枚もの銅鏡が発掘されたことで有名。銅鏡などの発掘物は伊都国博物館に展示されているので、後で見学させてもらうつもり。

平原遺跡

平原遺跡1号墓

 ここには5つの墳墓があったらしいが、復元されているのは1号墓のみ。発掘物から埋葬されたのは女王だと推定されている。

 住宅地の中を進み、11:45にワレ塚古墳に到着。古墳時代中期築造と考えられる前方後円墳で、中央部分が窪んでいるからワレ塚なのだろうか。墳長は43mと比較的大きい。

ワレ塚古墳

ワレ塚古墳

 すぐ先には銭瓶塚古墳。古墳時代中期築造と考えられる前方後円墳だが、一部は道路に造成されてしまっているようで、形は捉えにくい。

銭瓶塚古墳

銭瓶塚古墳。横から見ると一部は道路に削り取られているようだ。

 住宅地を奥の方に進むと狐塚古墳。古墳時代中期築造と考えられる円墳で、丁寧に復元されている。直径33m、高さ4m。内部に横穴式石室があるが、すでに埋め直されている。

狐塚古墳

狐塚古墳

 狐塚古墳からは東に進み、瑞梅寺川に出たところで川に沿って南に進む。舘角橋を渡って光円寺、住吉神社に手を合わせてから県道を東に進む。

瑞梅寺川

ムラサキアオゲイトウヒユ科

光円寺

住吉神社

県道大野城二丈線をしばし東に進む

 赤崎川に架かる高江橋を右折すると前方に墳丘が見えてきた。農地の中を進んで、12:42に井原1号墳に到着。前方後円墳だが、形はかなり崩れている。後円部から出てきた石の棺の形から2世紀から3世紀のものとされ、かなり古い。後円部の頂上には石碑のようなものが見えるが、取り付きがわからない。諦めて先に進む。

井原1号墳

井原1号墳の頂上には石碑らしきものが

 畦道を進んで、井原川を越える。12:55に西堂古賀崎古墳(にしのどうこがさきこふん)に到着。前方後円墳だとされるが、墳丘は削り取られているため形がよくわからない。頂上部には破壊された石室が露出している。6世紀前半の築造とされている。

西堂古賀崎古墳

西堂古賀崎古墳は石室が露出している

西堂古賀崎古墳。前方後円墳かな。

  この先は舗装路を北に進み、13:10に伊都国歴史博物館に到着。4階建ての立派な博物館で、平原遺跡から出土した銅鏡などの展示が豊富。説明文も丁寧で、ゆっくり楽しめる。4階の休憩スペースで昼食を摂らせてもらった。

伊都国歴史博物館

これが平原遺跡1号墓から出土した国宝 内行花文鏡

展示は充実している

銅鏡がこれでもかというぐらい展示されている

休憩スペースでランチ

雷山山系を眺めながら食後のコーヒー

 14:25に博物館をあとにして三雲・井原遺跡に向かって進む。14:40に築山古墳に到着。墳長60mの前方後円墳。頂上部に続く石段が設置されている。4世紀末のもの。

三雲の町を進む

築山古墳とその先には端山古墳

築山古墳の頂上には祠が建てられている

築山古墳

 築山古墳にあった説明版を頼りに王墓に向かう。住宅地の中をうろついていると、「卑弥呼のお墓はあっち」と通りがかりの女性が教えてくれたのが細石神社。

地元の方から卑弥呼のお墓はここよと指さし教えてもらった細石神社

お参りしておきました

 そうかなと思いつつも、とりあえずお参りして、14:55に三雲南小路遺跡に辿り着いた。こちらが伊都国王の墓。一辺30mの大型弥生墳丘墓だが、現在は芝生の公園となっている。

雲南小路遺跡。こちらが王墓のよう。

 ここからは住宅地の中を進み、15:05に端山古墳に到着。4世紀に作られた墳長78mの前方後円墳だったが、現在は前方部が削られてなくなり、円墳のように見える。

端山古墳

 15:14からは井原川に沿って左岸を北に進む。郡里橋(こうりはし)、天神橋、共栄橋と通過する。

井原川に沿って進む

ハマダイコンアブラナ科

 九星飲料の工場を通過して、中川原橋で右岸に渡る。15:52に福岡前原道路の高架下を通過。

中川原橋

川辺では山羊が草を食んでいた

福岡前原道路をくぐる

 この先は瑞梅寺川の右岸を進むが、川べりには桜の木が植えてある。蕾がすでに膨らんできている。

瑞梅寺川沿いにはサクラが植えられている

筑肥線の列車が通過

 16:00に筑肥線の鉄橋の下をくぐり、その先の池田川橋を渡って波多江小学校の横を通過して16:10に波多江駅に到着して行動終了。

筑肥線をくぐる

波多江の街中

波多江駅北口に到着。行動終了。

2024年2月4日 福岡県糸島市波多江駅波多江駅 曇りときどき晴れ 12/6℃ 行動距離16.9km 行動時間5:37 獲得高度116m 26664歩 行動中飲水量150ml