とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

東海自然歩道37日目(通算254日) 大日山金剛院〜川根町家山 災害に負けずSLは走る

 本日は大日山金剛院の境内に設置させてもらったテントの中で4:00に起床。今朝も晴れている。台風6号台風7号が接近しているのに、4日間ともにほとんど雨に遭っていないのは奇跡に近い。朝食にはおにぎりとカフェオレを用意して、撤収を開始。

 5:50に行動を始める。金剛院の本堂にお参りし、水のPETボトル2本を頂く。

金剛院本堂

 稜線の林道を進む。昨年の水害で道路にはダメージがあるが、歩行にはさほどの支障はない。

金剛院から南に進む

 7:10に市井平の集落に到着。道路が寸断されているため、現在ここには住む人がいないとのこと。路面は荒れ、ところどころに陥没が見える。

 市井平川に沿って山道を下っていくが、ところどころに倒れた電柱が横たわる。

 市井平川と家山川が合流する地点に掛けられた市井平橋は流されていた。幸い水量は少なく、靴を脱いで膝下の徒渉。ついでに河原にザックを置いて水浴びをして身体を冷やす。気持ちいい。

市井平から県道63号線に渡る市井平橋は流失

靴を脱いで膝下徒渉

ついでに川で水浴び

 八垂の滝からは県道63号線を東に家山に向かう。9:25に県道から右折して家山川沿いの道を進む。前山橋から左折して9:52に野守の池に到着。

八垂の滝

家山川に沿って県道63号線を東に進む

岩鼻沢出会いの樫

 ヘラブナ釣りの方達が竿を並べる静かな池だった。グルッと池を一周して10:40に家山駅に到着。大井川鐵道に乗って帰途についた。

野守の池

家山の街

大井川鐵道家山駅

大井川、広い

2023年8月13日 東海自然歩道37日目(通算254日) 静岡県周智郡森町三倉 大日山金剛院〜静岡県島田市川根町家山 晴れ 32/23℃ 行動距離12.6km 行動時間4:46 獲得高度235m 行動中飲水量500ml 27217歩

復路交通:家山12:01大井川鐵道大井川本線-金谷12:36/12:52東海道本線-浜松13:32/13:39-豊橋14:14/14:20-金山15:08/15:24名鉄ミュースカイ中部国際空港15:48/20:10ANA449-福岡空港21:40

東海自然歩道36日目(通算253日) 浜松市天竜区明野キャンプ場〜大日山金剛院 管理人さんのおにぎり

 本日は明野(あすの)キャンプ場で4:00に起床。コインシャワーでサッパリしてから、お湯を沸かして朝食の準備をする。

キャンプ場は気田川に沿っている

 弟がテントから出てきたタイミングで朝食のカフェオレとクラッカー。椅子に座ってクラッカーを齧っていると、キャンプ場の管理人さんがおにぎりを持ってきてくれた。ありがたい。

キャンプ場の管理人さんからおにぎりを頂いた

 撤収を終えて6:17に行動開始。のんびりしたいいキャンプ場だった。

 気田川沿いに少し下り、昨日東海自然歩道を離脱した犬居橋のたもとに6:42に戻る。犬居橋を渡って、市街地を抜けたのち、7:00に新若身橋を渡って右折して県道58号線を東に進む。

犬居橋を渡る

気田川

趣のある町並み

新若身橋

対岸にはお世話になった明野キャンプ場

県道58号線を東に進む

山車の倉庫のよう

不動川に沿って

 7:17に二車線の県道から左折して舗装された山道に進む。勾配はそこそこある。7:32に高森集落、8:01に中谷集落まできたところで道路脇に自販機を見つけて小休止。

県道から新宮池に向かって山手の道に進む

中谷集落に本日最後の自販機

 8:17に中村集落から左折して、さらに急な道を登る。山道に入ってから400mほど標高を上げて、8:45に新宮池に到着した。

南向きの斜面は茶畑

 静かな広い池で、ブラックバスの釣り客が2名。池のほとりに立っているだけで鯉が集まってくる。ベンチに腰掛けて、キャンプ場の管理人さんからいただいたおにぎりを食べる。

