とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

近畿自然歩道12日目(通算258日) 兵庫県新温泉町諸寄〜香美町餘部 孤高の人に思いを寄せて

 本日は山陰本線の小さな駅の町、諸寄の旅館で5:00に目を覚ました。たっぷりと朝食を摂って7:10に行動開始。国道178号線を東に進む。

旅館の朝食はどこで食べても美味い

すぐに海

 2019年頃の近畿自然歩道/山陰海岸ジオパークトレイルの先行者の歩行記録に従ってそのまままっすぐ国道を進むつもりだったが、諸寄の信号で中国自然歩道の指導標を発見。最近は近畿自然歩道は山陰海岸ジオパークトレイルに押されて影が薄いようだが、せっかくなので近畿自然歩道の説明板の指し示す方向に従って左折。昨日散策した塩谷海岸に進む。桜林から山に進むはずだが、取り付きが見つからず行き止まりとなる。

近畿自然歩道の古い説明板を発見

塩谷海水浴場に向かう

指導標も出てきた

キャンプ場があった

ハマギク

釣りをしている人が海に浮かんでいるかのよう

ここで道が途切れた

岩を乗り越えたが先に道は無い

 少し引き返すと藪の中にかすかな踏み跡が見えた。草を掻き分けて進むと、ロープが設置してある。よじ登ると尾根に出た。尾根伝いの方向はピッタリと近畿自然歩道と一致している。そのまま進めば300mほどでコースに復帰できそう。しかし首ほどの高さのササが伸び、イバラの混じる激薮。かろうじて踏み跡はついていそうだが道は見えない。そういえば2017年ぐらいの歩行記録では、取り付きは見つけたものの、藪のあまりのひどさに引き返したとの記載があったことを思い出した。

踏み跡を発見

たどっていったらロープが設置してある

尾根までは出られた

 引き返そうかと弱気になったところでノイバラが絡みついて身体が動かなくなった。上体に絡みつくノイバラをしゃがんで振り解いたら道が見えた。なんと、膝下の高さには薮がないのだ。

激藪を振りほどいて進む

 これはイノシシの獣道じゃないかとかと思いながら、しゃがんだ姿勢で急斜面をなんとか進む。30分ほどの藪との格闘の末、8:00に城山西端の林道に上りついた。ここで近畿自然歩道の指導標を見つけてホッとした。

近畿自然歩道の指導標にたどり着いたが正解は分からず仕舞い

諸寄の町

 ここからは近畿自然歩道を快適に進む。よく整備されている。おそらくさらに手前にはより安全な道があったのだろう。返す返すも取り付きの見落としが口惜しい。

その先の道はいい

イノシシのヌタ場がある

 8:15に加藤文太郎記念碑に詣でる。この著名な登山家は新田次郎の「孤高の人」の主人公で、当地浜坂の出身。

加藤文太郎記念碑

 8:30に矢城ケ鼻灯台に到着。碧い海に白い灯台が映える。ここでコーヒーを淹れて小休止。15分ほどで行動を再開し、岬の先端から下り始める。

矢城ケ鼻灯台が見えてきた

矢城ケ鼻灯台

灯台でコーヒー休憩。美味し。

 9:00に浜坂漁港に到着。真っ平な水面に静かに浮かぶ漁船を眺める。

浜坂漁港

 この先の浜坂高校の交差点から左折して、山陰海岸ジオパーク館から先は浜坂海岸沿いの道を歩く。

山陰海岸ジオパーク

浜坂海岸

 浜坂海岸の松林の中にキャンプ場がある。何台もの車が停まり、大きなテントが設置されている。平和だ。

快適そうなキャンプ場発見

 この先は浜坂の街の中に進み、加藤文太郎記念図書館、浜坂駅と通過する。浜坂駅前の案内所でスーパーマーケットの場所を聞き、本日の昼食を調達。

加藤文太郎記念図書館

浜坂駅

品揃えの良いスーパーもある

 ここから先は、近畿自然歩道に従うか山陰海岸ジオパークのコースに従うか考える。分岐点と考えられる浜坂郵便局前の近畿自然歩道の指導標は右折表示のみで、東に向かう情報はない。ここは山陰海岸ジオパークの観音山経由の行程を選択することにした。

