とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

近畿自然歩道16日目(通算269日) 兵庫県豊岡市竹野〜豊岡市城崎温泉 城崎にて

 本日は香住の宿で4:00に目を覚ました。雨音が聞こえる。とうとう3日とも雨かと、少し悲しい気持ちになる。雨対策のパッキングをして玄関でトレッキングシューズの紐を締める。宿のおばちゃんが出てきて、「おおきにな。気をつけてな。」と言ってあめちゃんを渡してくれた。ていねいに、雨の降る中を送り出してくれた。少し元気になった。

日の出の前に家を出る

おばちゃんのあめちゃん。ここは大阪の勢力下か。

 山陰本線は香住を定刻の6:35に発車。口に入れたあめちゃんがちょうど溶けおわったころ、竹野には6:56に到着。小雨が降っている。

竹野では山陰本線の上下列車が待ち合わせ

竹野駅を出たときにはパラリと降る程度

 西の空が明るいので、雨具をつけないまま行動開始。残念ながら7:05に竹野新橋を渡る頃には本格的に降ってきたためローソンで休憩とした。

竹野庁舎横を通過

竹野新橋を渡る

竹野川

 イートインで外を眺めながら朝食をとる。20分ほどで小降りになってきたため、行動再開。迷路のような竹野の町の中を進む。

竹野の町に進む

町中は迷路

消防法は大丈夫か?

焼杉の壁板は耐火性があるというが

迷う。

 ダウンジャケットを少し湿らせながら7:39に竹野浜に出た。雨は大したことはないが、風が強い。篭島が白い波に飲み込まれている。

竹野浜

砂浜にポツンと一軒家

向こうには猫崎半島

猫崎半島の陰を過ぎると波風が強い

 砂浜を歩いて7:50に県道11号線に合流。東に進む。歩道はない。幸い交通量は少ないが、波の音が大きく、風も強いため、後方から自動車が来ても気が付かない。自動車は大きく回り込んで避けてくれるが、海側のガードレール沿いは風で飛ばされそうで怖くて歩けない。

県道11号線の眺めは最高

篭島にドッカーンと波がぶつかる

道路まで潮水が飛んでくる

あまり海側に近づくと飛ばされそう

 県道はじわじわと高度を上げていく。傾斜が45°を越えるような、斜面を削り取った舗装路が続く。眺めは良いが、遥か下の海岸に打ち寄せる波の音は、聞いていると怖くなるほど大きい。

怖いほどだが、きれい

 8:20に最初の小集落宇日(うい)を通過。ここまで、雨は降ったり止んだりをくりかえしている。

宇日を通過

 さらに断崖の道は続く。振り返ると、一昨年歩いた下の廊下のよう。こちらは舗装路だが。

振り返ったこの景色は黒部渓谷の下の廊下のよう

海の色も黒部川を思い出す

 県道を離れて田久日の集落に下る。焼杉の壁板の家が、額を寄せるように立ち並んでいる。どの家も手入れされていて、朽ち落ちたような家はない。こんな厳しい自然の中によく暮らしているものだと感心する。自販機が1台。商店はないようだ。

県道から離れて田久日集落を覗いてみる

港口には激しい波が打ち寄せる

田久日のメインストリート

 集落を端から端まで歩き、再び県道に戻る。平家の里と小さな看板が出ている。本当にそうだろう。立派な県道ができるまでは、周辺の町に行くには後背の山をいくつも越えるか、船で町に行くかのどちらかしかなかったはずだ。

狭い谷間に額を寄せ合うような家並みが続く

平家の里

集落全景

地図を見ると海の反対の南側にはこんな山がいくつも続いている

 県道を上り、見晴らしの良いとこをまで行くと才の神古墳の碑が立っていた。古代の遺跡の跡。そして、平家の集落の見張り台があったようだ。ちょうど雨も上がったようだ。義経が攻めて来ないか見張りをしながら休憩をとることにした。

多久日を見下ろす位置に立つ才の神古墳の碑

ここで小休止

多久日を振り返るとすでに岬の陰に隠れている

 この先も眺めの良い道が続く。ここまでの山陰の海岸沿いの道と比べても、県道11号線はずいぶんと眺めが良い。斜面に背の高い木が生えていないからだ。それほどまでに風が強いのかもしれない。

丹後の経ヶ岬まで見えてきた

それにしても厳しい地形だ

竹野を離れて城崎エリアに入る

 10:00に北胆海岸道路開通記念碑を通過。裏側にこの県道が整備された経緯が書いてある。陸上自衛隊が道路の整備を行い、昭和37年に開通したそうだ。やはりそれまでは、集落の補給路は山越えだったのか。大変な状況だったろう。学校はどうしたんだ?