 しばらく新宮池でのんびりと過ごし、9:35に行動再開。ここからは東に向かってやや荒れ気味の山道となる。指導標は短い間隔で立てられているので迷うことはない。

新宮池からは未舗装の山道

 10:03に砂川集落から鋪装路に出て、10:59に大時休憩所で小休止。ここは立派な休憩施設で、水道までついている。自販機や補給がないエリアなので、とても助かる。

砂川集落からは舗装路となる

大時休憩所。水道利用可能。

 10:16に行動を再開し、11:23に県道389号線を横切り、春埜山登山口に進む。しばらくは舗装路を進むが、東海自然歩道は11:40に山道に分かれる。昨日の秋葉山の上りで疲れ気味の弟は舗装路に進む。合流地点では弟が10分先着。

春埜山登山道に入る

東海自然歩道は非舗装の山道

ガッツリ登る

舗装路に交差

 次の山道と舗装路の分岐でも同じように舗装路を進む弟とどちらが先着するか試してみた。

再び山道に

標高差100m近い直登

 ここでなぜかYAMAPが強制終了。再度YAMAPの地図を読み出して、行動を再開。

 行動再開後は70mの直登。今度は山道の方が5分早かった。

再び舗装路に

春埜山山頂が見えてきた

 合流地点からは弟とのんびり歩き、13:17に春埜山(883m)に到着。ピークから10分ほど歩いて大光寺にお参り。お寺の春埜杉の迫力にはびっくりした。樹齢1300年。

山頂近くにはNTT電波塔

樹齢1300年の春埜杉には圧倒される

 大光寺の先で舗装路から山道に進み、稜線を歩いて、14:09に春埜山奥之院、14:24に鳥居沢山北峰(940m)、14:32に鳥居沢山南峰(931m)と順調に進む。ただしいずれのピークも眺望がない。

山道を進む

稜線に出る

 鳥居沢山から下り始めたあたりから、空が暗くなり、時折雨粒が落ちてきた。幸い杉林の中を歩いているので、ほとんど濡れることはない。間伐された杉林の長い斜面をのんびりと下っていく。

丁寧に間伐されたスギ林を下っていく

 15:45に平松峠に到着した。この先は林道作業中のため県道63号線に迂回するように指示があるが、どうみても作業はしていない。指導標通りに進んで16:35に大日山金剛院の山門に到着した。

平松峠

 金剛院はとてもよく手入れされた立派な寺院。本堂の手前に芝生の広場と真新しいトイレがある。本堂にお参りしたついでに、お寺の方にテントを設営しても良いか尋ねると快諾された。今日は心地よい寝場所が見つかってよかった。

金剛院の立派な三門

広い境内が綺麗に手入れされている

金剛院

2023年8月12日 東海自然歩道36日目(通算253日) 静岡県浜松市天竜区春野町明野キャンプ場〜周智郡森町三倉 大日山金剛院 晴れ 32/23℃ 行動距離23.3km 行動時間10:36 獲得高度1553m 40714歩 行動中飲水量1500ml

東海自然歩道35日目(通算252日) 静岡県浜松市天竜区柴〜春野町明野キャンプ場 秋葉山の上りはちょっときつかったかな

 本日は浜松市天竜区の山中で4:30に起床。標高は600m近いため明け方は涼しい。蚊がいないのもありがたい。カフェオレとクラッカーの朝食を済ませて、撤収作業を開始。Viviを詰め込むオレンジ色の袋がない。

朝食にはカフェオレとクラッカー

 日の出の時間は5時ぐらいなのだが、山深いこの地では6時近くにならないと太陽が顔を出さない。太陽が昇るのを見てから6:00に行動開始。雲ひとつない快晴。

ようやく日が昇り始めた

 6:22に倉野集落、7:10に石打集落と進む。ここには眺めの良い休憩所があったので、ザックを下ろしてコーヒータイム。

巨大なワナ。禁猟期間中の現在は閉じられている。

こんな幼虫が糸を引いてスギの枝からぶら下がる

こんなに景色のいい休憩所

 7:35に行動を再開し、県道361号線に入るとその先は災害復旧の工事中。歩いて通過するのには問題はない。重機が止まっている間に通過させてもらった。

道路は少し傷んでいる

石打集落では五右衛門風呂を発見

整備されたトイレもある

白倉川の流れが美しい

中日向のバス停は橋のゲート兼用

 9:05に落合橋で白倉川を渡り、9:50に秋葉ダムに到着。休憩所でラーメンの早目の昼食とした。

白倉川に架かる国道152号線の橋

秋葉ダム

秋葉ダム直下の竜山橋

天竜川の水を湛える秋葉ダム貯水池

水力発電のメッカ

 10:35に行動再開し、秋葉山登山口に取り付く。途中のお寺で11:30にたっぷりと水の補給をし、山道を進む。途中で橋が崩落していたため、上に巻いて進む。

秋葉山に取り付く

各所に崩落の痕跡が見られる

橋が流されてしまったところも

 ここからは上りが長い。登山道は旧秋葉街道で、常夜灯の跡が立っているのだが、林業用の作業道のために寸断されたところがあり、ときどき方向を見失う。また、あまりの暑さのために、コースタイムを2時間ほどオーバーしている。

