とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

すきま散歩 渡来人と不彌国の遺跡巡り

 本日の日曜も福岡近郊のすきま散歩。西鉄天神駅を9:44に出発する各駅停車に乗車。9:59に雑餉隈(ざっしょのくま)駅で下車。

西鉄大牟田

 雑餉隈は行ってみたかった駅。福岡の難読駅名ランキング1位。どんなところかと期待が膨らむ。

雑餉隈で初の下車

 雑餉隈駅は鉄道高架化のために全面改装中。出口までの通路に以前のホームの名残が残る。

旧ホームらしき構造が残る

高架の下に上下線のホーム跡

駅前にはフレンドリーな雰囲気の店

住宅街の中を進む

 10:08に駅前から行動開始。住宅地を抜けて、片側2車線の県道112号線を北上。10:23に福岡市埋蔵文化財センターに到着。無料だが展示はわかりやすい。埋蔵文化財調査の方法を丁寧に解説したパネル展示が勉強になる。受付の女性が金隈遺跡に是非行ってと勧めてくれる。

県道112号線を北に進む

福岡市埋蔵文化財センター

素人の私にもわかりやすい解説パネル

 金隈遺跡に行きましょう。東に進むと御笠川に行く手を阻まれ、しばらく上流に進む。御笠川はちょうど福岡空港に着陸する飛行機の進入路にあたり、頭上を大きな機体が越えていく。

御笠川沿いに上流の橋に向かって進む

飛行機が通過するたびに見上げてしまうよね

 11:10に金隈大橋でようやく御笠川を渡り、しばらく下流に戻ってから、国道3号線を横断した。

金隈大橋を渡る

福岡空港はもうすぐ先だ

 横断した先に金隈遺跡の表示を見つけたが、同時にチャーハンの看板も目に入ってしまった。仕方がない。11:30と少し早いが、チャーハンとギョーザの昼食とした。

この誘惑には勝てん

パラパラのチャーハン美味し

 20分ほどで食事を終え、金隈遺跡に向かう。国道3号線から丘の上に上がり、12:00に金隈遺跡に到着。遺跡の中の道を上ると金隈遺跡甕棺(かめかん)展示館。広い屋内に甕棺墓91基、土壙墓34基、人骨4体を発掘されたままの状態で屋内展示してある。壮大な展示だ。

金隈遺跡に進む

金隈遺跡甕棺展示館

発掘されたままの状態で展示

図のような状態で発掘された現場を方形にそのまま展示というスケールの大きさ

 親切な受付の女性が解説をしてくれる。この遺跡は弥生時代前期の中頃(紀元前2世紀)から後期の前半(2世紀)までの約400年間にわたって営まれた共同墓地と考えられているとのこと。非埋葬者は縄文人ではなく渡来人の骨格を持つという。

1600年以上前のリアル人骨

古墳もあり

古墳の上を飛行機が飛ぶのって、なんだかシュールだ

 20分ほどで金隈遺跡を後にして、次の目標の今里不動古墳に向かう。住宅街の中にあるこの古墳はなかなか見つからなかったが、鳥料理の店の脇の狭い路地を入ると、それらしい小高い丘が目の前に現れた。小さな看板が掲げられた狭い道をそろいそろりと下ると小屋があり、その後ろに開口部が見える。石室への入り口のよう。照明はない。iPhoneの照明をオンにして恐る恐る石室の中に入っていく。立ち上がれるほど広い。玄室と思われる広間の一番奥には何やら祀られている。祟られそうな気配がしたので、手を合わせて早々に退散した。

ようやく見つけた今里不動古墳

微妙に狭い進入路

説明板は立派

恐る恐る進む

じつは閉所が苦手

手を合わせてすぐに脱出

 さらに住宅地の中を進む。知らないうちに大野城市に入っていた。住宅街の突き当たる乙金山の麓の善一田古墳群には13:09に到着。この古墳群は圧巻。山裾に30基ほどの古墳がひしめいている。

大野城市に入る。正面には乙金山

善一田古墳の標識が出てきた

すごい規模の古墳群だ

 この古墳群は6世紀後半から7世紀にかけて築かれたもので、被埋葬者は6世紀中ごろにこの地に進出した渡来人とされている。

16号墳(手前)と最大の18号墳(奥)

18号墳

内部も覗くことができる

 古墳の保存状態はよく、解説版も丁寧。死ぬまでに見るべき古墳群に認定。

善一田古墳群から福岡の油山(手前)と背振山系(奥)

 13:32に善一田古墳を離れ、峠に向かって進む。九州自動車道の高架をくぐり、その先の西鉄バス宇美営業所を通過。宇美の街並みに進む。

「おとがな」なんだな

西鉄バス宇美営業所

宇美の町並み

 14:10に宇美八幡宮に到着。境内の巨大なクスノキが目を引く。参拝客で賑わう本殿にお参りする。

宇美八幡宮参道

宇美八幡宮

巨大なクスノキ

 境内のすぐ横の宇美町立歴史民俗資料館にも立ち寄る。近隣の遺跡や古墳の展示と解説が豊富。先週は魏志倭人伝に出てくる奴国と考えられる春日市あたりを歩いていたが、奴国から100里で至る不彌国とは宇美のことかと資料館には書かれていた。だんだん邪馬台国に近づいてきた。

宇美町立歴史民俗資料館

最近の遺跡巡りですっかり歴史が好きになってしまった

宇美は炭鉱の町

1985年までJR勝田線が運行されていた

 資料館を14:32に後にして、子安通りを進む。赤い欄干の子安新橋で宇美川と道路を越え、宇美公園内に進む。

子安通り

子安新橋

 階段の先には応神天皇胞衣浦(えながうら)。胞衣とは胎盤のことで、ここで応神天皇が生誕したよう。この丘には神領古墳群があり、6基の古墳があったはずだが、見つからない。文字が掠れて読めなくなった看板だけが立っていた。

このあたりが古墳のような

ヒントが少ない

 宇美公園の丘から下り、緑道を進む。自転車と歩行者だけが通行できる快適な道。勾配が少なく、直線だ。ひょっとしたら宇美町立歴史民俗資料館でみた国鉄勝田線の廃線跡か?もしそうだったら、今度は勝田線の廃線跡巡りも面白そうだ。