北胆海岸道路開通記念碑

 城崎カンツリークラブを通過してからは次第に高度を下げていく。途中の展望台で崖に向かって大きなレンズを据えている男性が2人いる。聞くと、崖につがいのハヤブサが営巣しているようだ。なかなか姿を現さないという。

この崖にハヤブサが営巣しているようだ

城崎マリンワールドから日和山海岸経ヶ岬まで一望

 坂を下り、トンネルをくぐって、10:30に城崎マリンワールドに到着。観光客が多い。しばらく日和山海岸の景色を楽しむ。

県道11号線はこのカーブの先で終点

トンネルをくぐると城崎マリンワールド

城崎マリンワールドと後ろにはホテル金波楼

絵画のような

後ヶ島

 県道を離れて瀬戸の集落の中を進む。対岸の津居山との間には瀬戸川が流れている。小さな橋を渡って津居山の家並みを歩く。

瀬戸集落。対岸は津居山。

瀬戸川を渡ってみる

こんな家にしばらく住んでみたいな

港橋の向こうは津居山漁港

 港橋を渡り、10:57に津居山漁港に到着。ここでしばし休憩。カモメが周りに集まってきた。パンが欲しかったのかもしれない。

津居山漁港のカニ船団

パンを取り出すと鳥が集まってくる

 15分ほどで歩き始める。県道3号線を進むが、歩道がない。狭い道をマリンワールドに向かう車やバスが盛んに行き交う危険な道路。他に選択肢はないが、できれば歩きたくない。

県道3号線を歩き始める

 11:23に港大橋を通過。円山川にかかる橋だ。この辺りは道路が直線で、車の速度が速く、歩道がないため歩くには危険なレベル。

港大橋

歩道がない

路側帯も狭く危険

 なんとか無事に11:55に城崎温泉の大谷川にかかる大谷橋についた時にはホッとした。本当に、県道3号線の瀬戸から城崎温泉は、歩くのは危険すぎる。

城崎温泉に向けて円山川に架橋中

温泉街の入口の大谷橋にようやく到着

落ち着いた町並みの城崎温泉

 地蔵湯の脇を通過して、城崎文芸館の横から大師山に向かう山道に取り掛かる。コースはわかりやすい。12:18に城崎温泉全体が見渡せる愛宕神社に到着。先に進む。

城崎文芸館

文芸館の裏手から山道に取り付く

城崎温泉を俯瞰する

 道沿いにはたくさんの仏様が並んでいる。踏み跡もしっかりついており、みんなに愛されている山だとわかる。12:56に大師山ロープウェイ駅に到着。ここも景色が良い。

大師山への道はよく整備されている

名前の由来どおりか石像が山道に沿って立ち並ぶ

城崎ロープウェイ大師山駅

 この先はアップダウンの少ない快適な林道。ロープウェイの管理に使っているのだろう。車の轍が砂利を敷いた道にしっかりついている。

快適な林道を進む

 13:26に来日岳の分岐を右折。ここからは下り。ところどころ舗装されている。シカがしきりに鳴いている。谷川に沿った道は冷え込んでいる。

来日岳の分岐を右折して下っていく

 13:53に県道9号線に合流。右折して城崎温泉に向かう。13:39に志賀直哉の「城崎にて」に出てくる桑の木を通過。中学校の頃読んだが、そのくだりは覚えていないな。

県道9号線に合流

道路沿いに残る桑の木

 湯島跨線橋を越えて、14:16に城崎国際アートセンター前を通過。中身も気になるが、今回はパス。前もって予習しておけばよかった。

湯島跨線橋からトンネルを抜けた山陰本線の線路が見えてきた

特急はまかぜが通過していった

城崎国際アートセンター

 ここからはホテルや旅館の立ち並ぶ温泉街。川を挟んで、両側に遊歩道。観光客がそぞろ歩く。

温泉街に出てきた

薬師源泉

 14:32に温泉寺にお参りしてから、城崎温泉で一番人気だという御所の湯に14:40に到着。入り口に行列ができている。なんと、入湯の順番待ちだという。待ち時間を聞いたら30分ほど待つだろうとのこと。

温泉寺

御所の湯

 列の最後尾に並んで待つこととした。意外と早く列が進み、15分ほどで入場できた。しかし、御所の湯は並んだ甲斐があった。露天風呂のみのシンプルな構造だが、山から湯が流れ落ちてくる風景が素晴らしかった。

 温泉を堪能して16:00に行動再開。お隣の四所神社にお参りしてから、16:18に城崎温泉駅に到着して行動終了。

四所神社

一の湯

駅前通

美味しそうだけど、ちょっと手が出ない

駅前の飲用泉

下駄奉納

JR城崎温泉駅

特急こうのとり。これには乗っていません。

特急はまかぜに乗って博多への帰途につく

姫路で新幹線みずほに乗り換え

2024年2月12日 近畿自然歩道16日目(通算269日) 兵庫県豊岡市竹野〜兵庫県豊岡市城崎温泉 曇りのち晴れ 9/2℃ 行動距離24.7km 行動時間9:18 獲得高度764m 37834歩 行動中飲水量300ml

往路交通: 香住6:35-竹野6:56

復路交通: 城崎温泉17:17はまかぜ6号-姫路18:59/19:22みずほ613号-博多21:22