秋葉街道を進む

常夜灯が1町ごとに立てられている

舗装路と交差する部分も

 汗をダラダラと滴らせながら上ったが、秋葉神社の駐車場到着が14:52、秋葉神社上宮に到着したのが15:30と予定よりも3時間暮れてしまった。

秋葉神社上宮に至る最後の階段

立派な鳥居

なんと豪華な三門

 山頂近くの秋葉大社は非常に眺望の良いところ。遠く太平洋まで見渡すことができる。秋葉山の山頂は神域となっており、立入不可のよう。

秋葉大社の本殿には金の鳥居

振り向けば太平洋まで見渡せる

秋葉大社

 だんだん日が落ちてきた。秋葉大社からの下りは速めに歩く。16:20に三尺坊、17:23に坂下、17:50に秋葉神社下社に到着して、お参りを済ませた。

三尺坊

三尺坊にも立派な三門

上宮から下宮を繋ぐ参道

門前町に到着

キツネノカミソリヒガンバナ科

秋葉山下宮

 ここから再び山中に入り、犬居城に着いたのは18:30。日没時間前だがすっかり暗い。

下宮の先から再び山中に

犬居城跡に着いたときにはすでに日が暮れていた

 18:50に犬居橋まで下り、明野キャンプ場に到着した時は19:20と真っ暗だった。

 親切な管理人さんに案内されて、テントを設営してからシャワータイム。夕食にはアルファ米とみそ汁。川の音が遠くから聞こえる。

2023年8月11日 東海自然歩道35日目(通算252日) 静岡県浜松市天竜区柴〜天竜区春野町明野キャンプ場 晴れ 31/21℃ 行動距離26.3km 行動時間13:21 獲得高度1451m 行動中飲水量 1200ml 45972歩

東海自然歩道34日目(通算251日) 愛知県新城市三河大野〜静岡県浜松市天竜区柴 弟と二人旅

 本日は3か月ぶりの東海自然歩道。今回は初となる弟と2人での行動。5:00に起床して宿泊先を6:18に出る。コンビニでの食料調達を済ませて6:50に前回の離脱地点の東三信用組合跡から行動開始。

秋葉街道の宿場町の風情の残る大野の町並み

大野の中心地に残る東三信用組合跡からスタート

 東陽小学校の脇を抜けて、山道に入り、7:06に山伏峠を越える。

東陽小学校の校門

二宮金次郎

 7:16に睦平(むつだいら)でいったん県道に出たのち、再び東の山道に進む。まずは不つ田の七滝。次いで中央構造線の露頭部分を見学。巨大な岩が押し潰された様は圧巻。

不つ田の七滝

このあたりが中央構造線の露頭かな

 その先は幅4mの高規格の林道となり、しばらく進んだのちに、8:01に山道に分かれ、8:23に鉛山峠を通過。

快適な高規格林道

 猿滝、母子滝と整備された道を進んだのちに、9:00に阿寺の七滝に到着して小休止。阿寺の七滝は日本の滝百選に選ばれているが、何度見てもその姿が美しい。しばらくうっとりと眺め入る。

猿滝

ツチアケビ(ラン科)

イワタバコ(イワタバコ科)

阿寺の七滝

 滝のすぐ下流にある小さな橋を渡って、山道を登り始める。ほどなく林道に合流して、10:00に巣山集落に到着。住民の方と挨拶を交わし、ここにかつて小学校の分校があったことを教えてもらう。巣山にはバス停あり。

害獣防御柵が出てくると集落は近い

 ここからは2車線の県道442号線を東に進む。交通量はあまりない。10:16に秋葉ゴルフクラブを通過し、10:34に県道がT字路となる夏明橋に到着して小休止。ここの標高は330m。きれいなトイレとバス停がある。

