犬ヶ岳(1131m)の山頂近くで目を覚ました。撤収作業をしていると、東の空が明るくなってきた。雲海に浮かぶ太陽が美しい。
6:32に犬ヶ岳を出発した。まずは900m先の大竿峠に向かうが、景色が良すぎてスピードが出ない。7:09にようやく大竿峠に到着し、行動食の朝食とした。
7:20に行動再開。とても快適な道が続く。500m先の一ノ岳(1124m)には7:36に到着した。次の目標は3.4km先の野峠。地図を見ると、稜線を歩く道のりのようだ。
一ノ岳から先は、踏み跡が少なく、コースを示す赤いテープがなくなった。だからと言って、整備状況が悪いわけではない。ところどころに木道があり、難所には鎖が設置してある。下草が伸び放題になっているわけでもない。言うなれば、ベテラン感たっぷりの古道。
このあたりのコースにテープがないのは、数百年に渡って修行僧に踏み固められてきた硬い路盤がしっかりついており、擦り切れた木の根が目印になるからかと思われた。こんな道は雑念を捨てて無心で歩けば迷うことはない、とか考えながら歩いていたら案の定道を間違えた。俗世の汚れに満ちた心持ちで歩いても、修行僧のようにはいくまい。
依然、景色が良い快適な山道が続く。野峠まで2000mの標識の先に、わりとスリリングな岩場があった。修行僧はこんな岩場を鎖もなしに上り下りしていたのだろうなと感慨が湧く。
9:33に鷺ノ岩に到着。もう野峠が近いのか、オートバイの爆音が谷に響く。鶯ノ岩は眺望が良く、さほど危険でない鎖場も楽しめる。ここで小休止。
9:40に行動再開。アップダウンを繰り返し、10:04に野峠登山口に到着。ここから豊前坊までの4kmほどは国道500号を歩く。とはいっても、景色は良く、交通量は少ない快適な道。中間地点近くの鷹巣トンネルの前後には水場があり、冷たい山水で顔を洗うのも良い。
11:12に英彦山の北の登山口の豊前坊に到着。自販機で水をたっぷり補給して、11:40に登山開始。まずは絶景で知られる望雲台に向かう。
10分ほどで望雲台への分岐点に到着し、岩をよじ登って12:00に到着。正面には鷹の巣山の特徴的な姿。秋風が爽やか。汗が一気に引いていくのが分かる。
望雲台の分岐点に戻り、ブナの繁る急傾斜の谷をよじ登り、12:45に英彦山北岳(1192m)への分岐に到着。ここでザックを下ろし、行動食の昼食の後、13:03に北岳に到着。
北岳からは英彦山上宮がすぐそこに見える。九州自然歩道とは思えないほど美しい道を歩き、最後にわずかな岩場をよじ登って13:31に英彦山上宮に到着。天気の良い祝日のため頂上付近は登山客が多い。人の多さに居所を見つけられず、上宮にお参りしようと向かうが、倒壊の危険のため立ち入れず迂回する。
英彦山上宮からは急な坂を下り、13:47に南岳(1199m)に到着。しばらく小休止の後、時間がありそうなので、鬼杉経由で英彦山神宮に戻ろうと、さらに南の山道に進む。
ところが見通しが甘かった。南岳からはすぐに鎖場の連続。さらに谷を下る道は完全に崩落して、行き先が不明瞭。GPSを頼りに方向を定め、14:43に鬼杉への分岐にようやくたどり着いた。
鬼杉まであと200m。ただし、ここから先の道は完全に喪失しているように見える。帰りのバス停までのコースタイムは120分。最終バスは90分後の16:12。即決。鬼杉断念。走ることにした。
ところが14:47に大南神社に迷い込んだ。時間を消耗してしまった。神社に手を合わせたら、正しい道が見えた。神様ありがとう。
さらに走る。汗が噴き出る。英彦山で修行だ。15:40に英彦山神宮奉幣殿に到着。速攻でお参りし、さらに石段を駆け下りる。
15:47に大鳥居を通過し、15:55にバス停のある別所駐車場に到着した。余裕だった。神様のおかげだ。
2021年9月20日 九州自然歩道120日目 福岡県豊前市犬ヶ岳~田川郡添田町英彦山 晴れ 24/13℃ 行動距離15.4km 行動時間9:21 31399歩
復路 別所駐車場16:12町バス-彦山駅16:27/16:48JR代行バス-添田駅16:57/17:12日田英彦山線-田川後藤寺17:30/17:48後藤寺線-新飯塚18:09/18:15福北ゆたか線-博多18:54