今回の九州自然歩道トレッキングは、鹿児島県鹿屋市吾平からの再開。現地までの交通はなかなか難易度が高く、博多から始発の新幹線で鹿児島中央駅に向かい、バス、フェリー、バス、バスと乗り継いで、10:58に吾平町バス停に到着した。本日のルート上には補給は期待できないため、姶良町バス停の近くのセブンイレブンで昼食と夕食の材料を購入して、11:15に行動を開始した。
まずは吾平町から、前回、九州自然歩道を離脱した地点の軍(いくさ)神社まで、県道68号線を南下する。通行量の多い県道で、自動車がかすめるようにして通過していく。このまま歩くと危険なので、68号線を離れて、畦道を通って姶良川沿いの自転車専用道路に出て、のんびりと歩くことにした。カモの浮かぶ姶良川を眺めながらゆっくりと歩いて、11:46に軍神社に到着した。
ここからは忠実に九州自然歩道のルートに従って、しばらく姶良川沿いの道を歩く。天気がよく、気温は10℃ほど。ダウンジャケットの下が汗ばんできた。下苫野の集落を過ぎたところで、12:00に姶良川沿いの道から右折して山の中に入っていく。この道も舗装路で、木陰の中を歩くため、さらに心地よい。
12:12に山の中から広い圃場とビニールハウスの並ぶ立元を通過して、県道68号線との交差点に到達した。ここを右折して、68号線を北に200mほど戻ったところで、大牟礼入り口のバス停から左折して、ふたたび山間の道を進み始めた。
1kmほど歩き、大牟礼集落の家々が見え始めた12:30に、集落の外れの切り株に腰を下ろして、セブンイレブンで購入した肉まんとチキン、おにぎりと豚汁の昼ご飯とした。汗が出てきたので、ダウンジャケットを脱いで、ザックに詰め込んだ。集落の方から20歳代ぐらいの作業着を着た男性4名が歩いてきた。礼儀正しく挨拶をして通り過ぎていった。気持ちがよい。
昼食の後は、12:46に行動を再開した。集落の中を何度か曲がるが、その都度、標識が道を示してくれる。集落のお墓はとてもきれいに掃除されている。大隅半島に来てから、お墓の手入れの良さにはいつも驚かされる。家の庭には、大根のスライスのようなものが干されている。これも大隅半島に独特。自家製の切り干し大根か?
13:18に萩崎の集落に入った。舗装路が左折するところを、九州自然歩道のルートは民家の軒先をかすめるように直進して、藪の中に突入していった。舗装路に迂回しようかと迷ったが、しばらく藪漕ぎを我慢して進んだところ、ほんの30mぐらいでふたたび舗装路に出てホッとした。
13:46に陣の岡への登り口の近い山下集落に着いた。登山道は左折して進むのだが、反対側を見ると、200mほど先に自動販売機が見える。今日のコースの後半は山道で、しかも稜線をつないで歩くため、途中には水場がない可能性がある。現在、水はサーモスの中の500mlのみ。行動中に水がなくなる可能性が高い。畑の中にぽつねんと立つ自動販売機まで歩いて行って、PETボトルの550mlの水を購入して、ザックに詰め込んだ。この判断は、あとで正解となった。
ここからはまっすぐに陣の岡に向かう。14:00に陣の岡登山口に到着して、イノシシよけの電気柵の横を通って山道に進む。踏み跡のしっかり着いた、整備状況のよい山道だ。歩き始めてすぐに、ハグする木という、幹に石を抱き込んだ木が生えていた。
登山口には、陣の岡の頂上までに6カ所の休憩所が設置してあると案内があった。標高160mの第1休憩所には14:14に到着し、そのまま休まずに先に進んだ。標高200mの第2休憩所も、14:22に問題なく通過し、第3休憩所を目指してさらに進むが、この先は踏み跡が途絶え、藪に突入していった。踏み跡を忠実にたどっていったつもりだったが、GPSをみてもかなり東に逸れている。しかし、数日前に誰かが進んだような足跡もあるので、強引に藪の中を進んだ。汗まみれになって藪こきをして進んだら、左から木道が登ってくるのが見え、すぐに第3休憩所が現れた。どこかでルートを外れ、またなんとか引き返すことができたようだが、道を誤ったのがどこだったのかわからないままだった。
その後は順調に進み、頂上近くのなだらかな部分を150mほど歩いて、15:20に芝生の大きな広場に出たと思ったら、そこが陣の岡の482mの頂上だった。頂上からの眺めはよく、桜島から開聞岳まで見渡すことができた。頂上にはいろいろなグループの登頂記念の看板が立てられていたが、山名板はなく、三角点も設置されていなかった。このピークはYAMAPの地図上のピークとは150mほどずれていた。どちらをピークとしてもよいほど、陣の岡はなだらかな頂上部分の続く岡だった。
陣の岡のピークから100mほど戻ったところから、横尾岳への山道を進み始める。最初は倒木が多く、道もぬかるんでおり、踏み跡も怪しい状態だったが、ところどころに赤いテープの目印がつけてあるため安心して進むことができた。アップダウンは少なく、心地よく歩くことができる。16:00ごろに舗装路が現れ、100mほど進むとフェンスに囲まれたレーダーが設置してあり、ここが426mの横尾岳のピークだった。
横尾岳は木に囲まれており、ピークには眺望はなかった。すぐに舗装路を引き返し、林道を先に進む。林道はコンクリート舗装に変わり、16:28にアスファルト舗装された林道との分岐に到着し、ここからは左折してしばらく進んだ。横尾岳を過ぎたところで、本日の目標と考えていた横尾岳公園まで1kmという標識を見ていたが、なかなか公園が現れないため、Google Mapを起動して横尾岳公園を検索してみたところ、すでに通りすぎているようだった。やむなくGoogle Mapを見ながら山道を引き返して藪の中を進んだが、30分ほど探しても見つからないため、ふたたび舗装された林道を浜田に向かって進むことにした。
だんだん日が傾いてきて、そろそろ野営地を探さないといけない時間になってきた。林道の開けたところからは鹿屋の町が見えてきた。林道脇に空き地があったので、この辺りにテントを設置しようかと思っていたところ、ようやく横尾岳公園の入り口の標識が見つかった。結局、Google Mapの標示はまったく誤りで、ここまで歩いてきた林道は九州自然歩道とほぼ並行した誤ったルートであろうことがわかった。
標識から300mほど坂を登ったところで公園が現れた。芝生で覆われており、風よけの生け垣もあり、なかなか具合がよい。ちょうど太陽が山の端にかかる時間だった。
17:31に行動を終え、テントの設営を開始した。横尾岳公園は420mほどの山のピークで、鹿屋市街や桜島を見渡すことができて気持ちがよい。今晩は氷点下近くまで気温が下がりそうだが、芝生の上で心地よく眠ることができそうだ。
2021年1月30日 九州自然歩道 79日目 鹿児島県鹿屋市吾平~横尾岳 晴れ 気温11/1℃ 行動時間6:22 距離19.6km 36083歩
往路交通:西新5:36福岡市営地下鉄-博多5:50/6:10九州新幹線つばめ307号-鹿児島中央7:58/8:10鹿児島交通バス-鴨池港8:38/8:50垂水フェリー-9:30/9:36鹿児島交通バス-鹿屋10:20/10:30鹿児島交通バス-吾平10:58