 10:55に六本松集落、10:59に向久保集落。ここには小さな商店があり、バスはここで転回して本長篠に戻る。県境最後の集落だ。

 向久保から急な坂を上り、やや荒れた道路を進むと11:38に愛知県と静岡県の県境に到着。ここから指導標の形が変わり、新しくなる。静岡県の指導標は短い間隔で立っているのだが、距離の表記がほとんどないのが残念。

県境に到着

 静岡県内に入ってしばらく鋪装路を進んだが、すぐ山道に分け入る。12:45から鋪装された林道に変わり、13:00に黒滝に到着。あまりの暑さに、川に飛び込んで汗を流した。

黒滝

この川で水浴び。いやー、気持ちよかった。

 30分ほど川に浸かってスッキリしたのち、再び舗装路を歩いて、14:00に熊(くんま)集落に到着。

熊集落に向かう

モリアオガエルの卵

阿多古川

 熊の道の駅での昼食を楽しみにしていたのだが、なんと休業日。集落にあるリトルベアというカフェでの昼食とした。ここは子供のいなくなった幼稚園を改造して営業しているカフェで、気さくなお姉さんが営業している。スープとマトンのトマト煮込みのランチとした。

熊水車の里道の駅は定休日

カフェ・リトルベアはなかなか快適

スープのランチ

マトンのトマト煮込みランチ

 15:20に行動を再開して、舗装路を東に進む。16:53にヒラシロ遺跡を見学して行動終了。

熊の小さな町並みを抜ける

ヒラシロ遺跡

2023年8月10日 東海自然歩道34日目(通算251日) 愛知県新城市大野〜静岡県浜松市天竜区柴 晴れ 31/24℃ 行動距離23.5km 行動時間10:08 獲得高度1227m 40000歩 行動中飲水量1200ml

2023年5月6日 東海自然歩道33日目(通算248日) 愛知県新城市四谷〜新城市大野 オランダから自転車でやってきたという旅人に驚愕

 本日は外が明るくなり始めた4:20に起床。カフェオレとクラッカーの朝食の後に撤収作業を開始し、5:42に行動開始。テントの外側にはダニが這っている。ああ恐ろしい。

 昼から天気が下り坂という天気予報を見て、いつもより早目に行動開始を考えていたが、朝はダラダラしてしまう。

 県道を歩いて、四谷トンネルを通過した後、5:51に仏坂トンネル手前の登山口から取り付く。かなりの急坂。汗をかきかき、6:07に仏坂峠に到着。

仏坂トンネル入口から階段で上る

さらに上る

さらに上る

ようやく仏坂峠。でも、四谷の仏坂って、なんか不気味なネーミング。薄暗いし。

 峠からは針路を南に変えて、丁寧に間伐された見事なスギの中を登って行く。どのスギも60〜70年生は越えていようかという美品。その先は稜線を歩く。快適な稜線歩きなのだが、昨日から50m上ってまた下るといったアップダウンが連続し、かなり身体にこたえてきた。今日は眺望も霧雨で隠されて楽しめない。

仏坂峠からは南に進路を変える

丁寧に間伐されたスギ林を進む

稜線の道になる

四谷集落は雨に煙っている

 7:23に838mピーク、7:55に788mピークと、雲の中でインターバル練習をしているよう。コースそのものは、快適な稜線なので残念。8:23に宇連山頂上への分岐に到着。

道はいい

道はいいが、

アップダウンの連続が堪えてくる

宇連山への分岐点にはベンチ

 雨が本降りになってきた。山頂まで寄り道しようか迷ったが、10分ほど上って宇連山(929m)の頂上に立ち寄った。本来は三河湾まで望めるらしいが、雲で眺望はなかった。

宇連山山頂までは10分ほど

頂上近くの休憩所は見事な廃れっぷり

 分岐に戻り、ザックの中身を拡げて雨対策用にパッキングし直していると、男女が東から歩いてきた。2人のザックはともに15kgは越えている。尋ねてみると、思ったとおり東海自然歩道を高尾山から歩いているという。

ザックの中に防水袋を入れて、濡れたら困るものから再度パッキング

 2人はオランダからの旅行者で、東京に住んでいる叔父のところにお世話になっているときに、東海自然歩道の話を聞いて、それは面白そうと歩き始めて2週間だという。

 日本語を読むことも話すこともできないという。どうやって東海自然歩道を歩いているかと尋ねると、Google Mapのみの情報で歩いているという。さっそくYAMAPを教えてあげた。日本語がわからないと操作が難しそう。自分のブログにこの先の情報があるからと、そちらも教えてあげておいた。