緑道に進む

快適。この快適さはトロッコ道の快適さに似ている。

古墳らしき丘陵が見えてきた

 緑道を快適に進み、15:10に光正寺古墳に到着。3世紀半ばの前方後円墳で、墳長54mと巨大。前方部が2段、後円部が3段に築成されており、美しい。

光正寺古墳

光正寺古墳

光正寺古墳

光正寺古墳から宇美の町を眺める

若杉山

 光正寺古墳から住宅地をわずかに進むと、住宅地の中に直径29mの円墳の七夕池古墳。5世紀後半の築造とされている。円墳の頂から見える光正寺古墳の姿がことに素晴らしい。

七夕池古墳

七夕池古墳は円墳

七夕池古墳から光正寺古墳を眺める

 この先は住宅地の中を進む。佛の浦配水所を通過し、九州自動車道の高架をくぐり、15:50にJR香椎線の須恵中央駅に到着。本日はここで行動終了として、帰途に着いた。

佛の浦配水所

2024年1月21日 すきま散歩 渡来人と不彌国の遺跡巡り 曇りときどき雨 12/9℃ 行動距離15.8km 行動時間5:48 獲得高度210m 25648歩

往路交通:西鉄天神駅9:44西鉄天神大牟田線雑餉隈9:59

復路交通:須恵中央16:02JR香椎線-16:14長者原/16:23JR福北ゆたか線-16:37博多

すきま散歩 筑紫野遺跡巡り

 さて、本日も日程の都合のために自然歩道歩きはお休み。6時に目を覚ましたものの、天気予報は一日中雨。うーむ、どうしよう。福岡近郊で、雨に降られても楽しめそうなコースで、できれば最後に雨に濡れた体を温める温泉に立ち寄れるプランはないか?ベッドの中でYAMAPの活動記録を眺めながら考える。

 迷ったすえ、博多駅を9:00に出発する鳥栖行きの鹿児島本線快速に乗車して、9:28に原田駅に到着した。駅前でYAMAPの地図をダウンロードして9:37に行動開始。今日は筑紫野エリアの遺跡を巡ることにした。ポツリポツリと細かな雨が降る。

原田は長崎街道の宿の一つで、伊能忠敬も滞在したよう

 まずは9:50に五郎山古墳に到着。古墳見学は予備知識があるとなお楽しい。最初に隣接した五郎山古墳館に立ち寄って予習することにした。女性の館員の方が丁寧に説明してくれる。案内のビデオを2本、合計40分間鑑賞したが、なかなか出来が良くて楽しめた。

住宅街の先に古墳の丘が見えてきた

五郎山古墳館

まずは予習をしよう

 ビデオの後は、カンテラを借りて館内にある実物大の石室模型の中を見学。真っ暗な羨道(せんどう。遺体を安置した玄室への通路)を経て玄室に入る。復元された装飾壁画が見事。油断して玄室から出る時に思い切り頭をぶつけてしまったので要注意。

カンテラを手に真っ暗な羨道に向かう

玄室内がぼんやり見えてきた

見事な彩色壁画が再現してある

 1時間ほども滞在した後、五郎山古墳に上る。6世紀後半、古墳時代が終わりを告げようというタイミングの円墳で、直径約35メートル。かつては内部を見学できたようだが、現在は石室内部をのぞくことはできず、外観を眺めるのみ。小雨混じりの風が冷たい。

ツバキの花を踏みながら坂を上る

堂々とした円墳

 五郎山公園を歩いて、金毘羅神社にお参り。

五郎山公園

金比羅神社

金比羅神社

 階段を下りると井出ちゃんぽんの看板が見えた。唾液が自然に分泌してきた。ちょっと早めだがクリーミーなスープとたっぷり野菜の井出ちゃんぽんの魅力には勝てない。昼食をとることとした。

井手ちゃんぽんはMyちゃんぽんランキング3位

普通盛りでこの野菜。麺まで3分。野菜盛りにしたときに油断すると野菜タワーが倒れてくる。

 胃袋を満たして11:30に行動再開。今日はなかなか先に進まない。11:40に筑紫神社にお参り。

筑紫神社参道を進む

筑紫神社

 神社からは東に進路を変え、栗木橋国道3号線を越える。住宅地を縫うように進み、12:05に筑紫野前畑遺跡と思われるエリアに到着。遺跡の痕跡や説明版でもないかと探すが見つからない。

木橋国道3号線を越える

正面には太宰府宝満山

このあたりが筑紫野前畑遺跡のはずなのだが

何も見つからない、、、

 やむなく森の中を歩いて南に進む。県道200号線を熊橋で越え、地図に表示されていた気になる名前の捨て身の松神社に立ち寄ってみる。

ピンクテープと調査杭のようなものは見えるが

いい感じの給水塔

捨て身の松神社

捨て身の松神社

 予想していたのと少し違う。どうも宗教施設の中に迷い込んでしまったようだ。早々に立ち去ろう。

どうも雰囲気が違う

 13:08に住宅街の中の津古1号墳に到着した。4世紀前半の墳長42mの前方後円墳。周囲には2号墳と3号墳があったらしいが、現在残るのは1号墳のみ。周囲にはびっしりと住宅が立ち並ぶので、仕方のないことなのだろう。

筑紫野市から小郡市に入る

住宅地の中に津古1号墳

津古1号墳

津古1号墳

こんな住宅地の中によく残してくれました

 13:20に西鉄跨線橋を越え、次の目標の津古生掛(つこしょうがけ)古墳を探す。ここも住宅に囲まれている。不審者と思われないように気をつけながら住宅街の中を彷徨くが、古墳らしきものは見当たらない。もしやと思って立ち寄った生掛公園に、ようやく津古生掛古墳の説明版が見つかった。説明板によると3世紀末頃に造られた墳長33mの前方後円墳だったが、宅地造成の後に公園になってしまったという。

跨線橋西鉄の軌道を越える

生掛公園

ここが津古生掛古墳(跡)でした

 次に向かったのは三国の鼻1号墳。これも見つけにくかった。大きな通りに沿った宝満川浄化センターの隣に説明版があった。4世紀後半に造られた墳長66mの前方後円墳だが、古墳そのものはなくなっているよう。金網に囲まれており、一帯は外から眺めるとたんなる森になっている。

