とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

近畿自然歩道15日目(通算268日) 兵庫県香美町佐津〜竹野 兵庫県の最北端でカップヌードル

 本日は香住の宿で5:00に起床。窓の外から響いてくる雨音を聞き、雨対応のパッキングを整えて部屋を出た。玄関にはご主人が魔法瓶に入れたお湯を用意して待っていて、送り出してくれた。こんな早朝に。ありがたいが、わざわざ気の毒だったと感じてしまう。

始発が入線する前の香住駅ホーム

 5:50に宿を出発。6:35発の山陰本線香住駅から乗車。乗客は5人ほど。

定刻どおり佐津駅に到着

山陰本線の列車を見送る

無人の佐津の駅舎にもカニ

 定刻の6:46に佐津駅に到着して行動開始。佐津の街並みを抜けて、佐津川を佐津川橋で越える。

街中には融雪装置が整備されている

こんなカニが食べたい

佐津川橋を渡る

佐津川

佐津にも焼杉を壁板に使った歴史を感じる家が多い

やさしい町並みだ

 7:02に県道11号線に合流し、東に進む。歩道はないが、交通量が少ないためそれほど問題はない。舗装路を進んで高度を上げていくが、潮騒が心地よく耳に響く。

県道11号線に合流

佐津の町全体を眺める

 しかし、県道を歩き始めてすぐにまとまった雨が降ってきた。道路沿いの駐車場に番屋があったため、逃げ込んでしばし雨宿り。雨音が聞こえるほどの強い雨

また雨が強くなってきた

佐津も町も雨に煙る

現地では山番と呼ばれる地引き網のための監視所。海岸近くに魚の群れを見つけたら集落に知らせて地引き網を入れるために使われていた。

 しばらく様子を見ていたが、いっこうに雨は弱くならない。やむなく上下の雨具を装着し、機材をパッキングし直して7:50に行動を再開した。

晴れていたらさらに素晴らしいだろうな

こんな荒天の日ににも釣り人。あがったばかりの30cmほどの獲物を脇に抱えて、針からはずそうとしている。

 雨に打たれながら県道を歩き、安木集落を通過。この先は急勾配の上りになる。8:26に標高100mほどの峠を通過した。

集落が見えてきた

どの集落にも集落ごとの美しいプライベートビーチがあるように見える

山陰本線が下に見えてきた

峠の路肩には雪が残る

 下りにかかると左に山陰本線の線路が見えてきた。しばらく線路と並行して進み、線路の下をくぐった先が相谷(あいたに)集落。民宿と自販機がある。

左手にトンネルを抜けた山陰本線の線路が見えてきた

山陰本線をくぐる

相谷には民宿が数軒

相谷漁港

 眺めの良い道を歩き、9:07に豊岡市境を越えて浜須井集落に入る。集落の入り口には昔ながらの喫茶店。ちょっと食指が動いたが、我慢して先に進む。

眺めの良い県道11号線

県道開通記念碑。なんと昭和45年に開通ということは、それまではどうやって生活していた?

香美町から豊岡市に入る

道沿いに懐かし系の喫茶店

何の記念碑かと思ったら、道路の無料化の記念碑だった!え?これって生活道路じゃない?平成7年まで有料道路だったことのほうが驚きだ。

 9:18に須井トンネルを抜けた先にははさかり岩。2つの尖った岩の間に丸い岩が挟まった不思議な光景。巨人が戯れに持ち上げた岩がとポロリとこぼれ落ちたかのような。

須井トンネル

はさかり岩

道路脇には柳原白蓮の歌碑。

切浜集落が見えてきた

 しばらく歩いた切浜集落の漁港の先の崖にはポッカリと穴が空いている。見に行ってみる。淀の洞門という海蝕洞。海が穏やかで良かったが、荒れていたら水飛沫が恐ろしいぐらいだったろう。