 日本に来る前は、オランダからイランまで自転車で旅行し、そこで自転車が壊れたのと政情のために陸路で続けて旅ができなかったため、日本まで飛行機で来たとのこと。すごい2人だった。

 もっと話を聞いてみたかったが、のんびりしていると雨が強くなってくる。連絡先を教えて、お互いの旅の安全を祈って9:07に行動再開。次の棚山高原に向かう。

このあたりは稜線続きで水場はない

 並行して立派な林道が整備してある。どちらでもOKというようなことが書いてある。まずはオリジナルの東海自然歩道を歩く。9:50にふたたび林道と合流した。今度は林道を選択してみた。どうも方向が違うが、いずれ東海自然歩道に合流するだろうと思い込んで歩いたら10:11にゲートにぶつかり、西向きの方向のまったく違う舗装路につながってしまった。どうやら道を間違えたよう。おそらく2つ目の合流地点の林道でもOKの表示は、西に向けて歩く人のみに向けたメッセージのようだ。この辺りの標識はそういうパターンがよくある。

東海自然歩道と並行して林道が走る

オリジナルの東海自然歩道を選択

わりといい感じの道

次の分岐では林道を選択

いい感じの林道やん、とルンルン気分で歩く

ゲートまで来たところで地図を確認。ここから先の道は全然見当違いの方向に進んでいた。

 雨の降る中、地図を見ながら善後策を検討。ゲート周囲を探すと、南方向に高さ30mほどの坂を越えて復帰する道がありそう。踏み跡のほとんどない道を若干後悔しつつ歩き始める。ほんの少しの藪漕ぎを経て、10:34に棚山高原で東海自然歩道に復帰できた。よかった。雨が強くなって、心細くきた。

ゲート手前に南方向の山越えルートの取り付きがあった

若干の藪を経て、なんとか道が出てきた

ササの草原に踏み跡も見えてきた

東海自然歩道の無事に復帰できた

 10:56に棚山高原の休憩所の四阿にたどり着いて小休止。ここはかつてのキャンプ場だが、いまは廃屋のみが残る。

棚山高原のキャンプ場は久しく閉鎖しているよう。ここには高校のときにキャンプに来たことがある。

かつてのバンガローか管理施設か。廃屋が並ぶ。

 雨が弱くなってきたのを見計らって稜線の道を進む。11:33に玖老勢峠を通過。最後に急坂を力を振り絞って進み、12:24に鳳来寺山の山系の592mの肩にたどり着いた。

上り調子の稜線を進む

山系の肩の部分からは犬戻りという急傾斜地で、階段が付けてある。

岩稜地帯の起点部分の大岩「黒岩」

 ここからは樹木の少ない岩綾帯。眺めが良い。しかも雨が小降りになってくれた。岩に掛けられた階段を何度か上り下りして、13:07に鳳来寺山山頂(684m)に到着した。

岩稜部分には階段や鎖が配置してあり、それほど危険ではない。

眺望も良好

よくここまで整備してくれた。ありがたい。

心なしか雨が弱くなってきた

鳳来寺山門前町が眼下に見えてきた

 ここから先は人の足跡が多い。奥の院を通過して、13:56に鳳来寺山本堂にお参り。本堂正面に大きな休憩所があるので、しばらく休憩して山コーヒー。

奥の院

勝岳不動

石造利修仙人像

鳳来寺山本堂

 14:21に行動を再開して、14:30に東照宮、15:03に行者越え、15:12に湯谷峠と順調に進む。危惧されていた天候も、鳳来寺山から先は持ち直してくれている。

行者越えの難所

鳳来寺山パークウェイを越える

 15:54に引地でJR飯田線の踏切を渡り、その先の桐谷の吊り橋を渡って大野の町に入る。宇連川の碧が美しい。

飯田線を越える

桐谷の吊橋

宇連川

不動滝

 大野は古くから秋葉街道の宿場町や木材の集積地として栄えたところ、家並みを眺めながらこの町で東海自然歩道を離脱。その先の町並みも一通り眺めて、JR飯田線三河大野駅で17:37に行動終了とした。