宝満川浄化センター

このあたり

周囲は田園

 西に進路を変え、住宅地の中を進む。14:05に横隈山古墳に到着した。こちらは5世紀中頃に造られた墳長31.6mの前方後円墳。住宅街の中に聳えるように残されている。市民活動により保存されたよう。整備状態も良く、うれしいかぎり。

横隈山古墳

市民の運動で残された

前方後円墳の姿を残す

 次に北に進んで、14:15に井の浦1号墳に到着。三国が丘駅近くの井浦公園内にあり、6世紀後半に造られた直径23mの円墳。

井浦公園

貯水池のほとり

井の浦1号墳

 ここからは三国が丘駅構内を通過して三沢遺跡に向かう。丘全体が遺跡となっているようだ。弥生時代の農村集落や古墳群が発掘されているようだが、遺跡の展示や説明板は見つからなかった。

三国が丘駅

三沢遺跡

この丘あたりが三沢遺跡か

見学できそうなものは見当たらない

 丘を下る時から雨が強くなってきた。さいわい5分ほど進んで、14:45に九州歴史資料館に到着した。ここも素晴らしい展示物。太宰府政庁に関する資料が多い。雨が小降りになるのを待って15:40に先に進んだ。

九州歴史資料館

太宰府政庁に関連した展示物が多かった

 5分ほど歩いて小郡市埋蔵文化財調査センターに到着。ここの展示は小規模。10分ほど見学して、次の一の口遺跡に進む。とはいってもここは道路脇の説明版のみで、遺跡はすでに住宅の下に埋め戻され、埋蔵文化財はセンターに所蔵されている。

小郡市埋蔵文化財調査センター

一の口遺跡はこのあたりにあったはず

 小雨の降る中を進んで、筑紫野温泉アマンディに16:30に到着。バリ風の温泉施設にすっかりくつろぐ。のんびりとお湯に浸かり、お風呂の後は早めの晩御飯。魚料理が美味し。レストラン内に県境があるのが驚き。

筑紫野温泉アマンディ

 18:35にアマンディを後にした。すでに真っ暗となった18:53にJRけやき台駅に到着して行動終了。

けやき台駅に向かう

鹿児島本線で帰途につく

2024年1月20日 すきま散歩 筑紫野遺跡巡り 雨 12/9℃ 行動距離21.4km 行動時間9:13 獲得高度396m 30152歩 200ml 

往路交通:博多9:00鹿児島本線ー原田9:28

復路交通:けやき台19:04鹿児島本線ー博多19:44

 

すきま散歩 奴国遺跡巡り

 自然歩道歩きを休みとした本日も福岡近辺ですきま散歩。今回のテーマは遺跡歩き。近ごろYAMAPをフォローしていただいているねこやんのツレさんの活動記録にインスパイアーされたもの。

 博多駅から10:09発の特急博多南線に乗車。じつはこれも今回の目的の一つ。特急博多南線とは、1990年から運営されている、博多駅から車両基地までの回送便を旅客運送に使用している路線。本来、博多駅で運行が終わる新幹線車両の行先表示が「博多南」と変わり、新幹線車両で9kmほど先の車両基地博多南駅まで乗れてしまう。

新幹線500系が入線

博多南行に表示が変わる。ここからは在来線特急となる。

 本日の車両は新幹線500系。日本の営業運転で初の時速300km越えの車両で、いまだに日本最速の営業運転車両。現在は山陽新幹線のこだまに運用されているのが悲しい。

 日曜の本日は乗客が少ない。ざっとみると鉄道好きの子供連れが5組ぐらいだけ。博多駅を出発したのち、ゆっくりと運転を続け、九州新幹線の線路から外れて10:17に博多南駅に到着。車両基地の写真を撮ってから10:30に行動開始。

博多南までの最高時速は120km/hとのんびり。ここで九州新幹線の軌道から車両基地への引き込み線に変わる。

新幹線の高架から下りていく

博多南では写真を撮影している親子連れが多い

ずらりと並んだ700系を従える500系

こんな経験が330円でできるのも魅力

 博多南駅を出て新幹線の高架を潜って新幹線車両基地の東に出る。線路に沿って南に歩き、10:39に門田遺跡跡に到着。ここは交差点に取り残された小さな緑地。春日市教育委員会の標のみで、他に遺跡らしいものはなし。

博多南駅をスタート

高架をくぐって東に進む

車両基地を眺めながら南に進む

道路の三角地帯が門田遺跡跡

これだけ

 ここからは北に向かって住宅地の中を歩き、10:47に日拝塚古墳に到着。「ひはいづか」と読ませる。住宅地の中にいきなりドンと現れる、形態保存の良好な前方後円墳。6世紀に築造され、墳長は60m程度。墳丘の主軸がほぼ東西を向いており、彼岸の時期には東方約16kmにある信仰対象の大根地山(おおねちやま)から昇る太陽を拝めることから、「日を拝む塚」として「日拝塚」と呼ばれるようになったという。

住宅地に突如現れる日拝塚古墳

日拝塚古墳

 次は南東に1kmほど進んだところにある水城跡を中心とした天神山水城跡に11:09に到着。

天神山水城跡

天神山2号墳(円墳、墳径10m)

天神山1号墳(前方後円墳、墳長35m)

 水城とは、7世紀に唐・新羅の侵攻を恐れた大和朝廷大宰府を防衛するために築造した土塁。東の太宰府から大水城が連なっているが、この辺りは比較的小規模な小水城。天神山土塁は水城の西端で、墳長35mの前方後円墳と墳径10mの円墳からなる天神山古墳をその端に持つ。

天神山から連なる水城

住宅街の中に進んでいく

 水城跡を辿るようにして東に進む。11:30に昇町の大土居水城跡の南から散策路を進む。ゴルフ練習場の塀が土塁感のある石垣だが、これはたぶん水城の跡ではないだろう。

大土居水城跡は遊歩道となっている

水城のようなそうでないような

この石垣は水城ではないか

 寺田池を通過して、12:07に下白水大塚古墳に到着。住宅街の中で、しかも本体には立ち入り禁止となっているため全貌が掴みにくい。6世紀の前方後円墳で、墳長は36m。

