とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

すきま散歩 元寇防塁~今宿古墳群

 本日は昼近くからの時間を使って福岡の古墳巡り。

 西新を11:36に出発する地下鉄に乗って、JR筑肥線の下山門に11:47に到着。

JR筑肥線には福岡市営地下鉄空港線が直接乗り入れている

 生の松原(いきのまつばら)東踏切を渡って北に進むと、松原の先に博多湾が見えてくる。風がなく、穏やかな海。正面には先週行ったばかりの能古島

生の松原東踏切を通過する筑肥線の列車

生の松原を抜ける

すぐに海岸

沖合には能古島

 ここから300mほど海岸沿いに東に進むと元寇防塁(げんこうぼうるい)を復元した箇所がある。2mほどとなかなかの高さ。元寇防塁とは1274年の蒙古の来襲(文永の役)の後に博多湾に一帯に連なるように構築された石造りの長城。かつてのモンゴル帝国に対するものなので万里の長城の日本版のようなイメージか。しかもこの場所というのが、小学校の教科書にも出てきた「蒙古襲来絵詞」のまさにその場所らしい。こんなものの痕跡がいま見られるかと思うとワクワクする。

元寇防塁

説明板のこの絵は小学校の時に見たような記憶がある

 元寇防塁から引き返し、12:20に海岸沿いの壱岐神社鳥居に戻る。鳥居の下に座っていたのがウクライナから来て福岡に住む娘のところに滞在しているという男性。孫と一緒に釣りに来ているがさっぱり釣れないから飲んでばかりだという。お猪口になみなみと注いだウイスキーをご馳走になる。

壱岐神社鳥居

 そのまましばらく砂浜を西に進み、砂浜の途切れるところから道路に戻る。

きれいな砂浜が続く

よっこらしょっと道路によじ登る

 毘沙門踏切で筑肥線を越えて長垂山に登り始める。最初は石段を上り、12:50に長垂寺にお参り。

筑肥線毘沙門踏切。このあたりは上りと下りは離れて、上りは海岸沿い、下りはトンネルに入る。

この階段で長垂山にとりつく

長垂寺

 この先は登山路は不明。尾根まで出るとテープが木に巻いてある。ここからはテープを頼りに進み、13:19に長垂山(118m)頂上らしきところに到着。らしきというのは、かなり北に三角点があり、三角点から南に最高地点があり、さらに南の頂上らしきといったところには山名標の破片があるだけだから。山頂からの眺望はなく、頂上感はゼロ。

道のない急斜面を上るとテープが出てくる

頂上よりもかなり低い85mの位置に三角点

三角点からかなり南に壊れた山名票が落ちている

 頂上からは南に向かって木にテープが巻いてあるため、それを頼りに進んでみる。テープは無くなった。そこから先はプチ薮漕ぎ。13:42になんとか御開池(おひらきいけ)にたどり着いた。

頂上から南に向かって踏み跡が付いている

いずれ踏み跡はなくなり最後は藪

御開池

御開池から長垂山を振り返る。たしかにピークはわかりにくい。

 池に沿って南に進み、13:53に七身坂池に到着。正面には西部ガスのタンクが2つ。池のほとりに鋤崎古墳の森があり、説明板が建てられていた。

七身坂池の正面には鋤崎古墳の森

山の上には西部ガスのタンク

 鋤崎古墳は墳長62m、高さ7mの大きな古墳だが、木々に覆われているため全体像はよく掴めない。築造時期は4世紀末と比較的早い。

鋤崎古墳の周囲をぐるっと回る

古墳上部は踏み跡が多数

発掘調査標らしきものがいくつも設置してある

 古墳のあたりを乗り越えて、さらに住宅地を抜ける。14:15にファミマで食料を購入して、イートインで昼食とした。イートインがあると助かる。

藪を抜けて住宅地に下りる

今日の昼食

 15分ほどで昼食を終えて、住宅地の中を西に進む。国道202号線今宿バイパスを渡って、14:45に大塚古墳に到着。ここは墳長64m、後円部の高さ6mの大きな前方後円墳で、保存整備が丁寧にされている。堀と外堤も復元してあり、古墳のイメージにピッタリ。

