今週末は3連休のため、久しぶりの近畿自然歩道に向かう。11月以来となる。このところの自然歩道トレッキングの再開地点は山梨県、兵庫県にあるため、土日のみの休みでは簡単にいくことはできない。
今朝は6:00に博多を発車するのぞみ2号に乗車。早朝便なのに自由席はほぼ満席状態。広島からは通路に立つ人までいる。コロナからの回復がめざましい。
岡山で8:10発のこだま836号に乗り換えて8:35に姫路に到着。8:58にはまかぜ1号に乗車したが、全席指定のこの列車も満席状態。隣に座った城崎温泉まで旅行の女性は相方が前の席になってしまったようで、通路に立ったまま長いことお喋りをしている。せっかくの旅行なのに可哀想だ。席を替わって隣にしてあげよう。不審者と思われないように、なんと声を掛けようかしばらく思案する。
豊岡で非常ボタンが押されたため8分ほど遅れた。城崎温泉で下車する二人組女性と挨拶を交わし、香住には11:22に到着。駅の改札上に掲げられたカニを写真に収めて行動開始。
香住の市街地を貫く県道4号線を北に進む。11:47に香住西漁港を通過して八坂神社の鳥居をくぐる。ときおり雨が降りつける。
12:00に岡見公園に到着。海が美しい。
岬の先端を回り、12:10に香住漁港東港に下る。市杵島(いつきしま)橋を渡って、漁港を横切り、県道11号線を進む。
岬の先端に向かって高度を上げる。岬の西側には今子浦海岸の夕陽ポイント。日本の夕陽百選だそうだ。
今子トンネルを抜けると今子浦キャンプ場。現在は回収のために休止中。空は真っ暗になり、雨が強くなる。山陰の泣き出しそうな暗い空は、怖い。
12:56に大引の鼻の眺望ポイントに到着。断崖の先端からの眺めは素晴らしいが、風が猛烈。ポケットから出したiPhoneが飛ばされそうになる。
眺望の見物はそそくさと引き上げて、13:00から山道に取り付く。道はぬかるみ、時折シカの鳴き声が聞こえる。左側は断崖。滑って落ちたら3か月ぐらい行方不明になりそうだ。強い風に煽られてスリリング。ルート上に仏様が何か所も鎮座しているが、ひょっとしたら滑落した人の霊を慰めるためか?なんてことが頭をよぎる。海上からは雷の音が聞こえてくる。
海から吹き付ける風をいなしながら、14:04に大山灯台にようやく到着。沖合には9つの巨大なケーソンが並ぶ。ケーソンcaissonとはコンクリートや金属で作られた大きな箱のことで、橋桁や堤防などにおもに用いられている構造物。Googleで調べてみると、柴山港を保護するために設置されている消波堤で、直径29.4m、高さ26.5m、重さ7100tにもなるという。1994年に1基目が設置され、現在は9基。最終的には15基並ぶそう。こんな大規模な消波堤が必要なほど海が荒れるのだろう。今日の風の強さからもそれがわかる。
天気はあられまじりの冷たい雨に変わってきた。空は暗い。雨具の下に水が染みてきて、帰りたくなってきた。泣きそうな気持ちになりながら、14:40に柴山港までたどり着いた。
雨が強いので沖浦区公民館でしばらく休憩。待っていても雨が止まないので、柴山港を横切って進む。外海と異なり、港内は真っ平ら。対岸では巨大なケーソンを建造中。完成したら沖合に設置するのだろう。
15:00から県道11号線を進み始める。15:20に柴山駅前に到着。雨が激しくなり、しばらく軒下を借りて雨が弱くなるのを待つ。
このまま柴山駅から山陰線に乗って、本日滞在予定の香住に戻ろうかとも考えたが、意を決して雨の中を歩き始める。歩道はなく、自動車の水飛沫が飛んできる。
15:44に柴山トンネルに入る。自動車の音が恐ろしいほど。トンネルを抜けると雪が降っていた。海上からは雷が鳴り響く。
16:05に佐津駅に到着して行動終了。駅舎に入る直前、すぐ近くに落雷があった。落雷地点はおそらく300m以内。目の前が白くなったと思ったら、直後に爆音が轟き、空気が震えた。急いで駅舎に逃げ込んだ。レインウェアを脱いでハンカチで顔を拭く。ザックからは水が垂れ落ちる。
しばらくしたら雨が弱くなってきたので駅舎の外に出てみた。虹がかかっていた。神様からのねぎらいかな。
2024年2月10日 近畿自然歩道14日目(通算267日) 兵庫県三方郡香美町香住〜香美町佐津 雨ときどき雪 10/1℃ 行動距離14.5km 行動時間4:37 獲得高度611m 27334歩 行動中飲水量0ml
往路交通:西新5:36-博多5:49/6:00のぞみ2号-岡山7:43/8:10こだま836号-姫路8:35/8:58はまかぜ1号-香住11:14
復路交通:佐津16:42-香住16:52