寺田池

下白水大塚古墳。周辺は立ち入り禁止。

下白水大塚古墳

 福岡女学院、春日中学校、上散田公園と経て、12:30に須玖岡本遺跡に到着。

福岡女学院

春日中学校

上散田公園

 丘の上には白いドームが2つ。弥生時代の甕棺墓(かめかんぼ、2つのかめを合わせた棺で埋葬者を弔っていた)が発掘時の状態で保存されたもの。王墓の甕棺墓を覆っていた上石(うえいし)も展示されている。

須玖岡本遺跡の中心部の2つのドーム

ドームの中には甕棺墓などが発掘時のまま保存展示されている

王墓の上石

 近隣には王墓や王族の墓も見つかっており、このあたりが奴国の中心地であったと考えられている。

 隣接する春日市奴国の丘歴史資料館に立ち寄る。青銅の生産工程がかなり詳しく再現されている。面白い。

春日市奴国の丘歴史資料館

展示物も充実。個人的には青銅器鋳造のプロセスの解説が面白かった。

 13:00に歴史資料館を後にして、春日市奴国の丘歴史資料館前を過ぎる。正門を過ぎたところのコンビニで食料を購入して、イートインで昼食とした。

春日市奴国の丘歴史資料館

本日のランチ

 西鉄天神大牟田線の踏切を渡り、三筑小学校と三筑中学校の周囲をぐるっと回って、この辺りから発掘されたはずの三筑遺跡の痕跡を探すが見つからない。大型重機が入っているから、何かの工事ですでに埋め戻されてしまったかもしれない。

三筑小学校

ひょっとしたら遺跡は工事の土中か?

 やむなく先に進む。諸岡池を経由して14:22に滝見天神社の丘の上に到着。天神社の裏手には5基の古墳があるはずだが、2基ほどしか確認できない。諸岡八幡宮にお参りして先に進む。

諸岡池

滝見天神社

このあたりが円墳か?

諸岡八幡宮

コース上にはハムの自販機

 諸岡川を渡って14:45に板付遺跡に到着。縄文から弥生時代にかけての環濠集落が再現されている。幅2~4m、深さ約2~3mの溝が東西約80m、南北約110mの楕円形に掘られた環濠集落。日本で最も早く稲作農耕が開始されたとされている。

板付遺跡

大きな環濠集落

竪穴式住居の復元モデルもある

 隣にある板付遺跡弥生館に立ち寄ってみる。遺跡から発掘された縄文式土器弥生式土器や炭化した米など、貴重な資料が大量に展示してある。学芸員の方が丁寧に説明してくれる。素晴らしい施設だった。

遺跡のそばにある板付遺跡弥生館

展示物が充実しているが、なによりも学芸員の方の解説が素晴らしい

板付遺跡弥生館の外には弥生時代の水田を再現したものもある

 15:30に弥生館を出て、再び諸岡川を越えて西に戻り、15:47にららぽーとにあるガンダム立像の写真を撮る。観光客でいっぱいだ。

日本中の男子はこれは好きだよね!

 竹下駅のあたりで弥生館の学芸員の方から教わった古墳を探してみるが見つからない。

公園の片隅のこれかな?

地禄神社

 しかたがない。アサヒビール博多工場を経由して、16:30に春住小学校のグラウンドとして使われている比恵遺跡に到着。サッカー少年に断りながら、グラウンドの橋にある遺跡の説明版を撮影。遺跡は埋め戻されて何もなし。

アサヒビール博多工場

比恵遺跡は小学校のグランド

比恵遺跡

 竹下通りを北に進み、16:57に博多駅に到着して行動終了。

SANKO

都ホテル

博多駅筑紫口

ここで行動終了

往路交通:博多10:09特急博多南線博多南10:17

2024年1月14日 すきま散歩 奴国遺跡巡り

晴れ 14/1℃ 行動距離20.7km 行動時間6:25 獲得高度90m 33020歩 行動中飲水量600ml 

すきま散歩 宗像四塚縦走

 今週末の自然歩道トレッキングは日程が折り合わずお休み。土曜日の本日は福岡近郊の宗像にある湯川山、孔大寺山、金山、城山からなる四塚連山の縦走に行ってみることとした。

博多からJR鹿児島本線に乗車

 博多7:14発の鹿児島本線快速に乗り、7:50に東郷に到着。8:00発の西鉄バス2番鐘崎車庫行に乗車して、8:27に門前バス停に到着して行動開始。正面に湯川山を眺めながらまっすぐな道を進む。

東郷駅で下車

西鉄バスで登山口に向かう

門前が最寄りのバス停になる

バス停から真っ直ぐ延びる道の先には最初の目標の湯川山

 気になるカフェ、宗像氏貞公墓を通過して、地島大島を海上に眺めながら8:50に承福寺に到着してまずはお参り。お寺の裏手には登山者のための駐車場がある。宗像今門登山口から山道を登り始める。

なんとなくよさげなカフェ

猿田彦の石像

宗像氏貞公墓

沖合には大島

承福寺

お寺の裏手に登山口

 少し湿った山道にはイノシシの泥遊びをするヌタ場が見られる。9:00に舗装路を横断して急坂を登る。9:27も弥勒尾の峰(325m)の小さな祠に到着。眺望はない。

ちょっと湿った山道を登り始める

途中で舗装路を横切る

イノシシのどろんこ遊びの現場

けっこう急な上り

弥勒尾の峰

ここに祠がある

 この先は尾根に沿った快適な道。9:50に湯川山(471m)頂上に到着。男性がカメラのレンズをいっぱいに伸ばして写真撮影をしている。尋ねてみると沖ノ島の写真撮影を試みているとのこと。残念ながら今日は霞が強く、75km先の島は見えないよう。