淀の洞門

洞門からはすさまじい勢いで水しぶきが躍り出てくる

 洞門の岬から山手に進んで、10:00に国民休暇村竹野海岸に到着。過ごし良さそうなキャンプ場がある。雨の中をひと家族がテントを片付けていた。

国民休暇村竹野海岸

快適そうなキャンプ場がある

 国民休暇村から庵蛇浜まで下ってみた。ここにも大きな海蝕洞。向こう側に抜けられないか先に進んでみたが、途中で断念。小浦展望台に戻ってカフェオレとパンの朝食とした。

庵蛇浜。向こうには猫崎半島。

庵蛇浜にも海蝕崖。向こうの灯台まで通り抜けを試みたが水没した。

小浦展望台で小休止

 10:36に行動を再開し、10:56に竹野の西にある弁天浜キャンプ場に到着。現在は営業はお休みのよう。

弁天浜キャンプ場

弁天浜

キャンプサイトは松林の中

 この先は竹野港に並ぶ漁船を眺めて、西町の風情のある街並みを進む。竹野川に映る東町の家々が美しい。北前船で賑わった港の町は落ち着いた風情がある。

竹野港

イカ釣り漁船が並ぶ

竹野川を挟んだ東町の眺めも素晴らしい

 11:07に竹野川を竹野橋で越えて東町に進む。

竹野橋

竹野川に映える西町、東町、奥には猫崎半島

 その後、北前館という観光案内兼温泉施設で北前船に関連した展示を見学。

北前館

北前船の模型

 30分ほどで北前館を出て猫崎半島に進む。2つの盛り上がった山が猫の姿に似ているためにつけられた名前とのこと。

猫崎半島に進む

半島の西岸は厳しい表情の海蝕崖

油断すると波がせり上がってくる

波に打たれた跡だよね

白いプレートがたぶんゾウの足跡の化石

 11:55に標高50mほどの賀嶋公園を通過し、12:15に標高141mの賀嶋山を通過。コースは程よく整備されていた。

半島の東の道を上っていく

賀嶋公園

標高141mの賀嶋山を通過

ちょっと眺めの良いところを通過

 12:30に猫崎灯台に到着。ここが兵庫県の最北端になる。

猫崎灯台

 西から黒い雲が近づいてきているため急いで昼食とする。お湯を沸かしてカップヌードルを平らげ、締めはコーヒー。眺めの良いところで飲むコーヒーは格別。雨がぱらついてきたので13:00に行動再開。

ダッシュでお湯を沸かす

今日のランチ

ダッシュでコーヒー抽出

海コーヒー

 シーサイドホテルを経て、竹野浜を歩く。砂浜が心地良いが、雨が心配。13:50に観光センターに立ち寄って1時間で楽しめる竹野のおすすめコースを教えてもらった。

猫崎半島の付け根にある奥城崎シーサイドホテル

竹野浜

海岸沿いにある観光センター

 観光センターの親切な女性のおすすめコースというのが、竹野の巨大迷路区。本当に迷路のように入り組んだ街並み。地図をもらったものの、目標の神社や船主邸にはなかなか辿りつかない。幅1mほどの細い路地の街並みで、T字路やクランク、L字路が多く、都市計画は微塵も感じられない。どういう地割りで作られたのか不思議な街並み。消防車は絶対に入れないところがほとんどなので、再建築は困難。絶滅危惧街並みだろう。

迷路区

どういう地割りをしたらこんな風になったのだろう

 ようやく14:00に鷹野神社を探し当てた。次いで、14:15には観光協会の女性のおすすめのゴザで保護された興長寺に到着。本堂を冬の寒さから守るため、寄進されたゴザで本堂そのものを取り囲んでいる。今の季節しか見られない奇観だそうだ。でもこれも火事が心配。

鷹野神社にようやくたどり着いた

また迷子になる

龍海寺にたどり着いた

最後はゴザに囲まれた不思議な光景の興長寺

 この先は、八坂神社を経て、14:44に竹野駅に到着して行動終了。本日宿泊の香住に向かうための山陰本線を待つ。

八坂神社

竹野新橋

竹野川

豊岡市役所竹野庁舎

晩ご飯には海の幸

2024年2月11日 近畿自然歩道15日目(通算268日) 兵庫県三方郡香美町佐津〜豊岡市竹野 雨ときどき曇り 8/1℃ 行動距離20.0km 行動時間7:53 獲得高度764m 32792步 行動中飲水量150ml

往路交通: 香住6:35ー佐津6:46

復路交通: 竹野15:06-香住15:25