大野の中心部に残る旧東山信用組合

メインストリートには落ち着いた町並みが残る

稲荷神社の不二庵

玄関先の藁の筒は三河の手筒花火。この家の男子が火の粉を浴びながら手に抱えて奉納した花火の筒を玄関先に飾る習慣がある。

大野橋から見た宇連川

JR三河大野駅

本日はここにて行動終了

 連休の休みは明日の日曜までだが、天候の悪化が懸念されるため、今回の東海自然歩道トレッキングはここで一区切り。

2023年5月6日 東海自然歩道33日目(通算248日) 愛知県新城市四谷仏坂トンネル〜新城市三河大野駅 曇りときどき雨 22/15℃ 行動距離21.0km 行動時間11:48 獲得高度1474m 41654歩 行動中飲水量1200ml

2023年5月5日 東海自然歩道32日目(通算247日) 愛知県北設楽郡設楽町大名倉〜新城市四谷仏坂トンネル 棚田は日本の原風景だなー

 本日も4:00に起床して朝食にカフェオレとクラッカー。週末には大荒れとなりそうな天気予報を聞いて、今後の行程を再検討。本日は金曜日だが、土曜には雨が降り始め、日曜には大雨に加えて雷が予測される危険な天気。今回の行程の最後の部分は修験道として使われてきた歴史のある岩稜帯を進むので、雨で濡れた滑りやすい岩は避けたいし、雷が鳴り始めたら露出した岩稜は超危険。土曜日のうちにJR三河大野にたどり着いたほうが安全かと思い始める。

 今のところ空は青い。5:10に行動開始。標高450mの県道33号線を歩き始める。ダムの建設現場が下に見えてくる。あの森林軌道がダムの底に沈んでしまうのかと、感傷にふけりながら曲がりくねった舗装路をひたすら上る。一気に標高550mまで上がって、571m地点で国道257号線に合流して右折。今度は下りが続く。

寒狭川の下流域は通行止め

標高450m地点からスタート

上っていく

ダム建設と付帯する道路の工事が進んでいるのが見えてきた

上って上る

国道257号線との合流点が見えてきた

 国道の車は多く、速い。どの車も時速80km以上出していると思われるぐらい。そんな道を歩いていると、下の方から大きなザックを担いだ男性が歩いてきた。目で挨拶を交わすと、路側帯の広いこちら側に道路を横断して、挨拶をしてくれた。

右折して国道257号線を田口方面に下っていく

歩道のない国道をブイブイいわせながら自動車が通行していく

東から歩いて来た若者と路側帯でしばしの交流

 思ったとおり、東海自然歩道を高尾山から出発した若者だった。なかなか元気な男性で、自販機の水すら購入せず、基本は水場の水を汲んで使用しているとのこと。この先乏しくなる水場情報を丁寧に教えてくれた。

 週末の悪天候をどう乗り切るか尋ねると、寧比曽岳(ねいびそだけ)山頂の休憩所で本を読んで過ごすつもりという。タフな若者だ。

 6:38に自然歩道ウォーカーと別れてさらに国道を下る。6:50に国道から左の旧道に進んで、設楽大橋の下を潜って谷に向かって下って行く。谷間には橋を掛けるための仮設橋が見える。大きな工事のようだ。

国道のはるか頭上を越える高い橋脚を建設中

国道と別れて進む

国道の進む設楽大橋をくぐり抜ける

谷底から立ち上がる橋脚を建設中。写真に見えるのは橋脚建設の資材を運ぶための仮設橋だと説明板にあるので、相当に大規模な工事なのだろう。

道路の下には豊川水系境川の澄んだ水が流れる

 7:16に寒狭川にかかる松戸橋に到着。ここは寒狭川の右岸に設置されていたもともとの東海自然歩道との合流点。今朝は大名倉のスタート地点から県道、国道と迂回路を歩いたのは、寒狭川右岸のコースがダムによる工事のために通行不能となっているため。この通行不能区間こそが、森林軌道跡であることから惜しくてたまらない。おそらく大型車両の通行の確保のために、森林軌道の痕跡は完全になくなっているであろうが。

松戸橋

松戸橋から上流を眺めた左が、豊川水系の本流筋の寒狭川で、右が境川

松戸橋の説明板

寒狭川水系を遡って大名倉まで続く森林軌道跡は通行止め

松戸橋の下流域でも大規模な工事が行われている

松戸橋にはバス停あり

 松戸橋のすぐ横、境川にかかる境橋の山手から7:31に自然歩道に取り付く。この辺りの通行者は少ないようで、踏み跡はわずか。小高い丘を登ると舗装路に出て、町道39号線を進んで、田口の中心地に到着。ここの自販機で飲料水を購入して小休止。商店が開いていれば食料を少し追加しておきたかったが、時間が早すぎた。