弥勒尾の峰からは傾斜が緩やかになる

電波塔を経由して

山頂に到着

霞んでいて沖ノ島は見えない

 頂上のベンチに腰を下ろして、紅茶を飲んでから10:05に行動再開。5分でパノラマ展望所に立ち寄り、パラグライダーのテイクオフに使われていたゲレンデからさつき松原の海岸線と自衛隊芦屋基地の滑走路、北九州市若松の高塔山、八幡の帆柱山、小倉南の足立山、そして本州下関の山々を眺める。

山頂からすぐのパノラマ展望台からの眺めは最高

 パノラマ展望所からはしばらく舗装路を歩いて、九州電力湯川山無線中継所から尾根の山道に進む。広葉樹に囲まれた道は10:23にうさぎ道とかめ道に分かれる。うさぎを選択して10:56に垂見垂見峠で国道495号線を渡る。

山頂から少し舗装路を歩く

広葉樹の快適な道を進む

まだまだ元気だ。ウサギに行こう。

垂見峠

峠には国道が走る

 ここから進む山道はかなりの急坂。フリースを脱いでTシャツ1枚になる。広葉樹の道を歩いて11:28に行重山(325m)に到着。ぎょうじゅうやまと読ませる。眺望なし。ベンチに腰を下ろしてココアで休憩。

垂見峠からはかなりの勾配

汗をカキカキ上っていく

行重山で小休止

 11:40に行動再開。稜線の道を進む。五位の石を通過して、12:12に孔大寺山(499m)に到着。眺望はないが、いくつもベンチが備えてある。コーヒーを淹れて手作りのサンドイッチでランチとした。

五位の石

快適な稜線の道

孔大寺山

孔大寺山でランチ

 12:30に行動を再開し、13:00に地蔵峠まで下る。ここで県道を横断し、急な山道を再び進む。広葉樹が多く、小鳥のさえずりが盛んに聞こえる。名前がわからないのが残念。

地蔵峠

峠から再び登る

孔大寺山を振り返る

東の方向が開けて、海がきれいだ

 13:40に金山北岳(317m)、14:00に金山南岳(318m)を通過。南岳からは福岡の眺望。

金山北岳

金山南岳

福岡の市街地が見通せる

 14:13に石峠に下る。ここには大量の積み石。これが峠の名前の由来か?

石峠の積み石

 再び広葉樹の多い山道を登って14:40に城山(369m)に到着。じょうやまと読ませる。大人気の山のようで、人が多く、ベンチや石碑などよく整備されている。

上る上る

心地よく上る

城山に到着

お城のモニュメントかな?

 城山からの眺望も良い。今日歩いてきた湯川山、孔大寺山、金山が一望でき、さらには湯川山の左に沖ノ島がはっきり見えて感激した。沖ノ島は意外と大きい。かつて朝鮮半島との往来の目標とされていたのもわかる。気温は5℃と少し涼しい。

金山南岳、北岳、孔大寺山と並ぶ。金山の上のあたりに沖ノ島が見える。

城山はキヌガサタケで有名らしい。これは展示されていた写真。

赤間に向かって下っていこう

 下山路を進み始めると、女性が道端で写真を撮っている。草花はない。声をかけると鬼女蘭(キジョラン)の種だと教えてくれる。アサギマダラが卵を産みつける植物の種。これは知識のある人でないとわからない。教えてもらえてよかった。

城山登山路は丁寧に整備されている

これがキジョランの種だと教えてくれた

 よく整備された道を下って、15:23に赤間登山口に到着。宗像岡垣四塚縦走路はここで終わり。登山口にはトイレと水場があり、自動車も何台か停められている。

赤間登山口

舗装路を下る。城山を振り返る。

 ここからは舗装路を進んで、福岡教育大学グラウンド横を通過して15:48にJR教育大前駅に到着して行動終了。15:56発の鹿児島本線に乗って帰途についた。

福岡教育大学グランドを通過

西鉄バス赤間営業所

JRだ

往路交通:博多7:14JR鹿児島本線快速-東郷7:50/8:00西鉄バス2番鐘崎車庫行-門前8:27

復路交通:教育大前15:56JR鹿児島本線-博多16:55

2024年1月13日 すきま散歩 宗像岡垣四塚縦走 晴れ 11/6℃ 行動距離13.4km 行動時間7:14 獲得高度1515m 30828歩 行動中飲水量750ml

東海自然歩道44日目(通算266日) 山梨県南部町奥山温泉~南部町井出駅 ミツマタが紙幣の原料だって知ってた?

 本日は南部町営の奥山温泉で5:00に起床した。6:00から使用できる朝風呂に浸かる。pH9.0のアルカリ温泉で、肌がスベスベになったような気がする。日の出は6:55。谷の深いこの温泉にまだ日は差し込んでこないが、露天風呂のまわりが明るくなってきた。37℃のぬるいお湯の中でまどろみながらお湯を楽しむ。極楽。

清潔でなかなか快適な温泉宿だった

 7:30から朝食を済ませて、7:58に行動開始。標高571mの山深い温泉の外気温は-2℃。キーンと音がしそうに冷えている。

空気がキンキンに冷えている

 温泉を少し下ったキャンプ場には5、6張りのテント。焚き火の煙が漂ってくる。福士川にかかる椹(さわら)橋を渡って、舗装路をズンズン下っていく。

キャンプ場はオートキャンプ場の設定のよう

きれいな川沿いのキャンプ場だが、水音が少しうるさいかも

 自動車の通行は10分に1台ほど。温泉から先は自動車通行止めなので、運転するのは温泉関係者だけだろう。

奥山温泉から徳間に至る道もところどころ補修中

ガードレールがこんなになってしまったのだよね。

 夕陽川橋の傍に滝。名は書いてない。道の両脇にはミツマタが多い。遊覧橋にも滝。これも名称は不明。残念。

夕日川橋の滝。美しい。

道路脇にはミツマタがつぼみを付ける

遊覧橋の横にも滝が

 さらに下る。道路脇のサクラが咲いている。ちょっと早すぎる。5弁で小ぶりな薄いピンクの花。以前、生花店で見たケイオウザクラに似ているが、品種は分からない。そば処ひのきと徳間キャンプ場を通過。