国道202号線今宿バイパス

大塚古墳

The前方後円墳

 大塚古墳から少し東に戻り、近くの小学校にある今宿五郎江(いまじゅくごろうえ)遺跡を見に行く。ここの遺跡は大部分が小学校用地として埋め直されているようで、門のところに説明板しか残されていない。それによると1~2世紀の弥生時代の環濠集落の跡で、魏志倭人伝に出てくる伊都国に関連する場所のよう。ロマンがあるな。

今宿五郎江遺跡説明板

 こんなことを考えて説明板の写真を撮っていると、小学校の男児らしい子が近づいてきて、「遺跡を見に来たんですか?」と尋ねる。小学生の遺跡マニアかと思い、地図を拡げて近隣の遺跡を指し示していると、小学生が次々にやってきて取り囲まれた。この小学校には遺跡マニアが多いんだなと感心していると、最初の男の子が「あの子が盗撮じゃないかって言うんで、聞きに来たんです」といって去って行った。世知辛い世の中になったものだと落胆した。

 再び西に進み、15:24に女原瓦窯跡に到着。説明板によると、ここは平安時代に鴻臚館の瓦の製作に使われていた登り窯が築かれていた遺跡のよう。正式名称は、「鴻臚館跡 附 女原瓦窯跡」(こうろかんあと つけたり みょうばるかわらがまあと)。埋め戻されて、住宅地の中の草地となっている。

女原瓦窯跡

 国道202号線バイパスを西に進み、15:35に若八幡宮古墳に到着。若八幡宮神社内にある墳頂47mの前方後円墳であるが、木々で隠され全体像が掴めない。今宿古墳群の前方後円墳の中では最も古いもののよう。

枯れ池の向こうに見えてきた若八幡宮古墳

八幡宮古墳

古墳の頂部には若八幡宮

 国道202号線バイパスを渡って北に進むとすぐに現れるのが山ノ鼻1号墳。丘の上に築かれた前方後円墳。墳頂44mの大きな古墳で、古墳公園としてきれいに整備されている。

山ノ鼻1号墳は立派な公園として整備されている

大きな前方後円墳だと実感できる

山ノ鼻1号墳

 ここから湯溜池を経て16:05に丸隈山古墳に到着。大きな前方後円墳で、上部の石室も覗くことができる。

丸隈山古墳

よく整備されている

石室の中まで覗くことができる

 再び国道202号線バイパスを渡って南に進む。畑の中を歩いて16:25に兜塚古墳に到着。前方後円墳とのことだが、随分と形が変わってしまっているよう。石室が開口しているが、中をチラリと除いただけ。もう暗くて中に入る勇気はない。

バイパスの下をくぐる

兜塚古墳

兜塚古墳

石室が開口しているが入っていく勇気が出なかった

 さらに西に進むと飯氏二塚(いいじふたつか)古墳。墳長49.6mの大きな古墳だが、周辺に人家が迫ってきている。保存状態はあまり良くない。

飯氏二塚古墳

上部には踏み跡が多く、発掘調査標も打ってある

説明板がくの字に曲がっているのは自動車がぶつかったためか?

 今回はここで古墳巡りは終わり。16:56に周船寺駅に到着して行動終了。福岡への帰途につく。

バイパスを北にくぐり駅に向かう

鉄道があると便利だ

周船寺駅

2023年12月30日 下山門駅元寇防塁〜長垂山〜今宿古墳群~周船寺駅 曇りときどき晴れ 16/4℃ 行動距離14.5km 行動時間5:05 獲得高度288m 32217歩 行動中飲水量200ml

往路交通:西新11:36福岡市営地下鉄-下山門11:47

復路交通:周船寺17:07JR筑肥線-西新17:27