境橋から山に取り付く

田口の中心地区に立つ庁舎

バス便あり

 8:07から福田寺への細い登り坂を進み始める。ここは武田信玄ゆかりの落ち着いた名刹。お寺の女性が歩きですかと声をかけてくれる。東海自然歩道歩行車と一目で分かった様子。

福田寺に続く細い道を上る

堂々とした構えの福田寺

境内に信玄塚がある

田口の町並み

 お寺の裏手の町道2号線を進み、設楽中学の前を通過して、山道に変わる。この先も大規模な工事中。しかし東海自然歩道には丁寧に対応してくれており、誘導サインや仮設橋などで通行には問題がなかった。

設楽中学校をかすめて山道に進む

大きな工事だ

立派な仮設橋が架けてある

東海自然歩道が大切に守られているなと感じる

 工事区間を通過して国道257号線を横切って、9:11に小松口のバス停を通過して山に向かって上っていく。

真新しい橋脚の下をくぐって山手に向かう

 町道6号線を進み、左折して大通寺を通り過ぎる。ここで小休止し、シューズと靴下にヒルの忌避剤を丹念に塗布する。そろそろヒルのシーズンだ。

大通寺前の木の下でヒルの忌避剤を丁寧に塗布

 ここからの舗装路は軽自動車は上れるだろうかというぐらい急な道。突き当たりの家は親切。家の前の水道を流したままにして、道行く人に給水させてあげている。

急な舗装路を上り詰める

突き当たりの家がボランティアの給水ポイント。ここから左に折れる。

 9:53から、水道の家を左折して山道に取り付く。苔むした石段が続く。ついでわずかに舗装路を歩いて、左手の林道に進む。

 10:25に池葉守護神社の鳥居前の山道に到着。今回は参拝をパスして、右に下る。30分ほど下って和市バス停を過ぎ、10:58に岩古谷山登山口に到着。

池葉守護神社

岩を伝って冷たい清水が流れる

しばらくスギ林の中を下る

和市の集落が見えてきた

岩古谷山登山口

 しばらく小休止ののち、カウンターを押して登り始める。カウンターは本日90人目の登山者。人気の山だ。

 よく手入れされた道。急坂で、十三曲がりの名のついたスイッチバックでどんどん高度を上げる。

 山頂かと思った地点はまだ峠。その先は稜線を歩いたのちに、鉤掛岩という岩に付けられた階段を上る。かなり急な角度で、眺めが良い。ようやく山頂に着いたのは12:00。岩古谷山(806m)は眺めの素晴らしい山だった。

十三曲がりを過ぎたら頂上かと期待していたら、まだ先があった。

最後の岩を登ったら頂上かと期待

残念、鉤掛岩という岩古谷城趾の一部だった。でも眺望は良い。

さらに登って

田口の町はずいぶん下に見える

 山頂のベンチで小休止ののち、12:15に行動再開。稜線の道を下り始める。13:02に送電鉄塔を通過。その先には明神山が正面に見える展望地。美しい稜線歩きなのだが、直登のアップダウンが多くて汗が噴き出てきた。

稜線の快適な道なのだが

明神山。ときおり良好な眺望もあるのだが。

上っては下りの連続に疲れてきた

 14:10に御殿岩のビュースポット、14:47にびわくぼ峠に到着。周囲の茂みからゴソゴソと物音がする。少し大きめの動物のよう。音楽を流したら静かになってくれた。

御殿岩からの眺望

さらに上って下って

 15:30に鞍掛山(883m)に到着。残念ながら眺望なし。これまで十分に眺望は楽しんだからよしとする。先を急いで高度を下げる。

さらに上り下りを繰り返し

鞍掛山頂上に到着

頂上付近の休憩所は廃屋化

 間伐材がたくさん放置されたスギの植林地を通過して、16:27にかしやげ峠を通過。この先の四谷千枚田は日本の原風景と言って良いほどの美しさ。しばらく水を張った水田を眺めて過ごした。

鞍掛山から一気に高度を下げる

間伐が進んだスギ林を通過

四谷集落が見えてきた

 17:06に県道32号線を歩き始め、四谷トンネル、仏坂トンネルまで来たところで本日の行動は終了。

四谷トンネルを通過

仏坂トンネル手前の駐車場で行動終了

2023年5月5日 東海自然歩道32日目(通算247日) 愛知県北設楽郡設楽町大名倉〜新城市四谷仏坂トンネル 曇り 21/8℃ 行動距離25.0km 行動時間12:27 獲得高度1908m 47787歩 行動中飲水量1400ml