そば処ひのき

キャンプ場もある

 9:07に徳間に到着。バス停とトイレあり。標高は222mで、500m以上下ったことになる。

徳間バス停

 徳間からは蟠竜(ばんりゅう)橋を渡って、福士川の反対側の山裾を上っていく。かなり急傾斜のコンクリート舗装で、汗が滲んできた。

蟠竜橋

かなり急なコンクリート舗装路を上っていく

上りの途中にも滝

 9:37に上徳間集落を通過。道の両側がミツマタ並木になっている。集落最後の家を通過して、スギ林の中の舗装路を上って行く。

上徳間はミツマタだらけ

上徳間を通過してスギ林の中を進んでいく

峠に向かう

 9:57にピーク近くの分岐を右に進むと、コンクリート舗装は途切れ、しだいに勾配は緩やかになっていく。心地よい林道歩きを楽しんでいると、左斜面に見渡す限りのミツマタ群生。尾根までミツマタが続く大群落だった。1か月ほど後には素晴らしい光景が拡がっているだろう。

分岐を右に進む

ほぼ平らな道を進む

ミツマタが増えてきた

一面のミツマタ

尾根まで続くミツマタの群生

 そういえば、以前読んだ真保裕一の「奪取」という小説に、富士市あたりの印刷工場に逃避行中の偽札犯人が、富士山の見える山にミツマタを大量に栽培して紙幣の原料にするというくだりがあったのを思いだした。たしかミツマタの群生地近くに、犯人達が印刷機を埋めて平らになった地面があったはず。ひょっとしたら印刷機の部品でも落ちていないかと探してみたりした。

偽紙幣印刷をテーマとしたクライムノベルの傑作。こんなことまで書いて大丈夫か?と思うような詳細な記述に目を見張ってしまった。

ミツマタ栽培はこのあたり

 10:38に鯨野方向に分岐を進み、11:01に舗装路に合流した。法面工事現場を通過して、11:17に鯨野に到着。舗装路を進み始めたところで、通り過ぎた自動車が路肩に止まり、男性が駆け寄ってきた。何かと思ったら、先日このあたりに熊が出たから山歩きは気をつけなさいと、ご親切に教えてくれる。

林道から鯨野に向かって下る

コースは頑張って整備してもらっている

舗装路に合流する。法面工事中。

コンクリート舗装にゴム製のブレードが埋め込んである

排水のためだろう

鯨野集落手前にはトイレあり

 別荘地を抜けて、そば宿福いち、民宿なかぞねと通過。この2つは事前のリサーチで見つかっていなかった。どちらも気になる宿。

そば宿福いち

民宿なかぞね

 11:30に向田集落を通過してから、六地蔵公園に立ち寄る。六体並んだお地蔵さんの向こうに雪をいただいた富士山。新富嶽百景に選定された場所らしい。コーヒーを淹れて富士山と一緒に堪能。

六地蔵

コーヒーを淹れよう

富士山を眺めながら

 12:05に行動再開し、12:20に坂本集落を通過。ここから再び山道に進むと、すぐに地図にはない舗装路に合流。完全に廃道化した荒れた道だが、ガードレールがある。道沿いの木にはピンクテープがところどころに巻かれているので、東海自然歩道で間違いはなさそう。しばらくすると舗装は途切れ、さらに斜面を上るときれいな舗装路に出た。

坂本には休憩施設

自販機もある

バスもある

再び山中に進む

荒れた舗装路に出る。

道路は途中でなくなってしまうが、

指導標に従って進む

舗装された林道に出る

 標高400mほどになる稜線部の快適な道をしばらく進み、12:56に分岐を右に折れて山道に下る。スギの木々を透かして右に富士山が見える。

稜線部の林道を進む

指導標に従って右手に下る

 木段を下って、13:15に中部横断自動車道の富沢ICの下を潜り抜ける。真條、坂下と集落を通過。

富沢ICが見えてきた

高速道路下を抜ける

集落を通過

 13:35に富栄橋で富士川を渡る。全長300mの橋。川幅がとても広い。橋をかけるのは大変だったろう。水害で何度も流失しているようだ。

富栄橋は車道と歩道が別

富士川広い

 橋を渡った突き当たりは県道10号線。ここは右折して1kmほど下流に進む。14:00に県道10号線沿いの井出駅に到着して行動終了。初の身延線乗車が楽しみだ。

身延線西富士宮手前の車窓から

身延線終点の富士駅東海道線に乗り換え

静岡からは新幹線で博多に向かう

静岡駅で鯛めしを購入

これは美味い

おやつにカステラパン

復路交通:井出14:36JR身延線-富士15:30/15:36東海道線-静岡16:12/17:07ひかり519号-新神戸19:11/19:15のぞみ49号-博多21:30

2024年1月8日 東海自然歩道44日目(通算266日) 山梨県南巨摩郡南部町奥山温泉〜南部町井出駅 晴れ 5/-3℃ 行動距離20.8km 行動時間6:00 獲得高度984m 32236歩 行動中飲水量200ml

東海自然歩道43日目(通算265日) 静岡市清水区河内~山梨県南部町奥山温泉 あわてんぼうのミツマタ君が1名

 本日は宿泊している民泊施設で5:00に起床。いろいろ気配りしてくれる居心地の良い宿だった。7時過ぎに部屋に朝食を持ってきてくれた。これは歩き旅へのサービスのよう。心がこもっていて、美味しい。今日の日の出時刻は6:55で外はすでに明るい。朝食を済ませて、ご主人と挨拶を交わし、7:44に行動を開始した。

朝食はサービスで作ってくれたよう

 河内(こうち)の街並みを抜け、県道196号線を北に進む。県道と並行して石沢川が流れる。対岸にも川沿いの道がある。交通量の少ない県道とはいえ、自動車の通らない向こう側の道の方がさらに快適そうだ。

河内の町並みに進む

県道を歩かなくても川向こうにも道があるのに気が付いた

 川に吊り橋がかかっているのが見えた。渡ってみよう。橋の踏面の鉄板の表面に霜が降りているため滑る。でもきれいに舗装された県道を歩くよりは楽しい。

スリリングな吊橋を渡る

 自動車の通らない川沿いの道をしばらく歩く。次の吊り橋が見えてきた。残念ながらこの吊橋の上流部に道は続いていなかった。やむなく次の吊り橋を渡って県道に戻る。橋に降りた霜が凍っていてかなり危なかった。