 せっかくなので、浜坂の歴史的な風情を残した味原川沿いの道を歩き、加藤文太郎記念図書館に立ち寄る。

味原川沿いの味原小径

加藤文太郎

加藤文太郎の遺品が2階に展示されている

加藤文太郎をモデルにした「孤高の人」を書いた新田次郎が富士山で加藤に会っていたというのが衝撃的だった

 旧浜坂漁港跡を経由して10:38に白馬歩道橋で岸田川を渡り、次いで田井川を白馬橋で渡る。

旧浜坂漁港跡

白馬歩道橋

岸田川

 浜坂温泉保養荘前の田井川沿いの快適な歩道を進む。しばらく川を上流に遡り、御屋敷橋で左岸に渡って県道260号線に進む。ここで山陰海岸ジオパークトレイルの表示を見て安心した。

田井川

御屋敷橋

県道260号線に出ると山陰海岸ジオパークトレイルの表示

 県道も田井川に沿って進む。11:15に指杭集落、11:25に田井集落を通過して、11:42に峠を越える。登り道で汗ばむと腕がヒリヒリする。朝の藪漕ぎで前腕に多数の切り傷ができているせいだ。

県道260号線

峠には融雪装置が設置されている

 11:54に赤崎集落。県道260号線が左に曲がるのに合わせるように、左折して北に進む。

赤崎集落では県道260号線は左に曲がる

 12:06に三尾トンネル(281m)に入る。トンネルを抜けると碧い海が見えてくる。カーブを曲がり、12:23に三尾集落の中に進む。ここも家々が軒を重ねるような家並み。

三尾トンネル

三尾の海が見えてきた

漁港の路地はどこも狭い

 漁港を眼下に見下ろすベンチに腰を下ろして昼食のいなり寿司を拡げた。碧い海は但馬御火浦。柱状節理でできた大島も見える。

海の色が格別にきれいだ

「みほのうら」と読ませる

大島

浜坂のスーパーで購入したお寿司の昼食

 12:47に行動再開。林道三尾御崎線を進む。左に海が見える素晴らしい道。落石がわずかにあったが問題なく通過。

林道三尾御崎線

車両通行止めだったが歩行には支障は無かった

不老の水を一口飲む

林道からときおり見える海は素晴らしい光景

自動車の通行が無いから快適に歩ける

 14:30に標高284mの日本で最も高い所に建てられた余部埼灯台に到着。せっかくのロケーションなのだが、空が鉛色に曇って海との境界が不鮮明。

余部埼灯台(御崎灯台

 ここからは舗装路を離れて山道を下る。14:51に御崎集落を通過。道の傍でシカの駆除のためのくくり罠の設置作業をされている。中の1人がトレイルランナー。私のシューズを指して自分もお気に入りだと褒めてくれる。

灯台から御崎集落までは荒れた道を下る

小さな御崎集落

集落の先ではシカのワナを設置中

 美しい海を眺めながら岬の付け根に向かって進む。15:46に伊岐佐神社にお参りしてから餘部の集落の中に入る。15:53に餘部駅に到着して行動終了。

餘部橋梁の全景

伊岐佐神社

右の部分には旧餘部橋梁の一部が残されている

エレベーターで駅のホームに上がる

餘部の町

山陰本線で本日宿泊の香住に向かう

夕食の海鮮丼はバリ美味し

2023年11月4日 近畿自然歩道12日目(通算258日) 兵庫県美方郡新温泉町諸寄〜美方郡香美町餘部 曇り 23/14℃ 行動距離27.2km 行動時間8:42 獲得高度1054m 46005歩 行動中飲水量700ml