2023年5月4日 東海自然歩道31日目(通算246日) 愛知県豊田市綾渡町〜北設楽郡設楽町大名倉 ブナの森に森林鉄道って、最高ですやん

 今日は4:00に起床。洗顔の後、朝食にカフェオレとクラッカー。日の出は4:58だが山の中が明るくなるのは遅い。ようやく機材が見えるようになったところで撤収を開始し、5:20に行動開始。

 5:32に平勝寺にお参り。しばらく舗装路を進んだが、5:54から登山道となる。暗いスギ林の中を進む。粘土状の土の道はえぐれている。

山道は抉れた粘土状の土

 6:03に御岳山(610m)頂上。これはもちろん有名なやつじゃないほう。眺望なし。

 6:12に舗装路を横断して、さらに山道を進むが、二輪車の通過痕跡がいたるところについている。上から降りてきたら危ないぞと思いながら進む。

二輪車のタイヤの跡がハッキリ残る

正面から走ってきたら危ないな

 その後は稜線の快適尾根道を進む。6:52に林道に再合流してからは、防火線の幅10mほどもある道となる。歩きやすい。

 7:31に金蔵連峠に到着。ここで小休止。峠で舗装路と交差する。

金蔵連峠

綺麗なトイレもある

 この後はスギ林の中を進み、林道菅の口線をしばらく歩いた後は山道となり、また防火線筈ケ岳北線に変わる。

 次いで、9:22から防火線さわらぎ線、作業道萩ケ根線と進み、直登路の先の岩綾を越えた後は両側広葉樹の生えたゆるい登りとなる。

最後の上りを登ると広葉樹に変わる

両側から拍手で迎えてくれるかのよう

 それほど汗をかくこともなく、10:21に寧比曽岳(1121m)に到着した。先客10名ほど。眺望は良好。東には富士山の山頂が小さく見える。休憩所で山コーヒーをして10:50に行動再開。

北側の眺望が開けている

山頂からは富士山も

山頂には立派な休憩所

ここで山コーヒー

 富士見峠を経由して、段戸裏谷に向かって歩き始めた。下りだろうと思っていたが、一向に標高が下がらない。1000m前後で上下するような道が続く。

富士見峠反射板

こんな道が続く

 ところが12:13に林道と交差して段戸国有林に入ってからは景色が一変した。ずーっとブナの原生林。これは素晴らしい。裏谷高原という原生林の保存された国有林のようだ。12:50に五六橋の登山口まで数キロにわたりこれが続いた。

ブナの森に突入

 この先は小高い山を抜けて10分ほどで段戸湖に到着。芝生のある美しい湖なのだが、全体が管理釣り場になっており湖面近くへの立ち寄りは有料なのが残念。

段戸湖

段戸湖近くにはきららの森というバンガロー村がある

 13:54に段戸湖を離れてしばらく県道33号線を進む。歩道はないが、交通量はほとんどない。

 14:14から右手の山道に曲がる。整備状況は良好。14:40に舗装路を横断して急坂を下った先はスギ林となり、豊川上流域に沿って進む。

ここから山道に右折

林道を横切って下っていく

 15:50に宇連集落で林道と交差した先は山道が広くなり、丁寧に積まれた石垣や切り通しが目立つようになる。たぶんこのあたりから森林軌道跡。いい雰囲気で、歩きやすい。

川の音が聞こえるぐらいまで高度を下げると、道幅が広くなる

こんな路盤が現れてきた

現在は木の橋だが、鉄橋のコンクリート礎石も残っている

 左手のスギ林の先には養魚場。カラスがたくさん集まっておこぼれを狙っているよう。

スギ林の向こうには養魚場が見える

寒狭大滝

 そのまま快適な森林軌道跡を進む。16:30に清流公園の吊り橋に立ち寄り、森林軌道のカーブをたどりながら17:19に大名倉集落。問題は今夜の寝処だ。

300mほど山道を下って清流公園吊橋に立ち寄る

さらに森林軌道跡は続く

大きなカーブを描いて高度を下げていく

その先はダムの工事

森林軌道跡は消えている

2023年5月4日 東海自然歩道31日目(通算246日) 愛知県豊田市綾渡町〜北設楽郡設楽町大名倉 晴れ 26/12℃ 行動距離30.4km 行動時間12:10 獲得高度1519m 50493歩 行動中飲水量1200ml