次の吊橋で県道に復帰

吊り橋が凍っていた

 8:28に大平バス停に到着。ほとんどがオンデマンドバスだが、ここが終点となる。この先は人家がなくなり、9:07に大平説明版。この先の道には自動車がほとんど通行しないようで、この先の道は荒れ始める。

便数が多そうに見えるが、ほとんどが電話予約の必要なオンデマンドバス

 勾配は強くなり、カーブを曲がった先に軍艦岩。弘法大師に由来したいわれがあるようだが、これという特徴のない大岩。

軍艦岩

勾配は急になっていく

 この先も舗装路を進み、9:43に県道196号線から右の徳間峠に向かう山道への分岐を通過。

このあたりは土砂崩れに襲われたよう

真新しいコンクリート舗装が施されている

徳間峠への分岐。とはいっても道は見えなかったが。

 さらに左右に曲がりながら高度を上げ、9:56にバンガロー群を通過。営業はしていないようだった。

さらに高度を上げる

ところどころに土砂崩れの痕跡

バンガロー軍を通過。大平キャンプ場なのか?営業をしているようには見えなかったが。

 10:13に大平保安林管理道の入り口に到着。ここから先は県道ではないようだ。快適な林道。10:20に標高688mの位置で右手に山道への分岐。山道に進む。

ゲートをくぐって大平保安林管理道に進む

右手の看板から山道に進む

ここからはこんな道

ていねいな案内表示がある

 途中で少し崩落した箇所があったが、問題なく通過。10:53に大平保安林管理道に復帰した。標高は832m。150mほど標高を稼いだようだ。

整備は頑張ってある

途中で踏み跡の消えるところがあるぐらい

ふたたび大平保安林管理道に戻る

 この先、砂防ダムの横にベンチが設えてある。ザックを下ろして小休止。アップルティーとビスケット。

砂防ダム

ベンチがしつらえてある

カフェオレで小休止

 11:16に行動を再開し、すぐに林道から右手に分岐する山道に進む。途中で踏み跡が不明になるが、なんとか11:55に田代峠(1032m)に到着して、とうとう山梨県に入った。

大平保安林管理道を離れて山道に

ところどころでコースが不明になる

山梨との県境の田代峠に到着

峠のお地蔵さんの首が落ちているのは廃仏毀釈の名残か?

 峠の先のところにベンチが設えてあるが、さして眺望があるわけではない。このあたりはヒルが多いと言われているので、まだ時期ではないと思うものの、長くは立ち止まらずに先に進む。

ベンチがしつらえてある

眺望もないのでさっさと下ろう。このあたりはヒルが多いようなので立ち止まれない。

 田代峠からは間伐材の横たわるスギ林の中を下っていく。踏み跡はあまりないが、コースを示すピンクテープが丁寧に巻いてある。次いで大きな石の転がる谷を、鳥のさえずりを楽しみながら下っていく。

コースがわかりにくいが、ピンクテープが目印となる

橋は古いが丸太組みなのでまだ大丈夫

整備の人は入っているよう

ピンクテープが目印

いつ転がり始めるか

 前方に大きな砂防ダムが現れた。ずいぶん上の方に迂回路が設置してあるので進んでみたが、上からよく見てみると別段迂回しなくても良いようにも見えた。

迂回路が設置してある

ずいぶん高いところを巻いた

 12:40に迂回を終えたあたりから林道が始まる。幅4m以上の、重機が十分に走行できる林道だ。砂防ダムの工事に使うのかもしれない。

迂回路を下りたところから林道が始まる

高規格の林道

川沿いに進む

 この先で左からの林道に合流して、右折して下っていく。川の流れが美しい。ヤマメかイワナだろうか。20cmほどの渓流魚が数匹泳いでいるのが見えるが、近づいたら岩の下に隠れてしまった。水は冷たく、澄んでいる。

林道と合流して右折。左から来るりっぱな林道は地図にはない。

滑り止めだろうか、大きな丸石を埋め込んだ舗装部分も

川の水は清らか。渓流魚も見えた。

 林道の周囲にミツマタが増えてきた。いずれも白い蕾をつけている。舗装はコンクリートに変わった。周囲では森林の伐採を行なっているよう。林道のところどころに収穫した木材の集積場が設置してある。

休憩所もある

道路脇にはミツマタがつぼみを付けている

ひとりだけ開花したあわてんぼう

 快適な林道を下り、16時ぐらいかと予想していた予定よりもずいぶん早く、13:41に宿泊地の奥山温泉に到着。とりあえず昼食をいただく。キノコと山菜がたくさん盛りつけられたミソ味のピザがすこぶる美味。

奥山温泉に到着

自家製のピザはおすすめ

夕食にも満足

東海自然歩道43日目(通算265日) 静岡県静岡市清水区河内〜山梨県南巨摩郡南部町奥山温泉 晴れ 11/1℃ 行動距離14.5km 行動時間5:56 獲得高度1023m 23913歩 行動中飲水量200ml

東海自然歩道42日目(通算264日) 静岡市葵区曙橋~清水区河内 富士山がドーーーン

 本日は前泊した静岡市内のホテルで5:30に起床。6:30から朝食を食べて6:50にホテルを出発。日の出は6:45。東の空に赤みが増してきた。

今回は博多から新幹線で移動

静岡までだと飛行機利用とほとんど時間は変わらない

前泊の夕食は静岡にしかない炭焼きハンバーグのさわやかで

肉より肉肉しいげんこつハンバーグ、美味し!

早朝7時前に静岡駅に到着

駅前には竹千代と今川義元

 7:03に静岡駅の9番バス乗り場から、しずてつジャストラインバスの安部線に乗車した。バスは順調に走行を続け、定刻の7:37に牛妻坂下バス停に到着して県道27号線を歩き始めた。

静岡駅前9番乗り場からしずてつジャストラインバス安部川線に乗車

30分ほどで牛妻坂下バス停に到着

 バス停からすぐ先の曙橋で東海自然歩道の前回の離脱地点に合流。今回は公共交通機関との連絡は最高。橋の100mほど先から県道を離れて右の坂を登り始める。いきなり熊出没の看板の洗礼を受ける。

すぐに安部川に架かる曙橋に到着

橋のたもとで東海自然歩道に復帰

安部川を見ながら県道27号線を北に進む

100mほどで山手に右折

すぐに熊看板

朝の空気は気持ちが良い

 茶畑の中の舗装路を上っていく。気温は4℃とシャキッとする。山の上まで美しい茶畑が続いている。正面には前回登った大山の電波塔が見える。

農業用のモノレールはモノラックというそうだ

茶畑の大きな扇風機は防霜ファン

 8:19に標高334mの登山口に到着。ここから先は急な山道になる。ザックからストックを取り出して115cmにセットする。

標高334m地点で舗装路から登山道に進む

ストックを取り出す

 登山道はスギ林の中の急傾斜。今日は珍しくストックを持ってきてよかった。フリースの下に汗がにじんできた。

ほとんど直登で、傾斜は急だ

 8:50にベンチの設置された肩の部分で小休止。サーモスのお湯が美味しく感じる。

 9:02に舗装路を横切って進むところで道を間違えて並行する林道に進んでしまった。しばらく進んだところで間違いに気がつき、直登コースの登山路に戻った。

舗装路を横切ったあたりで登山道を見失っていたようだ

こちらの林道に進んでしまったが間違い

林道と登山道が近接したところで復帰した

急な傾斜が続く

 標高差100mほどスギ林の中を進んで9:42に若山(844m)に到着した。ここには眺望はなく、フリースを脱いで先に進んだ。

若山頂上は眺望なし

 9:51に若山北分岐を通過してからは、なだらかな稜線の道に変わる。10:30に則沢分岐を通過して、10:43に双耳峰の竜爪山(りゅうそうざん)のピークの一つの文珠岳(1041m)に到着した。

若山北分岐を通過

傾斜がなだらかになる

最後に木段を上がる

文殊岳頂上

 文珠岳の頂上は伐採してあり、テーブルがいくつも据えつけてある。人が多い。東方向の木々はきれいに伐採してある。理由は明白。富士山の眺望が最高だから。

文殊岳頂上から富士山がドーーーーーーン!シビれました!

南斜面からは駿河湾伊豆半島

文殊岳頂上には祠も

 人が多すぎてのんびりできないので先に進む。ときおり木々の間から見える富士山を眺めながら文殊岳のピークから下り、双耳峰の次の目標に進む。

文殊岳からは快適な林間道

ときおり見える富士山にうっとり

 11:03に竜爪山のもう一つのピーク、薬師岳(1051m)に到着した。頂上はスギに覆われ眺望なし。先に進む。

薬師岳には眺望なし

 11:10に俵峰分岐に到着。ここで男女3人組としばし山談義。3人は俵峰から上ってきたそう。

俵峰分岐で小休止

 3人と別れ穂積神社に向かう鉄板階段を下っていく。急傾斜の斜面を下るために設置された階段のよう。手間をかけてくれている。でも滑りやすく、尻餅をついてしまった。

俵峰分岐から穂積神社への道は急な階段

鉄板の部分もある

油断すると滑る

大きなスギが現れると神社が近い

 11:38に穂積神社に到着。山中にも関わらず、なかなか立派な社殿。お参りを済ませてから、おにぎりと味噌汁の昼食とした。ここには事前情報どおり自販機が設置してあったが、残念ながら故障中。夏でなくてよかった。持参した水は目標の温泉まではどうにか持ちそうだ。

穂積神社

自販機はあったが

故障中なり。気温が低くて良かった。

昼食にした

 お腹を満たして12:00に行動再開。しばらく傾斜の急な斜面を下りて、舗装路に合流。舗装路を250mほど進んでから山道に進む。

穂積神社からは急な斜面を下る

ほどなく舗装路に合流

歩道を250m歩いて山道に左折

よく整備してあった

 森の中の道を下っていく。途中で1か所崩落箇所があったが、他は問題なく進む。13:00に黒川の流れまで下りてきた。踏み跡はほとんどついていない。

1か所だけ谷のところでコースが崩落。なんとか進めます。

黒川の流れに沿って下りていく

踏み跡は見えないが、ところどころに残るコースの痕跡で確認

 川に沿って下り、13:05に林道炭焼平山線の炭焼7号橋に出た。ここでしばし小休止。

舗装された林道に合流する

ときおり自動車の交通もあるようだ

 林道炭焼平山線は黒川に沿った静かな舗装林道。ところどころ道路が崩落しているため、自動車はほとんど通行していないよう。轍は工事車両のものだろうか。

 黒川を眺めながら心地よく進んで、炭焼6号橋、炭焼5号橋、駒引橋、荒神橋、炭焼橋と進む。炭焼4号以下がない。なぜだ?

炭焼7号橋に続いて炭焼6号橋

炭焼5号橋

黒川

炭焼4号橋だろ?

駒引橋だと?

炭焼3号橋だろ?

荒神橋だと

 14:00に黒川キャンプ場に到着。10組ほどがテントを張っていた。管理棟を覗いてみる。町営のキャンプ場で、なんと無料だという。トイレも水場もきちんとしているのに驚きだ。

黒川キャンプ場

立派なキャンプ場管理棟

 この先の西里出会橋を渡ると西里集落。おばちゃんの店でみかんを一袋購入。笑顔の素敵な優しいおばちゃんだった。

西里

現地のミカンが安くて美味しかった

 14:23にやませみの湯に到着。明るいうちに到着できてよかった。青空を見ながら、のんびりと広い露天風呂に浸かる。

やませみの湯

 15:55に温泉を出て県道196号線に進む。16:15に予約しておいた河内の民泊月渓荘に到着して行動終了。晩ご飯は近くの食堂でガッツリと。

温泉を出て4kmほど進む

ちょっと道路の傷んだところもあるが

本日の宿泊地に到着

晩ご飯は近くの食堂で

ガッツリと生姜焼き定食

餃子も追加

2024年1月6日 東海自然歩道42日目(通算264日) 静岡県静岡市葵区曙橋〜静岡市清水区河内 晴れ 15/3℃ 行動距離15.1km 行動時間8:36 獲得高度1249m 30532歩 行動中飲水量400ml